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https://news.yahoo.co.jp/feature/1115


「よーい、スタート」の音を光へ
ろう者スポーツの課題に挑む

11/1(木) 7:14 配信



陸上のトラック競技でレースのスタートを告げる「音」――、それが聴覚障がいのある人には届かない。そのため、健聴者と一緒の大会への出場を渋ったり、スポーツそのものに苦手意識を持ったりする人が少なくないという。その現状を目の当たりにして、「だったら」と考えた人たちがいた。スタートの音を光に変える「スタートランプ」を日本で作ろう――。今なお課題が多い障がい者スポーツの環境整備。それを少しでも前進させるための地道な活動の様子を、陸上競技の現場で追い掛けた。(文・写真=吉田直人/Yahoo!ニュース 特集編集部)


「スタートランプ」を使ってみよう
ひときわ暑かったこの8月。
お盆明けの18日、東京都江東区豊洲の屋内ランニング施設で「デフキッズ陸上教室」という催しが開かれた。集まったのは小学校2〜6年生の5人。“聴こえ”の程度は異なるが、全員、聴覚に障がいがある。「デフ(Deaf)」は「ろう者」という意味だ。
会場には、にこやかに手話で話す岡部祐介さん(30)の姿があった。「両側感音性難聴」という聴覚障がい当事者で、「補聴器を外すと、飛行機の音がやっと聴こえるくらい」と言う。岡部さんはろう者界のトップアスリートでもある。


都内の企業で働きながら、岡部さんは2013年と17年、陸上短距離の日本代表として「デフリンピック」に出場した。デフリンピックとは、4年に1度、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催する“ろう者のオリンピック”だ。主に身体障がい者が出場するパラリンピックより歴史は長く、夏季大会の初開催は1924年にまでさかのぼる。
この日、岡部さんは講師を務めていた。まず、体の可動域を広げるストレッチやドリル・トレーニング。186センチという長身の岡部さんを見上げながら、子どもたちは体の動きを一つ一つ確かめるようにメニューをこなしていく。


岡部さんはその後、トラックに設置された四角い機器の近くに子どもたちを集めた。白い箱の内部にLEDの光源が見える。濃紺のポロシャツを着た男性がそれを手に取り、手話で説明を始めた。竹見昌久さん(43)。都立中央ろう学校の体育教師だ。
「先生はろう学校で陸上を教えています。先生が『スタートランプ』を作ろうと思った理由は、聴こえない人が、かけっこのスタートに出遅れないようにするためです。作り始めて8年目。今では世界大会でも使われているんですよ。今日はこれを使って、スタートの練習をしてみましょう」
そう言うと、竹見さんはLEDを「赤、黄、白」の順に点灯させた。


環境改善の“光明”に
「光刺激スタートシステム(=スタートランプ)」は、陸上トラック競技用の機器だ。聴覚障がい者のために、出発音を光に変換する。デフリンピックなど聴覚障がいのある人だけが出場する競技会では、選手は補聴器などの器具を着けない「裸耳」を義務付けられている。
そうした事情を背景にスタート音を可視化する「スタートランプ」は生まれた。ただ、2011年までこの機器には日本製がなく、使用機会は国際大会に出場するトップアスリートらに限られていた。海外製品は設備が大がかりで使い勝手が悪く、レンタル料金も高い。そこで竹見さんらが国内開発に着手し、この春、国際規格に準拠する形で完成させた。


陸上競技場には写真判定装置やフィニッシュタイマーなどが常設されている。これにスタートランプを接続し、連動させて使用する。
「オン・ユア・マーク(位置について)」で、LEDは赤色に。
「セット(ヨーイ)」で黄色。
そしてスタートの瞬間に白色になる。
2017年には日本陸上競技連盟の競技規則でも認可された。その結果、聴覚障がいのある陸上選手が健聴者の大会に出場する際、より公平な環境で競技に臨むことができるようになった。


「スポーツは面倒なもの」という壁
なぜこの日、子ども向けの陸上教室を開催したのだろうか。岡部さんはこう話す。
「聴こえない人たちのために何かできないか、と普段から考えていました。聴こえないことで、スポーツに対しておっくうになってしまう人も多いし、ろうの子どもたちに運動の楽しさを感じてほしかった。少しでも自分の世界を広げてくれたらな、と」
おっくうに感じるのには理由がある。聴覚障がいの当事者として、岡部さんにはそれが痛いほど分かる。
「先生やコーチの話が分からなかったり、スタート音が聴こえないからいつも出遅れてしまったり。スポーツに興味を持っても、そうしたことの積み重ねで、だんだん距離を置いてしまうんです。スポーツは面倒だ、と」


岡部さんは子どものころ、運動会で何度も悔しい思いをした。中学2年生で陸上競技を始めてからの約10年間は、ピストルを持つスターターを横目で目視して走り出していたという。
「スターターの手、口の動き、ピストルから煙が出る瞬間……。それらでタイミングを計ってました。短距離のスタート時は、みんな下を向いて集中しているのに、自分だけ顔を上げて。だから、レースの前はスタートばかりが気になってしまって」
スタートのときはなるべく手と口を大きく動かしてくれませんか、と事前に競技役員に交渉したこともある。そんなときに手話が通じないと、携帯電話に文字を打ったり、筆談を使ったりした。拒否はされなくても、実際にレースが始まると、事前の要望を忘れられてしまったこともあった。
「自分から主張していかないと伝わらないことも多いです。でも、引っ込み思案な人もいる。それで『もういいや、やめた』となるのはもったいない。スポーツはもともと楽しむものなのに」


「もう健聴の大会には出たくない」
日本製スタートランプの開発を主導した竹見さんも、同じようなことを考えていたという。
今の職場の前に9年間勤務した別のろう学校では、陸上部の顧問。つらかったのは、高体連(全国高等学校体育連盟)の競技会だ。スタート音が聴こえず、周囲の選手がスタートしてからハッとした表情で遅れて駆け出していく教え子たち。そんな姿を何度も見た。
「あるとき、女子の選手が『もう健聴の大会には出たくない』と泣きながら言ってきたんですね。『スタートが不安で実力も出し切れないし、絶対に出たくない』と。それが(スタートランプ開発の)きっかけになりました」


竹見さんは、2009年の台北デフリンピックでスタートランプの存在を知り、国士舘大学時代の恩師、青山利春氏に「日本でも作れないでしょうか」と相談した。そして、竹見さんの希望は、陸上競技用品の製造・販売の国内最大手「ニシ・スポーツ」(東京都江東区)に伝わった。


