カテゴリ:障害者の経済学( 23 )




障害者雇用促進法の難点  ――週20時間以上が条件になっている理由


ハローワーク専門援助第二部門で、障害者枠求人票を見ていると

「雇止め規定あり」

「就業時間は週20時間以上(および月80時間以上)で応相談」

「必要な合理的配慮については、お申し出ください」


などといった文言がよく目につく。


今回は「週20時間以上」について話を進めてみたいと思う。
ハローワークの人に聞いてみた。


私;
「週20時間以上という条件が付いている求人票が多いですが、
これには何か理由があるのでしょうか?」

ハローワーク;
「国の障害者雇用促進法では、
週20時間以上でないと法定雇用率を遵守して
いるとして、カウントされないからです。
もし、週18時間までだと、障害者を雇用していると
カウントされなくなります」

私;
「ということは、やはり、多くの会社は法定雇用率を
遵守することが目的で、
障害者を雇用し始めたのでしょうか?」

ハローワーク;
「週20時間未満でも障害者を雇用している会社は、
たまーにならあります。
ほとんどは、週20時間以上でないと雇用されません」


という話だった。
非常に驚いた。

例えば、まだリハビリ後で週20時間はちょっとキツい、
という障害者がいたとすると、その人たちのほとんどは、
就労が困難、ということになりそうだ。
あるいは、家族に要介護者がいる障害者にとっても、
この条件はネックになってきそうだ。
安倍政権の言っている「一億総活躍社会」実現なんて、
嘘じゃないのか?
無理に決まっているだろう。

精神障害者などは、職場環境に慣れるまでの間は、
最初は少なめの就業時間のほうが良さそうに思えるのだが、
それも無理ということになりそうだ。

重度身体障害者の場合は、やはり働くことは無理なのかも・・・・。
日本政府の本音はやっぱり

「重度身体障害者は家で寝ていろ」

なのだろう。
そして、お決まりの「福祉漬け」。
その事業に群がるのは健常者。
そんな福祉に、税金が投入されている。
これが「社会(国家)のコスト」なのだ。

聴覚障害者にはダブルワークをしている人もいるが、
身体のことを考えると、なかなか厳しい。
無理をしないと出来ないだろう。

結果として、健常者のようにフリーターとして、
多様な働き方をすることも難しくなるわけだ。

どうもこの法律が、障害者にとっては「諸刃の剣」に
なっているようだ。

この法律、おかしくないか?
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by bunbun6610 | 2018-04-14 19:00 | 障害者の経済学

『「高齢化・長寿化」ボーナス』


https://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/37882824.html


炎のジョブコーチ
『「高齢化・長寿化」ボーナス』
〔2018/3/18(日) 午前 8:32〕

少子高齢化、労働人口不足、社会保障費の増大、
介護難民…、将来に希望が持てない、
そして、あまり長生きをしてはいけない雰囲気が
あるような嫌な世の中にならないか心配になります。

先日、新聞の記事で「高齢化・長寿化」は社会の
チャンスになるという記事がありました。

人口ボーナス、人口オーナスという言葉がありますが、
人口ボーナスのところで豊富な労働人口で経済を
一気に成長させます。
人口オーナスでどう成熟させていくかがこれから
どの国も課題になります。
日本は急激な人口オーナスに突入するのですが、
女性のM字カーブも解消されつつあり、
女性の労働への参加も進みつつあるものの一向に
労働人口は不足しています。

記事によると、「高齢化・長寿化」の効果は長生き分の
労働力、消費、そして、世代間の社会保障の格差を
均せる可能性があるとのことです。

例えば、10年寿命が延びたとすると、10年間の労働力
と消費、社会保険料の支払いを社会にもたらすことに
なります。

現実的には高齢者が少しでも長く働ける条件整備が
必要となります。
働くことがインセンティブになる年金制度改革と
給与制度や処遇など実際の働く機会、意欲がでるような
環境づくりが求められます。
高齢者が社会を支える、そんな雰囲気が高まるような
社会づくりが大事です。

これは、障害のある人の就労とも類似しているように
思います。
障害が重くても働くことができる、その人に応じた
社会参加の機会があること、元気な高齢者だけが働く
社会でなく、支援や介護が必要になっても働くことが
できる引退のない社会がくることがカギかと思います。





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うちの近くにある電化製品販売店では、
毎晩閉店時間になると、
杖を使って歩くほどのおじいさんが、
閉店作業をやっています。
洗濯機などの重い電化製品まで、
自分一人で運ぶのです。

周りにはもう少しお若い人が、
同じ仕事をしていました。
なぜなのだろうと思いましたが、
それがあまりにも自然に見えました。

本来なら、若い人に任せれば済むこと、
と思われているでしょう。
しかし若い人は誰も気にもしなければ、
特に何も配慮もしません。
傍観者でもありません。
全く自然だったのです。

もはや、身体障害者といってもいいぐらいの
老人が、そこではもっと若い人と一緒に
溶け込んで黙々と働いている姿が、
自然に見られただけのことでした。
それぞれが、自分のペースで。


極端な想像なのですが、映画『フリークス』にも
似ています。


『映画『フリークス』(1932年制作・公開)』
[ 2014-11 -06 18:30 ]


つまり、障害者も同じでいいと思うのです。

誰にでも必ず、老いる時代はやってきます。
そして誰にだって、障害者になる可能性はあります。

この話、上に揚げた炎のジョブコーチさんの記事と、
リンクしてきませんか?
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by bunbun6610 | 2018-03-23 18:30 | 障害者の経済学

『女性は理科が苦手なのか』




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啓発誌『働く広場』
(独立行政法人 高齢・障害・求職者
雇用支援機構/発行)




『働く広場』(2015年2月号)

エッセイ第2回
『女性は理科が苦手なのか』


中島隆信/なかじま たかのぶ
慶應義塾大学商学部教授。専門は応用経済学。
1960年生まれ。
1983年慶應義塾大学経済学部卒業、
2001年より同大学商学部教授。
同年、慶應義塾大学博士(商学)取得。
2007年より内閣府大臣官房統計委員会担当室長
を約2年間務める。
経済学とは一見縁遠いと思われる対象を経済学の視点
から一般向けに論じた著書多数。
また、大相撲にも造詣(ぞうけい)が深く、日本相撲協会
「ガバナンスの整備に関する独立委員会」では、副座長
として相撲協会改革案について意見書を取りまとめた。





