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職場内障害者授産施設 (11)企業の本音は?②

私の職場には3人の障害者が働いています。
内臓の障害とうつ病を抱えるAさんと、脳性マヒ障害者Bさん、
そして聴覚障害者である私の3人です。

会社は障害の特性により、仕事の内容を変えるように
配慮しています。

ただ、これまですでに述べたように、それがどうも疑問に思う
ことも度々あります。

Aさんのうつ病再発を恐れる上司は、Aさんが嫌がる仕事は
依頼できません。
それでAさんは自分の都合のいい仕事しかしたくないように
見えます。

Bさんは脳性マヒ障害という、3人の障害者の中では最も
重い障害を持つ人なので、仕事内容にはかなりの制限が
あります。

その結果、障害者の中で最も幅広い仕事を任され、最も
重労働な仕事を頼まれるのが聴覚障害者の私です。

実はこの会社は、応募の際、履歴書を郵送したらすぐに

「面接をしたいので、一番早い面接可能日を教えて欲しい」

というメールが届きました。

約3日後の面接可能日を伝えて行ったら、いきなり

「いつから来られますか?」

と聞いてきたので、驚いてしまいました。
書類選考と一目見ただけで合格だったわけです。

確かに、障害者に任せる仕事内容は簡単なので、
普通の聴覚障害者は全く問題ないとは思います。

私は少し不安になってきたのですが、条件を2つ
お願いしました。

すると、その条件も即答で飲んでくれるというので、
その場ですぐに決めたい、という会社側の様子が
わかりました。

入社して、半年ほどしてからわかったのですが、
私が配属された職場にはAさん、Bさんのような
障害者がいます。
(本当は、Bさんは私の後から異動されてきましたが)

その人たちには仕事内容に制限があるため、
代わりにできる障害者が欲しかったようです。

また特に、これからやる業務には重労働も含まれて
います。

「健常者並みに、体力の要る仕事もこなせる障害者が、
どうしても欲しい」

ということらしく、男性の聴覚障害者を望んでいたようです。

実際、D上司はAさん、Bさんにはほとんどかまっていなくて、
私ばかりを遣うようになりました。
他の障害者は使いにくかったのは明らかでした。

それに気づいたとき、当ブログ

『NHK『バリバラ』 障害者の悩み -就労 (1)』
〔2013-04-21 18:00〕




で述べていた

「障害者にしてもらう仕事がない」

という企業側の言葉を思い出しました。


この理由は、果たして本当だろうか。
本当かもしれないが、単に「仕事がない」という理由だけでは
ないのではないだろうか。

会社は、Aさん、Bさんという障害者に配慮して、仕事内容は
限定しています。

しかし、本当にこれだけの仕事しか、任せられないのだろうか?
そこに非常に大きな疑問を感じます。

他の障害者たちの消極的過ぎる勤務態度、なかでもAさん
のような「ワガママではないのか?」と思える対応にも問題が
あると思います。
D上司は「それならば」と思い、聴覚障害者の私にばかり、
仕事を押し付けてきます。
D上司はそれで「問題が解決した」と思っています。
しかし、それで大変な思いをしているのは、聴覚障害者のほう
なのです。

初めのうちは

「しようがないから」

と思っていましたが、次第に

「これは、不公平なんじゃないだろうか」

と納得のいかないように思えてきました。
それをD上司や重役にも伝えると、
D上司は私を密室に連れ出し、こう言いました。
(筆談で)

「スマン。
差別するつもりはないんだ。
オレも、オレの妻も障害者なんだ。
妻の介護で大変だよ。
君と同じだから、大変なのはわかるよ」(※1)


(※1)D上司の障害名は知らないが

「難病で、薬を毎日飲むだけで症状は抑えられるので、
普通の人と同じに暮らせる」

という。
薬は高価なものらしく、国からの補助金があるそうです。
したがって「身体障害者」というより「難病者」ではないかと思う。
健常者と同じように仕事が出来るのだから、障害者雇用で
働いている障害者とは、だいぶ違うのだ。




D上司は続けて次のように言った。

「サラリーマンは“何か言われているうちが華”だよ」

この意味は私もわかっている。
これで、AさんやBさんがなぜ仕事をしていなくても、
何も言われないのかがわかる。
D上司は、彼らはもはや“華”ではないと思っている。

Aさんについては、部長も言っていたように

「元上司だった人だから、誰でもAさんに言いにくい状況」

だからだ。

そして、Bさんについては

「障害が重いから、仕事を頼みづらい」

とか

「時間かかかってしまう」

といった理由があるようだ。

それでどの上司も、仕事はなるべく私に頼むようになっています。

だけど、D上司の、他の障害者に対してだけの同情論的な説明に、
私は納得できませんでした。(※2)



(※2)
この話を聞く前にAさんに

「なぜ皆は忙しいくらい仕事があるのに、障害者には
仕事を分けてくれないのでしょうか?」

Aさんはこの部署の元トップだったので、
その答えをわかっていました。

「みんな、自分でやっているから」

今のD上司は「できるだけ自分でやれ」と全社員に指示、
教育しているらしい。
そうなると、障害者を雇用していても結局、
障害者には仕事が無い、ということになってしまう。

理由は説明してくれなかったが、顧客から信頼されて
引き受けた受注だから、自分で各自、責任を持ってやる
ように、ということらしい。

しかし、人事部では障害者の法定雇用率を守るのが仕事であり、
配属部署には障害者の雇用を創出してもらいたい。
その板ばさみの状態に、働く障害者がいる、というわけです。



D上司に、私はこう切り返した。

「あなたと、私の障害は違います。
あなたは健常者と同じように仕事ができるわけだし、
現にしている。
しかし聴覚障害者は、健聴者と同じにはできないのです。
耳が聞こえないだけで、差別を受けています」

D上司は聞く耳がないらしく、こう言いました。

「今のようなことは、良くないよ。
キミのためにはならないから」

話はそれで終わりでした。


この事例からもわかるように、健常者の本音は

「障害者にしてもらう仕事がない」

のではなくて

「障害者に任せられない」

というのが本音なのです。
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by bunbun6610 | 2013-10-19 19:00 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (10)  - 企業の本音は?①

副題;『企業の「障害者にしてもらう仕事がない」は本当なのか?』


当ブログ

『NHK『バリバラ』 障害者の悩み -就労 (1)』
〔2013-04-21 18:00〕



では、障害者雇用が進まない理由について、
企業は次のように答えている、という。

 「障害者にしてもらう仕事がない」


果たして、これは本当なのだろうか?

どういう意味で言っているのだろうか?


今は健常者ですら、仕事がない時代だと言われています。
それだから、障害者にはもっと仕事がないのは当然だ、
とよく考えられています。

でも、本当にそうなのでしょうか?

私は働いている、わずか5%の障害者の中の一人に
入っています。
もうだいぶ長いこと、障害者雇用で、いろいろな会社を
渡り歩いてきました。
それだけ、障害者も雇う多くの会社、そしてそこで働く障害者、
それに健常者の情況も数多く見てきました。

今だって、仕事はないのではない。
今の会社は、人件費を削っている時代です。
それでも、障害者を雇っているのです。

健常者の場合は、それはもう忙しいです。
残業になることも、珍しいことではありません。
つまり、それだけ仕事があるということです。

それだけ会社は人手が足りない状況にもなる
というのに、雇用されている障害者はヒマに
している人もいます。
なぜだと思いますか?

