カテゴリ:情報保障・通訳( 48 )


https://www.asahi.com/articles/ASL7L62GBL79ULZU00G.html?ref=yahoo



「障害者の兄」
隠し続けた妹の葛藤、
披露宴で出した答え


山内深紗子
2018年7月19日11時51分


重い障害のある入所者19人の命が奪われた「やまゆり園事件」
から間もなく2年。
「障害者は不幸を作ることしかできない」。
命を選別する植松聖(さとし)被告の言葉は、社会に暗い衝撃を
与えた。
命の価値とはなにか。
障害者の「きょうだい」として生きる人の目を通して考えてみたい。

 あの事件の後、警察は被害者を匿名で発表した。
遺族の強い希望という理由だった。

 滋賀県の養護学校教諭、久保田優里(ゆり)さん(28)は
匿名公表に胸が苦しくなった。
兄の植松暖人(あつひと)さん(30)は脳性まひで重い知的・身体
障害がある。
偶然、旧姓が被告と同じだったことも嫌だった。

 「障害のある人の死を数でしか語れない社会への違和感。
一方で、家族が名を明かせない気持ちもわかるから、
しんどかった」

 兄を特別視せず隠すこともなかった両親のもとで育ち、
幼い頃は兄の「障害」を意識したことがなかった。
強く認識したのは9歳の時だ。

 休日の午後、兄と留守番をした。

「ほんまは話せるけど、実は隠してるだけなんやろ?」。

兄にそう耳打ちし、部屋を出て様子をうかがった。

「うーっ」。

30分間。
待っても兄は話さなかった。
よだれが兄の首をつたった。

 学校で同級生が不器用な友人を

「お前、障害児か。
何にもできん」

とからかっていたことが頭に浮かんだ。
胸をつかれた。

 中学生になると、友人に兄の存在を隠すようになった。
好きになった人にも言えなかった。

 なぜ、言えないのか。
何度か障…





========================








私にも妹がおり、気に食わないことを頼まれたことがある。
妹から

「娘(姪に当たる)が大阪で結婚式を挙げる」

という話が舞い込んできた。
その時に、高齢で足がやや不自由になっていた父と、
母に結婚式に出席してもらうため、私に付き添いをしてほしい、
と妹が頼んできた。
両親はこの件について何も言わず、頼んでも来なかった。
両親は、欠席するつもりだった。
そして、私には招待状が届いていないということで、
つまり家族全員が不参加という事態になった。

妹は

「この行事は人生で最初で最後だから、
どうしても両親に出席してほしいから」

と何回もメールを送ってきた。
私もそれには応えたいと思って

「では、私は聴覚障害者支援の要約筆記者を手配するから、
それで両親と一緒に行くということでいいか?」

と言った。

しかし、妹は

「結婚式場の前まで両親を送ってきてくれればいい」

「通訳者は入れない」

「あなたが聴覚障害者だということは、
今まで誰にも知らせたことはありません」

などと言ってきた。

要するに、私の希望は一切飲めない、という話だった。
じゃあ、何のために私はその式場へ行くのだろうか?
両親を送迎する付き添い人として、行くことになる。

つまり、聴覚障害を持つ私が家族であり、兄だということを、
妹は最後まで知られたくなかったのかもしれない。

昔、テレビドラマで観た『おふくろに乾杯』を思い出した。


http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-26295


https://www.youtube.com/watch?v=5DVqf0Jdixs


あれと同じだった。

「家族のなかに障害者がいるだけで不幸な結婚になる」
(それが知られるだけでも不幸になる)

という見方が、社会の中にあるとしか思えない。
もし、私が聴覚障害者だと知られたら、波紋が起きたのだろう。
向こうのほうが家柄が高い。
それで、結婚が破談になるのを恐れたのかもしれない。
遺伝の心配も起きただろう。
家族のなかに一人でも障害者がいると、世間はそれを心配する。
障害者は、人間ではないのか?
子どもの頃から、私は劣等感に苦しんで生きてきた。



優生思想は『健常者の「社会から障害者をなくそう!」運動』

『障害者に子をつくらせない方法』
[ 2018-07 -22 18:00 ]



【関連記事】


『『車椅子で夜明けのコーヒー 障害者の性』 2/2 ピア・カウンセリング』
[ 2013-08 -26 18:00 ]








『障害者(の社会参加)を抹殺する社会』
「社会って、何?」


『バリバラ団の「がんばらなくていい!」に賛否両論』
[ 2014-02 -14 18:00 ]

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by bunbun6610 | 2018-07-25 22:07 | 情報保障・通訳

要約筆記者って、どんな勉強・練習をしているの?

手話がわからない聴覚障害者はたくさんいます。
難聴者、中途失聴者、それに「盲ろう者」
(弱視難聴障害者などの例)と
呼ばれる人たちの中にもいます。



〔関連記事〕



·なぜ手話ができない聴覚障害者が多いのか?
[ 2014-07 -19 18:30 ]




『「盲ろう者」について』
[ 2011-04 -09 09:34 ]



また、ろう者の中にも、手話を知らないで育った
人もいます。
その人たちも、手話通訳者を必要としているろう者
と同じように、要約筆記者を必要としている場合も
あります。








では、要約筆記者って、何?

どんなところで養成されているのでしょうか?

どんな技術を持っている人なのでしょうか?