既存のシステムを有効活用
ニシ・スポーツでは最初、第一開発部の木村裕次さん(49)がスタートランプの開発に携わり、同部署の堀俊一さん(54)が引き継いだ。開発の話が立ち上がった当初、2人とも、デフリンピックの存在は知らなかったという。


堀さんは言う。
「私は20年以上前に障がい者スポーツ関連の業務を担当していましてね。当時は、聴覚障がいのある方がレースに出ると、スターターは選手の正面でフラッシュピストルを光らせ、スタートしたらすぐに退避する、ということをしていました。そうすると、選手は(フラッシュを確認するために)顔を上げる必要があり、正しい姿勢でスタートできず、遅れてしまいます。スタートランプがあることによって、スタートも遅れることなく、タイムも良くなればという想いもあり、弊社で開発する運びとなりました」
スタートランプの製作自体はそれほど難しくなかった、という。陸上競技用品メーカーとしての技術があり、従来のスタートシステムを応用できたからだ。一方で留意したのは「スタート信号と同時に、寸分の狂いもなくランプを発光させる」ことだった。


「こんなランプ、必要ありますか?」
2011年に初号機が完成すると、竹見さんは早速、全国のろう学校や陸上競技大会に出向き、普及に取り掛かった。ところが簡単には浸透しない。
「聴覚障がいは、理解されているようでされていないことも少なくないんです。“聴こえの程度”や“聴こえ方”が人によって異なりますから。『自分の知っているろう者は補聴器を着ければピストル音で大丈夫でした。こんなランプ、必要ありますか?』と言われたこともあります」
健聴者の大会でちゃんとやれているから必要ない、という選手。そんなものに頼ってはいけない、という顧問。機械に頼ったら負け、という観念……。よく見ると、「大丈夫」という選手もスタートは遅れていた。それでも理解は一足飛びには進まなかった。


竹見さんは続ける。
「健聴者は、“自分が聴きたい音”に集中することができますよね? 補聴器を着ければ同じ状態かというと、そうではない。いろいろな音が重なって入ってくる。陸上の場合は、例えば夏ならセミの声や風の音、人の話し声。それらに交じってスタートの合図が聴こえるイメージでしょうか。『どれがスタート音なのか分からない』と生徒たちは言います。スタートランプがあれば、どの音がスタートの合図なのか、目で確認することもできるんです」
ニシ・スポーツ製のスタートランプはまだ1セットしかなく、日本聴覚障害者陸上競技協会が所有している。各地の大会などがあると、竹見さんや協会スタッフが持参し、設置をサポートする。
認知度の向上に伴って使用機会は次第に増え、今年の5月に都内で開催された大会では、共催者の東京陸上競技協会が初めて、設置も含めてすべて対応してくれたという。スタートランプの購入を希望する声は、国内の各自治体や海外からも届き始めている。


ITスキルで生徒自ら課題解決
竹見さんらは「各都道府県に少なくとも1台」を目標に掲げ、助成金の利用も視野に入れて普及活動を続けている。しかし、スタートランプは決して安価ではない。また、競技会での使用機会が増えたとはいえ、光でスタートを切るには練習と慣れが欠かせない。
普段の練習でもっと使えたら――。そんな要望に向き合ったのは、KDDIだった。同社は2015年から年に1度、竹見さんが勤務する中央ろう学校とタイアップしてIT教室を開いている。プログラミングに触れる機会をつくることで、障がい者の職業選択の幅を広げる目的だ。
総務部・サステナビリティ推進室の荒川誠さん(48)は「ろう学校の生徒さんの人生の選択肢が広がるきっかけになればと思い、この授業を始めました」と言い、こう振り返る。


「初回の授業が終わると、竹見先生が来てスタートランプの話をされました。『これをアプリにできませんかね』と。確かに、聴こえない人ってどうやってスタートするんだろう、と。先生に言われて、目から鱗でした。まずは授業の一環としてろう学校の生徒さんに試作品を作ってもらい、リリース版はウチで制作することにしたんです」
やがて、「聴覚障がい者用陸上スターターアプリ」が完成した。「スタートランプが必要なのは外国の選手も一緒」という生徒の意見も踏まえ、KDDIとしては数少ない無料の全世界配信アプリとしてリリースした。


荒川さんは「竹見先生が海外の試合でこのアプリを紹介したら、すごく評判が良かったそうです」と言う。「このアプリはあくまで普段の練習用です。竹見先生とニシ・スポーツさんの普及活動を私たちは周りで支えたいと思ってます」
荒川さんの上司、鳥光健太郎さん(45)はこう付け加えた。
「スターターアプリに限らず、ろう学校の生徒さんが自分たちの課題を自らの手で解決していく。意欲はすごいです。ときには助ける側になることで、『自分たちにもできる』という自信が意欲につながっているんだと思います」


ろう学校教員としての責任とは
「情報保障」という言葉がある。「知る権利」を保障する考え方で、聴覚障がい者に対しては、音声情報を可視化することでその権利を実現させる。スポーツの分野では、水泳でもスタートランプが用いられている。その他の競技でもジェスチャーや旗、得点時のシグナルなど「可視化」に関する多くの工夫が存在する。手話通訳者の派遣も情報保障の一つだ。
竹見さんによれば、聴こえの程度が悪い生徒ほど、高校卒業以降、競技をやめてしまうことが多い。
「ろう学校では手話も通じるし、情報保障もある。でも社会に出たら、その保障はないわけです。だから、ろう者にとっての課題を世の中に伝えることは、ろう学校の教員の責任だと思う。私は体育教師だから、特にスポーツに関しては、生徒が卒業した後もスポーツに親しめるように努力したいんです」


「2020年東京オリンピック・パラリンピック」の翌年、2021年には第24回夏季デフリンピックが開催される。前出の岡部さんは陸上短距離で3度目の出場を目指しつつ、デフスポーツの環境改善に尽力するつもりだ。
「ろう者をサポートする環境が整えば、すばらしい選手も多く育つはず。子どものころからそういう環境が整えば、と。だから現役を引退してからも、僕は活動し続けたいと思っています」


吉田直人(よしだ・なおと)
1989年、千葉県生まれ。2017年にフリーランスライターとして独立。

この記事へのご感想やご意見、または「Yahoo!ニュース 特集」で今後取り上げてほしいテーマをお寄せください。




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by bunbun6610 | 2018-11-01 22:59 | ろう者世界

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https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20181012-00000035-ann-soci