私が勤務する慶応義塾大学商学部がホームページで公表して
いるスタッフリストによると、2014(平成26)年4月現在、三田
キャンパス(専門課程)所属教員のうち男性は54人、女性は
8人である。
一方、日吉キャンパス(教養課程)では、男性36人に対して
女性は19人となっている。
商学部の専門課程は、経営、会計、商業、経済といった社会
科学系分野から構成され、教養課程は語学、文学、芸術、
心理学といった人文科学系である。
この数字を見る限り、男性は社会科学系が得意で、女性は
人文科学系に優位性を持っているように見える。
これを裏付ける統計もある。
文科省『学校基本調査』から学科別学生数を調べてみると、
社会科学系、理科系は男子が多く、人文科学、教育、家政
などでは女子が多いのだ(図参照)。(※)


これらの基本的な数値から、男女の能力には根本的な違いが
あると判定していいのだろうか。

いまから10年ほど前にハーバード大学長がある会合の席で、

「生物学的に女性に数学の天才は少ない」

という主旨の発言をしたことがあった。
おそらくその学長は、特に悪気もなく単に「統計的事実」に基づ
いて話したと思われるが、のちにこれが「女性差別発言」だと
物議を醸し、結局、辞任に追い込まれた。

このように、統計に基づいて特定の属性を持つ人々の能力を
一括りに判断することを「統計的差別」という。
これが「差別」となる理由は2つある。

1つは、「女性は数学が苦手」という「事実」が人間の能力を判定
するうえでの「シグナル」となって、能力ある女性の就学や就職に
不利に働く可能性があるからである。

もう1つは、こうした「統計」が家庭や教育現場の「すり込み」に
よってもたらされたもので、真実を表していない可能性である。

例えば、親が子どもの誕生日のプレゼントとして、息子には
「理科図鑑」、娘には「プリキュア」を与えるなど、発達の段階
から性差をもたらす行為をしている場合もある。

また、高校でも、

「数学が苦手な女子は私大文系を目指せばいい」

といった考えを多くの教員が持っているかもしれない。
こうした「通念」があると、数学を学ぶ過程でちょっとした困難に
ぶつかったとき、女子学生は数学を簡単に諦めてしまうだろう。

この「統計的差別」は障害者にもあてはまる。

たとえば、精神障害者が傷害事件を起こし、マスコミがそれを
ことさら大きく取り上げると、国民には

「精神障害者は他人に危害を加える」

という「事実」がすり込まれる。
傷害事件を起こすのは精神障害者に限ったことではないのに、
報道という「統計」が誤ったシグナルを形成し、そのことによって、
精神障害者施設の建設反対運動などが起こったりするのである。

こうした差別を防ぐには、シグナルの誤りを正さなければならない。
これは当事者が誤りであることを証明していくしかないのだ。
時間のかかる地道な努力が必要となるのである。(つづく)





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(※)
図の代わりに、統計表にして掲載する。
数値は正確には出せないので、グラフを目分量で測り、
掲載してみたので、ご容赦いただきたい。


【大学/大学院学科別男女別学生数(2013年度)】

人文科学  (男)約130000人  (女)約250000人
経・商・法 (男)約450000人  (女)約180000人
社会学   (男)約70000人   (女)約80000人
理学    (男)約70000人   (女)約25000人 
工学    (男)約350000人  (女)約50000人
農学    (男)約40000人   (女)約40000人
保健    (男)約120000人  (女)約180000人
家政    (男)約5000人    (女)約70000人
教育    (男)約80000人   (女)約110000人
芸術    (男)約15000人   (女)約50000人

文部科学省『学校基本調査』より



〔関連情報〕

『『障害者の経済学』(中島隆信/著)』
〔2011-05-14 21:46〕





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>「また、高校でも、

『数学が苦手な女子は私大文系を目指せばいい』

といった考えを多くの教員が持っているかもしれない。
こうした『通念』があると、数学を学ぶ過程でちょっとした
困難にぶつかったとき、女子学生は数学を簡単に
諦めてしまうだろう。」



障害者雇用についても、同じことが言える。
障害者だからといって、簡単に『職場内障害者授産施設』
にぶち込む、というやり方が、障害者をダメにしてしまって
いるケースが多いように思える。
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by bunbun6610 | 2015-05-09 18:00 | 障害者の経済学

『配慮不足は企業のせいなのか?』

『配慮不足は企業のせいなのか?』(中島隆信)


この雑誌、実は障害者を雇用している企業の人事室や、
障害者福祉会館などに置いてある。
企業の人事室に置かれてある場合、ほとんどが“お飾り”
として置かれているに等しい状態である。
残念ながら、障害者配属部署の人にすら、
読まれることはほとんどない。

これに税金を投入しているのだから、国の障害者雇用
施策というものが、ほとんど理解できない。
正直、強い怒りを覚えるほどだ。


なお、日本でも近いうちに

「障害者権利条約のモニタリング(監視)」

が行われるそうだ。

松森果林UD劇場~聞こえない世界に移住して~
『第20回障害者政策委員会』
〔2015-04-20〕





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啓発誌『働く広場』
(独立行政法人 高齢・障害・求職者
雇用支援機構/発行)




『働く広場』(2015年4月号)

エッセイ第4回
『配慮不足は企業のせいなのか?』

http://www.jeed.or.jp/disability/data/works/book/hiroba_201504/index.html#page=17


中島隆信/なかじま たかのぶ
慶應義塾大学商学部教授。専門は応用経済学。
1960年生まれ。
1983年慶應義塾大学経済学部卒業、
2001年より同大学商学部教授。
同年、慶應義塾大学博士(商学)取得。
2007年より内閣府大臣官房統計委員会担当室長
を約2年間務める。
経済学とは一見縁遠いと思われる対象を経済学の視点
から一般向けに論じた著書多数。
また、大相撲にも造詣(ぞうけい)が深く、日本相撲協会
「ガバナンスの整備に関する独立委員会」では、副座長
として相撲協会改革案について意見書を取りまとめた。





まずは2つの例をとりあげよう。
2006(平成18)年1月、「東横イン」というビジネスホテル
が障害者向けバリアフリールームを不正に改造し、それが
「ハートビル法」(当時)違反だとしてマスコミを騒がせたこと
があった。

当時の社長は、不正を働いた理由として、

「障害者用客室を作っても、年に1人か2人しか来なくて、
結局、倉庫みたいになっているとか、ロッカー室になって
いるのが現実」

だと発言し、それがまた利益優先の考え方だとして物議を
醸すこととなった。

2013(平成25)年6月、『五体不満足』で有名な乙武洋匡
(おとたけ ひろただ)氏が、銀座にあるレストランで食事を
しようとした際、予告なしに車椅子で来店したことを理由に
入店を断られたというできごとがあった。
そのあと同氏がこれを「銀座の屈辱」だとしてツイッターで
店名を出して非難したことからフォロワーを中心に話が
広がり、ちょっとした騒動に発展した。