調べてみたら、下のような情報を見つけました。


ブログ『要約筆記者になりたい』
http://cheerful-rabbit.com/


ブログ『一問一答クイズ! 要約筆記者になりたい』
http://goldrabbit.work/


ブログ『一問一答! 要約筆記者問題集』
https://ameblo.jp/e-rabbit/


ああそうか。
これらは全て、あのラビットさんが筆者だったのか。
『難聴者の生活』
https://blog.goo.ne.jp/hearingrabbit
の筆者としても、有名な人だ。


利用者の立場として書くとすると、

「どんな場合によく、要約筆記を利用するか?」

この答えは、それが利用できる条件の場合に限るのです。
代表的なのが

(1)病院での診察
(2)障害者福祉関係の講演会など
  (特に、聴覚障害者団体での行事関係)
(3)趣味・行楽・旅行関係の集まりなど
(4)その他では、「通訳の許可が受けられるものの場合」 
  に限る。


「通訳の許可が受けられるものの場合」には、
次のようなものがある。
①非営利目的の活動、講演会、講習会、教室、セミナー、など
②会社訪問、面接試験、就職説明会など
③公的な法律相談、各種相談など

その他はもう、ほぼ無理なものが多いかな。
理由の多くは、主催者側や相手側の許可が得られないためだ。

つまり、この事実は

「聴覚障害者は社会参加したくても、
こうした形の差別に遭うために通訳者を利用して
社会参加することが難しい」

ということを意味しているのです。
このことは手話通訳を利用しているろう者も、
同じだと思います。

コミュニケーションを必要とする機会は非常に多いのだが、
利用可能なケースとなると実は、非常に少ないのである。
健聴者の友人との会話でも、通訳者を連れて来たいと伝えると、
嫌がられる場合が多いもので・・・・。


さらに、これが家族間であっても、そうなることがあります。


· 『なぜ手話・要約筆記通訳は使われないか?』
[ 2014-10 -19 18:30 ]



悲しい現実ですね・・・・。



大事な場面でも、例えば会社で起きた労働問題など
での面談とかは・・・・やはり拒否されます。
秘密を知られたくないような内容では一切、
通訳者は立ち入れなくなってしまう。
通訳者に守秘義務があっても。
健聴者は「差別ではない」と言う。
しかし、実質的には差別となっている。
健聴者が障害者の人権と、
障害者自立支援法を、こうも簡単に踏み倒しているのだ。

会社の会議やミーティングも無理。
ハローワークであっても、派遣を断られるのが
普通である。
ミニ面接会も自分で連れてくるのは構わないが、
派遣はしてもらえない。
相手(企業)が筆談をすれば済むことだから。


【通訳者の同行を断られた典型例】

·障害者雇用 - 楽天ソシオビジネス株式会社
[ 2015-01 -31 18:30 ]




ところが、通訳者を連れてくると、
当たり障りのない会話だけで終わってしまう場合
が多い。
筆談でも、時間がかかるためなのか、
時間が限られた面接会では会話が少なくなって
しまうのが自然である。

書かれた紙がその後、どうなるのかも、
相手側は特に気にするので、
どこも要約筆記者の派遣を嫌がっていることは
間違いない。


別の理由もある。


·手話通訳者は要るの、要らないのの話
[ 2016-05 -26 23:58 ]



要するに、会社面接は障害者差別解消法に基づいて、
通訳者同行を原則、拒否できないのだが、
本心は通訳者なしで、つまり補聴器などのみでの
コミュニケーションが可能な聴覚障害者のみを採用したい、
と思っているわけだ。
だから、その点を確認するために、
通訳者を拒否するのである。



入社後でも人事部は手話通訳ならOKでも、
要約筆記者など絶対に派遣しないし、
「代わりに筆談しますから」とは言ってくれるけれども、
実際には現場の人になると筆談すら省くために

「あなたはこれをやって」

と別業務(単純労働が主である)を指示して
済まされることがほとんどである。

結果、聴覚障害者はチームワークから外されてしまう
業務内容になることが多いのである。
このことは、聴覚障害者の職場内人間関係や
スキルに大きく影響してしまっている。
結果、精神に悪影響を受けたり、経済的にも不遇になりやすい。

なので、個人で要約筆記通訳者を依頼する金銭的余裕も、
まずない。
こんな人を支援する要約筆記者になっても、
生活が貧しくなるばかりで、
将来も真っ暗になってしまうだろう。

要約筆記よりも10倍ぐらい利用者が多い
手話通訳者ですら、飯を食っていくことができなくて
辞めてゆくのが現状だと聞いているのだから。
だからやめたほうがいい。



【参考記事】

·『新宿区障害者計画(平成21年度~29年度)』
[ 2016-08 -26 00:39 ]




それでももし、この仕事をやりたいというのなら、
まずは上に述べたように、
利用率が高い通訳内容から訓練したほうがいい。
「イチローと豊田章男氏との対談」を練習しても、
こういうのは利用者にはほとんど、機会すらないだろう。
それでもやるというのなら、後回しで練習すればよい。


しかし、珍しいケースがあったな。
利用者がどうしても会社の講演会の内容を知りたくて、
その音源を録音したDVDを借りて、
後でそれを知り合いの要約筆記者に預けて、
要約筆記文を書いてもらったケースが。

要約筆記者は

「面白い仕事だった」

と言っていた。

通訳してもらったのは、森ビル株式会社の

『安全会議講演会』

だった。
講演者はNPO法人日本アビリティーズ協会の会長である、
伊東弘泰氏。

https://www.abilities.jp/abilities_group/idea

森ビル株式会社の安全会議講演会で、
初の障害者講演者だった。
この通訳を、広島の要約筆記者にやってもらった。

勿論、タダというわけにはいかず、謝礼を払った。
そういう、レアなケースもある。
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by bunbun6610 | 2018-05-09 18:30 | 情報保障・通訳

