Eテレ『バリバラ』 テーマ;双方向 これって差別 or 配慮?
2013年 11月 08日
Eテレ『バリバラ』 テーマ;双方向 これって差別 or 配慮?
〔障害者差別解消法とは〕
障害を理由とした差別の解消を行政は義務化する一方、
民間企業は努力が求められる。
この法律をつくることになった背景には、日本政府も署名
した国連・障害者権利条約の批准に向けての作業である
からである。
日本がこの条約を未批准(※1)なのは、ただ単に法律を
つくるだけではなく、実効性のあるものにすることが、
当事者側から強く求められているからである。
(※1)国連・障害者権利条約の批准国状況
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%A8%A9%E5%88%A9%E6%9D%A1%E7%B4%84
☆大橋グレースさん(多発性硬化症)の気持ち・・・
「みんなでキャンプに行こう」
ってなったとき
「でもグレースは危ないよね」
と一人置いてけぼりになってしまう。
みんなには決して悪気はない、むしろ気を遣ってくれている、
ということはわかっている。
でも、悲しすぎる・・・。
☆桂福点さん(視覚障害者)の気持ち・・・
「飲食店などに入ると、よく入口付近の席に案内される。
レジの音が気になったり、ひどい場合はトイレ付近に
案内されることも。
いつも人の出入りが多い場所で食事させられることになり、
食事するにも落ち着かない。
どこのお店でもこうなることが多い。
これって差別? それとも配慮?」
一方、お店のほうの人にも、それなりの理由があるという。
「足元が危ない場所、危険性を考えて、また長いこと
歩いていただかない場所のほうがいい、と思って」
このことは、全盲の人には説明を聞かされない限り、
全く気づかない配慮だろうと思います。
一方、健常者が障害者への配慮を一方的に決めつけて
やっていることも、問題の発端だったのではないか、
と思う。
両者がもっとコミュニケーションをしていれば、
解消できたのではないかと思う。
これはよく、盲ろう者の講演でも言われていることです。
私が思ったのは
「障害者は奥のほうの席に座りたいのなら、
案内されるときに、なぜ言わないのか?
入口付近に案内されがちなことは、もう経験でわかって
いるはずなのだから」
そして店側にも
「お席はどのようなところがよいですか?」
などと確認する気づきがあれば、立派な配慮になって
いたのではないか、と思う。
「障害者は面倒だな」とかネガティブに考えるのではなく、
この問題をきっかけに前進しようとする姿勢があれば、
解決できたと思う。
障害者の差別感解消を考えることはむしろ、
接客サービス向上の、いいキッカケにもなるのではないか、
と思う。
ただ、もし私が店員だったら、滅多に来ない障害者が
突然やってきた時、そこまでは思いつかないかもしれない。
そんな場合は第一にはやはり、安全第一の理由で
考えてしまうと思う。
普段の関わりがないと、なかなか慣れたようにはいかない
と思う。
そういう、障害者側と健常者側の感じ方とのギャップもある
問題だと思う。
☆藤原勝也さん(筋ジストロフィー)の気持ち・・・
チケット代1万円もするクラシックコンサートに出掛けた。
ところが会場でコンサートが始まると、
スタッフに
「呼吸器の音がうるさいと苦情がきています」
というメモを見せられ、やむなく退場させられた。
「一方的に迷惑だから、ということで係員に出されたという
腹立たしい気持ち。
その一方で僕があまりにも呼吸器のことを気にしなさすぎた。
相手が悪いのか、自分が悪いのかで頭の中がぐるぐる
回っている感じ」
この気持ちは非常によくわかります。
とはいえ、このように主催者側にもどうにもならない問題
だってあります。
私ならば、最初から行かないと思う。
しかし、乙武氏のイタリアン入店拒否のような事例(※2)
もあったでしょう。
障害者だって人間だから、どうしても抑えられない、