前回まで述べてきた差別の定義に照らし合わせると、
これら2つの事例は「間接差別」に相当することがわかる
だろう。
なぜなら、狭い入口や階段などのせいで車椅子が通れない
ことは、宿泊や食事という行為自体と直接関係がないから
である。
したがって、ホテルやレストランには障害者に配慮する義務
があり、それを怠ったということは「障害者差別解消法」違反
ということになる。

しかし、話はそんなに単純なものではない。
配慮をしなかった原因をもっと深く探る必要がある。
考えるヒントは社長のコメントになる。

それは、改造の理由がバリアフリールームの低い稼働率
という点だ。
つまり、同ルームは採算がとれない、配慮のコストが高く
付くということだ。

稼働率が低くなる理由は、身体障害者があまり町を出歩か
ないからであり、出歩かない理由はバリアフリー化が進んで
いないからだ。

この「事件」の舞台となったホテルはJR関内駅近くにある。
周囲には神奈川県庁をはじめ、横浜市役所、横浜スタジアム
などの公共施設もある。
しかし、同駅は神奈川県の玄関口というのもはばかれるほど
バリアフリー化が遅れている。
ビルの3階ほどの高さにあるホームの幅は狭く、エレベータ
すら設置されていない。
このような状態を放置しておきながら、どうして同駅近くの
ホテルの不正を非難することができようか。
配慮のコストを高くしているのはJRに加え神奈川県民の
バリアフリーに対する意識の低さなのである。

「銀座の屈辱」についても同じ論理で考えることができる。
レストランが入店を拒否した理由は、乙武氏が車椅子利用者
であることを告げずに予約していたため、その場で同氏を
車椅子ごと抱えて階段を上がるために店の人員を割けなか
ったこととされている。
すなわち、ここでの配慮のコストとは、車椅子を上げるために
人員を割くとフロアでの接客サービスがストップしてしまうこと
だったのである。

それでは配慮のコストを高めている要因は何だろうか。
それは、店にいる客の車椅子利用者に対する配慮の程度で
ある。
身体障害者へのサービスを優先させ、その間、フロアのサービス
が止まったとしても構わない、それで料理の出るのが遅くなっても
いいと思う客が多ければ、店主は車椅子を上げることに
何のためらいもなかったはずだ。

私にも脳性麻痺(まひ)の子どもがいるので同じような経験を
何度もしている。
車椅子の子どもを連れて休日のデパートを訪れたとき、
ほぼ満員のエレベータから降りて私たちを乗せてくれた人に
残念ながらこれまで一度もお目にかかったことがない。
つまり、現在の日本における配慮のレベルはこの程度なので
ある。
このような状況下でホテルの社長やレストランの店主だけを
非難してもあまり意味はない。
国民全体が障害者に対してどこまで配慮をすることが

「理にかなっている」

のか判断することによって、事業者の「配慮のコスト」の大きさ
も変わってくるのである。(つづく)






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〔関連情報〕

『『障害者の経済学』(中島隆信/著)』
〔2011-05-14 21:46〕





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>「銀座にあるレストランで食事をしようとした際、予告なしに
車椅子で来店したことを理由に入店を断られたというできごと
があった。
そのあと同氏がこれを「銀座の屈辱」だとしてツイッターで店名
を出して非難したことからフォロワーを中心に話が広がり、
ちょっとした騒動に発展した。」



実際は、乙武氏は、店主の言葉に対して

「屈辱を受けた。許せない」

と感じたことが、乙武氏をこれほどの怒りに導いた事件だった。

「言った、言わなかった」

の騒ぎにもなっていた。
当然、店主のほうが悪い。

しかし、この事件をきっかけにして

「本当のバリアフリーとは何か?」

ということについて、考えさせられる社会問題にまで、
発展していった。

「心のバリアフリー」とは、また別にして考えるべき事例だろう。

原因は店主の言葉遣いにあったのだから、
この事件をきっかけに、素直に反省すべきなのである。


乙武氏騒動に関して、私が出した一応の結論は下の記事だ。




『車椅子障害者の入店をお断りしたレストラン
 -私はこう思う(1/2)』

〔2013-06-10 18:00〕



『車椅子障害者の入店をお断りしたレストラン
 -私はこう思う(2/2)』

〔2013-06-10 18:15〕




〔参考情報〕

Eテレ『バリバラ』
テーマ;外国人スペシャル
外国人が見たニッポンのバリアフリー
〔4月19日(日)夜7:00~ O.A.
再放送 4月23日(金)0:00~(木曜深夜)〕





ところで、障害者への配慮とは何だろうか。

「『同等』『同質』の配慮をする(努力)義務がある」

ということだ。
障害者の場合は必ずしも、健常者と全く同じ配慮を求めて
いるのではない。

「いや、それでは困る」

という場合だって、実際に数多く存在しているのだ。

配慮とは「形式的平等」ではなく「実質的平等」であることが
問われている。

例えば聴覚障害者の場合、会社でも朝礼に参加させて
いるところもあれば、参加させていないところもある。
この場合に差別があるとすれば、誰もが「参加させなかった」
ほうだと思うだろう。

しかし、実質的平等を問うとき、聴覚障害者をただ参加させた
だけでは、平等とは言えないのである。
通訳や情報保障などを用意しなかったら、平等になったとは
言えない。
つまりここでも、合理的配慮を欠くことによる「間接差別」が
問題となるのである。

しかし残念ながら、その意味を勘違いしている企業、健常者が、
まだまだ非常に多い。
日本政府は2014年1月に、国として国連・障害者権利条約
を批准した。
だが「その努力はまだまだ足らない」というほかにないであろう。



>「稼働率が低くなる理由は、身体障害者があまり町を出歩か
ないからであり、出歩かない理由はバリアフリー化が進んで
いないからだ。」



稼働率が低くなってしまう理由は勿論、これだけではない。
例えば、障害者の今の経済力もある。
障害者の雇用率の低さに現れているように、働く機会が
著しく損なわれていたり、働けても収入格差がある状態だと、
利用者は減るであろう。
つまり、中島氏が『障害者の経済学』を著したように、
社会全体に広がっている、無数の差別と格差が、最終的に
障害者を排除した社会にも、ツケとしてきているのだ。

当ブログのカテゴリ『就労前の聴覚障害者問題A』には、
障害者雇用枠の求人票を多数載せてある。
ここでは聴覚障害者が就労可能でありそうな企業から
チョイスしたが、車椅子障害者等、他の障害者も応募したい
と思っても、【障害者設備状況】を見て、結局諦めてしまう人
は多いだろう。
ここでも、バリアフリーが進んでいないことが最大要因として、
就労機会と経済力の制限に関係していることがわかる。