昨日の当ブログにおいて、
アクセス・ランキングトップとなった記事は、
下の記事でした。



『健聴者が考えた聴覚障害者情報保障の問題点 (2) 』
〔2011-11-17 22:17〕



利用者側からの率直な意見としては、
貴重なのかも知れない。
ただし、幾ら貴重であっても、
費用を出すのは会社なのだから、
会社が一方的に決めることには変わりない。


これを読み返して、自分でも驚くのが、下の部分。
特に赤字・下線を引いた部分。



「だから本当は、こういう問題を解決するためには、
情報保障のプロや、利用する聴覚障害者にも、
意見をよく聞いてコーディネートすることが
大切だと思います。

今はまだ、そこまで意識が到達していないので、
会社のド素人さんの人が
一方的にコーディネートした情報保障しか、
なされていないのだろう

と思います。

その他でも、とにかく、情報保障を提供する側が、
何でも一方的に決めてやってしまいがちのようです。

そうではなく、費用を出す側だけではなく、
その道のプロの人や聴覚障害者も一緒に関わる
ことにより、よりよい情報保障ができる、
と確信しています。」



これは過激過ぎるから、注目を浴びただけなのかも
しれない。

「合理的配慮」はしたが、果たして「差別は解消された」か?
必ずしも、イコールにはならないと思います。
しかも、曖昧なことに法令には「可能な限り」という
条件付きなのだから、聴覚障害者側はこれでも
文句は言えません。


皆さんは、どう思いますか?

「ここまでしてくれたんだから、ありがたく思うべき」

という声も、聴覚障害者からは少なくありません。
だからきっと、賛否両論があることでしょう。
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by bunbun6610 | 2018-03-24 18:00 | 情報保障・通訳

どんな人でも、長生きすれば必ず避けては
通れないことがあります。
それは死ともう一つ、老化です。
どんなものでも手に入れられないものはない、
金銭的余裕のある富裕層の人にも必ず、
この二つは訪れてきます。

生きている限り、老化は聴覚にも、必ず現れてくるでしょう。
だからこそ、医療と老後・障害者福祉のビジネスに
注目し、参入してくる事業者も、必ず現れるのです。


シバントス株式会社
https://www.sivantos.jp/



森ビル株式会社の森 稔・前社長も晩年、
老人性難聴になり、密かに補聴器を愛用していました。
秘書室に補聴器の請求書が来ているのを、
見ていました。
しかし、それを社内で大っぴらに言う人は、
誰もいなかったようです。
だから社内でも、その事実を知らない人が多かった
ようです。
難聴者というのは、そういうものです。

丁度、ルーズベルト米国大統領が、
足に障害を持っていたことを隠していたように、
前社長も難聴を隠していました。
前社長の通訳を務めていた人で、
顧問室に株式会社フォルマ・芹澤ゆうという方がいました。


https://jp.ambafrance.org/article4249

http://www.women.co.jp/conf8th/profile/serizawa.html


この人は自ら、

「私の通訳はダメなんです」

と言っていました。
なぜかというと、

「意訳してしまうからです」

と言っていました。

それを聞いた当初は、

「ああそうなんだ。
相手の言う事を、できるだけそのまま通訳したほうが、
社長も判断を間違えないよな」

と思っていました。

でも今になってそのことを考えると、
本当にそうなのだろうか? と思えてきました。


実は、手話がわからない難聴者が用いる
通訳手段には、要約筆記通訳というものがあります。

http://zenyouken.jp/about/

「話し手の話の内容をつかみ、それを文字にして伝える、
聴覚障害者のためのコミュニケーションの保障です。
1960年代に考案され、現在は手話通訳と同様に
福祉サービスとして行われています。」
(特定非営利活動法人 全国要約筆記問題研究会)



しかし、前社長はこういう方法を使わず、
補聴器に頼っていたようです。
難聴を隠すぐらいなのですから、おそらく、
そうした筆記用具に残る通訳方法は、
社長業という仕事では難しいと思っていたと思います。

しかし、それだけだったのでしょうか?
自らの老人性難聴障害と、簡潔な通訳は無関係だったと、
果たして言い切れるでしょうか?
いや多分、長い原文通訳よりも、相手の言っていることを
できるだけ簡潔に通訳してくれたほうが助かっていた
可能性が高そうです。


実際に、多くの要約筆記者の証言では、
高齢者に通訳する場合は若い人に通訳する場合と違って、
通訳文があまり長過ぎないように注意(配慮)している
そうです。
それで、その社長専属通訳者は、そういう訳し方を実際に
していた可能性があるのです。

プロである通訳者としては、本当はそんな通訳ではダメだと
わかっていた。
なのに、

「自分の通訳はダメだ」

と公言してまで、簡潔な意訳にこだわったのは、
厳しい環境で仕事をこなす、
前社長の耳(難聴障害)への配慮だったのではないかと、
思えるようになりました。

難聴者の場合、自分が話し言葉を全て(長く)聞き取るには
限界があることを自覚しています。
ですから、相手(この場合は通訳者)の話がそのまま
聞き取れるということは期待していないはずです。
それよりも、相手の話の内容を理解できないことのほうが、
聞こえない人にとっては重大なのだと思います。

なぜなら、そうなるとその場で、自分が必ず孤立してしまう
からです。
社長として、そこでうろたえてしまうわけにはいかないでしょう。

あるいは、長過ぎる通訳だったら、それを聞いている
(要約筆記では読んでいる)
時間が長過ぎてしまい、それでは相手の話を聞いている時間が
長くなってしまいがちになります。
そうすると、利用者には言われている(読んでいる)だけの
ような圧迫感も生まれます。
相手もきっと、通訳者を介したコミュニケーションに、
次第にもどかしさを感じてくることでしょう。
そして、相互会話を楽しむことも出来なくなってしまいます。
それでは一体、何の為の通訳でしょうか?