当ブログ『職場内障害者授産施設』の記事を
読まれた方なら、わかると思います。

会社は法令遵守の観点から、一定の人数の
障害者は雇用します。
けれども、職場では堂々と障害者差別をしています。
なぜそんなことをするのかは、わかりませんが、
彼らはそれを当たりまえのこととして、行っているのです。

健常者が残業代が欲しいから、障害者に仕事をさせない、
という会社もありました。
無論、それが発覚したら上層部でも大問題になりましたが。


当ブログ

『職場内障害者授産施設 (5)障害者差別禁止法の必要性 保護から権利へ』
〔2013-09-10 18:30〕



には、障害者にほとんど仕事を与えない状況が
書かれています。


さらに、小山内美智子氏の本から気になったところを
引用してみました。


「なにもいわなくても、母がすべてしてくれたからだ。
子どものころはそれで許されても、おとなになったとき、
すでに身についてしまった依存心が
甘えとあきらめだけを増長させて、
自立心をマヒさせていることに気づく。
この子が不憫だといって、親たちはいつも先回まわりして、
冷たい風に当てないようにする。
社会の目にふれさせたくないといって、
養護学校や施設をつくる。
そのかばいかたが障害者にとってマイナスになっているのだ。
子どもは社会や親に対し、さまざまに反抗する。
反抗して、実際に行動してみて、自分でまちがいに
気づいたとき、おとなへの階段をのぼるのだと思う。」

『車椅子からウィンク 脳性マヒのママがつづる愛と性』
(小山内 美智子/著 1988年9月16日/第1刷 ネスコ/発行
株式会社文芸春秋/発売)



会社の健常者は

「職場では、障害者には何もさせないのがいい」

と思っているのだろうか。

障害者を雇用した後、障害者にとっては、
職場が“職場内障害者授産施設”にしか思えなくなって
しまうのも、これだからではないでしょうか。

企業の

「障害者にしてもらう仕事がない」

というのは、これが本音なのではないだろうか。
これは可能性の一つとして、留めておくが。


もう一つの可能性は、実際に能力が著しく低いと
思われている障害者も何人かおり、それが障害者
では普通だと思われているからなのではないだろうか、
ということである。

さらに問題なのは、障害者の側にも、
仕事に対する責任感がないように思える。
予定外の休みが多かったり、
限られた時間にしなければならないような
仕事は苦手な障害者が多い。
これでは、安心して仕事を任せられないし、
急に休んだりした場合に場合に、代わりに
やらざるをえなくなる周囲の人々にとっては、
かなりの負担になってしまう。

私も、

「なぜこんなに能力が低くて、社会マナーや
責任感も低い障害者が多いのだろうか」

と思う。

正直に言って、今まで、能力的に優れた障害者など、
ほとんど見たことがない。

会社に居座る障害者というのは、重度障害を持つ人が
多かったようだが、それほど障害が重くはない人にもいた。
障害者たちは概して、社内での評判も良くなかったのである。

例外的に高い能力を持つ障害者はいるにしても、
やはりそれは例外中の例外というくらいなのである。

そういう例外的な人は障害者であっても、
間違いなく優秀で、健常者からの評判も良かったのですが、
そういう人ほど、なぜか辞めていきました。

辞めていくのは、おそらく障害者雇用に満足していなかった
からだと思う。

結局、目につくのは居座る障害者が多くて、
その人たちのイメージが、会社の知る障害者イメージ
となっているのかもしれない。
例外は、例外でしかないのだから。

それでは健常者から、企業から

 「障害者に任せられる仕事はない」

と言われても仕方がないだろう。




====================================


【参考情報】

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2013011602000079.html

北陸中日新聞 社説


◆超氷河期と予想される大学生の就活が本格化したが、
それ以上に厳しいのが障害者の雇用だ。
法定雇用率を守らない企業は半数を超える。
障害者もいきいきと働く場を提供するのは企業の責務だ。

 国内の障害者の人数や雇用の現状がどのくらい理解
されているだろうか。

障害者手帳の発行数によると、身体障害者が約三百七十万人、
知的障害者が約五十五万人、精神障害者が三百二十五万人
の計七百五十万人。
国民のおよそ6%にあたる。

 これに対し、働く障害者は約三十八万人(従業員五十六人
以上の企業、厚生労働省調べ)しかいない。


手帳交付者数のたった5%だ。

障害者が通う特別支援学級を卒業しても、就職できるのは
三割にすぎず、七割は自宅に引きこもってしまったりグループ
ホームで集団生活を送る場合が多い。
職業訓練を受け企業で十分働ける人も多いのに、雇用が
進まないのは企業の理解や知識不足のためだ。

 障害者の雇用促進法は現在、従業員五十六人以上の企業
に対し、障害者を1・8%以上雇うよう義務づけている。
しかし、達成した企業は約47%と半数に満たない。
四月からは義務が強化され、

「従業員五十人以上の企業に雇用率2・0%以上」

になる。

 未達成企業のうち、たび重なる指導でも改善しない場合は
企業名を公表されるが、公表企業数は毎年一ケタ台だ。
これは

「改善を約束して公表を免れ、実際は未達成なまま」

の企業が多数存在するということだ。
このような「法律違反」を放置している現状は明らかにおかしい。
法定雇用率を未達成の企業(同二百人以上)から、不足分に
応じ一人につき月五万円を徴収する「障害者雇用納付金」
制度がある。

 このため、お金(納付金)で解決できると理解する企業も多い。
障害者受け入れ企業には同納付金を原資とした 助成金や
報奨金制度もある。
厚労省は企業側へ一段の説明や指導を尽くすべきだ。

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by bunbun6610 | 2013-10-17 18:00 | 就労後の聴覚障害者問題B

職場内障害者授産施設 (9)悩みは、部下を公平に見ている上司に相談する

副題;『障害者が職場で特別扱いされる理由』

人事の障害者雇用担当者は、まだ異動されて
日が浅い、新米の人だったので、
相談してもうまくいかなかったのだろう。

それで今度は、職場の部長に
話してみることにした。

人事は遠く離れた本社の中で、私のいる部署
の事情はほとんど把握していない。

しかし、部長は違う。
部長はいつも職場にいて、毎日、全員を見渡して
おり、AさんのこともBさんのことも当然よく知って
いる。
勿論、私の仕事ぶりも、ちゃんと見ている。


部長;「どうしたの?」

私;「実は、辞めようかな、と思っています」

部長;「そういえば、あなたは初めの頃は仕事熱心
だったが、最近はちょっと落ちてきた気がする。
何で? 今まで一緒にやってきたのに。
話してみて」

私;「F上司が、パンフレットや、Aさんと事前打ち合わせ
をして、そして天候や気分などで、仕事内容を割り当てて
いるようです。
肉体的に重い仕事も、D上司が私を指名してばかりで、
大変だと思います。
でも元々は、人事との面接で事務補助の仕事と今の
仕事を、といった仕事内容のはずでした。
それが、Bさんがここに来てから、事務補助の仕事を
全部Bさんにとられてしまい、私は二人が出来ない
仕事をやるという形になってしまいました。
これでは入社前の、最初の説明とは違ってきてしまって
います」

部長;「Aさんはね、実はここのバリバリのトップだった
人です。
でも、障害者になってしまい、その地位から降ろされた。
ここにいる誰よりも偉かった人です。
だから、今のどの上司も、言いにくいんだ」

私;「そのことは知っています」

部長;「Aさんは義理が厚い人です。
例えば、○○さんの会社が倒産したとき、○○さんを
この会社へ引き入れたのはAさんだ。
ここにいる人は、みんなAさんに何かしらの恩がある
から、Aさんに指示などはしにくい。
僕も、今の重役も、みんなAさんの部下だった」

私;「そうだったのですか。
わかりました」


部長;「それから、Bさんはね、実は脳性マヒ障害だけ
じゃない。
頭もなんだ。」

私;「頭・・・もですか? 人事はそれを知っている
のですか?」

部長;「知っている。
Bさんには出来ない仕事もある。
例えば、複雑な仕事を覚えるのは時間がかかる。
だから、あなたにやってもらったほうが早いね」

私;「・・・」(諦めるというか、納得するしかない表情で)