>「配慮のコストを高くしているのはJRに加え神奈川県民の
バリアフリーに対する意識の低さなのである。」


言っちゃったねぇ、これ。
マイノリティの障害者は、神奈川県民を敵に回してまで、
これを言えない。
言ったら、袋叩きに遭うだろうから。
結果、障害者は我慢していて、
出歩くこともできなくなっているわけだ。


>「レストランが入店を拒否した理由は、乙武氏が車椅子
利用者であることを告げずに予約していたため、その場で
同氏を車椅子ごと抱えて階段を上がるために店の人員を
割けなかったこととされている。」



実際は「車椅子ごと」を要望したのではなく

「乙武氏だけを階上まで運んでほしい」

という要望だった。

「彼女はホールスタッフの男性にこちらの事情を伝え、
階下で待つ僕の体だけを店内まで抱えてもらうことが
できないかと頼んでくれた。」

『乙武氏がレストランで入店拒否されたことで…。』
〔2013-05-21 23:08〕

より引用。)



>「身体障害者へのサービスを優先させ、その間、
フロアのサービスが止まったとしても構わない、
それで料理の出るのが遅くなってもいいと思う客が
多ければ、店主は車椅子を上げることに何のためらい
もなかったはずだ。」


実際には、そういう議論をして決めるわけには
いかないはずだ。
この店は食べログなどで一定の評価を得ていて、
それを見て来店している客が多いはずだ。
一定水準以上のサービス、料理を提供しなければ、
店の評判は一気に落ちてしまい、死活問題となる
だろう。

ただ、外国の例で、似たようなことで実験した結果
がある。
ダウン症の障害者をスーパーで働かせてみた実験だ。


『『あなたならどうする? ~スーパーの障害者差別~』』
〔2014-12-13 18:30〕




障害者雇用に協力的な人もいるが、中にはそうでない
人もいる。
そういう人が、世の中にはいるものだ。
実際は、ほとんどの健常者は、傍観者だろう。

そこで論点になるのは

「『障害者の経済学」の観点で、障害者を働かせたことが
問題だったのか?」

それとも

「それにそこまで文句を言う健常者のほうが、
問題なのか?」

ということだろう。

文句を言う健常者の気持ちも、全く理解できないわけではない。
もし、障害者がやると仕事が本当に遅いのならば。
いや、店員が障害者であると、ないとに関わらず、
少なくとも“こういう人”ならば、店員の仕事ぶりが遅ければ、
誰だって文句を言いたくなるだろう。

ではこの問題は、障害が原因ではないというのだろうか。

『ジャッキー・ロビンソン・デー』では、肌の色が違うという理由
だけで差別が行われていた。


『『ジャッキー・ロビンソン・デー』』
〔2015-04-23 19:00〕



この場合は、平等に能力を競わせることによって解決できる。

ところが、障害者問題の場合は、そう簡単にはいかない。
健常者が「ハンディキャップ」と呼ぶものが存在するからだ。
このハンディがある限り、同じ条件で競わせても、
公平・平等な競争にはなりっこない。

では、だからといって、障害者にハンディを埋める福祉的支援
を公費派遣でして、そして競争させれば、今度はそれに不満を
持つ健常者もいるだろう。
企業で働く聴覚障害者に情報保障がないのも、
この理由がありそうだ。
しかしだからといって、このまま放置していては、聴覚障害者は
向上することが難しい。

結局、どちらを取ったほうが社会全体の利益につながるのかが、
焦点になると思われるのだが。

残念ながら、そこもまだ、日本は冷静になって考えるまでに
いたっていない。
その結果が、障害者使い捨て雇用を延々と続けることによる、
助成金繰り返し受給なのだろう。

企業は

「仕事を任せられる障害者がいないから」

と言っているが、実態を暴露するなら、それは全面的に正しい
わけではない。
企業は、助成金受給がやめられない、いわゆる“助成金中毒者”
になっているのだ。
こっちの金食い虫のほうが、もっと問題ではないだろうか。



『助成金が社会を腐らせる』
〔2015-03-01 18:30〕




『障害者雇用ビジネスは存在するか?』
〔2015-04-11 18:30〕

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by bunbun6610 | 2015-05-01 18:30 | 障害者の経済学

『ジャッキー・ロビンソン・デー』

啓発誌『働く広場』
(独立行政法人 高齢・障害・求職者
雇用支援機構/発行)




『働く広場』(2015年1月号)

エッセイ第1回
『ジャッキー・ロビンソン・デー』

中島隆信/なかじま たかのぶ
慶應義塾大学商学部教授。専門は応用経済学。
1960年生まれ。
1983年慶應義塾大学経済学部卒業、
2001年より同大学商学部教授。
同年、慶應義塾大学博士(商学)取得。
2007年より内閣府大臣官房統計委員会担当室長
を約2年間務める。
経済学とは一見縁遠いと思われる対象を経済学の視点
から一般向けに論じた著書多数。
また、大相撲にも造詣(ぞうけい)が深く、日本相撲協会
「ガバナンスの整備に関する独立委員会」では、副座長
として相撲協会改革案について意見書を取りまとめた。




2013(平成25)年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進
に関する法律(いわゆる障害者差別解消法)」が制定された。
施行は2016年4月の予定である。

すでに国連では、2006年に「障害者の権利に関する条約
(いわゆる障害者権利条約)」が採択されていて、その翌年に
日本も署名は済ませていた。
約7年のタイムラグがあったとはいえ、差別解消法が制定された
ことで、日本も昨年の初めに同条約を批准することができた。

この一連の政府の活動の成果に関しては、評価に値すると
いえるだろう。

ただ、法律さえ作れば万事うまくいくというほど差別の問題は
単純ではない。むしろ、法律ができたことにより、その解釈を
めぐって争いが起きることも予想されるし、なによりこの法律
にいかに魂を入れるかという点にこそ私たちの叡智(えいち)
が求められている。

そこでこの連載では、こうした一連の動きをふまえ、差別に
ついて考察してみることにしたい。

* * *

米国のメジャーリーグでは、毎年4月15日にすべての選手たち
が背番号42のユニホームを身につけて試合を行うことが慣例
となっている。

1947年のこの日、ジャッキー・ロビンソンという黒人選手が
メジャー開幕戦のグラウンドに立った。
このことを記念し、同日は「ジャッキー・ロビンソン・デー」と呼ばれ
ているのである。

