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遅れている、聴覚障害者への就労支援

Aさんは耳が全く聴こえない、そして日本語を話すことも難しい聴覚障害者です。
それでも、ハローワーク紹介の障害者雇用枠で、有名ホテルへ就職することができました。

会社は「手話のできる人はいません。しかし、仕事は筆談で丁寧に指導します」とAさんに予め説明した
上での入社でした。
会社側も選考面接で「Aさんは口を読み取ることができる」と判断し、聴こえなくても大丈夫だ、
と採用を決めていました。

ところが、入社日のAさんは、先輩の筆談を交えての説明をいくら見ても、仕事をやろうとしません。
会社は「最初は先輩と一緒にやりながら、仕事を覚え、慣れてもらう」という段取りでした。
しかし2日目もAさんの様子は同じでした。
そして3日目以降は無断欠勤のまま、来なくなってしまいました。

Aさんの非常識に呆れた会社は「もう聴覚障害者は雇いたくない」と言い、その次からは他の障害者を
雇用するようになりました。


【原因究明と聴覚障害者対処法】
よく病院でも「聴覚障害者は口を見て読み取るのが上手な人が多い」といいます。
私の場合はどちらかというと下手な方なので、読話技術のことはよくわかりません。

その立場でこの問題を考えた結果ですが、会社面接では、聴覚障害者のほうも面接対策をしておくし、
何度も場数を経験し、相手が何を話すか、その会話パターンも大体わかっています。
そういう場合は、口の動きをいくらか見ただけでも、相手が何を言いたいのか、想像が可能です。

けれども、全く知らない仕事の説明を、口だけ見て読み取るなんて、できるのかな? という疑問は
あると思います。
また、この聴覚障害者の場合、もしも筆談の日本語文章を読んで理解するのも苦手だったとしたら、
手話通訳か聴覚障害者専門のジョブコーチ員(→http://www.ikuseikai-tky.or.jp/~iku-tokyo-jc/)
が必要ということになる、と思います。

会社が手話通訳を頼むなら、費用は全額会社負担になってしまうので実現は難しいですが、
ジョブコーチの場合は、東京都の支援で企業側に負担は無いので、会社も積極的に利用してほしい、
その方が聴覚障害者にとってもよい、と思います。

単にミスマッチだったといって、簡単に雇う障害者を取り替えてしまうのでなく、双方が信頼に向けて
努力して、雇用・就労ができるように、公的支援を最大限に利用することが、大切だと思います。

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by bunbun6610 | 2011-05-26 22:14 | R.リッツカールトン東京

ある障害者から見た世界


by bunbun6610