暴力団組長ら手話で強要か
 聴覚障害の男女3人逮捕


10/12(金) 11:58配信




聴覚障害を持つ知人の女性に無理やり文書を書かせたとして、
同じく聴覚障害を持つ暴力団組長ら男女3人が逮捕されました。

 指定暴力団住吉会系組長・阿部太容疑者(54)と妻の李ヘイ英
(イ・ヘイヨン)容疑者(44)ら男女3人は去年6月、
東京・中央区で聴覚障害を持つ知人の女性を脅し、
文書を無理やり書かせた疑いが持たれています。
警視庁によりますと、李容疑者は聴覚障害を持つ82歳の男性と
同居していて、男性の年金などを勝手に引き出して使っていたと
みられます。
これに気付いた知人の女性が男性を区の施設に避難させて
いました。
李容疑者らは女性を手話で脅し、男性を連れ戻すことを約束する
文書を無理やり書かせていました。
取り調べに対し、3人は容疑をおおむね認めています。



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https://www.excite.co.jp/News/society_g/20181012/Jiji_20181012X903.html#ixzz5TjkETNkn


手話で謝罪文強要容疑
 =住吉会系組長ら逮捕
   ―警視庁



時事通信社 2018年10月12日 13時05分




ろうあ者の女性に手話で指示し、謝罪の文章を書かせたとして、
警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は12日までに、
強要容疑で指定暴力団住吉会系組長の阿部太(54)
=仙台市泉区七北田=、
妻の李※(※くさかんむりに恵)英(44)
=東京都江戸川区春江町=両容疑者ら3人を逮捕した。
両容疑者は容疑を認めているという。

 同隊によると、逮捕された3人もろうあ者。
ろうあ者同士が生活を支援し合うグループに入り込み、
年金などを管理、流用していた可能性があるという。

 逮捕容疑は昨年6月9日、東京都中央区の飲食店などで、
ろうあ者の女性(65)に強い表現の手話で指示し、

「男性(82)が所在不明になったのは私の責任です」

などと紙に書かせた疑い。

 男性もろうあ者で、生活支援グループに入っていたが、
李容疑者らと同居するようになり、障害者年金などを勝手に
引き出されていたという。
女性が不正に気付き、都内の区役所に申し出て男性を避難
させていた。 




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聴覚障害者が、同じ聴覚障害者を恐喝する事件がまたも・・・・。
真面目に働いて真面目な生活をしたくても、
就職差別があったんじゃなぁ・・・。
社会の闇が、こういう闇をつくりだしているという説だ。

障害年金を狙った犯罪だ。
障害年金に頼らない生活ができるようになれば、
こういうことにはならなかったかもしれない。
やはり、『障害者の経済学』は重要だ。
犯罪防止策だけでは(解決は)無理な気がする。

しかし、暴力団や風俗の人は手話も覚えるのに、
一般の健聴者は何で手話が覚えられないんだ?
手話も、商売や、とにかく金儲けの手段になれば、
誰でも簡単に覚えられるというわけか?
面白いな、これは。



【関連記事】

·聴覚障害者にできない仕事
[ 2012-05 -02 11:56 ]







カテゴリ『聴覚障害者の就職活動・離職』; ここをクリック




【関連情報】


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http://d.hatena.ne.jp/amt/20050526/p7

2005年05月26日(木)
■[memo]聾唖者ばかりの暴力団 佐伯会
http://www.asahi.com/national/update/0526/OSK200505260043.html?t5

手話やメールで聴覚障害者の女性ばかりを脅迫し、
現金計約480万円を脅し取ったなどとして、
恐喝や銃刀法違反などの罪に問われた
元山口組系暴力団組長佐伯博之被告(27)の判決が
26日、大阪地裁であった。
和田真裁判長は

「組の資金などを得る目的で、聴覚障害者を狙えば犯行が
発覚しないと考えて敢行された卑劣な犯行」

として懲役11年(求刑懲役14年)を言い渡した。

 佐伯被告自身も生まれつきの聴覚障害者で、
大阪市東淀川区に一時、聴覚障害者ばかり数十人で
構成する暴力団「佐伯会」を結成していた。

 判決によると、佐伯被告は配下組員らと共謀。
00年3月、神戸市中央区の路上で、知人女性に
同会準構成員の男性の行方を隠したと言いがかりを
つけ、

「障害年金を担保に金を借りて150万円を払え。
言うとおりにしないと殺すぞ」

などと手話で脅迫し、現金約136万円を脅し取った。
さらに02~03年には、「交際男性を殺す」などと
携帯電話にメールを送信するなどして、
別の聴覚障害者の女性3人から計約340万円を
脅し取った。

 ほかに、対立する暴力団組織との抗争に備えて
拳銃や実弾を所持した罪なども認定された。
聾唖者ばかりの暴力団とは涙を誘うなぁ。



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by bunbun6610 | 2018-10-12 19:34 | ろう者世界


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180928-00000125-mai-soci



<強制不妊手術>
手話で怒り、悲しみ
 兵庫夫婦が「声」上げ

9/28(金) 22:34配信


◇神戸地裁に提訴した2組の夫婦

 「聞こえる人間も、聞こえない人間も対等です」--。
旧優生保護法(1948~96年)に関する
一連の国家賠償請求訴訟で初めて、
聴覚障害者が「声」を上げた。
神戸地裁に提訴した2組の夫婦は記者会見で、
半世紀以上にわたり胸に秘めてきた怒りや
悲しみを、手話を通じて訴えた。

 中絶と不妊の手術を同時に受けさせられた
兵庫県明石市の小林喜美子さん(86)は、
つえをつく夫宝二(たかじ)さん(86)とともに、
会見の壇上に上がった。

結婚後ほどなく、喜美子さんの妊娠が分かったが、
喜びもつかの間、母から

「赤ちゃんが腐っている」

などと聞かされ、中絶手術を受けた。
夫婦は悲しみの底に突き落とされたが

「また子どもをつくろう」

と励まし合ってきた。

 だが、それから妊娠の兆しはなかった。

「子どもができないのはどうして」。

疑問が氷解したのは今年。

旧法下で望まない手術を受けた障害者の
存在を知人から聞き、自身の記憶と重なった。
宝二さんは怒りで顔をしかめながら

「本当にずっと苦しかったことを国に訴えたい」

と強調した。

 一方、兵庫県内の高尾辰夫・奈美恵さん夫婦
(70代、活動名)。
辰夫さんは結婚の条件として親から

「子どもをつくってはいけない」

と言われた。
式を間近に控えた頃、母に近所の病院に連れて
行かれた。
ズボンを下ろされ

「初めて不妊手術をされると気づいた」。

逃げたかったが、母に手話も通じず意思を
伝えられなかった。

 そのことを聞いた時、涙が止まらなかったという
奈美恵さんは

「ろうあ者夫婦が子どもを持つ意思を尊重して
ほしかった」

と訴えた。

 2組の夫婦は、手話ができない親との意思疎通の
難しさと、情報からの孤立の中で生きてきた。
ひょうご聴覚障害者福祉事業協会(兵庫県洲本市)
の大矢暹(すすむ)理事長は、原告と同世代の
聴覚障害者が抱える背景として