当時の米国は悪名高い人種隔離政策が各所に色濃く残っており、
プロスポーツの世界も例外ではなかった。
実際、野球でも、メジャーリーグとは別にアフリカ系アメリカ人選手
だけで構成される「ニグロリーグ」なるものが存在していて、
両者は別個に活動していた。
ニグロリーグで頭角を現したロビンソンは、メジャー球団の
ブルックリン・ドジャーズのリッキー会長から入団の誘いを受け、
傘下のAAA球団に入ることとなった。
そこでもすばらしい成績を残したロビンソンはついに1947年
メジャー昇格を果たすのである。

そこで彼を待っていたのは、激しい人種差別であった。
ロビンソンが出場する試合をボイコットしようとする球団はもちろん
のこと、一緒に練習したりプレーしたりするのを嫌がるチームメート
まで現れた。

こうした吹き荒れる差別の嵐を沈静化させたのは、試合における
彼の活躍だった。
だれも文句のつけようのない成績は監督をして

「選手の肌が黄色であろうと黒であろうと構わない。
優秀な選手であれば使う。
(この方針に)反対する者はチームを出て行ってほしい」

といわしめたのだ。

* * *

1992年のノーベル経済学賞受賞者で、昨年5月に逝去した
ゲーリー・ベッカーという経済学者は、こうした人種差別のことを

「偏見に基づき利益を犠牲にする行為」

と定義した。
つまり、ロビンソンのような優秀な選手を「黒人は嫌い」という
偏見からメジャーに昇格させないのは

「もし彼らを起用していたら得られたはずの勝利」

を犠牲にしているという解釈である。

この手の差別をなくすにはどうすればいいのだろうか。
その疑問に対してベッカーは

「競争させればいい」

といった。
偏見が幅を利かす原因はそれだけ余裕があるからで、
本気で競争していれば能力重視になるのは当たり前だ
という。

たしかに、試合に勝ち、好成績を挙げ、観客動員数を
増やすことを目指してメジャー球団が競争しているなら、
「肌の色」などにこだわっていられないはずだ。

「優秀な選手であれば使う」

のは当然の結果ともいえるだろう。

「女性が管理職になるのは気に食わない」

などという理由から女性を登用しない企業は、厳しい競争
に生き残れないはずだからだ。

世の中に存在する差別がすべてこの「ベッカー型」ならば、
社会をもっと競争的にすればいいだけなので差別解消法は
いらないだろう。
つまり、このような法律ができた背景には、これとは異なる
差別も存在していることになる。
それについては次回に考えてみることにしよう。(つづく)



==============================





〔関連情報〕

『『障害者の経済学』(中島隆信/著)』
〔2011-05-14 21:46〕





==============================



『壮絶な人種差別を乗り越えたジャッキー・ロビンソン
を知っているか?』
〔ScoopieNews
2014年4月16日 11時35分
(2014年4月21日 14時08分 更新)〕




==============================




http://www.excite.co.jp/News/travel/20150412/Japan_arukikata_8997.html



『ジャッキー・ロビンソン・デーを
記念し、42円でホットドッグを提供』


〔日本の歩き方
2015年4月12日 09時00分
(2015年4月22日 04時10分 更新)〕


オーダーメイドの旅を提供するトラベル・コンシェルジュ・カンパニー、
株式会社 旅工房は、ニューヨークのブルックリンをモチーフとした旅
の相談ができるカフェ・バー
BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
にて、ジャッキー.・ロビンソン・デーである4月15日(水)にホットドッグ
「ブルックリンドッグ」をジャッキー・ロビンソンの背番号42にちなみ
42円で提供する。

ジャッキー・ロビンソンは、ブルックリン・ドジャースで活躍した黒人初
のメジャーリーガー。
彼のメジャーデビュー50年目にあたる1997年4月15日、彼の背番
号42番はメジャーリーグ(以下「MLB」)すべての球団で永久欠番と
なった。
またMLBは2004年4月15日、この日をジャッキー・ロビンソン・デー
と制定した。
毎年4月15日は、人種差別の撤廃に大きな影響を与えたジャッキー
・ロビンソンを称えMLBの選手全員が背番号42のユニフォームを
着て試合に参加する。

世界平和への貢献を企業理念に掲げる旅工房では、ジャッキー
・ロビンソンに敬意を表し、 BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
にて4月15日(水)に特別イベントを開催する。
ジャッキー・ロビンソンの背番号42にちなみ、この日限定販売の
42円でホットドッグ「ブルックリンドッグ」を提供する。時間は12時
から17時まで、テイクアウトのみの300食限定。

また、店内にてジャッキー・ロビンソン基金への募金活動も実施
する。
ホットドックの売上げおよび集まった募金は、優秀なマイノリティー
の若者に奨学金を交付する「ジャッキー・ロビンソン基金」に全額
寄付する。

◇日時
2015 年4月15日(水) 12時から17時
◇場所
BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
(東京都豊島区南池袋2-22-1 第3高村ビル 1F)
◇内容
ホットドッグ「ブルックリンドッグ」を42円で提供
(300食限定/テイクアウトのみ)
店内にてジャッキー・ロビンソン基金への募金箱設置

(日本の歩き方/WEB編集局)
BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
■住所:東京都豊島区南池袋2-22-1
 第3高村ビル 1F (池袋駅東口から徒歩5分)
■営業時間:11:00~23:00(L.O. 22:30)
■HP:BROOKLYN MILLS by TABIKOBO



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by bunbun6610 | 2015-04-23 19:00 | 障害者の経済学

障害者の法定雇用率 - 日本は最低の2%。それでも未だに未達成。

『障害者の法定雇用率
 - 日本は最低の2%。それでも未だに未達成。』


『日本の超恩恵型障害者福祉施策と、
障害者の雇用率』
〔2011-07-03 09:22〕



1.8%時代も含めて30年以上、一度も達成したとこがない。
それでも日本政府は放置したままだ。


企業は障害者使い捨てで、助成金繰り返し受給を
続けている。
助成金の取り放題なのである。
雇用率は上がらないのに、国の支出ばかり増えて
しまっているのだろうか?

それを、ハローワークも黙認している。


『会社面接で『雇止め』の理由説明をどうするか?
(ハローワークで)』
〔2015-04-09 18:30〕





なぜ、下の記事のようなことがあるのか、
これでわかっただろう。


『身体障害者手帳のない聴覚障害者(難聴者)は、
どうやって就職するのか?』
〔2013-01-16 18:00〕




企業が障害者手帳に関心を持っているのは、
要するに障害者雇用助成金が欲しいから
なのである。
今の障害者雇用助成金制度が、就職弱者
への差別も招いているのだ。

だから、障害者手帳のない障害者は、
障害者枠には応募できない。



それに、国が企業に助成金や、障害者に失業給付
や福祉金ばかり払っているだけだったら、
この国の財政は一体、どうなってしまうんだ?

