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『たとえ病気になったとしても、やりたいことをやる人生は楽しい。』

『たとえ病気になったとしても、やりたいことをやる人生は楽しい。
難病ALSに負けないFC岐阜元社長・恩田聖敬さんの行動力に学ぶ』
〔2016/06/15〕




この記事を読んで、私が思ったことを正直に書く。

「この人は元健常者だった。
もともとは、優れた環境の中で育って、優れた家庭教育、
学校教育などを受けられていたから、
優れた会社に入社できて、優れた業績を残せた。
そうしたバックボーンみたいなものがあるから、
重度障害者になっても、そうして生きられたし、
周りの人にもこんなことを言えるのだと思う」

と。

自分だけの「僻(ひが)み」とも言える言葉だが、
先天性障害者と後天性障害者とでは、
こんなに違うんだと。

後天性障害者は自分の身に起きた悲劇を売りにして、
「感動ポルノ」好きな健常者から同情を集めたりする
こともできると。
それは僻みだ。
わかっている。

けれども、それでもそう考えたりしてしまう。
自分が弱い人間だからだ。

この人は、こんな絶望的になるはずの出来事に対して、
どうして乗り越えたのだろうか?
いや、「もう乗り越えた」のではなくて、
今でもその途中で、
心の中では苦しみが続いているのだろうか?
私は、その話をこの人から聞いてみたい。


私の知っている、ある中途失聴者は

「事故が起きた後、自分が悲しむよりも、
周りにいる家族が悲しんでいたものだから、
自分はそれどころではなかった」

と漏らしていた。
恩田さんにも、それはあるのだろうか。

「もう死にたい」

と思ったことはあるが、
この人の場合は家族を背負っている。
だから、そのためにも強くならなくてはいけない、
と自分に言い聞かせたのかもしれない。


>「きっと人は、自分の思いこみで自分の可能性を狭めて、
私にはできないとあきらめてしまったり、
チャレンジしない理由をつくっていることがあると思います。」


私が尊敬する、モハメド・アリが言っていた言葉と
同じことを、この人も言っている。


>「坂田:まだ恩田が声を出せる状態ですので、
日常的には恩田が何か言葉を単語で発して私が
横で復唱するっていうかたちで確認して、
「きょう」「今日」「よていは」「予定は」という感じに
復唱して確認している状況です。
恩田が体調が悪い日は声が聞き取れない時も
あるので、主に口文字で「あいうえお」と私が言って
母音を確認して、「え」だったら「えけせてね」と
言って特定しています。
今は全部それを確認することはないので、
最初の文字だけわかれば、じゃあっていうかたちで
わかることが多いですね。
主にこの2つです。」


>「「そうぞう」 「想像以上に」 「こういうびょうきは」
「こういう病気は」 「ほんにん」 「本人」 恩田さんが
今出せる精一杯の声で単語ごとに短く切って発話
すると、坂田さんがそれを復唱して確認していきます。

恩田:想像以上にこういう病気は本人だけでなく
周りの家族がどれだけしんどいか、
目の当たりにしました。
今工藤さんがおっしゃったように、情報がいかに大切か
思い知りました。
元気な頃は、自分の知りたいことはネットを使えば
ほぼなんでも知れたけど、今の自分の病気のケアを
どうやってやったらいいかっていう具体的な情報は
どこにもない。
結局、地域で同じ病気と闘ってる人と出会えるか
どうかで、自分の生活やケアの質が決まっちゃう。」



聴力が、体調によっても変わることがわかる部分だ。
聴覚障害者でも、体調によってはいつもより聞こえたり、
逆にもっとひどくなる場合もあると聞いている。
それと、恩田氏の言葉を坂田氏が聞き取る場合も
推測で理解している、という点も、健聴者も難聴者や
中途失聴者と変わらない。



>「私自身、様々な障害や病気の方にお話を伺うと、
「私たちにとって情報はお金と同じです」
という声をよく聞きます。
どの患者にも一律に情報が手渡されるわけでなく、
よりよい情報を手に入れられる人とそうでない人が
いるという現状があり、それは実際の患者の生活の質
に直結します。」

これは当然、聴覚障害者にも言えることである。
情報障害による損失は、単純なものではない。


>「自分の価値観を大切にしながら、
自分のやりたいことをやる、
自分が楽しいと思うことをやる。
困ったら、周りのひとに力を貸してほしいと頼んでみて、
サポートをしてもらおう。
とってもシンプルで、とっても大事なことを、
恩田さんはその存在を持って伝えてくれるひとなのだなと
思います。
人間がたったひとりでできることはとても小さいけれど、
ちょっとずつ誰かの力をかりることで、
たくさんの人の心を動かす力になります。」



これは、一番いい言葉だと思う。
結局、障害などあろうがなかろうが、
「自分らしさを大切にする」ということだ。
それは、誰でも変わらない。
SMAPの名曲『世界に一つだけの花』にも、
そんな意味の歌詞があったかな。

ガンで声帯を切ってしまい、話すことが不自由になった
音楽プロデューサーのつんくさんもテレビで見て、
とても印象に残っている。

それぞれに生きて、自己の力を発揮している。
それは、私も素直に感動する。
by bunbun6610 | 2017-09-11 20:29 | 障害者問題・差別

ある障害者から見た世界


by bunbun6610