「生きるためには(結果的に)健常者に従順である
ことが求められ、自由に意思を形成する教育や
伝える手段が保障されなかった」

と指摘する。
全日本ろうあ連盟(東京都新宿区、会員約1万9000人)
は聴覚障害を理由に不妊手術や中絶を強いられた
事例について全国調査をしており、
10月中にも結果を公表する予定。

【反橋希美】


 ◇大阪地裁に提訴女性「前の体に戻してほしい」

 「手術を受ける前の体に戻してほしい」

 不妊手術を受けさせられ、大阪地裁に提訴した女性(75)
は、弁護団を通じてそう訴えた。
最愛の伴侶との子を持つ夢はかなわず、
夫は事情を知らないままこの世を去った。
手術から半世紀を経ても、心や体の傷が癒えることはない。

 大阪市内で生まれた女性は中学3年の時に
日本脳炎になり、後遺症で知的障害に。
高校卒業後、母親に産婦人科病院へ連れて行かれ、
説明のないまま手術を受けた。
後から「子どもができなくなる手術」と聞いてショックを受け、
生きていくのも嫌になった。

 1973年に結婚したが、手術のことは隠すよう
母親に強く言われた。
夫婦仲は良く、子どもが欲しくてたまらなかったが、
打ち明けられないまま92年に夫は亡くなった。

 代理人の辻川圭乃弁護士は

「遺伝性ではない障害者まで手術を強制された。
先天的でも許されないが、遺伝性でなくても手術できる
法律を作った意味を国に問いたい」

と語る。

 女性の下腹部には2・5センチほどの手術痕が残る。
女性は

「傷を見るたびに悲しくなる。
国には私のショックと悲しみの大きさを知ってほしい」

と訴えた。

【戸上文恵】




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最終更新:9/28(金) 23:55





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「旧優生保護法による聴覚障害の被害者
 東京で初の実名公表
  全日本ろうあ連盟の全国一斉調査による」

が、聴覚障害者新聞のトップにも出ている。
やはり、高齢者の方が被害者で、
こうした差別があったことを、
今の若い人は知らない人が多い。

不妊手術は受けさせられなかったものの、
親からは結婚の条件に「子供をつくらないこと」を
言われたろう者夫婦もいた。
上の記事には名前が出ていない、
ろう者世界では非常に有名な人だ。
講演会でその実話を聞いた私は、
親にそんな差別を言われるのが、
とても悲しいと思った。
by bunbun6610 | 2018-09-29 07:28 | ろう者世界



まさか、こういうことがこの学園でも、
過去にあったとは・・・・。




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http://gyakutai.yogo-shisetsu.info/cgi-bin/report/kanamachi-gakuen/diary.cgi



03/12/08 (Mon) 都内ろうあ児施設で少女に性的虐待、職員を懲戒解雇

読売新聞 2003/12/08(Mon)
都内ろうあ児施設で少女に性的虐待、職員を懲戒解雇

 東京都葛飾区のろうあ児施設「金町学園」で、男性職員が女子入所者に性的虐待を繰り返し、懲戒解雇されていたことがわかった。

 都は週明けにも、施設を運営する社会福祉法人「東京愛育苑」(高柳博子理事長)に検査に入る方針。金町学園にはすでに、別の体罰事案で調査改善委員会が設置されている。児童福祉施設で相次いで明らかになる虐待に、施設管理のあり方が問われそうだ。

 性的虐待を繰り返していたのは30代の男性職員で、3年ほど前から施設内で10代の女子入所者の胸をさわるなどの行為を繰り返していたことが、この女子から相談を受けた別の入所者の訴えで発覚した。

 男性職員が事実を認めたため、東京愛育苑は11月末に懲戒解雇し、都に報告した。事態を重くみた都は詳しい事実関係を把握するため、立ち入り検査に入る。東京愛育苑では「詳しいことは調査中で、現時点ではコメントできない」としている。

 金町学園では今年8月、児童の1人が施設内で職員から体罰を受けたと都に訴え出たため、都は10月、東京愛育苑に弁護士や学者ら第三者による調査改善委員会を設置し、事実関係の解明と改善策を報告するよう求めたばかりだった。

 金町学園は1948年に設立され、全国に15か所あるろうあ児施設の1つ。首都圏では唯一のろうあ児施設で、5歳から20歳まで、聴覚に障害があって言葉がうまく話せない子ども二十数人を都内や神奈川、千葉などから受け入れており、施設の運営などにかかる費用は、国から支給されている。

 児童福祉施設では、3年前に千葉県の児童養護施設「恩寵園」で元職員が強制わいせつなどで逮捕されたほか、昨年11月に茨城県の児童養護施設「筑波愛児園」で園児に虐待をしていた職員が懲戒解雇されるなど、これまでもたびたび虐待が明るみに出ているが、表面化するのは氷山の一角にすぎないとの見方もある。

 「日本子どもの虐待防止研究会」理事の平湯真人弁護士は「施設内での虐待が相次ぐ背景には、恒常的な人手不足や、親代わりなので何をやってもいいという誤った認識を職員が持ちがちという構造的な側面もある。体罰の禁止や施設の責任者の資格を法律に明記し、職員の研修も充実させるなどの対策が必要」と指摘している。




