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ハローワーク求人票の「裏情報」に思うこと

当ブログ

『聴覚障害者にできない仕事』
〔2012-05-02 11:56〕

では、ハローワークの就職斡旋担当者から、
特定の障害者に対し、裏情報を説明する場合がある
ことを紹介しました。

ユニクロの場合は、なぜかハローワークの裏情報が、
新聞の報道と矛盾していました。

(当ブログ

 『合理的配慮と理解で、障害者の雇用促進を』
 〔2011-12-07 20:48〕

 を参照。)


それと、私は聴覚障害者なので、
その立場での裏情報を教えてくれることが、
今までに何度かありました。
他の障害者も、違う形で教えてくれている
のかもしれませんが。

これは果たして、聴覚障害者にとっても、
また障害者全体にとっても、
好ましいことなのでしょうか?

裏情報を生かして、障害者の就職活動の効率化を
図っているのかもしれません。
しかしこの方法には、障害者側から見て、
次のようなメリット、デメリットがあると思います。


【「聴覚障害者は難しい」と言われた場合のメリット】
聴覚障害者は自分の採否の見込みが大体わかるので、
難しいと分かっていれば無駄に応募しないで済む。
速やかに、他の会社の求人票を探すことに回れる。

一方、他の障害者は期待して応募し、殺到するかも?

企業側も、聴覚障害者を雇用したくないならば、
このシステムを利用して、
自社のニーズに合う障害者へ絞れる。


【「聴覚障害者は難しい」と言われた場合のデメリット】
こう言われると、聴覚障害者はその会社を
諦めてしまいやすい。
つまり聴覚障害者にとっては、
これが職域限定(自分たちのバリア)にもなってしまう。
また、この職域差別問題は表に出てこないので、
障害者就職問題として明らかにされず、
そういう意味では解決にも進まないのではないでしょうか。


【「聴覚障害者希望」と言われた場合のメリット】
今度は、聴覚障害者は期待して応募する。
企業側も、他の障害者よりも聴覚障害者を
雇用したいと思っている場合、
採用活動を相思相愛にできる。

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【追記】(2024226日)

ただ、こうした求人票は、かなり滅多になかった。

それだけに、もしあったら、応募者が殺到するのでは、

と想像する。


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【「聴覚障害者希望」と言われた場合のデメリット】
他の障害者のほうは諦めてしまいやすくなる。
つまり他の障害者にとっては、
これが職域の限定につながってしまう。
このようなハローワークのアドバイスは、
果たして全ての障害者への差別となるのか
配慮となるのか、疑問になる。
就労機会の公正さを欠くのではないだろうか。


こういうことについて、
障害者団体からは何も意見が出ていないようですが、
それは障害者団体も、
裏情報のことを全く知らないからだと思われます。

個人的に思うのですが、私は正直、
フェアな気がしないとは思います。

このことは障害者側が議論する価値はあると思います。



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【追記】(20231115日)

企業にとっては、応募者を絞りやすくなり、効率が良くなる。

求職者にとっても、効率的な就職活動ができる。

しかし、これは「就職差別」にもなりかねない。

だから、これは「配慮」? 「差別」なのか?

と悩むことも、よくある。

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by bunbun6610 | 2012-05-03 09:59 | 就職差別(職域問題・差別〔聴覚障害〕)

ある障害者から見た世界


by bunbun6610