本当の意思疎通とは、即時性、相互性を保持することが
大事なのだと思います。
決して通訳者の上手い(というより、「完璧な」)通訳文を聞いたり、
読んだりすることではないはずです。

通訳とは何なのか?
決して通訳の技術が第一なのではなく、
通訳者の心構えがわかるようなことだな、と思いました。
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by bunbun6610 | 2017-10-23 19:00 | 情報保障・通訳


『新宿区障害者計画(平成21年度~29年度)』
『第2期新宿区障害者福祉計画(平成21年度~23年度)』
(平成21年(2009年)2月 新宿区)



【105 コミュニケーション支援事業(手話通訳者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成21年度  延740件

平成22年度  延800件

平成23年度  延860件


〔現状・課題〕
①手話通訳者の確保が課題です。
②通常の手話通訳者派遣と専門性の高い手話通訳者派遣とに分けて、個々に上限利用時間を設定しているため、利用者によって使いづらい場合があります。


〔サービス提供体制確保の方策〕
日常生活で手話通訳が必要な区内に住所を有する聴覚障害者等に対し、手話通訳者を派遣する事業を、新宿区社会福祉協議会、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月当たりの実利用者数は、平成21年度32人、平成22年度36人、平成23年度40人と見込んでいます。

①手話通訳者を確保するため、区立障害者福祉センターにおいて手話講習会(通訳者養成コース)を実施しており、毎年8人の講習修了を目指します。また、障害理解の促進により手話通訳者数を増やす取組みをしていきます。
②サービスの周知をさらに図るとともに、制度の仕組みを改善し使いやすい手話通訳制度としていきます。




【106 コミュニケーション支援事業(要約筆記者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
21年度  延80件

22年度  延90件

23年度  延100件


〔現状・課題〕
より使いやすい制度にしていくことと、周知が課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
手話のできない聴覚障害者等に対し、要約筆記者を派遣する事業を、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月当たりの実利用者数は、平成21年度4人、平成22年度5人、平成23年度6人と見込んでいます。

①第一期計画時の見込み量を上回る実績の伸びがあり、計画数値を見直しました。
②制度の周知をより図っていきます。
③制度の仕組みを改善し、使いやすい制度としていきます。



【107 コミュニケーション支援事業(区役所手話通訳者設置)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成21年度  延180件

平成22年度  延190件

平成23年度  延200件


〔現状・課題〕
①本庁舎、第一又は第二分庁舎の窓口以外には対応ができません。
②手話通訳者が少ない為、一部の手話通訳者に負担が偏っています。


〔サービス提供体制確保の方策〕
各種相談・手続き等で本庁舎に来庁する聴覚障害者のために、週1回午後の時間に区役所本庁舎に手話通訳者1名を配置しています。社会福祉協議会に委託して実施しています。

①実施体制の検討をしていきます。
②区役所での手話通訳者の設置方法について検討していきます。





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『新宿区障害者計画(平成24年度~29年度)』
『第3期新宿区障害者福祉計画(平成24年度~26年度)』
(平成24年3月 新宿区)


【106 コミュニケーション支援(手話通訳者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成24年度  延840件

平成25年度  延890件

平成26年度  延940件


〔現状・課題〕
①利用登録者数(平成23年度92人)に対し、実利用者数(平成22年度実績約30人)が少ない状況があります。
②平成23年度は28人が手話通訳者として登録していますが、派遣できる通訳者が限られているという状況もあり、確実に稼動できる手話通訳者の確保が課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
日常生活で手話通訳者が必要な区内に住所を有する聴覚障害者等に対し、手話通訳者を派遣する事業を、新宿区社会福祉協議会、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月あたりの実利用者数は、平成24年度42人、平成25年度46人、平成26年度50人と見込んでいます。
①手話通訳者を確保するため、区立障害者福祉センターにおいて手話講習会(通訳者養成コース)を実施しており、毎年10人の講習修了を目指し、手話通訳者の確保につなげていきます。また、障害理解の促進により手話通訳者数を増やす取組みをしていきます。
②利用登録者に対しアンケートを実施することで、使いづらい点や改善すべき点を明確化し、使い勝手の良い手話通訳制度を目指していきます。



【107 コミュニケーション支援事業(要約筆記者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成24年度  延90件

平成25年度  延100件

平成26年度  延110件


〔現状・課題〕
利用登録者数(平成23年度22人)に対し、一か月あたりの実利用者数(平成22年度実績約3人)が少ない状況があります。要約筆記について知らない人も多いことから、周知を図ることが課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
手話のできない聴覚障害者等に対し、要約筆記者を派遣する事業を、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月あたりの実利用者数は、平成24年度5人、平成25年度6人、平成26年度7人と見込んでいます。



【108 コミュニケーション支援事業(区役所手話通訳者設置)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成24年度  延210件

平成25年度  延220件

平成26年度  延230件


〔現状・課題〕
①本庁舎、第一又は第二分庁舎の窓口以外には対応ができません。
②通訳が平日ということがあり、活動できる手話通訳者が少ないため、一部の手話通訳者に負担が偏っています。
③平成22年度より、週2回に回数を増やしましたが、実績が上がっていない状況があります。


〔サービス提供体制確保の方策〕
各種相談・手続き等で本庁舎に来庁する聴覚障害者等のために、週2回火曜午前・金曜午後の時間に区役所本庁舎に手話通訳者1名を配置しています。新宿区社会福祉協議会に委託して実施しています。
①コミュニケーション支援事業利用登録者に利用に関するアンケートを実施する中で、より使いやすい手話通訳者の設置方法について検討していきます。
②手話通訳者の確保に努め、平日活動できる通訳者を増やしていきます。
③広報への掲示や利用登録者にお知らせするなど、周知方法を見直します。