見た目にはわかりづらいことだが、
確かに、Bさんには知的障害や発達障害のような
面も見られる。

結局、部長もAさんやBさんをかばっている面もあるが、
各上司の今までの各障害者に対して行っている、
仕事の割り当て方では私にも無理がきてしまうことは
理解できるそうで、今後、各上司を集めて考えてみる
ことになった。


部長;「他には?」

私;「F上司の筆談が、何を言いたいのかわかりにくいです。
仕事の指示も要領が悪くて、時間がたつにつれてコロコロと
変わってしまうので、イライラしてしまいます。
それならば、仕事内容がハッキリと決まってから指示を
伝えてほしいです」

部長;「単刀直入。これだよね。
でも、言い回しをする人もいる。
いろんな上司がいる。
サラリーマンの宿命だよ。
僕だって、××さんが嫌いだと言っても、
上司は選べない。
だから、みんな我慢だよ」

私;「サラリーマンって、そうですね・・・」

部長;「我々の仕事は、顧客の都合に最大限合わせて、
努力すること。
だが今後は、できるだけ仕事をまとめてから指示を
伝えるよう、各上司に伝えておく」

私;「よろしくお願いします」


その後、Aさんの様子も次第に、変わっていった。
この件が重役にも伝わり、Aさんに慎重に改善案を
伝えたようだ。
それ以来、Aさんの都合で仕事内容がコロコロ変わったり
することも、なくなってきた。




この文章は、音声会話のように書かれているが、
それは次の理由によります。
相手が筆談した原語をそのまま記憶することは難しい。
印象を憶えて再現しているためです。

通常、筆談で書かれた言葉は淡白で、
印象を持ちにくいものです。
そのため、音声会話ではあるはずのニュアンスを
感じ取るようにしています。
ニュアンスを感じ取るということは、
話し手の表情や仕草など、視覚情報から本心を
感じ取るということで、コミュニケーションでは
重要だと思っています。

相手が書いた言葉を表面的に理解したりはしません。
したがって、書かれた内容に主観的解釈が
入っていることは否めないと思います。

例えば、相手の筆談しているときの態度が短気で
読みにくい文字で書いている場合には

「こちらの気持ちなんか考えていない人」

「結局、自分の言い訳や言いたいことしか書かない人」

と感じる場合があります。
そんな場合は、そういう印象に書くことになります。

今回、部長の説明には全面理解とはいきませんが
「やさしさはある人だな」と思いました。

健聴者が親しい人と噂話などの音声会話をしているときも、
無意識に同じことをしているだろうと思います。

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by bunbun6610 | 2013-10-16 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (8)人事部のおかしな対応

職場で上司が、Aさん、Bさんが出来ない仕事を、
全て私に任されてしまうことに対して、
不公平感を感じているのを、人事部に伝えた。

私;「相談したいことがあるのですが・・・」

人事;「何でしょうか?」

私;「うちの会社の障害者には、
   ボーナスは支給していないのでしょうか?」

人事;「ボーナスというものはありません。
    ただ、寸志があります」

私;「それは、全員に同じ金額が支給される、ということですか?」

人事;「いや、能力評価を行っています。
    それに応じて、1万円から5万円まで段階設定があります」


それはやっぱり嘘だろうと、すぐにわかった。
なぜなら、その話を聞く前に、元トップのAさんから

「ボーナスは、みんな5万円だよ。みんな同じ」

と言っていたからだ。
元店長のAさんが言っていたのだから、
これは間違いない。

それに、他のパートの人も

「本当はボーナスではなくて、寸志だと思う。
能力評価で1万円から5万円まで差があるなんて、
初めて聞いた」

と話していたのだから。



私;「うちの職場には障害者がAさん、Bさんもいます。
   でも、障害者の人は皆、やる気がありません。
   Aさんはやらない仕事もあって、Bさんもできない
   仕事があるようで、それで二人に出来ない仕事は、
   全部私に依頼してくるのです。
   そういった仕事は、体力負担も大きい仕事が多いです。
   このまま続けていくのは大変です。」

人事;「やる気がない・・・? 例えば、どんなふうに?」

私;「天候が悪いとAさんと交代になり、私が遠方へ出かける
   仕事になったり、カタログを準備する仕事ならばBさんも
   出来るんじゃないか、と思うのに、上司はそれも仕事量
   の多い私に頼み、一人でやらされています。
   なぜ、Bさんにも出来ることはやらせないのでしょうか?」

人事;「Bさんはね、実は前は、ここ(人事総務部)にいたんですよ。
    でも、Bさんは・・・」


私は、以前にAさんが言っていた

「あいつ(Bさん)は使いものにならなくて、
こっちへ配置転換されてきたんだ」

と言ったのを思い出した。


私;「そうですか・・・」

人事;「Bさんには、もっと仕事をやるように言っておきます」


何でこうなるのだろうか?

一番は、仕事を不公平に押し付けてくる上司に
責任がある問題ではないか。

さらに不思議なことは、Aさんについては何も
言わなかったことだ。

Bさんにしてみれば、おそらく、上司の指示がないから

「ヒマにしているしかない」

と思っているだろう。

Aさんについては、あそこの元トップだった人だから、
人事も言いにくいのかもしれない。
それで、無難に一礼して、もう少し様子を見てみる
ことにした。


私;「よろしくお願いします」


それからは、Bさんは少し、私がやっていた仕事も
やるようになった。
上司の指示があったからだ。

しかし、それができたのも三週間だけだった。

三週間後には、Bさんの出勤時間が遅くなり、
それで勤務時間も減ることになった。
理由は、Bさんの遅刻グセが直らないかららしい。
それでまた、F上司から

「Bさんは来るのが遅いから、あなたが一人でやって」

と言われるようになり、結局は以前の状況に戻ってしまった。

Aさんも、相変わらずだった。
人事も一部署の元トップであった功労者に、
何も言えないのだろう。
やはり、Aさんについては、予想通りだったようだ。
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by bunbun6610 | 2013-10-15 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (7)就労後の男性聴覚障害者の悩み

聴覚障害者は耳が聞こえないという障害が
あるだけで、それ以外には何の問題もない、
と捉えられがちです。

これは、就労後の聴覚障害者の悩みとして、
当事者間だけで話し合うときにも、
よく出てくる事例です。
女性の場合は事務職、内勤が多いのか、
あまり聞かれないのかもしれませんが、
男性の場合は時々聞く話です。


私の職場には現在、私を含めて3人の障害者
がいます。
Aさんはワガママなところがあります。
この事情がわからない方が読んでも理解できず、
変な言い方になってしまうのですが、
簡単に言えば要するに、Aさんにはある程度の、
仕事を選ぶ特権があるのです。
それで、Aさんがイヤだという仕事は、
上司は全部私のところに持ってきてしまいます。

それからもう一人、Bさんという脳性マヒ障害者
がいます。
BさんはAさんのようなワガママを言うのとは違い、
これも簡単に言うと要するに、できないことが多い
障害者です。
なので、健常者が「Bさんにはできない」と判断
した仕事は、これも全て私のところに依頼が
きてしまいます。

ただ、以前の記事(※)にも書いているように
本当にできないことは引き受けるけれども、
本人にできるはずだと思う仕事まで

「いいよ、聴覚障害の人にやらせるから」

という感じで、やらせないでいるような状況も
多々あるように思われたのです。


(※)当ブログ

『職場内障害者授産施設 (4)過剰すぎる「特別扱い」』
〔2013-09-05 18:30〕
 





これは疑問でしたし、半年後には私もたまらなくなり、
我慢も限界を超えるようになったので、
会社の人事部や上司に「おかしい」と言いました。


以前に働いていた会社でも、私と別の部署で
働いていたTさんという聴覚障害者が、
昼休み時間などに会ったときに、
悩みを漏らしていました。
Tさんは総務人事部という、重度障害者配属の
典型的な部署で働いていました。
そこも、他の障害者がいました。