それでも、障害者は働かせないほうがいいのだろうか?


小山内美智子氏の言葉(※1)を思い出せ。


(※1)
『『車椅子からウィンク 脳性マヒのママがつづる愛と性』(1/2)』
〔2013-09-16 18:00〕





『花燃ゆ』の高杉晋作の言葉(※2)を思い出せ。


(※2)
『花燃ゆ - 第9話 『高杉晋作、参上』』
〔2015-03-08 13:30〕



このままでは、日本は腐るぞ。
沈没するぞ。


『障害者雇用助成金は、雇用する企業へのご褒美?』
〔2011-08-20 23:54〕




『助成金が社会を腐らせる』
〔2015-03-01 18:30〕





今度こそ、『障害者の経済学』を真剣に考えよう
ではないか。
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by bunbun6610 | 2015-04-10 18:30 | 障害者の経済学

助成金が社会を腐らせる

『助成金が社会を腐らせる』

『就職祝い金を獲る“小技”』

『失業給付の受給期間中に就職祝い金
をもらう“小技”になるか』



就職祝い金とは、正式には「再就職手当」(※1)
呼ばれる給付のようだ。


(※1)
『就職促進給付』
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_stepup.html




失業手当をもらっている期間に、再就職が決まると、
残りの失業給付はどうなるのか?

「再就職が早く決まった人の方が損して
しまうのでは?」

と思う人もいるかもしれない。
しかし、そんなことはないようにと、再就職手当という
ものがある。
私も、過去にもらったことがある。
額はその人によりまちまちだが、前職で長く勤めていた
人ほど、大きな金額になる。

「企業が助成金の対象になる障害者を食い物にしている」

というのなら、障害者もこの制度を逆手に取って
みたらどうだろうか。


例えば、会社から一方的に雇止めをされてしまった
場合は、「会社都合での退職」があると思う。
この場合は、退職した日から、だいたい翌月から
失業給付がもらえる。

受給期間は在籍期間にもよるが、雇用保険の加入期間
(※2)
が12か月以上あれば、
障害者の場合は360日まで
(ただし「最長で」である)
失業給付がもらえるのだ。


(※2)
『基本手当の受給要件』
http://www13.plala.or.jp/S-Kawamura/jimu/kihonteate.html


雇用保険の加入期間である。
雇用期間ではないことに注意。

原則として、雇用保険の適用範囲になる労働者を
雇用した場合は、事業所が雇用した日から労働者
を雇用保険に加入させなければならない。
しかし、これに違反している企業は少なくない。
特に、飲食業界では、試用期間は一切の保険に
加入させないのが当たり前になっている。




1箇所の会社での雇用保険加入期間が12か月未満
でも、他の会社で、過去に失業給付をもらっていない
加入期間があれば、その分も加入期間を合算できる。

だから、どんな場合でも、会社を退職する場合は必ず、
それぞれの会社から『離職票』をもらうことを忘れない
ようにしたい。

万一、会社とトラブルになっても、円満退社とまでは
いかなくても、揉め事にはならないようにしたほうが
いい。

それでももし、紛争になるようだったら、まず事業所の
管轄地にある労働基準監督署へ行って仲介に入って
もらい、解決を図る。
それでもダメだったら、労働局に行って相談する
(労働裁判の検討)ことになったりと、
えらく面倒なことになってしまう。

法律上は労働者の権利は守られるが、
やはり面倒なことを避けたほうがいいので、
「許せない」と思ってもカッとならず、
さっさと諦めたほうが利口なのかもしれない。
本意でなく、残念なことだが。


本題の“小技”について話すが、その肝心な点は、
まず失業給付の受給期間(離職の日の翌日から1年間
に突入することである。
失業したら、とにかく早く申請し、失業認定を
受けることだ。
受給期間に入っただけでは、失業給付は
もらえないのだ。

失業給付をもらうには、先に述べたように、
離職票が要る。
だから、会社と揉め事にならないほうが
早く申請できて、給付金も早くもらえるのだ。

障害者の受給期間は、最長で360日もあるが、
離職票のトラブルで申請が遅れればそれだけ、
減ってしまうのである。
申請が遅れて給付期間が減れば、
給付日数が残っていても、
その分はパーになってしまうのである。
つまり、それだけ受給総額も減ってしまうことになる。

申請すると、国は失業者の生活を守り、再就職までの
支援として、失業給付を与える。
しかし国は、本当はこうしたくはないのである。

中には、失業給付が切れるまで再就職しない、
という人もいるだろう。
そして、カネがなくなったら生活保護へ突入する方法
もある。

だから国は、そうしたことを防ぐために、再就職手当などを
用意しているのである。
こういうニンジンを、受給者の前にぶら下げて、
失業者に早期再就職を促している。
下手すると再就職はできても“失敗続き”の地獄にはまるが。

障害者に限ったことではないが、要するに、特定求職者
雇用開発助成金の対象者は、助成金が切れたら『雇止め』
(勿論、本当は「会社都合」理由であるが)にされるケースが、
かなりある。
その場合、企業はその予告通知をして

「今のうちに次の仕事を探しなさい」

「残りの在職期間は、もう会社に来なくて良いから、
早く転職先を見つけなさい」

などと言う。

これは無責任なことではあるが、もはや、どこの企業でも
やっている“小技”であるから、仕方がない。

障害者も、そんな会社に愛想を尽かして

「会社でもめているより、早く新しい会社を見つけた
ほうが・・・」

と思うものだ。

だが、ちょっと待て。
そんな虚しい努力をするより、ここで、先に述べたハロー
ワークの就職祝い金を狙ったほうが利口ではないか。

(ただし、もらう条件がある。
例えば、
「過去3年間に再就職祝い金をもらっていなければ」
といった条件がある。)

この額は大きい。
逆に、デメリットとしては、このお金をもらってしまったら、
次の就職先で2ヵ月とかで辞めたとしても、
失業給付は出ない可能性が高い。(※3)

例えば、やむなく就職したが、そこもブラック企業で
仕事がしんどく、自分にも障害がある障害者だと、
相当の我慢を強いられるだろう。


(※3)『基本手当の受給要件
http://www13.plala.or.jp/S-Kawamura/jimu/kihonteate.html


障害者雇用の場合は、ほとんどの会社の求人票には
「試用期間あり」と書いてある。
その期間も、多くは「2,3カ月」だが、中には「1カ月」とか
「6カ月」というのもある。
注意すべきなのが、ここだろう。

特に飲食業界の場合は前述したように、
試用期間の間は雇用保険に加入させていない
事業所が多い。
(勿論、これは企業側の違反である)