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『新宿区障害者計画(平成27年度~29年度)』
『第4期新宿区障害者福祉計画(平成27年度~29年度)』
(平成27年3月 新宿区)



【107 意思疎通支援(手話通訳者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成27年度  延1152件

平成28年度  延1246件

平成29年度  延1381件


〔現状・課題〕
日常生活で手話通訳が必要な区内に住所を有する聴覚障害者等に対し、手話通訳者を派遣する事業を東京手話通訳等派遣センターに委託し実施しています。


〔サービス提供体制確保の方策〕
障害者総合支援法において、意思疎通支援を行う者の養成が地域生活支援事業に追加されています。障害理解の促進により手話通訳者数を増やす取組みをしていきます。(P152の117意思疎通支援者養成研修事業参照)



【109 意思疎通支援事業(要約筆記者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成27年度  延90件

平成28年度  延100件

平成29年度  延110件


〔現状・課題〕
利用登録者数が平成25年度5人と、手話通訳利用登録人数(95人)と比べ、少人数です。要約筆記について知らない人も多いことから、周知を図ることが課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
手話ではなく要約筆記を望む聴覚障害者等に対し、要約筆記者を派遣する事業を、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。




【110 意思疎通支援事業(区役所手話通訳者設置)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成27年度  延140件

平成28年度  延145件

平成29年度  延150件


〔現状・課題〕
区役所に手話通訳者を週2日配置して、聴覚障害者の相談への利便を図っています。利用者は見込み量に至っていません。


〔サービス提供体制確保の方策〕
平成22年度に設置回数を1回から2回へ増やしていますが、実績が上がっていない状況があり、周知広報を一層工夫していきます。




==========================





『手話・要約筆記通訳の仕事だけでは、メシが食えない理由』
それはまず、何と言っても、社会の聴覚障害者理解が広まると、

「筆談配慮をするので、手話・要約筆記通訳は要らない」

と言われるケースがほとんどになってきたからではないだろうか。
電子機器の音声認識ソフトや、簡易筆談機能も急速に進歩している。
今や、誰でも簡単に素早く入力して、文字で見せてくれる時代になった。
良いことではあるが、慣れない筆談でも有り難く我慢するろう者も、結構いる。

あるいは、そういう親切の類ではなく、相手は本当は通訳者の守秘義務を信用しないので、最初から拒否するケースがほとんどだろう。
結果、法整備が幾ら進んでも、通訳は使えない、というハメになっていることは少なくない。


例えば、会社でよく歓送別会がある。
その時に

「自分で通訳者を依頼し、連れてくることは構いませんか?」

と、会社の人に聞くと、ほぼ100%拒否されてしまう。
自分が客の立場なら、通訳者を呼んで連れて来ても問題は起こらないはずで、連れてくるのは構わない。
しかし、主催者が会社の人だと、許可が必要になるのだ。

あるいは、こんなケースもある。
聴覚障害者が客の場合でも、そういう場合はそもそも、相手がきちんと筆談をしてくれるのが多いので、通訳者を呼ぶ必要性は高くない。

「どうしても必要」

というわけには至らないケースが、近年では少なくなくなってきた。
聴覚障害者が通訳の必要性を本当に高く感じるのは、やはり

相手からの合理的配慮が全く期待できないと思えるケース

どうしても正確な情報保障・通訳が必要なケース

である。
特に、本来なら会社にいる場合がそうで、仕事の話では必要だと感じている聴覚障害者はかなりいる。
しかし、やはり前述したように、会社が拒否するのである。


そこから逸れてしまう話になるが、通訳者の利用率が最も高いのは、依頼者(ほとんどが聴覚障害者の場合が多い)が病院へ行くケースだと言われている。


『なぜ会社で手話・要約筆記通訳は
使えなくなっているのか - その背景』
〔2015-04-03 23:00〕



実際に私も、東京手話通訳等派遣センターから、過去のデータを見せてもらったことがある。
これは、派遣センターの見解では、

「健康・命に関わることである為」

という理由説明がなされていた。
しかし、依頼者の立場での理由説明で多いのは、

「病院が通訳者を派遣しないから」

ということになっている。
これは、一般には公表されてはいない、利用者(聴覚障害者)からの生の声だ。

言い換えれば、2016年4月に障害者差別解消法が施行された後でも、周囲が聴覚障害者に合理的配慮の提供を実施していない、という実態は全く変わっていないのである。

国連・障害者権利条約により、聴覚障害者への合理的配慮として、手話・要約筆記通訳者の派遣も、これから進むと思っていたら、それは果たしてどうなるだろうか?
今のままだと、派遣実績がこのまま伸びなかったり、あるいは逆に派遣実績が下がってしまうことが予想される。
苦労して難度の高い手話通訳者になれたとしても、通訳の仕事が少なくて結局、その資格を捨ててしまう手話通訳者も多いのである。
資格は持っていても、錆び付いた手話通訳になってしまってはろう者に申し訳がないので、一度休業したら、二度とやらない人が多いそうである。
特に、ろう者の目は厳しいので、なおさら引退への道に進む手話通訳者が少なくないのである。