他の障害者とは、重度の脳性マヒ障害者
Xさんでした。
ベッドのような大きな電動車椅子に一日中乗って、
会社の中でもそのままパソコン台に向かって
仕事をしていました。
Xさんの仕事は、パソコンのデスクトップに
表示されるデータを目で確認する仕事だけの
ようでした。
身体を動かすことが難しいことは勿論、
手を使うだけの仕事も難しい重度障害者です。

そこで、障害者にやってもらいたい仕事で、
Xさんにも出来ない仕事は、全てTさんに
任されてしまうという。
そのことで「大変だよ」と私にも漏らしていたのだ。

初めのうちはTさんは頑張ってやっていましたが、
そうすると健常者は大喜びして、次第に
「もっともっとやって」と、つまらなくて大変な
仕事ばかり頼まれるようになりました。
それで、もう大変すぎて、イヤになってきた、
というふうに話していました。

聴覚障害者は、身体は何ともない障害者
だということで、他の障害者からは羨まし
がられることもあります。

そういえば、オリンピックも障害者の
オリンピック(パラリンピック)と、
聴覚障害者のオリンピック(デフリンピック)
は別々です。
一緒は確かに、不公平も多くて、難しい。

でも、障害者雇用の場合、障害者の中では、
身体能力に関しては健常者と同等以上という
こともあり、任される仕事は多く、
聴覚障害者は一番大変なのではないかと思う。
健常者がそれだけ、聴覚障害者の身体能力
の高さに期待するからだろう。
聴覚障害者だからといって、障害者雇用に
応募して約3日後に即採用となるのも、
肉体労働に関しては他の障害者と比べて、
そんな有利な条件があるからなのだろう。

マッチングさえ合えば、聴覚障害者を
欲しがっている会社は必ずあると思う。

聴覚障害者は健常者と同等か、
それ以上の働きをしていることは間違いない。

それなのに、なぜ聴覚障害者は貧乏賃金
なのだろうか。
なぜ、他の障害者と同賃金なのだろうか。

こういう疑問を持つようになった聴覚障害者は、
少なくないのではないだろうか。
この言い方は誤解もありそうなので良くないだろうが、
少なくとも仕事の内容に見合う給料ではないのだ。


聴覚障害者として気づく疑問は、これだけでは終わらない。
一体、聴覚障害者って、本当に障害者なのだろうか。
というか、なぜ聴覚障害者もAさんやBさんのような、
他の障害者と同じ待遇になってしまうのだろうか。
「障害者手帳を持っている人だから」ということだけで、
皆そうなってしまうというのだろうか。

変な言い方になってしまうが、AさんもBさんも変な
特別扱いがあるが、聴覚障害者にそんな扱いがある
ことは、他の会社でさえ、聞いたことも見たこともない。

聴覚障害者には、情報・コミュニケーションのバリアを
甘んじて享受し、我慢して働き続けるだけである。
これがおかしい、と疑問に思うのは、聴覚障害者だけ
なのではないだろうか。

しかし、これは本来、聴覚障害者の障害だけに起因する
問題ではなく、社会の側にも原因がある問題なのである。
その問題解決がほったらかしにされ続けているのは、
不公平だと思わざるをえない。
そして、このままでは聴覚障害者は今後も、
この不利な就労条件で働き続けなければならないのだ。


聴覚障害者のYさんも、もう高齢者になったが、
それでも

「この年齢になっても、こんなにきつい
肉体労働をするしかないとは・・・」

と嘆いていました。

聴覚障害者は、よく肉体労働に向いている
とされています。
しかし、肉体労働だと、年齢的な限界も早く
訪れてきます。
60歳以降も働き続けたいと思い、知的労働を
したいと思って転職しようにも、会社はそんな
希望は聞いてくれるほどお人好しではない。
60歳から事務アシスタントやパソコン入力等
の仕事をやりたいと思っても、そのときになって
転職したくても、経験のない人は採ってくれない
のが当たり前。
今の時代は障害者といえども、即戦力を求めて
いるのだから。

仮に運よく転職できたとしても、またすぐ、
肉体労働もあるから、やってくれとか頼まれる。

その繰り返しにすぎなかった。

入社後になって

「面接時の仕事内容の説明とは違う」

「口車に乗せられていたんだな」

と気づく。
転職ももう諦めて、60歳までなら我慢して働き、
そして定年退職し、以後は働かないで生活できる
ようにするつもりでいる。
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by bunbun6610 | 2013-10-10 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (6)障害者雇用は「見えない牢獄」

 副題;『障害者雇用は健常者が「障害者用につくった、見えない牢獄」』

私の職場には、3人の障害者が障害者雇用で働いています。
Aさん(内臓障害、うつ病)、Bさん(脳性マヒ障害)、
そして私(聴覚障害)です。

仕事の内容は、これまで述べてきたとおり、
障害や病気の内容に応じ、人それぞれです。


『職場内障害者授産施設 (3)うつ病障害者? 病前性格のワガママ障害者?』
〔2013-09-04 18:30〕




『職場内障害者授産施設 (4)過剰すぎる「特別扱い」』
〔2013-09-05 18:30〕




上の記事を読んで、Aさん、Bさんの障害や病気に対する
配慮はあると、読者の皆さんも思うかもしれません。
仕事内容は健常者と違うだけではなく、
障害の種類・程度でも違います。

私は聴覚障害者ですから、通訳はないものの、
仕事を頼まれる場合の筆談ならあります。
あとは、必要に応じて、大事な話だけならば、
それも筆談で行ってくれます。
ですから、情報・コミュニケーションの障害は
ないものとされています。
(本当は、健常者のこの見方は違うのだが)

仕事内容での配慮は全くないと思います。
配慮と言うよりは、障害者差別があるのです。
それは私だけでなく、AさんもBさんも同じでしょう。
職場には女性差別もあり、健常者同士でも
差別はあります。

実はAさんはかつて、この部署で一番上の地位についていた、
元健常者なのです。
その元エリートがなぜ、こうも堕落したのか、私もよくわかりません。
でも、私も転落していったほうの障害者だから、推測はできます。
障害者心理を考える、参考になるものに『セント・オブ・ウーマン』(※)
という映画があります。

(※)
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id13006/



この映画の主人公フランクは、非常に高い地位に就いていた
元軍人でした。
自分の過失で失明し、退役したようです。
興味深かったのは、彼の荒れっぷりです。
あれだけ荒れるほど、彼が失ったもの、障害が彼に与えた
打撃は大きかったと言えると思います。
(障害者心理「喪失の過程」)

でも、障害はしょうがない。
それよりも彼の心底が本当に渇望してやまなかったものは、
普通の障害者と同じだったと思うのです。
普通の(人には普通にできていた)生活が、
障害者になってしまうと、なかなかできないものに
なってしまうのです。
それが社会のほうにも、原因があるわけです。

その経験のない健常者には、Aさんの障害者心理など
わからないでしょう。
『セント・オブ・ウーマン』の解説でも、ある健常者は
主人公を「気難しい人」と捉えていますが、
そういう理由ではなくて、障害者心理が彼を自殺
しようとするまでに追い込んだのだと思います。
それに気がつかないから、誰も彼の自殺を
止めることはできないと思います。
フランクのような寂しさは、いまだに多くの障害者
の心の中にあるのではないかと思う。
私にもあるし、Aさんとて、例外ではないと思う。