読売新聞ニュース 2004/04/23
虐待見た児童の証言ウソ扱い…自覚欠如の金町学園

 首都圏で唯一のろうあ児施設「金町学園」(東京都葛飾区)で、男性職員(35)(懲戒解雇)が入所女児に性的虐待を繰り返していた問題で、目撃した別の児童が虐待の事実を伝えたにもかかわらず、ウソ扱いされていたことが、第三者で作る調査改善委員会の報告書でわかった。
 園内では、一部の職員が児童あてのファクスを読んだり、携帯電話の着信履歴を勝手に見たりしていたことも判明。閉鎖的な施設の中で、日常的にプライバシー侵害行為がまかり通っていた実態が浮かび上がった。
 同園の男性職員による性的虐待は昨年11月、被害女児本人からの職員への訴えで発覚した。
 しかし、同園を運営する社会福祉法人・東京愛育苑が設置した調査改善委員会の調査では、発覚前に別の児童が虐待の現場を目撃し、職員に伝えていた。その職員が問いただしたところ、男性職員は否定。逆に通報した児童が疑われ、「証言に矛盾がある」として「虚言」と扱われていた。
 園内には、このほかにも、被害女児に対する男性職員の態度を不審に感じていた職員が多数いたという。このため、報告書は、兆候がありながら、「犯罪を防止できなかった」として、園の職員らについて、「職業倫理に対する自覚の欠如や、ごう慢な専門家意識がまん延していた」と厳しく指摘している。
 また、複数の児童は調査に対し、「外部からきたファクスを職員に読まれる」「1日遅れで渡される」などと回答。報告書は「聴覚障害者の子供にとって、ファクスや手紙は重要な通信手段で、職員は読んだり遅れて渡したりすべきではない」とクギを刺した。児童は夜間、携帯電話を職員室に預けることになっていたが、一部の職員は児童に無断で携帯電話の着信履歴を見ていたという。
 さらに、職員採用を巡っても、まず公共職業安定所に「夜間警備員」として求人票を出し、古参職員が自分たちとウマが合いそうかどうかを見極めた上で、児童を指導する立場の職員にするなど、施設長権限の空洞化や、東京愛育苑による管理監督の不徹底も明らかになった。
 児童福祉施設は利用者の声を吸い上げる苦情処理機関を設置するよう定められ、同園でも「苦情解決委員会」が置かれていたが、男性職員による性的虐待は把握できていなかった。
 東京愛育苑では委員会の報告を受けて、具体的な職員の研修方法などを盛り込んだ改善計画を、今月末までに都に提出する予定だ。
 全国児童養護施設協議会の福島一雄会長の話「閉鎖的な施設は独善的な運営に陥りがちで、苦情処理機能の充実以外にも、社会に対する情報開示や第三者評価などで、施設の内部を常に第三者の視線にさらすことが重要だ」




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そういえば、以前に映画『レインツリーの国』という映画を観た。


『映画『レインツリーの国』(有村浩/原作)』
[ 2015-12 -12 00:22 ]





その1シーンに、聴覚障害者のひとみが残業中、
職場で上司からセクハラに遭う場面があった。
上司はひとみが声を出せないと思って、やったようだ。
つまり、その弱みにつけ込んだ犯行・・・・。

この映画は、実話に基づいて製作されているそうだ。
金町学園でも、一部の職員がそういうことをしていたことになる。
非常に残念だ。

再発防止のためか、今の理事長は当時の理事長とは違う人に
変わっている。
by bunbun6610 | 2018-07-14 01:44 | ろう者世界

第23回夏季デフリンピック競技大会 トルコ・サムスン2017

https://www.jfd.or.jp/sc/samsun2017/arc/1398



速報・メディア情報

https://www.jfd.or.jp/sc/samsun2017/newsflash



トルコ・サムスンで今、デフリンピックが開催中だ。
しかし、情報が一般には知られていないというか、知りにくい。


Eテレ
『ろうを生きる難聴を生きる』
『デフリンピック特集  サッカー岡田侑也・拓也』
〔2017年7月15日〔土〕放送〕
http://www.nhk.or.jp/heart-net/rounan/summary/detail.html?id=41997#contents

by bunbun6610 | 2017-07-23 23:17 | ろう者世界

先日、『串揚げ居酒屋 ふさお』へ行ってきた。

食べログ『串揚げ 居酒屋 ふさお』
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13059627/

ろう者が経営しているお店だ。

今さらのように言うが、
店員がお客様の肩を軽く叩いて(合図して)から、
料理提供したり、手話で声掛けなどをしている。
こういう光景って、ろう者の世界では自然なのだが、
よく考えてみると、健常者、健聴者

(主に聴覚障害以外の障害を持つ人など、
手話の世界を知らない人たち)

の世界では有りえないことだ。

健常者の常識では、知らない人にこのように
振る舞うと、セクハラになりえたりする可能性が
あるそうだ。
そこまででなくとも、不快に思う人もいるかも
しれない。


〔関連記事〕


MIRAIROスタッフブログ
『聴覚障害者はマナーができない?
研修でショックを受けた話』

(岸田 奈美)
〔2015年1月29日〕



『「聴覚障害者はマナーができない?」』
〔2016-02-26 21:37〕






ところが、このお店では健聴者もよく訪れて
きていて、それでもろう者店員がこの合図を使って、
接客をしている。

(ろう者の常識を用いて、接客という仕事をしている)

これには今さらながらだが、驚かずにはいられない。
そして、ろう者がこんなふうに自信を持って接客
という仕事もしている姿を見て、
勇気づけられずにはいられなかった。


私は以前、サービス業(厳密にはエンターティンメント
業界と言ったほうがいいが)で就労した経験がある。
そこでは最初は、皆と同じように、お客様の見える
ところでも自分の業務を行っていた。
それは当然、先輩の指示通りだった。
その結果、お客様から人気投票ももらっていた。

ところがある日、先輩よりも職位が高いマネージャー
がやって来て、

「それはしなくていい。
ホールに出てはダメ」

とだけ伝えられた。
理由など勿論、わからなかった。

ただこれは、後になってよくわかってきたのだが、
会社で決められている厳命なのだった。

なぜこうなのかと、マネージャーに聞いたことがある。
マネージャーの回答は

「あなたは国の障害者雇用施策で雇っているに
過ぎない。
会社は、障害者雇用のことなど、
考えてもいないのが、今の現状です」

というふうに伝えられた。
予想していたこととはいえ、やはりショックは隠せない。

さらに、他のスタッフからは、私の姿を見かけなく
なったことを疑問に持ち

「○○さんは、どこにいるの?
何をしているの?」

という声が、あちこちの人から挙がっていたそうだ。
それは当然だ。
残念なことに、仕事をしない障害者だと思われて
いたらしく、その怒りの矛先は全て、
障害者に向けられていたようだった。

出勤はしているのに、姿を見かけないなんて
おかしい。
そして、障害者を一人だけで外に出し、
ゴミ拾いという社会貢献活動を一人でさせている
なんて、マネージャーも言えない。