『手話を捨てた手話通訳者』
〔2015-03-27 18:30〕




新宿区のデータを見て、誰もが気づくことがあるのではないだろうか。
手話通訳者派遣は爆発的に伸びたのに対して、要約筆記者派遣はほとんど伸びていない。
この違い、原因は「要約筆記について知らない人も多いことから、周知を図ることが課題」ということもあるが、それ以上の理由が別にあると思う。
そもそも、通訳手段に書記日本語を必要とする難聴者等と、手話を必要とするろう者とでは、タイプが全く違った聴覚障害者である。
障害の克服よりも障害を隠したり、自己犠牲をしてでも周囲に溶け込んで、そうした社会的自立のほうを重視する難聴者は、通訳者も使いたがらない人が多い。
彼らが使いたいのは、あくまでも補聴器や読話といった方法であり、手話のような異質文化ではない。
要約筆記も、相手が使いたがらない、嫌がる傾向から、使わないと決めている人は多いのだ。

本当ならば、手話ができない聴覚障害者のほうが圧倒的に多いので、事業が始まった当初は、潜在的ニーズが高いと見込まれていたようだ。

『なぜ手話ができない聴覚障害者が多いのか?』
〔2014-07-19 18:30〕


ところが実際には、難聴者の心理的傾向が、社会参加への意欲を打ち消していたようだ。
それが要約筆記通訳を利用しない傾向になってしまっている。



通訳は、実際上の使いにくさも問題である。
例えば、自分が興味を持ったセミナーや講演会に参加したい、と思った場合である。

「通訳を自分で用意して参加したいのですが」

と相談する。
相手に相談すると時間がかかり、締め切りに間に合わなくなったりする。
それでということで、東京手話通訳等派遣センターに相談するのだが、担当者によって回答が変わる場合もあった。
まれにではあったが、

「主催者に依頼してもらってください」

と言われたこともあった。
しかし、主催者に派遣を頼むと、主催者が全額費用負担しなければならなくなるので、聴覚障害者は

「それなら遠慮したい」

と、社会参加をやめてしまうのである。
自分だけ我慢するのが、一番手っ取り早い解決方法だからである。
映画『レインツリーの国』でも観た、難聴者心理が顕れるのである。

こうした東京都手話通訳者等派遣センターの指導は、間違ってはいない。
だが実際問題として、通訳を使いたくてもハードルが高すぎて諦めざるを得ないケースは多いのである。
これも、派遣実績が伸びない原因であろう。
それで要約筆記者になれても、仕事が少なくて、どの通訳者も、それだけで長くはやってゆけないのではないか。




ちなみに、ある地域の手話講習会では、4段階のコースがあり、手話通訳者養成コースは、その最後のコースにある。進級試験に合格した者だけが、このコースを受講できるため、クラス人数も少なくなる。全コースで4年間も学習し、入門では70~100人以上だったのが、半年もすると半数が辞めてしまい、最終の手話通訳者試験に合格するのは、毎年2、3人しかいなかったそうだ。その試験には、前年度以前から手話学習を続け、何度目かのトライをして、やっと受かった人もいる。それでも、合格者0人の年もあったほどの難関である。それだけ、年にわずかしか誕生しない手話通訳者だ。それでも辞めていかれるのだから、手話通訳者の不足問題は、ろう者の福祉、社会参加にとって、かなり大きな影響になる。
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by bunbun6610 | 2016-08-26 00:39 | 情報保障・通訳


正月早々、不快指数100%になっている。
原因はいろいろあるが、今、
特に頭に来ているのが、
愛知県立大学の聴覚障害者対応だ。

読めば読むほど、腹がどんどん立ってくる
話ではないか。


『愛知県立大学 ろう者が参加する
公開行事で「不平等だから」と
手話通訳を配置しない決定、
抗議ツイート』
〔2015-12-30 23:56〕



正月といえば普通、アクセス数が大幅に
減る時期なのだが、今日はどういうわけか
訪問者数が異常に多い。
多分、この記事が原因なのだろう。


この大学の対応者のふてぶてしさが、
以前に乙武氏が入店拒否された事件とも、
似ている気がする。

「これがうちのスタイルなんで」

と言った、店主の対応と。

『乙武氏がレストランで入店拒否されたことで…。』
〔2013-05-21 23:08〕

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by bunbun6610 | 2016-01-01 23:08 | 情報保障・通訳

愛知県立大学がろう者が参加する公開行事で
「不平等だから」と手話通訳を配置しないと決定。
これに抗議するjinrui_nikki氏(教員)のツイート


http://togetter.com/li/916902


「本学のある部局から、ろう者が参加する予定の
公開行事において

「手話通訳を配置しない決定をした」

との通告。

理由は

「聞こえる人にも通訳を用意したことがない。
だから、ろう者にも用意しない」

という「おぞましい詭弁」であった。
まさか…同僚からそんな発言が出るとは
思わなかった。
情けない。
悲しい」
〔2015-12-22 23:28:31〕




「「聞こえる人たちに音声言語間の通訳を
用意してこなかったので、
聞こえない人たちのための手話通訳も
用意しません」

って、どんな論理だよ、と、私は情けなく、
悲しくなりました。

もちろん、静かな怒りとともに学内で
抗議声明を公表しました。
理事長にも学長にも副学長にも、
差別解消措置を要望しました」
〔2015-12-22 23:33:58〕



「障害をもつ構成員を受け入れよという
交渉の現場は、孤立無援です。
ひとりで文句を言い続けることに、
孤独と焦燥を覚えることも多いのです。

でもね、学長・副学長クラスの上層部から
対処の動きがあり、何より、障害をもつ
学生やそれを支援する学生の言動が
あると、私はよみがえる。
何でも言える気がする」
〔2015-12-23 00:35:21〕


「学内の手話通訳拒否問題。
聞くところによると、

「手話通訳配置への強硬反対派は少数、
大多数は無関心、管理職は面倒くさいから
さっさと決めた」

という程度の委員会判断。
それで人権侵害が起こるのだから、
驚きです。
少数の強硬派を許してしまう多数派の
無関心って、恐ろしい。
国政のことを連想しました」
〔2015-12-24 17:00:56〕