だが、失業給付の受給期間に再就職が決まっても、
この条件は変わらない。
とにかく、どうせならば、額の大きい就職祝い金を
もらえるように、自分で再就職計画をつくり、
その通りにやれば、このカネは手に入る。

そこで、転職活動中に企業に

「いつから働けますか?」

と聞かれた場合にも

「今の会社を辞めた後に」

なんて正直に言わず

「●月×日からならば、働けます」

と、ごまかすのである。
その空けた期間に、失業認定を受ければ
いいのだ。
その後の再就職ということにすれば、
就職祝い金はもらえる。


会社面接では、転職理由を

「実は、今の会社からは

『ウチとしては、これ以上の契約更新は
できませんので、今のうちに転職先を探しなさい』

と言われたのです」

と言えばいい。
障害者の雇止めなんて、どこの会社もやって
いるのだから、これはどこでも信用する。
雇止めなら、すぐに失業認定は受けられる。
だから企業側も、助成金のことはすぐ頭に浮かぶ
ことだろう。
向こうは喜んでシッポを振るに違いない。
自分もカモにされるが、再就職を少し延ばせば、
就職祝い金がつくのだ。
会社のほうも、助成金がもらえる。

だからこうしたほうが、お互いにとってプラス
になるのだ。
その代わり、国の財政はどんどん悪くなる
だろうが・・・。


失業給付の受給期間に突入した後ならば、
企業も雇用助成金をアテにできるのだから、
本気で「獲りたい」と思うので就職が楽になる。
さらに、就職祝い金まで獲れる。

これは一石二鳥のアイデアだし、やっている
人もかなりいるのではないだろうか。

企業が助成金繰り返し受給をやっていれば、
労働者・求職者もこれを繰り返すだけで、
あとはクビにならない程度に働くだけなのが、
今の労働社会での生き方なのかもしれない。



『障害者の就労と障害者雇用助成金
 - 入社日をずらすテクニック』
〔2015-02-25 21:46〕

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by bunbun6610 | 2015-03-01 18:30 | 障害者の経済学

『障害者雇用の配慮とは何か・・・』

http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/archive/2012/06/07



炎のジョブコーチ
『障害者雇用の配慮とは何か・・・』
〔2012/6/7(木) 午前 0:30〕


権利条約批准に向けて雇用面における「合理的配慮」という
新たな考え方が入ってきます。
でも、いろいろな企業を訪問し、配慮ってなんだろうと思う
ことがあります。
「配慮」には企業の中でも支援者の中にも温度差がある
ように思います。

例えば、その人がすぐに出来る仕事を用意することは
はたして「配慮」でしょうか。

どうもこのレベルが「配慮」であると考えられている傾向が
あります。
仕事の本質からするとちょっと違うように思います。

実はこのような配慮はあまり継続雇用はうまくいっていない
気がします。
むしろ配慮なしで時には注意されながら、時にはほめられ
ながら成長し、出来ないことが出来るようになる。
そんなごく普通の職場で成長していく姿があることが
継続雇用はうまくいっているように思います。

仕事の内容よりは「教え上手」なほうが本来の「配慮」かと
思います。

さらにいうと、能力の評価、育成、能力開発、その他の処遇
について「配慮」されているかが本質のように思います。
2.0時代を前にして「配慮」をもう一度考えてみることが
必要かもしれません。
「合理的配慮」は、それぞれの国ごとに解釈され批准されて
いるようです。
我が国に相応しい「合理的配慮」をつくりだしたいですね。



===============================





日本の障害者雇用には「特別扱い」というものは
あっても、「合理的配慮」というものには、
滅多にお目にかかれないようだ。

なぜだかはわからないが。

「障害者雇用で与えられる仕事というのは、
どうしてこんなにレベルの低い仕事ばかり
なのだろうか」

と思うことが常である。

そして、これには常に


「これは本当に配慮か? それとも差別か?」

という疑問を、働く障害者の中に生み出す。
仕事中に悩んでしまい、かえってやる気を
失くすこともしばしばである。
ノイローゼ状態になってしまい、全然仕事に
手がつかなくなってしまったこともある。

配慮だとしたら残念ながら、逆効果になっている。
差別だとしたら、当然の結果である。

誰も本気で、そんな下らない仕事をやりはしない。



障害者雇用とは、言い換えてみれば
「特別枠」なのだ。
だから「障害者雇用枠」と言う。
そこに甘えざるをえなくなる障害者が、
たくさんできてしまう。

こんなことをする国の将来は当然、真っ暗だ。
だから『障害者の経済学』も重要戦略なのだ。


「合理的配慮」いや「特別扱い」として、よくあるのが、
下の記事にある「スモールステップ」だろう。

『障害者雇用に合わせた“仕事を切り出す”ということ』
〔2014-09-30 18:30〕



そして、その結果が、下の通りなのである。


『障害者雇用 - 就労後の障害者の、それぞれの思い』
〔2014-09-22 18:30〕




では、どうすればいいのか。


本当の「合理的配慮」というのは、例えば

聴覚障害者に情報保障や通訳者を用意したり(※1)

車椅子障害者等のタクシー通勤を認める(※2)

などを行うことではないだろうか。


(※1)
『トランスコスモス株式会社の障害者雇用
 - 手話などによる、聴覚障害への配慮例』
〔2014-08-12 18:30〕




(※2)
『『合理的配慮、視覚障害のある人のタクシー通勤!』』
〔2014-10-26 18:30〕





助成金を企業の懐に入れてしまうだけなんて、
時代錯誤も甚だしい。


『障害者雇用助成金は、雇用する企業へのご褒美?』
〔2011-08-20 23:54〕




炎のジョブコーチ
『補助金が障害者雇用をダメにする』
〔2010/4/16(金) 午前 0:57〕



>「50万円が出なくなると、その時点で終わりになります。」




障害者に有期雇用契約の利点を使い
「雇止め」させ、また新たな障害者を雇えば、
また新たな助成金が企業に入る。
麻薬のように、それがやめられなくなって
いるのだ。


『職場内障害者授産施設 (12)タライ回しされる障害者』
〔2013-10-25 18:00〕



『『障害者雇用助成金の不正受給になりませんか?』 』
〔2013-11-16 08:24〕






【追記】(2015年1月18日)


松森果林UD劇場~聞こえない世界に移住して~
『年頭の社長説示に手話通訳』
〔2015-01-06〕

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by bunbun6610 | 2014-12-17 18:30 | 障害者の経済学