参加してみたいときって、あると思うのです。
(※2)当ブログ
『乙武氏がレストランで入店拒否されたことで…。』
〔2013-05-21 23:08〕
参照。
こんなときは「障害者が諦める」のか、
それとも「周囲の人が我慢する」のか。(※3)
(※3)
番組集計結果は
視聴者側; 「諦めるしかない」56% 「周りが我慢」44%
グレースさんの場合は「最初から参加しない」という。
最初から「諦めモード」になるという。
これは聴覚障害者にも、情報保障・通訳のない講演会
・セミナーなどの場合に、非常に多い答えだ。
仕方がないのだが、諦めさせるのは決して解決策ではない。
☆みーしゃんさん(頚椎損傷 -肩から下が動きません)
の困り事
「ファンクラブ限定ライブに当選。
そのライブにヘルパーが一緒に行けるか分からないので
主催者側に確認した。
しかし
「ヘルパー分のチケット販売はできない」
という回答。
他のコンサートの場合は、ヘルパーの分も購入できた
のに・・・」
〔イベント会社からの回答〕
・車椅子用スペースが限られている。
・希望者が多い場合は、ヘルパーが入れない可能性あり。
他に
「ヘルパーにチケットが買えるかどうかは、11月中旬まで
わからない」
という内容。
う~ん・・・。
障害者側にも都合というものがある。
例えば、ヘルパーへの事前予約は大丈夫なのだろうか。
ヘルパーがライブに入れない場合、視聴者側の判断は
「障害者本人が工夫」24%
「主催者側が対策」76%
〔障害者差別解消法とは〕
障害を理由とした差別の解消を行政は義務化する一方、
民間企業は努力が求められる。
この法律をつくることになった背景には、日本政府も署名
した国連・障害者権利条約の批准に向けての作業である
からである。
日本がこの条約を未批准(※1)なのは、ただ単に法律を
つくるだけではなく、実効性のあるものにすることが、
当事者側から強く求められているからである。
(※1)国連・障害者権利条約の批准国状況
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%A8%A9%E5%88%A9%E6%9D%A1%E7%B4%84
☆大橋グレースさん(多発性硬化症)の気持ち・・・
「みんなでキャンプに行こう」
ってなったとき
「でもグレースは危ないよね」
と一人置いてけぼりになってしまう。
みんなには決して悪気はない、むしろ気を遣ってくれている、
ということはわかっている。
でも、悲しすぎる・・・。
☆桂福点さん(視覚障害者)の気持ち・・・
「飲食店などに入ると、よく入口付近の席に案内される。
レジの音が気になったり、ひどい場合はトイレ付近に
案内されることも。
いつも人の出入りが多い場所で食事させられることになり、
食事するにも落ち着かない。
どこのお店でもこうなることが多い。
これって差別? それとも配慮?」
一方、お店のほうの人にも、それなりの理由があるという。
「足元が危ない場所、危険性を考えて、また長いこと
歩いていただかない場所のほうがいい、と思って」
このことは、全盲の人には説明を聞かされない限り、
全く気づかない配慮だろうと思います。
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【追記】(2023年12月7日)
盲人は、目が不自由な分、嗅覚とか聴覚が優れている場合が多い。
トイレからする臭いとか、音には敏感なのを、
健常者は忘れているのだろう。
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一方、健常者が障害者への配慮を一方的に決めつけて
やっていることも、問題の発端だったのではないか、
と思う。
両者がもっとコミュニケーションをしていれば、
解消できたのではないかと思う。
これはよく、盲ろう者の講演でも言われていることです。
私が思ったのは
「障害者は奥のほうの席に座りたいのなら、
案内されるときに、なぜ言わないのか?
