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聞こえる人と、聞こえない人との違い ――よくある例(テレビ字幕にルビがつかない)から

多分、健聴者は
「テレビ字幕にルビをつけるなんて、スペースが狭くなり、見にくくなるだけじゃないか!」
と思っているだろう。
ところがテレビからの情報を字幕に依存してしまうと、
視聴者が文字学習障害(あるいは「言語障害」)になってしまうこともあるとは、
想像もつかないのではないだろうか。
少なくとも、その危険性は十分ある。
スマホやインターネット中毒と同じように。
読めない漢字はわざと声に出して読まない
という聴覚障害者の例もあることを、知らないのだろうか。


フランス大統領選の決戦投票が始まっている。
聴覚障害者も見るEテレ『手話ニュース』を見て、
「あれ?」とビックリ!

マリーヌ・ルペン候補の所属政党「フランス極右政党『国民戦線』」
のルビを見ると、「きょくう」とあった。

今まで私は「ごくう」と読み続けていた。
ちなみに、これは、かなりの長期間になる。
聴覚障害が長い間、気付かれないわけだ。
特に家族の知識や能力が低い人だと。


話を戻すとして、
というのも、日本では「極道」を「ごくどう」
と読んでいるじゃないか。

「だから『極右」の読み方は『ごくう』だろう」

と、今まで、ずっと思っていた。
でも、自分としてはよくあることだから、
恥ずかしいとも思わない。
健聴者なら、中学生でも知っているんだろうなぁ。

じゃあ、「極左」は「きょくさ」と読むのか。
調べてみたら、そうだった。
ごくさ」じゃなかったんだ。

多分、義務教育の中学生にもなれば、
社会科の授業で誰もが習っているだろう。
でも聴覚障害児は、普通学校へ行っても、
こうなってしまう可能性がある。
ノーマライゼーションだのインテグレーション教育
だのといっても、こういう問題点は完全には解消
しないかもしれない。
貧しい家庭で育つと、そうなる可能性が高くなりそうだ。
そこが、教育上の不安点だ。


近年は民放のニュース番組にも「字幕」が普及している。
テロップも多用されてきている。
しかし、それらにはルビがないのがほとんど。
そのため、健聴者と違って、新しい言葉や、
流行化した言葉の学習が自然にできないのだ。
だからEテレ『手話ニュース』のような番組が、
これからも聴覚障害者には必要なのだ。

健聴者から見れば、ただの「ニーズの違い」かも
しれないが、それを理解するのとしないのとでは、
大違いの社会になるだろう。
今日はLGBTのイベントが行われた日だったが、
聴覚障害者についても非常に共通点が多くあり、
是非勉強して欲しいと思う。


(2021年2月28日追記記事)

by bunbun6610 | 2017-05-07 20:23 | 情報保障(テレビ字幕)

ある障害者から見た世界


by bunbun6610