この会社ではCSR活動として、ゴミ拾い運動を
していることで有名だ。
ホームページ上でも宣伝していて、皆で一緒にやる
活動として、定着している。

ところが障害者だけは、その仲間外れ状態になって
いたのである。
この理由も、先に上司が言っている通りだろう。

言葉は非常に悪くなるけれども、その本音は

「我々は障害者の面倒は見ない。
一緒にいると邪魔だ」

としか思えない。
昨年7月に起きた、知的障害者殺傷事件と、
本質的には変わらない。


『夢破れ突然の変貌 相模原障害者施設殺傷』
〔2016-07-27 22:07〕




こういう人間が、いつの時代にも一定数は
いるというのも、残念だが経済学的にも証明
されているらしい。


『「ソーシャル・デス」と障害者』
〔2017-03 -08 00:57〕




しかし、そればかりを見つめ、考えていても、
世の中は決して変わらないだろう。

『ふさお』のような世界が、もっと広がればいいと
思っている。
by bunbun6610 | 2017-05-23 07:23 | ろう者世界

オレオレ詐欺って、ろう者にはないんじゃないの?(多分・・・・)


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http://www.excite.co.jp/News/society_g/20170518/Mainichi_20170519k0000m040114000c.html?_ga=2.97545244.242807985.1495144017-386835075.1495141296


<オレオレ詐欺>「息子の津軽弁、アクセント違う」で未遂に

毎日新聞社 2017年5月18日 20時50分 (2017年5月19日 01時15分 更新)


◇青森・弘前 70歳代の女性宅に現金要求の不審電話

 青森県弘前市で、70歳代の女性宅に津軽弁で
息子のふりをした男から現金を要求する不審電話が
あったことが分かった。
女性は息子の津軽弁とアクセントが違うことに気付き、
被害を免れた。
青森県内で津軽弁を使ったオレオレ詐欺の不審電話が
確認されたのは初めてという。

 県警によると、16日午後7時ごろ、息子の名前を
名乗る男から

「へんとう腺がはれて病院に行く」

「明日電話をするからお母さんいるべか」

などと電話があった。
翌17日午前10時ごろ、再び電話があり、自分が同僚
と会社の金を使い込んだと伝えて

「370万円を現金で準備してほしい」

と話した。

 最初の電話は、病気を理由に息子と声が違うのを
ごまかすためとみられるが、女性は男が話す津軽弁の
アクセントに違和感を覚え、県警弘前署に通報した。

【佐藤裕太】


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ろう者は今や、スマホの動画で交信している。
お互いに顔を向けて。

昔でも、どんなに大変でも遠方まで出かけて、
会って手話で話していた、という。

だから、オレオレ詐欺に遭うなんて、
ありえない気がする。

でも電車の中でスマホ動画でやっているのを見て、

「多少ブレているのに、よく通じているなぁ」

と感心する。
手話では必ず顔を合わせて行うから、
悪いことはしないのだろう。
by bunbun6610 | 2017-05-19 06:54 | ろう者世界

今度のデフリンピック開催は、実は今年の7月18日~30日
に決定している。
(第23回夏季デフリンピック)
開催地はトルコのサムスンだという。


http://www.jfd.or.jp/sc/samsun2017/



実は2011年冬季デフリンピックが資金難で、
突然の開催中止に追い込まれた経験もあるという。
知名度が低いだけでなく、支援が乏しい中での運営らしい。


(スロバキア・ハイタトラス
2011年2月10日~2月20日〔開催中止〕)
http://www.jfd.or.jp/deaflympics/games/timeline.php


ところが、2020年東京オリンピック・パラリンピックで、
手話が注目されるとか騒がれている。

『東京オリンピックへ向けて今、
手話が少しずつ注目されてきている?!』
〔2017-04 -14 19:00〕

しかし、東京でデフリンピックが開かれる予定はまだない。

Eテレ『バリバラ』でも、パラリンピックのことでは
バリアフリーのことで騒がれていた。

5月7日(日)夜7:00放送
Eテレ『2020年 東京パラリンピック応援企画』
http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=422#top


しかし、『デフリンピック』のほうは、どうだろうか?
『バリバラ』を長い間観ていても、

「聴覚障害者は仲間外れみたいだ」

という印象を受けるのは、私だけだろうか?
他の障害との違い、特殊性を大いに感じる。

実際に、近年放送された番組内容を見ると、
聴覚障害者が全然出てこない。
しかも、生番組だと字幕が追いつかなくて、
ますます観る気がしなくなる。

「本当にバリアフリー番組なのか?」

と疑いたくなる。

「テレビ朝日のほうがまだましではないのか?」

と思う日もある。


ところで、デフリンピックの参加資格を調べてみた。



参加資格
http://www.jfd.or.jp/deaflympics/games/about.php


「デフリンピックへの参加資格は、音声の聞き取りを補助
するために装用する補聴器や人工内耳の体外パーツ等
(以下「補聴器等」という)をはずした裸耳状態で、
聴力損失が55デシベルを超えている聴覚障害者で、
各国のろう者スポーツ協会に登録している者とされて
います。
また、競技会場に入ったら練習時間か試合時間かは
関係なく、補聴器等を装用することは禁止されています。
これは、選手同士が耳の聞こえない立場でプレーすると
いう公平性の観点によるものです。
(国際ろう者スポーツ委員会 オージオグラムに関する
規則2. 参加資格に関する規則 第2.1版 改訂版
- 2009年11月13日第1.0版公開 - 2001年7月31日
 ※一般財団法人全日本ろうあ連盟:訳)」




ここで言う、スポーツ委員会とは、
「一般財団法人全日本ろうあ連盟 スポーツ委員会」
のことのようだ。

http://www.jfd.or.jp/sc/about

となると、全日本ろうあ連盟の会員であることが
前提条件になると思う。
それには、地域の聴覚障害者協会(ろう協会)にも
加入しなくてはならない。
この団体は難聴者でも入会することはできるが、
実態は重度聴覚障害者(ろう者)が主体となって
いる団体で、難聴者は少ない。
その会員資格には、私の所属している会則によれば、
次のようになっている。



「正会員とは、○○○○内在住の聴覚障害者で、
本会の趣旨に賛同して所定の手続きを経て入会した
者をいう。」


上の文言を厳密に捉えるならば、「聴覚障害者」とはやはり、
日本の障害認定をクリアしている「障害者手帳保持者」
を指すのだろう。



http://www1.plala.or.jp/t_nishimura/tyoukaku.htm



http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/shougaishatechou/


ところが、日本の身体障害者認定基準では、
デフリンピックの参加資格とは差が大きいのだ。

聴覚障害で身体障害者手帳が保持できる者は、
日本の場合は6級以上に該当することが条件なのだが、
この6級でさえ

「1.両耳の聴力レベルが70dB以上のもの
(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ない
もの)
2.一側耳の聴力レベルが90dB以上、
他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの」

となっている。
日本の障害者手帳取得基準は国際基準
デフリンピック参加資格である55dBよりも、
圧倒的に高いのである。
これって、おかしくないだろうか?