Aさんほどのエリートがなぜ、障害者雇用なのかというと、
障害や病気があるからなのです。
健常者からの理由はそれだけです。

でも決して、Aさんに障害があるから、Aさんのそれまでの
仕事の能力まで失われたわけではありません。
今いる部署の全員が、実は役員も部長も含めて、
Aさんの後輩なのです。
だから、指導や助言などは出来ると思う。
となると、社会が、障害者に“障害”というレッテルを
貼ったことが問題なのだろうと思います。
それは、本人が持つ「障害」とは意味が違う。
社会が与えた「差別」が原因なのです。
それはAさんの心理に、少なからず影響を与えたに
違いない。

今でも、Aさんは会社の中で差別的状況があると感じると、
逃げるように他の人から離れていきます。
それは、差別を受けた者だけが直感でわかることです。
だが、それも健常者にはわからない。
健常者と障害者は、身体だけではなく心も違ってくる。

皆が集まって話をするたびに、逃げるAさんの姿を見るたび

「ああ、今日もまた逃げていっているな」

と思う。

聞こえない私には、何の話かは聞こえないので
あまり気にしないが、聞こえるAさんは昔の自分を
思い出すようで、気になってしまうようだ。
しかし、その輪の中には入れなくなった。
障害や病気がなかったならば、Aさんは今頃
役員として、そこの中心にいたことだろう。
ところが、Aさんは転落し、後輩たちに次々と
追い越されてしまった。
周りの健常者の誰もが、Aさんを特別扱いするのは、
そういう事情もあるからだ。

世の中には、長嶋茂雄終身名誉監督という珍しい
障害者がいます。
長嶋自身、また社会の誰も、長嶋を障害者だとは
認めていないかもしれません。
彼の過去の栄光を、誰も忘れてはいません。

だが、過去の栄光があるから、長嶋は障害者になっても、
特別な存在なのかもしれません。

あの有名な作曲家・佐村河内守だって、誰も聴覚障害者
だと見ていないでしょう。
能力があれば、その能力が社会で高く評価されたならば、
その人が障害者だということはどうでもよくなる。

サラリーマンの世界は違うようだが。

だからといってなのか、障害児教育までも、そのように
なることを障害児たちに強要してきたようだ。
昔の聴覚障害児教育でも、口話教育(同時に手話弾圧)
があったはずだ。
障害者が社会にとけ込むこととは、一方的に、
健常者へ合わせるように努力すべきだとされてきた。
社会の責任・負担でもあるはずが、それを障害者や
家族に全面的に押し付けてきたのだ。
だが、それでは障害者問題は永久に克服できないのだ。
小山内さんの本を読んでも、それが十分わかったと思う。


ごくわずかな確率でしか成功しない、突出した能力を持つ
障害児を育成しようとするあまり、落ちこぼれた多くの
障害児は施設に押し込めてしまう。
あるいは家族にだけ押し付けて、社会から隠してきた。
当然、ごく稀に成功した、健常者が優秀と評価する
障害者だけが世の中に出て、注目を浴びる。
反対に障害者の大部分を占める、そうでない障害者は
隠居生活になってしまう。
その人たちが長生きし、幸せな人生だったといったような話を、
誰が聞いたことがあるだろうか。

障害者問題は見えなかった。
いや、健常者が隠してきたから、見えないのが当然だった。

職場内障害者授産施設、すなわち障害者雇用の実態は、
健常者には決して見えないだろう。
その実態は、障害者を見えない檻の中に閉じ込めているに等しい。

健常者は、きっと

「檻だって?
会社の中に、そんなものあるはずがあるものか。
証拠もないのに、そんな被害妄想みたいなことを言うな」

と言うだろう。
そんな“見えない障壁”の意味がわからぬ者に
言っても無駄だ。


時々、健常者だけでなく、軽・中度難聴者までもが、
障害者に対して、無理解なことを言う。
軽・中度難聴者には、障害者手帳が取得できなくて、
就職することも困難な人たちがたくさんいるからだろう。

私の正直な感想も交えて書くが。


「障害者って、いいよね。
障害年金はもらえるし、障害者福祉制度もいろいろ
あるし、会社でも特別扱いされているんだから。
健常者も障害者手帳のない難聴者も、
今はみんな大変だよ」


「障害者って、まるで“箱入り娘・息子”だな。
困ったことは何でもしてくれて。
会社に勤めていても、あんな苦労知らずとは」


「あんな眠そうな仕事をしているだけで健常者と同じ
賃金だなんて。
障害者って、給料ドロボーじゃないのか?」


「法律のおかげで雇われた障害者は、まるで、
VIP障害者だな」


「これじゃあ、障害者天国だな。
『ダメ障害者天国』と言ったほうがいいだろう。
政府はあんな障害者雇用なんか進めて、
日本の会社をダメにする気か」


健常者の怒りはもっともだ。
事実なんだから、正直に言って結構だ。
障害者に向けて、もっと言ってもいいくらいだろう。
失礼なことではない。
本当に失礼なのは、ヘンな特別扱いをして遠慮するほうだ。
ただし、批判的な目を障害者にばかり向けるのは
おかしいのではないか、と思う。

小山内さん流にこういってみたら、どう答えるだろうか?

「じゃあ、あなたもそこに入りたいですか?」


実態を見たことがあるならば、おそらく、誰も入りたくは
ないでしょう。
私は今まで、生き生きと働いている障害者を見たことがない。
仕事が出来る、優れた障害者さえ、ほとんど見たことがない。
私自身

「あなた以上に出来る障害者を、今まで見たことがない」

と言われて来たのだから、自分の感じていることは
客観的な見解だろう。

障害者への批判も大いに結構なことだと思う。

でも、それだけでなく、なぜこうなるのかを、考えてほしい。
障害者がやる気がないのは、本当に彼らだけに
責任があるからだろうか。
会社の障害者雇用こそが、問題の根本原因なのだから。


私が思うのは、日本の障害者雇用促進法は失敗だ。

最近のEテレ『バリバラ』でも

『作業所 工賃アップ大作戦! (1)、(2)』
(9月6日(金)、13日(金)放送)

で、外部のプロの観察で、作業員(障害者)のやる気が薄いのは、
作業所のスタッフにも責任があることが
自覚されるようになってきました。

何でもそうだろうけど、どうせ失敗するからとやらせないでいたら、
誰も成長しないでしょう。

会社の障害者雇用だって、まさにそうなのだと思います。
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by bunbun6610 | 2013-10-09 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (5)障害者差別禁止法の必要性 保護から権利へ

実は、Bさん(脳性マヒ障害者)のような状況に
置かれた障害者の事例が、
ある本にも載っています。

それが、当ブログの過去記事にも掲載してあります。


当ブログ

『企業における聴覚障害者差別と、差別禁止法の必要性』
〔2012-10-23 18:00〕


より。


私も今までに、障害者雇用をしている、たくさんの会社を見てきましたが、
どこの会社でも似たような状況でした。

一番感じたのは、働く障害者に対する能力の評価が、
著しく不適当だと思いました。

それに起因する、著しい職域差別があると思いました。

雇用前の採用選考にも、採用後についても、
やはり差別がある、と思いました。





==================================


『当事者がつくる障害者差別禁止法 保護から権利へ』
(「障害者差別禁止法制定」作業チーム編/現代書館)


