人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Eテレ『バリバラ』 テーマ;双方向 これって差別 or 配慮?

Eテレ『バリバラ』 テーマ;双方向 これって差別 or 配慮?


〔障害者差別解消法とは〕
障害を理由とした差別の解消を行政は義務化する一方、
民間企業は努力が求められる。
この法律をつくることになった背景には、日本政府も署名
した国連・障害者権利条約の批准に向けての作業である
からである。

日本がこの条約を未批准(※1)なのは、ただ単に法律を
つくるだけではなく、実効性のあるものにすることが、
当事者側から強く求められているからである。

(※1)国連・障害者権利条約の批准国状況
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%A8%A9%E5%88%A9%E6%9D%A1%E7%B4%84




☆大橋グレースさん(多発性硬化症)の気持ち・・・

「みんなでキャンプに行こう」

ってなったとき

「でもグレースは危ないよね」

と一人置いてけぼりになってしまう。

みんなには決して悪気はない、むしろ気を遣ってくれている、
ということはわかっている。
でも、悲しすぎる・・・



☆桂福点さん(視覚障害者)の気持ち・・・

「飲食店などに入ると、よく入口付近の席に案内される。
レジの音が気になったり、ひどい場合はトイレ付近に
案内されることも。
いつも人の出入りが多い場所で食事させられることになり、
食事するにも落ち着かない。
どこのお店でもこうなることが多い。
これって差別? それとも配慮?」

一方、お店のほうの人にも、それなりの理由があるという。

「足元が危ない場所、危険性を考えて、また長いこと
歩いていただかない場所のほうがいい、と思って」

このことは、全盲の人には説明を聞かされない限り、
全く気づかない配慮だろうと思います。


=============================

【追記】(2023127日)

盲人は、目が不自由な分、嗅覚とか聴覚が優れている場合が多い。

トイレからする臭いとか、音には敏感なのを、

健常者は忘れているのだろう。

=============================


一方、健常者が障害者への配慮を一方的に決めつけて
やっていることも、問題の発端だったのではないか、
と思う。

両者がもっとコミュニケーションをしていれば、
解消できたのではないかと思う。
これはよく、盲ろう者の講演でも言われていることです。

私が思ったのは

「障害者は奥のほうの席に座りたいのなら、
案内されるときに、なぜ言わないのか?
入口付近に案内されがちなことは、もう経験でわかって
いるはずなのだから」

そして店側にも

「お席はどのようなところがよいですか?」

などと確認する気づきがあれば、立派な配慮になって
いたのではないか、と思う。

「障害者は面倒だな」とかネガティブに考えるのではなく、
この問題をきっかけに前進しようとする姿勢があれば、
解決できたと思う。
障害者の差別感解消を考えることはむしろ、
接客サービス向上の、いいキッカケにもなるのではないか、
と思う。

ただ、もし私が店員だったら、滅多に来ない障害者が
突然やってきた時、そこまでは思いつかないかもしれない。
そんな場合は第一にはやはり、安全第一の理由で
考えてしまうと思う。
普段の関わりがないと、なかなか慣れたようにはいかない
と思う。
そういう、障害者側と健常者側の感じ方とのギャップもある
問題だと思う。


☆藤原勝也さん(筋ジストロフィー)の気持ち・・・

チケット代1万円もするクラシックコンサートに出掛けた。
ところが会場でコンサートが始まると、

スタッフに

「呼吸器の音がうるさいと苦情がきています」

というメモを見せられ、やむなく退場させられた。

「一方的に迷惑だから、ということで係員に出されたという
腹立たしい気持ち。
その一方で僕があまりにも呼吸器のことを気にしなさすぎた。
相手が悪いのか、自分が悪いのかで頭の中がぐるぐる
回っている感じ」

この気持ちは非常によくわかります。

とはいえ、このように主催者側にもどうにもならない問題
だってあります。
私ならば、最初から行かないと思う。
しかし、乙武氏のイタリアン入店拒否のような事例(※2)
もあったでしょう。
障害者だって人間だから、どうしても抑えられない、
参加してみたいときって、あると思うのです。


(※2)当ブログ

『乙武氏がレストランで入店拒否されたことで…。』
〔2013-05-21 23:08〕


参照。



こんなときは「障害者が諦める」のか、
それとも「周囲の人が我慢する」のか。(※3)


(※3)
番組集計結果は
 視聴者側; 「諦めるしかない」56%  「周りが我慢」44%



グレースさんの場合は「最初から参加しない」という。
最初から「諦めモード」になるという。
これは聴覚障害者にも、情報保障・通訳のない講演会
・セミナーなどの場合に、非常に多い答えだ。
仕方がないのだが、諦めさせるのは決して解決策ではない。


☆みーしゃんさん(頚椎損傷 -肩から下が動きません)
の困り事

「ファンクラブ限定ライブに当選。
そのライブにヘルパーが一緒に行けるか分からないので
主催者側に確認した。
(2023年12月7日追記;
これは、非常に時間や、労力がかかる。
周りの人にも迷惑がかかる。
なので結局、諦めたほうが早いことが、容易にわかる。)

しかし

「ヘルパー分のチケット販売はできない」

という回答。
他のコンサートの場合は、ヘルパーの分も購入できた
のに・・・」


〔イベント会社からの回答〕
 ・車椅子用スペースが限られている。
 ・希望者が多い場合は、ヘルパーが入れない可能性あり。

他に

 「ヘルパーにチケットが買えるかどうかは、11月中旬まで
わからない」

という内容。
う~ん・・・。
障害者側にも都合というものがある。
例えば、ヘルパーへの事前予約は大丈夫なのだろうか。


ヘルパーがライブに入れない場合、視聴者側の判断は

「障害者本人が工夫」24%

「主催者側が対策」76%


=============================

【追記(参考情報)】(2024126日)

「…車椅子の彼女はひたすら恐縮していた。
『すみません。すみません。すみません。もういいですから』。
彼女の言った一字一句は覚えていないが、
『これ以上皆さんにご迷惑をおかけしたくない。
私さえあきらめればいいのですから』
というニュアンスが感じられた。
私は思わず怒った。
『なんでそこまで皆に謝る必要があるの?
バスの機械が壊れているだけよ。
謝る必要ないよ!』

私の頭からは湯気が立ち上っていたに違いない。」

『哀れみはいらない―全米障害者運動の軌跡』
(著者: ジョセフ・P. シャピロ /現代書館)
「訳者(秋山愛子)あとがき」より。


でも、世の中には、「そう考えている人ばかりではない。

それに障害者だって、

「『障害者って、邪魔な存在だな』と思っている人も、

潜在的にいるだろうから」

と思っている人もいるだろうから。

もはや、そこまで単純な問題ではないのだ。



=============================









by bunbun6610 | 2013-11-08 18:00 | Eテレ『バリバラ』

ある障害者から見た世界


by bunbun6610