「交渉の席で。

「あなただって、聞こえなくなったらどうする
んだ。
通訳を介して会議に参加したいと思わない
のか。
それとも仕事辞めるのか」

と迫ったら。

「聞こえなくなったら仕事辞めますね」

と言い放った。
上等だ、すぐにでも辞めていただこう。
私は、通訳を介して働きたいと望む人を
職場に歓迎したい。」
〔2015-12-24 20:19:30〕



「こんな公言しちゃって、本学の名誉が
落ちてしまわないの?
という懸念はあるけれど。

隠蔽するより、議論があることを開示した
方がいいでしょ。
この際ウミを出し切る覚悟で、改善の機会
にする。
へっぽこついったらといえど、公言した
以上は公約になるから、私さぼらずに
交渉しますよ。」
〔2015-12-24 21:19:38〕



「「公開行事でバリアフリー対応を始めたら、
キリがないでしょ」

とか言うから、バカも休み休み言えと思ったが、
そこは穏便に。

「公金で公開行事する主催者には、相応の
責任が伴うのは当然だ。
対応は無限ではない、○○などの手段で
解決可能」

と言った。
昼間っから、大学教授相手にこういう説教を
する日々」
〔2015-12-24 23:37:36〕



「大学行事が「公開開催」という時の認識が
甘すぎるんだよね、基本的に。

ろう者がひとり参加を希望したら、手話通訳
経費で数万円程度はかかるものと見込んで
おく、程度の想像力すらないから、

「言われてメイワク」

みたいな顔をする。
度量がないなら、始めから「公開開催」などと
看板を出すなと言いたい。」
〔2015-12-25 00:16:53〕



「「ペット禁止なので盲導犬も禁止」

並みの発言で、

「聞こえる人にも通訳を用意したことがない」

と言うあたり、手話通訳の意味を理解して
いないのでは。」
〔2015-12-23 22:26:00〕



「こんな人たちが多数派を占めるような、
職場では働きたくないと当事者としては、
本当に思います。
そんな職場は、少なくても高等教育機関
ですらない。」
〔2015-12-24 20:47:07〕





亀井伸考の研究室
http://kamei.aacore.jp/index-j.html

『学内の手話通訳配置拒否をめぐるゴタゴタ』
http://kamei.aacore.jp/diary201512-j.html#diary20151227




それは形式的平等と言うのであって、
ろう者への実質的差別に当たるのだと
言うことが、わからない大学の方が、
おかしい。
日本の大学のレベルがこんなものだとは、
聞いて呆れる。


これも

『バカがいつまでも聴覚障害者差別をしている時代に』
〔2013-04-03 18:00〕


にふさわしい話だ。

「バカが●●を育成する大学」

と呼ぶにふさわしい。



〔参考情報〕


松森果林UD劇場~聞こえない世界に移住して~
『第28回障害者政策委員会の報告』
〔2015-12-22〕






【追記〕(2016年1月1日)

思い出したことがある。
昔、障害者自立支援法が変わったとき
だったかな?

当事者団体への通訳者派遣が原則禁止
になったとか?
団体が通訳費用を負担して、派遣して
もらうとか?
よく憶えていない。



民間の講習会の受講申込みを至急したい
と思った時も、派遣センターに依頼すると

「まず講演主催者に交渉して下さい。
それでもダメな時は、また相談して下さい」

と言われたこともあった。
その時間も無くて、諦めたこともあった。
それが、当事者の実情なのだが、
通訳者の派遣センターですら、理解していない
担当者が、なかにはいるのだ。



とにかく、その当事者団体で出された
最善策とは、個人で地域の行政機関に
通訳者を依頼し、派遣してもらう、
というものだった。
それを皆で協議したところ、
疑問の声が幾つも上がった。

例えば、同じ一つの講演会に、
10人の聴覚障害者が参加するとする。
その新しい原則でやったら、聴覚障害者10人
にそれぞれ、手話や要約筆記通訳者が
必要になる。
派遣センターからは交代要員まで来るから、
人数は数倍に膨れ上がってしまう。
つまり、会場にはそれだけの座席が必要になる、
というわけだ。
それを主催者は負担できるだろうか?

(その当事者団体の場合は、
参加していた当事者が40人ぐらいはいた。
だから全員の通訳者も含めたら、
会場の定員オーバーになってしまう
可能性が濃厚だった)

そして、ここからはもっと問題である。
もし通訳費用が全て2万円だとすると、
2万円×10人=20万円にもなってしまう。
それが各行政機関の総計負担額になるのだ。
講演の主催者が費用負担するのに比べて、
社会全体として、費用対効果として、
コスト的に高く付いてしまうのは、
新しい原則のほうなのである。

それなのに無知な主催者が

「あなた(聴覚障害者)が自分で頼んで、
通訳者を派遣してもらえばいいでしょ。
こっち(主催者)は費用負担したくないので、
知りませんよ」

なんて言っていたとしたら、
どちらがおかしいのだろうか。
このことを『障害者の経済学』と言うらしい。

今回の合理的配慮を無視していると、
その愛知県立大学でも、
こうなってしまう可能性があるのである。





【追記】(2016年1月2日)

もしも、この事例にならって、
民間企業にまで合理的配慮を拒否する
ケースが次々と増えていったら、
どうなるだろうか。
国連・障害者権利条約は形式的批准で
終わってしまうだろう。