「『地元では優良企業と言われる会社に障害者枠で入社したが、
やめるまで仕事は何もなかった。

単純作業さえさせてもらえなかった。
公共職業安定所にも会社の指導を何度も頼み、
自分でも会社に訴えたが、何の効果もなかった。

それまで持っていなかった身体障害者手帳を
就職に有利かと思い取ったのだが、
レッテルを貼られただけ。

自分は、普通学校に通い、障害者枠ではない労働も経験し、
障害を重荷に感じたことはなかったのに、
重荷に思うようになってしまった。』

職場で自分の価値を否定されることで、
彼は自信喪失となり、今も人と接するのを
避けたいと思ってしまうと言う。

会社側の

『障害者枠雇用だし、仕事をしてケガでもされては困る。
ただそこに居てくれればいい』

という『特別扱い』の結果、彼は、
職場で何もやることのない長い一日を過ごすことに
なった。

『本当にみじめで、他の人に見られるのも
屈辱的だったし、悔しかった』

と彼は言う。
雇用の対象にはされていても、職場で実際に能力を
発揮する労働者として期待される対象とは
なっていなかったのだ。

障害をもつ人に対する差別禁止・権利法の基底に
流れるのは

『障害をもつ人も社会の構成員として
他の構成員と同等であり、適切な援助や環境整備
によって自立できる』

という人間観、自立観である。
障害をもつ人は、働く上で、その人固有のニーズをもっており、
それを満たすためには支援が必要となる。
障害者雇用は“数合わせ”ではない。
職場に障害をもつ人とそうでない人とが共に居ればよい
というものではないのだ。
障害をもつ人にとって不備な職場環境が変わらなければ、
実のある新規雇用にも継続雇用にもつながらない。
逆に、周りの職場環境や労働条件をその人固有の
ニーズに合わせて改善・調整することによって、
障害をもつ人は、働く場を得、職場で能力を発揮し、
職業生活を向上させ、働き続けることが可能となる。

それは、法的に未整備な現在でさえ、情報通信環境の
発展という追い風を受け、情報機器等の支援ツールの
活用によって活躍の場を見出してきた、パイオニア的
当事者の実践が既に実証済みである。

割当雇用の対象者をとらえる際、身体障害者手帳、
療育手帳(または『愛の手帳』)によって障害の範囲と
程度を確認することからわかるように、
現在の割当雇用制は、『障害者』を限定し分類・等級化
することを連動している。

しかし、WHOの1980年国際障害分類(ICIDH)、
2001年5月採択の国際障害分類改訂版(ICF)
の流れが示すように、障害はその人に属するのではなく、
障害をもつ人と環境の間にあるもの、さらには、
障害はあらゆる人に起こりうるものとしてとらえられる
ようになってきた。

これは、人と人との間に、障害の有無に関して決定的な
境界線を引くことを否定し、カテゴリー別に分断・排除
するのではなく、あくまでも人を一個人として見ようと
いうものであり、雇用の場もそのような接触の場として
期待されている。
人を分類することで、障害をもつ人個々に固有であるはずの、
環境調整ニーズを具体的に把握することはできない。

障害をもつ人に対する差別禁止・権利法の制定に際し、
一定程度の雇用が確保されるまでの間、
時限的に法定雇用率設定による割当雇用制を設ける
という選択肢もありえようが、これまでの割当雇用制が
残してきた功罪を検証し、慎重な制度設計をしなければ
ならないことは言うまでもない。
『障害』と『雇用の場における能力』とはどのような
関係にあるのか、何を障害と定義するのか。
検証は、そこまで立ち返るものでなくてはならないだろう。」
(29~31ページ)


==================================



【追記(10月31日)】

『仕事をさせてくれない会社…』
〔2010/2/17(水) 午後 11:57〕

http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/archive/2010/02/17

以前担当した会社のことですが、配属された集配センターの
担当者から

「(失敗すると・間違えると)怖いから、ちょっと…」

といって、なかなか仕事させてくれません。

確かに郵便物の誤配は業務に支障をきたすかもしれませんが、
ジョブコーチとしては集中支援の期間になるだけチャレンジ
させていただき失敗もしてほしいというスタンスです。
何処でつまずいているのか、どうすればいいのかなど、
職場の人と一緒に考える期間だからです。

でも、
何時までたっても本格的な仕事が始まりません。

ジョブコーチはダミー(宛名を書いた封筒)で練習し精度を
数値化し確認する方法を提案しますが、本当の郵便物と
間違えて配達されると心配、ということで却下。

終に

「このままでは支援計画通り進みません」

と申し出ると、その担当者

「リスクを考えると仕事を任せられない」

とのこと。

そう言われると、そこまでということになります。
残念ならが会社のレベルとしか言い様がありません。

ジョブコーチのモチベーションも低下、がんばる企業担当者
にはジョブコーチも影響を受けるのですが、後ろ向きの企業
担当者からはマイナスの影響を受けます。

ジョブコーチが居なかったら放置されるのではないかなど
先行きの不安も感じます。
もう一つの会社の方がよかった…。

人の才能を見つけられない職場は、当然に人も成長しません。


ジョブコーチを燃やすのは企業担当者の本気です。

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by bunbun6610 | 2013-09-10 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題B

職場内障害者授産施設 (4)過剰すぎる「特別扱い」

副題;
 『健常者の過剰過ぎる“特別扱い”が、
障害者をダメにしている』

『障害者の持つ障害への「(合理的)配慮」
と「特別扱い」は違う』



【ある日 1】
ある日、Bさん(脳性マヒ障害)が入社しました。

本当は耳の聞こえない私だけ、
後になって知ったことなのですが、
Bさんはもともとは本社で働いていましたが、
何かの理由でこっちへ転勤になりました。

転勤後は、紙文書の電子化、データ送信する
仕事をすることになりました。

その仕事は、もともとは私の仕事でしたが、
Bさんがこっちへ来てからはBさんがやる
ことになり、私はBさんに仕事を奪われる形に
なりました。

理由はすぐにわかりました。

聴覚障害以外の障害者は、耳が聴こえます。

Bさんは電話応対が出来るので、
本社人事部はBさんをここへ転勤させたほうが、
事務員の電話応対の負担軽減になる、
と思っていたようです。

ところが、電話応対をやらせてみても、
Bさんはなぜか、積極的に電話を取ろうと
しません。

見ていたら、その理由もすぐにわかりました。

Bさんは脳性マヒの障害で、手先が不自由でした。
それで電話の内容をメモ書きするにも、
ミミズが這ったような文字で読みづらかったのです。

それで結局、Bさんに電話応対をさせるのは
やめたようです。

脳性マヒといっても、様々な人がいます。
Bさんの場合は、どの程度の障害があるのかというと、
NHK『バリバラ』のレギュラーを務めている玉木さんより
軽症です。

自力で歩くこともできるし、パソコンのマウス操作も
一応できます。
比較的、軽いほうなのではないかと思えます。

しかし、電話応対が十分にこなせないのは会社に
とって期待はずれだったようですし、ほとんどの
補助業務はBさんではなく、私がやっています。

Bさんがやっているのは、パソコンを使った簡単な
データ入力と送信の仕事だけです。
たったこれだけが、Bさんの一日の仕事となっていました。


【ある日 2】
Bさんの座席は、私の目の前です。
Bさんが席を外したまま、数十分が過ぎていました。

「Bさんは、どこに行ったのだろう?」

私はトイレに行きたくなったので、トイレに行きました。
そのとき、真っ暗で誰もいなかったので、
電気を点けました。
すると、奥の隅の大便用トイレは閉まっていました。