ちなみに、全日本ろうあ連盟の正会員数は、
昔聞いた話では2万人強だとか。
しかもスポーツ委員会加入者数は、
さらに少なくなるのだ。
そのなかの選手だけが、参加資格があるということになる。
だから、日本のような厳しい基準では特に、
選手層が薄くなるのではないだろうか?


55dB以上という聴力基準では、
日本では手帳保持者という意味での聴覚障害者
には該当しない。
先進国では、もっと低い国が多いようなのだが。
基準が低い国の方が当然、
デフリンピック選手層も厚くなるはずだ。
日本では「難聴」と言われる多くの人が、
ろう者スポーツ協会に登録していない現状なの
ではないだろうか?
他国に比べて聴覚障害の認定基準が異常に高い
日本は、このハンディも存在することにならない
だろうか?
日本の聴覚障害の認定基準が、デフリンピックでの
日本選手のメダル獲得数に影響しているかもしれない。

https://www.jfd.or.jp/deaflympics/games/timeline.php

https://www.jfd.or.jp/deaflympics/results/results.php




参考に、
世界各国の聴覚障害認定基準について、
書かれているものが幾つかある。



ひとりごと
『手帳のない難聴者(追記あり)』

http://blog.goo.ne.jp/papipupepo12/e/e4217656ab16386c6d9f9c855a1d85f3



『スウェーデンの聴覚障害者 ―日本との比較を通じて』
(水野映子)

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/watching/wt1009.pdf#search=%27%E8%81%B4%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%27



『聴覚障害の認定方法に関する意見』
(〔一社〕全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/2014082703_2.pdf#search=%27%E8%81%B4%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%27




『国際比較からみた日本の障害者政策の位置づけ
−− 国際比較研究と費用統計比較からの考察 −−』
(勝又幸子)

http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/18879202.pdf#search=%27%E8%81%B4%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%27




ドイツの法定雇用率は5%
フランスは6%
障害認定はデシベル値よりも、医師の診断が重要?
http://www.nivr.jeed.or.jp/vr/vrwebreport-pdf3-1.pdf#search=%27%E8%81%B4%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%27



NAVERまとめ
『聴覚障害の本当のところを知ってほしい』
https://matome.naver.jp/odai/2139366509071825501



ADまとめ
『エッ?こんなに違うドイツと日本の障害者の在り方』
http://stone-roses.org/matome/499




ちなみに、聴覚障害を持ちながらオリンピックに
出場してきた選手の中に、
オーストリアのシュリーレンツァウアーがいる。



グレゴア・シュリーレンツァウアー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%B4%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%82%A2%E3%83%BC


グレゴア・シュリーレンツァウアー
(Gregor Schlierenzauer、1990年1月7日 - )
はオーストリア、チロル州インスブルック出身の
スキージャンプ選手。


プロフィール
1990年1月7日、インスブルックでポール・シュリーレンツァウアー
とアンジェリカ夫妻の長男として生まれた。
姉グロリアと弟ルーカスがいる。
彼には生まれつき左の耳に聴覚障害がある。
8歳の時SV Innsbruck-Bergisel clubでスキージャンプを始めた。
伯父のマルクス・プロック(リュージュのオリンピックメダリストである)
がマネージャーとなり、2001年にフィッシャーと、
その数年後にはレッドブルとスポンサー契約を結んだ。
2005年のノルディックスキージュニア世界選手権に
出場し団体戦4位、個人戦20位だった。
2006年のジュニア世界選手権(スロベニア、クラーニ)では
個人戦、団体戦ともに金メダルを獲得。
同年3月には日本で行われたFIS-Cupに出場、
宮様スキー大会のノーマルヒル(宮の森ジャンプ競技場)
で優勝するなど実力の片鱗を披露した。
これらの活躍によりアレックス・ポイントナーコーチにより
ナショナルチームに招集され、3月12日にホルメンコーレン大会
でスキージャンプ・ワールドカップデビューを果たして
24位となった。

2006年のスキージャンプ・サマーグランプリでは
1勝をあげて総合5位となった。
2006年12月3日のリレハンメル(ノルウェーでワールドカップ
初優勝。
2007年1月7日、ビショフスホーフェンで17歳の誕生日を
優勝で飾り、ジャンプ週間総合ではアダム・マリシュに次いで
2位となった。
世界選手権では団体金メダルを獲得した。
このシーズン、ワールドカップでは5勝をあげて総合5位となった。
2007年のサマーグランプリでは2勝して総合3位となった。
2007-2008シーズンも開幕から好調で常に一桁順位に
入っていたが開幕から6連勝するなど絶好調の同僚トーマス
・モルゲンシュテルンの陰に隠れる形だった。
2008年1月1日のガルミッシュ=パルテンキルヒェンで
このシーズン初勝利をあげた。
しかし地元インスブルックの第3戦は強風でビショフスホーフェン
に変更となり5位、第4戦では2本目に進めず42位となり
ジャンプ週間は12位に終わった。
2008年2月のスキーフライング世界選手権では個人、
団体の2冠を獲得、シーズン終盤には4連勝するなどして
結局ワールドカップ総合でモルゲンシュテルンに次ぐ2位となった。
またプラニツァのフライングで233.5mのオーストリア記録
をマークした。
2008年のサマーグランプリでは5勝して総合優勝を果たした。
2008-2009シーズンは開幕からシモン・アマンが絶好調で、
総合首位を走ったが、シュリーレンツァウアーも常に上位に
入って好調を維持していた。
2009年1月17日のザコパネ(ポーランド)から2月11日の
クリンゲンタール(ドイツ)まで6連勝を記録、
これはヤンネ・アホネン、マッティ・ハウタマキ、モルゲンシュ
テルンに次いで史上4人目である。
世界選手権ではノーマルヒル個人で銀メダル、団体金メダル
を獲得、シーズンではともに新記録となる13勝、
2083ポイントをあげで総合優勝を達成したが、
シーズン終了後の3月25日にラムソーで用具のテストジャンプ
を行っている最中に転倒し右ひざ靭帯を断裂する重傷を負った[1]。
すぐに手術を受け[2]、6月にはジャンプのトレーニングを
再開した[3]。
8月には復帰してすぐにサマーグランプリで優勝し、
けがの影響を感じさせなかった。
2009-2010シーズンも開幕から好調でワールドカップの
総合をシモン・アマンと激しく争い、2010年1月22日には
史上五人目の通算30勝に到達した。
2010年バンクーバーオリンピックでは、ノーマルヒル個人
・ラージヒル個人両種目で銅メダルを獲得した。
オリンピック後は4連勝したアマンに水をあけられ、
ワールドカップ総合2位に終わった[4]。
2010-2011シーズンは開幕から彼としては不調で11月と
12月は10位以内に入ることが出来ず、その上練習中に
右膝靭帯を痛めてしまった[5]。
しかし半月後には練習を再開し、ジャンプ週間の後半
インスブルックからワールドカップに復帰した。
2月12日と13日のヴィケルスンのフライングで連勝、
2月12日には243.5mのオーストリア記録をマークした。
2011年ノルディックスキー世界選手権では個人ノーマル
ヒルこそ8位に甘んじたが団体2種目優勝、個人ラージヒル
では同僚モルゲンシュテルンを僅か0.3ポイント差でかわして
金メダル獲得と活躍した。
3月18日のプラニツァでシーズン3勝目、同20日の最終戦
4位となり、ワールドカップ総合9位まで順位をあげてシーズン
を終えた。
2011-2012シーズンもサマーグランプリから好調で常に
表彰台を維持、冬のシーズンに入っても優勝争いの常連で
スキージャンプ週間では自身初の総合優勝を達成した。
2012年2月4日、ヴァル・ディ・フィエンメでのラージヒルで
優勝、マッチ・ニッカネンに次いで史上二人目の個人通算
40勝に到達した。
この後やや勢いが失われ、2012年スキーフライング世界
選手権では団体で金メダルを獲得したもののワールドカップ
総合では結局アンデシュ・バーダルに及ばず2位となった。
2012-2013シーズンも開幕から好調を維持、シーズン
5勝目でスキージャンプ週間を2年連続で制覇すると
次の焦点はニッカネンの通算勝利数に移った。
1月26日にヴィケルスンで行われたスキーフライングで
勝利して46勝のタイ記録、2月3日のハラコフで47勝の
新記録を達成した。
2013年ノルディックスキー世界選手権では金メダル1個、
銀メダル2個を獲得。
さらにホルメンコーレン大会で優勝、3月22日のフライング
で通算50勝に到達し2度目のワールドカップ総合優勝を
達成した。