『合理的配慮、視覚障害のある人のタクシー通勤!』

国務大臣 地方創生・国家戦略特別区域担当

 石破 茂 様



=============================

http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/archive/2014/02/27

炎のジョブコーチ
『合理的配慮、視覚障害のある人のタクシー通勤!』
〔2014/2/27(木) 午前 0:17〕


改正障害者雇用促進法における合理的配慮の提供に
関する研究会でのヒアリングの議事録を見て、視覚障害
のある団体から通勤にタクシーが使えたなら働ける人も
多い…という意見がありました。
もちろん、交通機関の乏しい地方の話ですが、確かに、
バスの路線がない、あっても本数が極めて少ない、
バス停から会社まで遠いなど、通勤の問題さえクリア
できれば働くことができるとすると、これは合理的配慮
だと思われます。
もちろん、会社が負担するのなく公的な支援だと思います
が、みなさんはどうお考えですか。
通勤にタクシー、贅沢? とビックリするかもしれませんが。

社会会計みたいな発想で見てみると、
例えば、働けば、本人の生産、消費、納税。
さらに、在宅でいるよりも健康でしょう、間接的に医療費も
関係するかもしれません。
65歳まで働き続けたら介護費用にも関係するかもしれません。
さらに一人の人の生き生きとした人生を生み出しています。
もっと言えば、タクシーは地域の経済に良い影響です。
シニアの方が送迎員をすれば、高齢者の雇用の場の創出
になるかもしれません。
障害者施設も送迎がありますから、タクシー通勤も「贅沢」
ではないですよね。

納付金の対象が平成27年より従業員100人を超える企業
に拡大されます。
納付金が増えると効果の薄いナゾの助成金制度が出来たり
しますが、本当に効果のあるツボな助成制度を作ってほしい
と思います。
この視覚障害のある人のタクシー通勤の助成はおもしろいと
思います。
通常の交通機関を使った額が会社自己負担分で残りは
納付金から助成というのはありだと思います。

いかがですか。



=============================




視覚障害者や、車椅子障害者には、通勤の問題もある。
遠距離だったり、途中に危険なところがあったりすると、
他はよい条件の求人票を見つけても、応募を諦めたり
してしまうだろう。

ただでさえ求人票を探すのが困難だというのに、
たったそれだけで仕事に就くチャンスがさらに減る。
それどころか、就職できなくなってしまうケースは、
聴覚障害者の不利と同様に多いと思う。

しかし、物理的なバリア解決は、そんなに難しくは
ないはずだ。

そういう地域だったら、制度を少し工夫することに
よって、タクシー業界から始まり、街の商店街など
の経済効果やら、地域活性化も少しずつ期待できる
ようになるのではないだろうか。
障害者が経済力を持つことによって、いろいろな
ことが変わる。
(詳細は当ブログ・カテゴリー『障害者の経済学』参照。)


地方では、マイクロバスで社員を送迎している
事業所も多いと思う。
最近、地方創生が言われているが、
地方経済の活性化と障害者雇用施策をコラボレート
すれば、相乗効果になると思う。

人口は今すぐには増えないが、この方法だったら、
いろいろな相乗効果がすぐに生まれると思う。

ただし、企業は喜ばないと思う。
助成金が障害者のために遣われてしまうのなら、
その対象の障害者は雇わなくなってしまうだろう。

ADA法のあるアメリカでも、合理的配慮は
障害者雇用率の向上に貢献しなかったそうだ。

なぜ聴覚障害者の雇用率が高いのか。
それも知れば、企業の本音がわかる。
企業は

「聴覚障害者ならば、何も配慮をしなくていい」

と考えていたからである。
障害者雇用助成金を丸々、懐に入れることが
出来たからだ。
だから当然、設備改良をしなければならない
障害者は雇わなくなっていた。
それで、聴覚障害者を優先的に雇用していたのだ。
もし、聴覚障害者も合理的配慮として手話通訳を
要望すれば、会社は聴覚障害者を雇わなくなって
しまう。
これが、合理的配慮と障害者雇用率の、
偽らざる関係である。

残念ながら、企業にとっての“短期的経済学”と、
障害者及び社会全体にとっての“長期的経済学”は
反目し合っているものだ。


『障害者雇用助成金は、雇用する企業へのご褒美?』
〔2011-08-20 23:54〕



『障害者雇用助成金と合理的配慮の関係は?』
〔2014-04-15 18:30〕


『障害者雇用助成金の不正受給になりませんか?』
〔2013-11-16 08:24〕



人事労務コンサルタントmayamaの視点
『解雇・会社都合退職と助成金の不支給』
〔2012-03-23〕



視覚障害者や車椅子障害者の雇用率ダウンを
防ぐには、タクシーは別の助成金にするしかない。


>「通常の交通機関を使った額が会社自己負担分で、
残りは納付金から助成というのはありだと思います。」


これはこれで運用して、それに充てるお金として、
新たに「タクシー助成金」という助成制度をつくれば
いいのではないだろうか。

議会の予算案で反対派が出るかもしれないが、
国連・障害者権利条約の実質的批准に向けて、
政府としては必要なのではないか、と思う。

同時にご褒美的にあげている企業への「助成金」は、
変えていくことも必要だろう。
合理的配慮はやはり、企業と公金の両方で実現され
なければ、立ち行かないのだと思う。
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by bunbun6610 | 2014-10-26 18:30 | 障害者の経済学

『障害の経済学 ― 共生の社会をめざす新しい理念の構築に向けて―』

『障害の経済学 
 ― 共生の社会をめざす新しい理念の構築に向けて―』





「私は以前デンマークに住んでいたのですが、
毎年1回、大規模な福祉機器展が開かれていました。

私も何回が足を運びましたが、そのたびに他の国の
人から日本ではこのような機器展をやっていないのか
と聞かれました。

十数年前、日本ではこのようなイベントはありません
でした。
そのときは漠然と需要がないから、と考えていました
が、その後、日本の社会は需要がないのではなくて、
需要をつくりださないのだということに気がつきました。

障害者を外に出さない、押し込める発想が強かったから
でしょう。

ヨーロッパなどでは、障害者も能力があればその力を
発揮して社会に進出していく、そのためには人的介護
も必要だが福祉機器用具が必要であるから、北欧など
では福祉機器業が産業として成り立つのです。

これは日本でも可能なはずです。

そういった意味で障害の経済学は成り立ちうるし、
成り立たせなければならないものです。

そうなれば社会保障費用の問題もありますが、まず
能力のある者は外に出て自立し働く、それでこそ本当
の福祉国家となれるのではないでしょうか。」(渡辺)



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by bunbun6610 | 2014-03-24 18:30 | 障害者の経済学

ある聴覚障害者から見た世界
by bunbun6610

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