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日本人人質事件で、降って湧いたもの


テレビで連日、報道されている日本人人質事件。

確かな情報がよくわかっていないものの、
事件は二人の日本人が、あえて危険なシリアへ
渡ったことが、きっかけになった。

最初は、その“自己責任論”が沸いた。

しかし、私の目には、彼らが飛び込んでいき、
そういう事件が起きたから、中東問題までもが、
今のように詳しく報道され、日本人、しかも
聴覚障害者の私も含めて、
知るようになったことは確かだ。

とりわけ興味を持ったのは、後藤さんとの交換
要員となったサジダ・リシャウィ死刑囚だ。

それまでは、私もこの人について、全く何も
知らなかった。
こういう人がいる、ということすら知らなかった。

アメリカ軍とイラク軍によって、サジダ死刑囚の
子どもは全員死んだ、という。
それで夫婦でイスラム国に入り、自爆テロに
加わった。

夫は自爆死し、サジダ死刑囚だけヨルダン政府
に捕らえられ、生き残った。
その心には、アメリカやイラクへの憎しみの炎が、
どれだけ強く燃えたことだろう。

私には、この人の気持ちが理解できるような
気がする。

イスラム国がなぜ、彼女の解放を条件にしている
のか、その真意はわからないが、もし彼女が
再びイスラム国へ戻されたならば、彼女は今度
こそ、アメリカへの復讐心を完全なものにする
のではないか。
それは、非常に危険なことだ。
そして、彼女の運命は、まさにその一念に支配
されるだろう。

それを防ぐために、ヨルダンで死刑を待つだけ、
というのもむごい。
かと言って、恩赦も容認されないだろう。
結局、もうどうすることもできない運命なのだ。

「彼女は、耳が聞こえても、あんな運命になって
しまった!」

私以上に悲しい運命になってしまった人がいる、
ということを、久しぶりに知った。
だから、私は後藤さんが救出されることだけでなく、
サジダ死刑囚にも祈りたくなった。

「どうか、あなたの心に平安(シャローム)が
ありますように」







【追記】


『ISISがサジダ・リシャウィ死刑囚
の釈放を要求する理由が
強烈わかりやすくシリーズ』

〔2015年01月31日(土)〕

by bunbun6610 | 2015-01-29 23:57 | 人質事件(国際問題)

ある障害者から見た世界


by bunbun6610