そして40~50分ほどして、またトイレに行きました。
それで、まだ隅の大便用トイレが閉まっているのを見ました。
私は、そのトイレの前で

「おいB、いるのか?」

と言ってみました。
するとBさんが、慌てて出てきました。

どうも大便中ではなさそうでした。
トイレでタバコを吸う人もいますが、
タバコの臭いもありません。

そんなに長い時間、真っ暗なトイレの中で、
一体、何をしていたのだろうか。

気になったので

「下痢でもしているのか?」

と聞いてみました。
しかし、Bさんの返事は非常に曖昧でした。
本当のことを言いたくないような様子でした。


【ある日 3】
入社直後のBさんは、初めのうちこそは真面目に
働いていました。

ところが、だんだんと長時間トイレに行くことが
常習になりだしました。

ある日、Bさんの直属上司であるD上司が、
あまりに席を外している時間が多いBさんに、
理由を聞いていました。

D上司;「どうしたの? え? トイレ?
何でそんなに長い? 身体の調子が悪いの?」

こんなことを聞いているようでした。
しかしBさんのほうは、私のときと同じように、
曖昧にしか答えません。

普通、こんなにも度々、しかも長時間トイレに
行ったりするならば、上司には理由をきちんと
説明するものではないでしょうか。

埒が明かない会話が続いた後、D上司も

「まぁ、いいか…」

という感じで、この問い詰めは終わりました。

その後も、Bさんの長時間トイレ癖は続きましたが、

周りの人は皆、Bさんが長時間トイレに行ったままでも、
放っておいています。

その理由も知らないのです。

おそらく、他人には言いたくない障害、病気がある
と思います。
こういうのは他の障害者、例えば難聴者にも多い
ですが…。

しかし、言わなければ他者は何もわからず、
Bさんはヘンだと思われるだけでしょう。


【ある日 4】
Bさんは入社直後こそ、始業時間の5~10分前に
会社に来ていましたが、今はほとんどいつも、
ギリギリで来るか、遅刻して来ます。
この会社には、タイムカードの打刻はありません。
(パソコンで出退社時刻も自己申請するだけです)
それをいいことに、遅刻しても平気な人が一人だけ
います。
それがBさんです。
普通、遅刻したら上司や先輩に謝るはずです。
でも、Bさんはいつもしないのです。

遅刻した理由も言わないので、誰も知りません。

これだけマナーに問題があるのに、どうして誰も
注意しないのかも、不思議です。

もしかして

「障害者だから(しょうがない)」

と思われているのかもしれません。

もし、そうだとしたら、私が遅刻しても叱責される
ということはない、ということになるのですが、
遅刻など誰もしていません。

でもこれは、ヘンですよね。
障害者も、健常者も、どっちもヘンだと思います。


【ある日 5】
ある日、Bさんは電話番を任されるようになりました。
ところが、Bさんの目の前が座席の私が、
Bさんをよく観察していると、疑問点が浮かび上がって
きました。
まず、Bさんは電話が鳴っても、積極的に受話器を
取ろうとしないことです。
遅いので他の人が取って対応している時もあるほどでした。

Bさんは聴覚障害者ではないはずですから、
これは大変疑問です。

脳性マヒ障害者には、軽度難聴も併せ持っている
人もいるので

「まさかなー?」

と思ったりもしました。

受話器を取っても、話し方がもごもごしているようで、
そばに居る私にもまるっきり何をしゃべっているのか、
わかりませんでした。
これも外部の人からの電話応対なら、問題かもしれません。

さらに問題だと思ったのは脳性マヒ障害者は字を書くのが
苦手な人もいて、Bさんも“ミミズの這うような字”で伝言メモ
を書いていた、という点です。

このようなわけで、Bさんは結局、本当に他の人が忙しくて、
電話に出られない時以外は、電話番から外されていく
ようになりました。


【ある日 6】
Bさんのメインとなる仕事は、紙書類の電子化作業と、
電子データのチェックという簡単な仕事です。

その他は、イレギュラーな仕事で突発的な単純作業の
依頼があったときです。

例えば、カードに各自の名前をスタンプで押す、
ボールペンで必要事項を記入する、といった仕事です。

紙文書の電子化作業は、パソコンに既に電子フォームがあり、
それに従ってデータを入力し、確認後、送信するだけという
単純な作業です。

Bさんが配属される前までは、私もこれをやっていましたが、
私は3日で作業マニュアルをつくり、覚えました。
その後は自分でできたのです。

ところが、Bさんを見ていると、3ヶ月経っても、隣のYさんに
毎日チェックしてもらっていました。
見ていた私は

「何でこんな簡単な仕事を覚えるのに、
3ヶ月もかかっているのだろう?」

と思ったものです。

よく考えてみると、Bさんは脳性マヒ障害のため、
字を書くのが苦手です。
それでメモを取っていない、ということがわかったのです。
メモを取れないから、頭に入るまで何度も教えられなければ
ならない、ということがわかりました。
つまり、仕事を覚えるのが普通の人よりも遅い、
ということです。

そういえば以前、手話を習いたいといってやって来る
脳性マヒ障害者を何人か見たことがあります。

その人たちもやはり、ノートを取っていなかったのを
覚えています。
時間がかかっても、繰り返し繰り返し教えるしか、
方法はないのだろうか、と思いました。


【ある日 7】
Bさんと私は、普段は一緒にいないことが多いです。

しかし、たまたま、Bさんと一緒に昼食をとったことが
あります。

Bさんはいつも、昼休み時間になると近くのコンビニへ行って、
その日の昼食を購入しています。
それは、普通のサラリーマン、OLと同じです。

ただ、食事の内容と、食事時間が普通ではありませんでした。
レストランのフルコース並みの昼食でした。

生ハム、サラダ、カニ蒲鉾、オニギリ、ソバ、プリンなど、
数種類のものを買ってきて机の上に並べて、
ゆっくり食べていました。
会社のパソコンでインターネットを見ながらの
「ながら食い」です。

ほとんど動かない仕事をしているのに、
よくこんなに食べるものです。

それは本人の自由だとは思います。

しかし、食べる時間が長くなって、
昼休み時間が過ぎて、
皆は仕事を始めているのに、
まだ自分だけゆっくり食べている姿には、
呆れました。
Bさんの昼食コースの最後は、プリンやアイスクリームです。
それを昼食が終わる時間になっても食べているのです。

これは本当にヘンだ。

私が

「まだ食べているの?!」

と言うと、平気な顔をしているだけでした。

他の先輩社員はなぜか、無視しています。

健常者もヘンだ。


そのうちに、ある時、直属上司のD上司が
Bさんのそばに来て、やんわりと注意したようです。

それからはやっと、
そういうことをしなくなりました。

しかし、しばらくすると、また昼食の時間を過ぎていても、
食べているようになりました。

健常者はもう、関わろうとしません。

もう健常者も障害者も、どっちもヘンだな、
と思いました。


【ある日 8】
出張から帰ると、机の上にYさんからの
メモ書きがありました。

「○円切手を買ってきてください」

私は聴覚障害者なので、仕事の指示は
メモ書きなどにしてくれるのは助かっています。

ただ、先輩も上司も、どうしていつも私に
頼むのかが、理解できませんでした。

先輩、上司のそばには、いつもBさんがいます。
それならば、何も出張に行っている私を待って
頼まなくても、Bさんにやってもらえばいい。
私はそう思っています。

ところが、周囲の人はBさんにはほとんど
頼みません。


後になって、健常高齢者のXさんが入ってきましたが、
このような仕事はXさんがやるようになりました。

Bさんは指示に従うだけで、ごく限られた仕事しか
与えられていません。
その仕事が終わると、することがないので終業時刻
まで時間を持て余している、という状況です。

なぜだかわかりませんが、理由はBさんの障害に
配慮して、ということが考えられます。

しかし、これは本当に、国連・障害者権利条約でいう
「合理的配慮」なのでしょうか?

