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聴覚障害者認定基準と手帳返納義務の疑問点

聴覚障害者認定基準と手帳返納義務の疑問点


新垣氏の証言で聴覚障害者偽装疑惑が浮上し、
佐村河内氏は

「検査を受け、もし障害者認定基準より下がっていたら、
手帳を返します」

というふうに言っていた。

でも、本当にそれで済む問題だろうか?


再検査を受けた結果、佐村河内氏の聴力は回復したことが
判明したので、身体障害者手帳を返納した。(※)


(※)当ブログ

『<佐村河内氏>聴覚診断 最も軽い6級に該当せず手帳返納』
〔2014-03-07 23:52〕


参照。




確かに、障害者の制度上はそうなるのだろう。

しかし、当事者側の私としては疑問に思った点もある。


例えば、障害者枠雇用で就労していた難聴者は、
もし障害が軽くなり、そのために手帳を返納すること
になれば、どうなるだろうか?

手帳を返納したら、障害者雇用ではなくなるの?
会社に、一般就労として継続雇用してもらえるの
だろうか?

障害者雇用は、健常者とは全く異なる仕事内容で
働いてきたのだから、実際には100%無理だと思う。

会社も、障害者ということで、今まで雇用し続けて
きたはず。

それが、障害者でなくなったら、やはりクビになる
しかないのではないだろうか?

これは間違いなく、会社からも退職を内密で強要
されるだろう。

今の障害者雇用は短期雇用契約がほとんどなので、
クビになるとすれば、すぐにでも失業してしまうだろう。

低賃金ゆえ、蓄えもほとんどない。

そういう人の生活は、今後どうするのか?


再就職先を見つけるのも、障害者以上の困難が待ち構えている。
50歳でそんなことになったら、ほとんど絶望的だろう。

佐村河内氏が謝罪会見で言った「今がどん底」とは、
そういう意味も含まれるのではないか、と思う。

貯金も底をつくのを待って、後は生活保護しかなくなる
のではないか。

でもこれでは、何かおかしくはないだろうか?

下の〔重要参考記事〕の難聴者と同じように、
再び就職弱者として苦しむのは、目に見えている。

あまりにもむごいではないか。
国は、こうしたことも真剣に考えているのだろうか。



〔重要参考記事〕

『身体障害者手帳のない聴覚障害者(難聴者)は、
どうやって就職するのか?』
〔2013-01-16 18:00〕




聴覚障害者認定基準 6級

『障害者認定についてです』
〔2005/02/26 18:46〕




【追記】

他にも心配事はある、と思う。
例えば、障害者の認定は取り消されても、
軽度の障害は残っているでしょうから、
職場でそれへの配慮はしてもらえるのか?

かといって、障害を隠して働くのも辛い。
もしそれがバレたら、どう言い訳をすればよいのか。

そして

「本当は偽聴覚障害者だったんじゃないの?」

とか、心ないことを言われたりすることも
あるだろう。
そうなればかなりの精神的苦痛で、
辞めざるをえないと思う。
by bunbun6610 | 2014-03-14 19:30 | 聴覚障害者の世界【難聴】

ある障害者から見た世界


by bunbun6610