冬季オリンピック成績

金メダル
2010 バンクーバーラージヒル団体


銀メダル
2014 ソチラージヒル団体


銅メダル
2010 バンクーバーノーマルヒル個人
2010 バンクーバーラージヒル個人



だいぶ前の話になるが、バンクーバー冬季オリンピックで
滑降する直前に、シュリーレンツァウアーが手話を使って
いる場面を見た、という、ろう者からの証言があった。
ただ、彼にも聴覚障害はあるといっても、
その障害程度でデフリンピックの出場条件を満たしている
かどうかまではわからない。
by bunbun6610 | 2017-05-16 21:04 | ろう者世界

悪魔の声

Readyfor
ろう者と聴者がつながる場・手話カフェバーを杉並区にオープン!
https://readyfor.jp/projects/nokcafebar


手話カフェ・ノックカフェバー
東京都杉並区浜田山1-23-7 イオニック浜田山1階
浜田山駅から徒歩4分



■ 具志からのコメント
具志が初めて働いた会社には手話が分かる人は
一人もいませんでした。
想いが通じず不安な中、勇気を出して同僚たちに
手話を教えました。
徐々に手話で会話ができるようになった経験を
持ちます。
その時から『ろう者』『聴者』関係なく、手話で『障害』
の壁を取り壊したいと考えるようになりました。


■ 近藤からのコメント
近藤は補聴器があれば僅かな音が聴き取れます。
中学生のとき自分は『聴者』でも『ろう者』でもないと
悩み、不登校になりました。
そんなときに出会った手話。
聴こえる、聴こえないに関わらず、コミュニケーション
が取れる手段を知り、聴者の友達にも伝えたいと思い、
学校に復帰。
今でも多くの人に手話の魅力を伝えたいと考えて
います。



健聴者に本物の手話を学んでもらうために、
一つだけ守った方がいいことがある。
それは、双方が声を使うことをやめることだ。


〔関連記事〕

『日本人健聴者が手話を覚えられない理由』
〔2014-07-14 18:30〕



決して、

「普段の生活で音声会話を一切やめなさい」

と言うつもりはない。
ただ、今までに何人かの聴覚障害者
(中でも、手話を母語としているろう者が多い)
を見てきた中で、
手話やジェスチャーなどのコミュニケーション手段
で健聴者と問題なく話してきた聴覚障害者は、
やはり声を全く使っていなかったからである。


私が以前にいた職場で、A県立ろう学校を卒業
しているTさんという人も、そうだった。
彼は、実は少ししゃべれるという。
しかし、仕事でも声を全く使わない。
なぜかと聞いたら

「必要ない」

と答えていた。

だが、それだけではないと思う。
声も使う聴覚障害者である私を見て、
彼は無視していた。

彼が声を使うのをやめたのには、理由がある。
職場の皆に、対等のコミュニケーション手段を
身につけてほしかったからだろう。

反対に、私はコミュニケーション手段を
健聴者に合わせようとしたために、
様々な問題点が起きた。

結局私は、会社からは解雇通告を受け、
その職場を去ることになった。
妥協の産物が、これだったのだ。



『就労後の聴覚障害者問題C』



『就労後の聴覚障害者問題G』



『就労後の聴覚障害者問題Z1』




だから私は、自分の経験で皆さんに、
出来ることならば声を使わないことをおすすめする。
例えどうしようもない場合であっても、
声は絶対に使わない方がいいだろう。
声に支配されたら、もう終わりだからだ。
彼ら(健聴者)は絶対に、
合理的配慮などしなくなるのが当たり前なのだ。

健聴者には、手話が出来ない人がほとんどだろう。
その時は、お互いに筆談でやりとりすればいい。
声は使わないことだ。

もし使うと、健聴者の口からは“悪魔の声”が
次々と出てくるからだ。
それは確実に、聴覚障害者の心を蝕むであろう。



補聴器が福祉で交付される理由も、
健聴者に必要なのものだからだ、
ということがわかる。

『補聴器依存症の健聴者の罪』
〔2012-05 -27 21:07〕


『補聴器依存症の健聴者の罪』
〔2017-05-14 19:30〕

by bunbun6610 | 2017-05-16 09:00 | ろう者世界

香聾館(こうろうかん)

香聾館(こうろうかん)
日本手話・ろう文化の解説、ろう者視点のエッセイ、
手話落語、落語に見る聾史など。

http://blue.ribbon.to/~korokan/

by bunbun6610 | 2017-04-25 18:22 | ろう者世界

ある聴覚障害者から見た世界