入口付近に案内されがちなことは、もう経験でわかって
いるはずなのだから」
そして店側にも
「お席はどのようなところがよいですか?」
などと確認する気づきがあれば、立派な配慮になって
いたのではないか、と思う。
「障害者は面倒だな」とかネガティブに考えるのではなく、
この問題をきっかけに前進しようとする姿勢があれば、
解決できたと思う。
障害者の差別感解消を考えることはむしろ、
接客サービス向上の、いいキッカケにもなるのではないか、
と思う。
ただ、もし私が店員だったら、滅多に来ない障害者が
突然やってきた時、そこまでは思いつかないかもしれない。
そんな場合は第一にはやはり、安全第一の理由で
考えてしまうと思う。
普段の関わりがないと、なかなか慣れたようにはいかない
と思う。
そういう、障害者側と健常者側の感じ方とのギャップもある
問題だと思う。
☆藤原勝也さん(筋ジストロフィー)の気持ち・・・
チケット代1万円もするクラシックコンサートに出掛けた。
ところが会場でコンサートが始まると、
スタッフに
「呼吸器の音がうるさいと苦情がきています」
というメモを見せられ、やむなく退場させられた。
「一方的に迷惑だから、ということで係員に出されたという
腹立たしい気持ち。
その一方で僕があまりにも呼吸器のことを気にしなさすぎた。
相手が悪いのか、自分が悪いのかで頭の中がぐるぐる
回っている感じ」
この気持ちは非常によくわかります。
とはいえ、このように主催者側にもどうにもならない問題
だってあります。
私ならば、最初から行かないと思う。
しかし、乙武氏のイタリアン入店拒否のような事例(※2)
もあったでしょう。
障害者だって人間だから、どうしても抑えられない、
参加してみたいときって、あると思うのです。
(※2)当ブログ
『乙武氏がレストランで入店拒否されたことで…。』
〔2013-05-21 23:08〕
参照。
こんなときは「障害者が諦める」のか、
それとも「周囲の人が我慢する」のか。(※3)
(※3)
番組集計結果は
視聴者側; 「諦めるしかない」56% 「周りが我慢」44%
グレースさんの場合は「最初から参加しない」という。
最初から「諦めモード」になるという。
これは聴覚障害者にも、情報保障・通訳のない講演会
・セミナーなどの場合に、非常に多い答えだ。
仕方がないのだが、諦めさせるのは決して解決策ではない。
☆みーしゃんさん(頚椎損傷 -肩から下が動きません)
の困り事
「ファンクラブ限定ライブに当選。
そのライブにヘルパーが一緒に行けるか分からないので
主催者側に確認した。
(2023年12月7日追記;
これは、非常に時間や、労力がかかる。
周りの人にも迷惑がかかる。
なので結局、諦めたほうが早いことが、容易にわかる。)
しかし
「ヘルパー分のチケット販売はできない」
という回答。
他のコンサートの場合は、ヘルパーの分も購入できた
のに・・・」
〔イベント会社からの回答〕
・車椅子用スペースが限られている。
・希望者が多い場合は、ヘルパーが入れない可能性あり。
他に
「ヘルパーにチケットが買えるかどうかは、11月中旬まで
わからない」
という内容。
う~ん・・・。
障害者側にも都合というものがある。
例えば、ヘルパーへの事前予約は大丈夫なのだろうか。
ヘルパーがライブに入れない場合、視聴者側の判断は
「障害者本人が工夫」24%
「主催者側が対策」76%
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【追記(参考情報)】(2024年1月26日)
「…車椅子の彼女はひたすら恐縮していた。
『すみません。すみません。すみません。もういいですから』。
彼女の言った一字一句は覚えていないが、
『これ以上皆さんにご迷惑をおかけしたくない。
私さえあきらめればいいのですから』
というニュアンスが感じられた。
私は思わず怒った。
『なんでそこまで皆に謝る必要があるの?
バスの機械が壊れているだけよ。
謝る必要ないよ!』
私の頭からは湯気が立ち上っていたに違いない。」
『哀れみはいらない―全米障害者運動の軌跡』
(著者: ジョセフ・P. シャピロ /現代書館)
「訳者(秋山愛子)あとがき」より。
でも、世の中には、「そう考えている人ばかりではない。
それに障害者だって、
「『障害者って、邪魔な存在だな』と思っている人も、
潜在的にいるだろうから」
と思っている人もいるだろうから。
もはや、そこまで単純な問題ではないのだ。
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by bunbun6610
| 2013-11-08 18:00
| Eテレ『バリバラ』