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健聴者は、本当の理解をしてほしい

コミュニケーション上手とは、話し上手とは限らない。

能力レベルの問題とも限らない。
声だけの喋りは上手、と評判の人でも、
言葉が異なる相手とのコミュニケーションはできない、
という人もいることだろう。

間接差別とは、無意識の行為が多い。
そしてさらに聴覚障害者にとっては運の悪いことに、
健常者は無意識にしてしまっていることならば
「差別ではない」と思っている人が多い。
「気がつきませんでした」と謝って済ませてしまうだけの
人が多い。

本当は

「謝ったんだから、もういいだろ」

で済む問題ではないことなのに。

謝らないよりはまだマシなほうだが、
肝心の改善には全く至らないのだから、
困ったものである。

まず、大多数の人には差別しているという意図がない。
意図にも良いものと悪いものとがあるが、
そのどちらでもない。

というと「普通」なのか?

普通ならば、それは「常識」とか「問題ではない」と
解釈されるものなのだろうか?

けれども当事者(聴覚障害者)にとっては、
大問題なのである。

何を言われたのか聞こえない(聞き取れない)
音声を

「何と言われたか、あなたも言い返してみて」

と言われても、答えられないのは当たり前だ。
それが健聴者にはわかっていない。

「○■△×…?□」

という、わけのわからない音声が聞こえたからといって、
答えられるわけがないのと同じである。

それを聴覚障害者に「もう一度言ってみて」と頼んでみたとしても、
やはり自分も喋れる日本語として

「聞き取れない」

と自分には分かっているから「書いて下さい」と頼むのに、
健聴者はさらに声を大きくするなりして、また同じことを言い続ける。

だが、本当はこういう場合は、書いてくれればいいのである。

日本語として聞こえない言葉を発音しろ、と言われても、
難しいのである。
聴覚障害による「語音識別力5%」という意味を、
健常者は理解して欲しい。
だが、健聴者はそんな体験はしたこともないのだから、
それも難しいのかもしれない。

本当の理解のためにお互いが、聴覚障害者のことも含めて、
もっといろいろな体験をする必要がある。
by bunbun6610 | 2010-12-20 18:00 | 聴覚障害者労働問題・相談

ある障害者から見た世界


by bunbun6610