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ハローワークでの転職相談

ハローワークで仕事(転職先)紹介の相談を受けた。
数件の求人票をプリントアウトして持って行き、応募状況を調べてもらった。
応募者がいないものから、応募しているが採用者がまだ一人もいないものまで、様々だった。


私;
「就労支援事業A・B型は、人気がないですね」

ハローワーク職員;
「就労支援事業は企業によって、特徴があります」

私;
「民間企業就労と、どう違うのですか?」

ハローワーク職員;
「企業によっては、交通費が出なかったり、限度額があるところもあります」

私;
「なるほど。確かに、どこも『実費』とは書いていないですね。低コストの労働力が欲しい、というわけですね。そうすると、近所に住む障害者でなければ、採用は難しいでしょう。それは障害者側からすると、応募上のネックになっているようですね」

ハローワーク職員;
「それと、やはり支援があるか、ないかです。就労支援事業の場合は、障害への配慮が義務付けられています。だから障害者にとっては、そこが魅力です」

私;
「しかし、本当は支援ではなくて、そこに入った障害者は管理されてしまうからなのかも? それで不人気になったとは考えられませんか? どんな障害者がいるのですか?」

ハローワーク職員;
「精神障害者を、主に雇用しているみたいです」

私;
「聴覚障害者は?」

ハローワーク職員;
「聞いたことがなく、わかりません」

私;
「他の障害者と一緒にやってゆくことが、難しいのかも。私も過去に、精神障害者と一緒に働いたことがあります。その人は、ワガママな人でした」

ハローワーク職員;
「ワガママ?」

私;
「働こうとしないんです。だから、ほとんど私一人でやった。でも民間企業の障害者雇用はそういうふうに、異なる障害者を雇用して、バランスを取っているところが、他にもある」

ハローワーク職員;
「バランス?」

私;
「重度障害者を雇用すると、ダブルカウントになる特典がありますが、できない障害者ばかりになってしまっても、会社は困ってしまう。だから、異なる障害者、能力差のある障害者を組み合わせ配属するのです。だから、どちらかが、より大きな犠牲になります。知的障害者が来た私の店舗では、もともとは私一人で充分な職場でした。それにもかかわらず知的障害者が来たという事は、『いてもいなくてもいい人』ということで、来たのです。一番の理由はやはり、その知的障害者がいた店舗が閉店したことに伴う異動です」

ハローワーク職員;
「評価は?」

私;
「能力評価なんて、ないですよ。皆同じです。『ああいう障害があるから、理解してあげて』と言われ、しばらくはそうしていたが、我慢には限界がある。これは、今の会社でも同じです。今の職場には、知的障害者がいます。名目は私と同じ●●員ですが、その人の場合は何をやってもほとんど出来ない人のようなので、いつも一日中、ティッシュに広告紙を挿入する作業ばかりやっています。一方、私は一人で掃除もするし、他の重労働も一人で引き受けている。それで給料は同じ。前にも、同業他社のH社へ面接に行ったら、そこの採用担当者も『ウチでも、全員まで(障害者まで)は評価を実施していないかもしれませんが』と話していたので、ビックリした。成果としてこれだけの差があるというのに、その評価がないというならば、やる気をなくすでしょう。みんなやる気がなくなってゆきます。それが、障害者雇用の実態です」

ハローワーク職員;
「でも、あなたが就労支援事業にいたら、勿体ないです。会社の方に、もっと理解があったらいいのに」

私;
「理解なんてないです。会社は障害者の能力開発・発揮の機会などは、全く考えていません。聴覚障害者の場合、コミュニケーション方法の壁さえ解決すれば、健常者と同様に能力を発揮できます」

ハローワーク職員;
「あなたは、筆談が上手ですものね」

私;
「ところが、日本語ができるからといって、健常者の皆が、筆談もできるとは限っていない。筆談力にも能力差はかなりある。だから筆談ができるからといって、皆同じように筆談できちんとしたコミュニケーションができるわけではない。特に、忙しい部署では、筆談に割く時間がなくて結局、聴覚障害者はほったらかしにされるまま、が多い。それで辞めていってしまう。労働能力はあっても、コミュニケーション問題がネックになり、障害者間差別も生まれる。だから健聴者は、聴覚障害者を最初から排除してしまう。採用しない、ということだ。
でもそれは、この求人票『一般社団法人 ありがとうの種』だって、同じ原理だと思う。ここだって、言語、コミュニケーション方法が違うだけで、手話ができる人しか採用しないだろう。こういうのを本当の合理的配慮とは言わないのではないか。結局は健聴者中心の民間企業、あるいは精神・知的障害者中心の特例子会社なんかと、やっていることは変わらない。ただ言語、コミュニケーション方法が違うだけだと思う。手話で話せる、別のハローワーク職員が、こう話していましたよ。
『ありがとうの種は、手話が母語のろう者が中心の職場でしょう。そこへ、手話を第二言語として使っている聴覚障害者が入っても、円滑なコミュニケーションができるかどうかが心配でしょうね』
ありがとうの種は、だいぶ以前から、同じ求人票を出し続けて(更新・継続募集して)いるが、結局、誰も採用していないということは、やはりここも言語、コミュニケーション方法のハードルが非常に高いのではないか? と推測される」
by bunbun6610 | 2016-04-05 18:45 | 就職活動(障害者雇用)

ある障害者から見た世界


by bunbun6610