だが、聴覚障害者はそれぞれが、
自分で通訳者を依頼し、通訳を利用する
だろう。
そして、そのやり方が全国に広まれば、
その公的費用は膨れ上がることになる。

それは結局、国民全体での負担増になる
だけなので、健聴者は怒り、今度は

「生きているだけでも有り難いと思え。
通訳ぐらい、我慢しろ」

という圧力を、聴覚障害者に加えてくる
のではないか。

こんなやり方では

日本国憲法第二十五条一にある

「すべて国民は健康で文化的な最低限度
の生活を営む権利を有する」



「聴覚障害者には例外だ」

という理屈にもなってしまうように思える。

職場だけではなく結局、どこにいてもまた

「優先順位がある」

と言われ、何年も後回しにされてゆくのだろう。
そういったことには、私はもう、
うんざりしていて、我慢ならないのだ。

「聴覚障害者だけのための通訳など要らない」

という考えこそ

「教育をしない者の罪」

だというのに。

『「教育をしない者の罪」
 教育に捧げた人生
―古河太四郎 生誕170年―』
〔2015-05-21 19:30〕



大学の本音が

「費用負担が嫌だから」

「不公平だから」

というのなら、聴覚障害者に犠牲を強いること
ばかりするのではなく

「合理的配慮の費用負担をどうすべきか」

を、考えるべきだったのではないか。



『配慮不足は企業のせいなのか?』
〔2015-05-01 18:30〕




大学だけが一方的に悪い、費用負担すべきだ、
とは思っていないが、今回はやはり、
言ったことが正しくはなかったようだ。




【追記】(2016年1月3日)

「最も脆弱な集団の排除を許すならば、
世界を一層、公正にすることは不可能である。」
                  
(国連・障害者権利条約の提唱者
 メキシコ大統領ヴィセンテ・フォックス)


『国連・障害者権利条約とは』
〔2015-12-30 23:56〕



『フォックスの提唱と、キリストの教えとの共通点』
〔2011-06-01 22:02〕


排除は許さんぞ! 排除は!!

この大学は、そんな腐った教育方針で、
今まで一体、どんな卒業生を
輩出してきたのやら・・・。
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by bunbun6610 | 2015-12-30 23:56 | 情報保障・通訳

日本手話を楽しもう
『手話通訳なんていらない』
〔2015-11-10 10:00:00〕



コーダがこんなことを言うのも、
決して珍しい話ではない。


似たような話は、家族の中に障害者を
抱えている家では、まだまだあるものだ。

私もある。
例えば、妹の娘の結婚式に、会場までの
両親の付き添いを頼まれたが、
私の入場は賛同しなかったのだ。

「結婚相手には、親族に聴覚障害者が
いるということは知らせていない」

という。
だから当然、通訳者の同行も拒否された。

式への招待ではなく、両親の介助者扱い
だった。
結局、

「両親も高齢だから来なくていい」

という、妹の独断で事は済まされた。
兄妹でも、こんなふうになるのだ。


下のT・Mさんも、同じような体験を告白
している。
それらは全て、家族が障害者の社会参加を
妨害している証拠なのだ。
それが罪でなくて、何だと言うのか。


『『車椅子で夜明けのコーヒー 障害者の性』
 2/2 ピア・カウンセリング』
〔2013-08-26 18:00〕

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by bunbun6610 | 2015-11-26 23:35 | 情報保障・通訳

以下は、転載可の情報です。



=========================



【ともに楽しむアートコモン・ラボ】

第1回 音楽って、「聴く」だけのもの?
~聞こえる人も、聞こえない人も
「共に楽しむ」共遊楽器♪~

※手話通訳・簡易磁気ループ有


「人と人をつなげたい」の思いから耳の不自由な人とも
音楽を楽しめる「共遊楽器」を研究、製作している金箱
淳一さんをお招きします。

金箱さんのお話と共遊楽器体験、そして耳の不自由な
方から「私と音楽」をテーマにお話頂いた上で、
ともに楽しむアイデアをみんなで考えます。


日 時 11月14日(土)13:30~16:30

参加費 500円

定 員 30名(先着順)

会 場 つくば市民大学 (http://www.tsukuba-cu.net/access.html)


詳しくは以下をご覧ください。
http://tsukuba-cu.net/course_event/2015/11/post-631.html




=========================

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by bunbun6610 | 2015-11-06 00:20 | 情報保障・通訳


先の統一地方選挙で、兵庫県明石市、東京都北区から、
2名の聴覚障害者議員が誕生した。


『<統一地方選>手話の訴え、聴覚障害持つ母当選…明石市議選』
〔2015-04-27 18:39〕



『『“筆談ホステス”の斉藤りえさん 政界進出挑戦を表明』』
〔2015-02-25 23:43〕




両議員の活動ぶりはこれから、どうなるだろうか。
心配なのが情報保障・通訳である。


インターネットでも早速、下の情報がヒットした。


人工内耳友の会-東海-
『村議委員会を見学して』
〔2003.10.〕




通訳費用が自己負担だった。

それと、通訳を利用している時の問題点は、
私も予想通りだと思った。
私も会社や飲み会で、通訳を利用した経験があるが、
多人数を相手にだと、周囲の人の協力を得て、
一定のルールに基づいて進行させないと、
うまくいかないものである。



おときた駿
『90分で一万文字以上タイピング!
聴覚障害者の方と、勉強会に行ってきた。』
〔2015年2月18日 23:34〕





ろう者の村長も、昔はいたそうだ。

聾史を探る
『新潟県のとある村で村長を務めた聾者 横尾 義智』
〔2011-01-19 23:32:15〕

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by bunbun6610 | 2015-04-29 18:30 | 情報保障・通訳

ある聴覚障害者から見た世界