聞こえなくてもわかる - ある日、バス停で
2014年 08月 02日
聞こえなくてもわかる - ある日、バス停で
バス停でバスが来るのを待っている時、
親子でやって来た人たちがいた。
お母さんはもう65歳以上かと思えた。
そして、その人の娘さんは、40歳ぐらいに見えた。
その子は表情がとても暗くて、まるっきり変わらず、
会話もしなかった。
お母さんは娘の障害のこともよくわかっていて、
ただ見守るような眼差しだった。
娘さんは重度の知的障害とか、自閉症の人に違いない、
と思った。
ここまでずっと付き添ってきたお母さんは、
これからもずっと娘さんの世話ができるわけではない。
そこが心配に思った。
私;「このバス、どこに行くのかな?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(え? ■◎◆○ですよ。)
私;「北海道へ行くのかな?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(え?! そうですね・・・。〔笑って〕)
私;「函館まで行くんじゃないかな?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(■◎◆○〔笑〕)
私;「函館で、イカ漁やってるよね。
着いたら、イカソーメン食べられるよ」
お母さん;「・・・」〔笑〕
私;「娘さん、障害者ですか?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(え? ええ、まあ。〔うなづく〕)
私;「僕も障害者です。聴覚の」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(へえ。〔ちょっと微笑む〕)
私;「障害者って、意外と身近にいますよね」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(そうですね・・・。)
私;「このバスは、障害者割引とか無料乗車券
とかは、ありますか?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(はい、〔「お金」の手話を表して〕「はんがく」
〔と口型を見せて言った〕)
私;「無料乗車券はなくて、半額ですか」
耳の聞こえない人相手だと、健聴者は戸惑ってしまい、
なかなか普通に会話することができないものだが、
このお母さんはやはり違った。
障害者とどのように接するべきかを、わかっていた。
このコミュニケーション場面では、あくまで私が
しゃべる側で、健聴者は受け身に徹している。
会話の主導権は私が持っていて、お母さんに
Y-N疑問文ばかりで話しかければ、これぐらいの
会話はできる、
というわけだ。
しかし、これが逆になると、私は話がさっぱり
わからなくなる。
よく、難聴者と話していて、難聴者が受け身に
なっていることがある。
たまに何か言っても
「ええ、そですね」
「へぇー」
「なるほど」
という返事しか返ってこない場合もある。
こんな時は、その難聴者は、それまでの話の内容を
理解できていない可能性もある。
そういうときは、聞こえていても、語音明瞭度がかなり
下がっていて、話の内容までは理解できていない
可能性もあると思う。
「今の話、わかった?」
と聞いても、うなづくだけだったり
「わかりました」
と言うだけだったりする。
ごまかして、難聴を隠す人は少なくないだろう。
話せるからといって、健聴者とは限らないのだ。
難聴者や中途失聴者特有のコミュニケーション術
に引っかかる健聴者も多い。
バス停でバスが来るのを待っている時、
親子でやって来た人たちがいた。
お母さんはもう65歳以上かと思えた。
そして、その人の娘さんは、40歳ぐらいに見えた。
その子は表情がとても暗くて、まるっきり変わらず、
会話もしなかった。
お母さんは娘の障害のこともよくわかっていて、
ただ見守るような眼差しだった。
娘さんは重度の知的障害とか、自閉症の人に違いない、
と思った。
ここまでずっと付き添ってきたお母さんは、
これからもずっと娘さんの世話ができるわけではない。
そこが心配に思った。
私;「このバス、どこに行くのかな?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(え? ■◎◆○ですよ。)
私;「北海道へ行くのかな?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(え?! そうですね・・・。〔笑って〕)
私;「函館まで行くんじゃないかな?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(■◎◆○〔笑〕)
私;「函館で、イカ漁やってるよね。
着いたら、イカソーメン食べられるよ」
お母さん;「・・・」〔笑〕
私;「娘さん、障害者ですか?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(え? ええ、まあ。〔うなづく〕)
私;「僕も障害者です。聴覚の」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(へえ。〔ちょっと微笑む〕)
私;「障害者って、意外と身近にいますよね」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(そうですね・・・。)
私;「このバスは、障害者割引とか無料乗車券
とかは、ありますか?」
お母さん;「●×▲★■・・・」
(はい、〔「お金」の手話を表して〕「はんがく」
〔と口型を見せて言った〕)
私;「無料乗車券はなくて、半額ですか」
耳の聞こえない人相手だと、健聴者は戸惑ってしまい、
なかなか普通に会話することができないものだが、
このお母さんはやはり違った。
障害者とどのように接するべきかを、わかっていた。
このコミュニケーション場面では、あくまで私が
しゃべる側で、健聴者は受け身に徹している。
会話の主導権は私が持っていて、お母さんに
Y-N疑問文ばかりで話しかければ、これぐらいの
会話はできる、
というわけだ。
しかし、これが逆になると、私は話がさっぱり
わからなくなる。
よく、難聴者と話していて、難聴者が受け身に
なっていることがある。
たまに何か言っても
「ええ、そですね」
「へぇー」
「なるほど」
という返事しか返ってこない場合もある。
こんな時は、その難聴者は、それまでの話の内容を
理解できていない可能性もある。
そういうときは、聞こえていても、語音明瞭度がかなり
下がっていて、話の内容までは理解できていない
可能性もあると思う。
「今の話、わかった?」
と聞いても、うなづくだけだったり
「わかりました」
と言うだけだったりする。
ごまかして、難聴を隠す人は少なくないだろう。
話せるからといって、健聴者とは限らないのだ。
難聴者や中途失聴者特有のコミュニケーション術
に引っかかる健聴者も多い。
by bunbun6610
| 2014-08-02 18:30
| コミュニケーション能力