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「障害者に対する障害を理由とする差別事例等の調査」

「障害者に対する障害を理由とする差別事例等の調査」
(平成21 年3月内閣府委託調査)(抜粋)

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/b_9/pdf/ref2.pdf



「通勤手当て、交通費などを支払わない」

この事例は、私の知人のろう者からも聞きました。

ろう者が

「65歳以降も継続して、働きたい」

と伝えたところ、会社からは

「今後、通勤費は支払いません」

と言われた、という。

都内在住の障害者は都の障害者福祉による、
都営交通無料乗車券を持っているからです。

会社としては

「障害者には、それを使って通勤してほしい」(※)

ということです。

なお、弁護士にこの疑問点を確認したところでは

「交通費を支給するかどうかは、
会社の規則によるので、
違法ではない」

という判断でした。


(※)詳細は、当ブログ
『通勤定期券についての揉め事 (1)』
〔2011-12-09 18:00〕

『通勤定期券についての揉め事 (2)』
〔2011-12-13 18:00〕

『通勤定期の問題を、弁護士に相談』
〔2011-12-13 18:00〕
参照。


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「窓口業務などに配属しないこと・清掃業務だけに従事させること」

このような扱いを受けるのは、
聴覚障害者にも多いのではないでしょうか。
ハローワーク専門援助第二部門の職員なら誰もがも知っている、
非常に多い事例だと思います。
だからハローワーク職員も

「あなたには難しいです」

などと言い、紹介してくれないのだと思います。


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「昇進をさせないこと」

8年以上もいるのに全く昇進しない、
聴覚障害者がいました。
全社員対象のはずの能力評価実施でも、
聴覚障害者は除外されていました。
評価は行わないのに昇給だけはしていましたが。
これは一体、なぜだろう? と思う。

昇進しない昇給は、パート・アルバイトと同じ扱いでしょう。
真面目に長く働いているのに、
昇進・昇給もないのは可哀想だからだろうか?

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「立ち上がりが困難な障害者に立ち上がることを
強いること、体力的に負担のかかる労働を
強いること」


変形イジメかもしれませんね。これは。


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「仕事を与えずに放っておくこと」

障害者には、よくあることです。
ろう者はよく、ほったらかしにされています。
で、健聴者はたまに雑用を頼む時とか叱る時だけ、
ろう者を相手にしている、
という感じです。


仕事を与えられないからしていない、
あるいは

「ちょっと待っていてください」

と言われて待っているだけなのに、
周囲からは「サボっている」というふうに
見られているんじゃないか、
と不安になったこともあります。

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「本人の存在を無視して担当でない、
別の人に尋ねること」


聴覚障害者には非常に多い事例です。
なぜかって言うと健聴者は、聴覚障害者に
筆談で伝達するのが面倒だからです。
健聴者に理由を聞いても、
すぐ「手話ができないので」とか、
言い訳をされてしまいます。
手話が出来なければ、筆談とかすれば
いいじゃないですか。
それも「時間がないから」などと言われる。
そして健聴者は結局、
他の人とダラダラと話をしてばかりいて、
仕事をしない。(※)
そんな時間なら、あるじゃないですか。

(※)当ブログ
『健聴者のおしゃべりはよくても、書くことはなぜダメなのか?』
〔2010-12-15 18:00〕

『仕事中、話ばかりしている健聴者が残業?』
〔2011-01-25 18:00〕
参照。



当ブログの一部の記事には、
非公開設定にしてあるものもあります。
ご了承下さい。


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「他の人より作業時間がかかるという理由で
休憩を取らせないこと」


「仕事が遅い」と言われているろう者にも、
皆が休んでいる時間に、
一人だけ仕事をしている場面は確かにあります。
健聴者にだって、そういうときはありますが、
ろう者の場合は毎日です。
労働基準法がきちんと適用されていません。

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「研修に情報保障がないこと」

当ブログにも同じ事例の記事がたくさんあります。

例えば
『筆記通訳?』
〔2011-10-29 22:36〕
参照。

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聞こえないのに電話応対の研修を受けさせること

こんなこと、聴覚障害者の自分ですら、初めて聞きました。
それでも受けさせる目的というのは、何なのだろうか。
聴覚障害者に電話応対の仕事をやらせるためだろうか。
実際「強要される」という話もある。

別の例では、当ブログにも過去記事で紹介しましたが、
難聴なのに受付業務を無理矢理やらされ続けている
難聴者の例もあります。
(本人は配置転換を希望した、というが)

しかし、聴覚障害者の立場からすると、
障害に配慮しない仕事内容を強要したり、
そいうった研修を受けさせることは、
精神的苦痛を与えることになってしまう、
と思います。


障害を理由に、本格的な研修はさせない。
(新施策などの)・障害で電話ができないのに、
電話対応の業務訓練を強制的にやらせられた。

(聴覚障害、50 代、男性)」




耳が悪いからと言って、研修や会議出席の免除を言われる。
(聴覚障害、60 代、女性)」



私も

「出なくていい」

と言われたことがあります。

同じ会社なのに別の上司になると、反対に

「(聞こえなくても)出なくてはダメです」

と言われ、情報保障もないまま立っていたり、
座っているだけの場合もありました。

どちらにしても、おかしいですよね。

実はこの事例はどちらも、国連・障害者権利条約でいう
「間接差別」に該当しています。


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「隠していた障害が明らかとなった場合に退職を強いること」

クローズドで就職した難聴者が、就労後に聴覚障害がバレてクビになる、
というケースがあります。
(しかし、この人の場合、障害者手帳をもらえない聴覚障害者であった)

ハローワーク職員も聴覚障害の相談者に

「クローズドとオープンの二つの方法がある」

と就職活動のアドバイスをするが、
選ぶのも責任を持つのも、
聴覚障害者自身である。

障害を隠したり、障害の程度をサバ読みして就職すれば、
採用されやすくなることはハローワークも知っているが、
後になって聴覚障害者本人だけが責められる結果になる。
by bunbun6610 | 2012-12-26 18:00 | 職域差別

ある障害者から見た世界


by bunbun6610