Bさんは、ほかに仕事があって忙しいのかというと、
そうではなく、することがないのでインターネットを
見ながら暇をつぶしています。

私が健常者のBさんに対する配慮について
疑問に思うのは、理由があります。

まず、Bさんは自力で歩行できます。
普通の人と同じ速度では歩けませんが、
できないということはありません。

現に、自宅から介助者も補助器具もなしで、
自力通勤している障害者です。

それから、Bさんは昼休み時間には、
自分で昼食をコンビニまで買いに行っています。

それができるというのに、なぜ健常者はBさんが、
郵便局に切手を買いに行くことができないと
判断するのでしょうか。

初めは

「郵便局が遠いから、私に頼むのかな?」

とも思っていましたが、Bさんは毎日の通勤で
駅から会社まで歩いています。
郵便局までの距離は、それと同じなのです。

では、他には何が考えられるだろうか?
考えられるとすれば

「交通事故や怪我でもされたら困るから」

という理由ぐらいだと思います。

しかし、これにしても

「通勤や昼食の買出しは自分で
やらせるのに、仕事はなぜやらせないのだろうか?」

と思いました。
これが、私が思った疑問でした。

健常者の考える「合理的配慮」は、おかしいと思います。

また、それに甘えていて、自分で積極的に仕事を
取っていこうとしない障害者のほうもおかしいな、
と思いました。

こんなふうに、受身になり過ぎている障害者は、
日本の会社にはまだまだ、多いのではないでしょうか。


【ある日 9】
郵便局まで切手を買いに行く仕事だけでなく、
とにかく立って動く仕事全てが、
健常者はBさんには任せられないらしい。


なぜなのかはわからないのですが、
健常者は見た感じで判断するのだと思います。

「Bさんは足が少し不自由だから、
この仕事は他の人に頼もう」

「Bさんは障害があって、
仕事が遅いから、この仕事は他の人に頼もう」

「Bさんの障害では、この仕事は無理なようだから、
この仕事は他の人に頼もう」


健常者はこれが「合理的配慮」だと思っているらしい。

しかし、それではそれらの仕事は誰に頼んでいる
のかというと、全て私がやっているのです。

それで私にばかり仕事の依頼が来てしまい、
私は大変な日もあります。

一方、仕事を頼まれないBさんは、
することがなくて暇そうにしています。

Bさんがよくやっているのが、インターネット閲覧です。
座ってする仕事だけやっているBさんは、
仕事がなくなると、自分の机の上にあるパソコンで
インターネットを見ています。

食事中もいつも、これです。
他の誰とも話をしません。

Bさんを見て、私は

「耳が聞こえる障害者でも、
こんなことがあるんだなぁ」

と思いました。

Bさんの引きこもりがちな行動は、
これだけではありません。

ある日、営業用のパンフレットを用意する仕事を、
Bさんと一緒にやることになりました。

見ると、Bさんは上司の介助を受けながら仕事を
していました。

それは、何から何まで上司に準備してもらってから、
Bさんは言われたとおりに単純作業をしているだけでした。
まるでBさんというロボットマシンを、
上司が使い心地が悪そうに使っているような感じでした。
その様子を見ていた私は

「なるほど。これだから、上司も誰も、
なかなかBさんを使おうとしなかったのだな」

と思いました。
自分でできることを

「それはできますから、自分でやります」

と言おうとしないBさんのほうも、
問題だと思いました。

何でも

「(健常者に)やってくれるほうが助かる」

とでも思っているような、Bさんの無気力感が
伝わってきました。

作業系の仕事をしていると、ゴミが出ます。
ゴミを、Bさんは他人の机の上に投げ飛ばしました。
それがだんだんと、増えていきます。
その仕事が終わると、Bさんはゴミを放置したまま、
自分の机までもどっていきます。
そしてお決まりのインターネット閲覧をしていました。
パソコンのある自分の机が、Bさんにとって一番、
居心地のよい場所なのだな、と私は思いました。
Bさんの心は外へ向いていない。
だから自分の知らない仕事に積極的に挑戦しようと
しないのだと思いました。
これでは、仕事をどんどん覚えていくことはできない。
職場でも、自分の持ち場のみに、ひきこもるわけだ。

それと、マナーの問題ですよね。
放置したゴミの片付けは誰がやるのか。
これも

「健常者がやってくれるからいい」

とでも?

いつも一人で、マイペースで仕事をしていることに
慣れているから、行動も自己中心になってしまって
いるのではないか、と思いました。

これはBさんだけに責任があるのではなく、
障害者をヘンに特別扱いする健常者のほうにも、
責任があると思います。


【ある日 10】
Bさんの座席は、私と向かい合わせです。

Bさんのこれまでの状況を見ていた私は、
Bさんについての疑問をAさんに聞きました。

私は耳から自然には情報が入らないので、
わからないことがあって、
かつそれを知りたいときには、
自分が他者へ聞く必要性を感じ取ります。


私;「Bさんって、今年の○月にここへ来ましたよね。
新人ですか?」

Aさん;「あぁ、あれか…。
本社にいたが、遣いモノにならないからって、
こっちへ飛ばされて来たんだよ」


本社に行った際にも、人事グループの人に
話を聞いてみたら、Bさんのことは言葉を濁していて、
詳しくは話そうとしませんでした。

勤務時間中に起こる、長時間のトイレ癖も
充分知っている様子でした。

Bさんはまさに会社にとって“お荷物”だから、
遠い勤務地へ転勤させられたのだろう。

オフィスは引っ越すことになったが、
その場所は健常者が歩いても
駅から片道15分はかなります。

Bさんの歩行速度はその倍以上はかかるので、
通勤はかなり大変になります。

おそらく、会社にとっては辞めてほしい障害者だから、
Bさんに対して、短期間にそういう勤務地の異動が
何回も続いているのではないか、と思われます。


【ある日 11】
事務員のWさんがうつ病になり、長期休養になりました。
残る事務員はYさん一人だけになり、大変になりました。
引越しの準備もしなければならず、仕事が増えそうです。
そこでやっと、他の人、つまり障害者も、
Wさんが担当していた仕事を手伝う番が
来たと思っていました。

ところが、会社は定年退職した高齢者Uさんを急遽、
臨時のパートタイマーとして雇いました。
Wさんがやっていた仕事は結局、すべて新人のUさんが
やることになったのです。
Uさんは健常者なので、時には残業も認められています。
しかし、障害者の場合は原則、残業禁止です。

Yさんの仕事を補佐していたBさんは、
相変わらずそれまでの仕事内容、
仕事量をするだけです。
Bさんはヒマでも、です。

これを見ていて

「障害者はどうせ仕事を与えられないのだな」

と思いました。
だから障害者は

「ゆっくりやっていて、いいですよ」

と言われるのだろう。


当ブログで紹介したEテレ放送『バリバラ』では、
障害者を雇おうとしない企業の言い訳に、
次のようなものがありました。

「障害者にしてもらう仕事がない」(※)

(※)
『NHK『バリバラ』 障害者の悩み -就労 (1)』
〔2013-04-21 18:00〕




いや、でも現実は違うような気もするのです。
それは上に述べてきた事実が証明しているではありませんか。
健常者が障害者を“ヘン”に特別扱いしている
ことが問題なのだと思います。


一緒に働いている健常者は、このように思っている
ことでしょう。

「何であの障害者は、ウチに雇用されてきたの?」

そんな目で見られている障害者のほうだって、
いい気はしません。



【ある日 12】
Bさんは度々、遅刻して来る。
雨が降ると、その確率は一層上がる。

ある雨の日には、ずぶ濡れになって、
15分ほど遅刻してやって来た。
そして、濡れた服を着替えたり、乾かすため、
さらに30分以上もそれに費やした。
それで仕事を始める時間まで、大幅に遅れたのである。

それ以来、会社はBさんの出勤時間を
30分遅らせることにした。
Bさんの働く時間は短くなり、
時給だから給料も当然減る。

今までは10:30~16:30(休憩12:00~13:00)
の勤務時間だったのが、11:00~16:30(休憩時間同じ)
に変わった。

といっても、Bさんが頼まれる仕事はほとんどないので、
勤務時間が短くなっても大変になることはない。

これだけしか働かないようでは、
親のスネかじりは一生続くだろう。
会社にも面倒を見てもらっている立場も、
変わらない。

これではBさんは“箱入り障害者”だ。
障害者を雇う会社は、事実上、
自立できない障害者の授産施設となっている。

ともかく、出勤時間が11:00になってからは、
さすがにもう遅刻はなくなってきたようだ。
それでも、Bさんはいつも通り、ギリギリになって出勤してくる。
忙しいのは午前中の1時間だけである。
その後は朝から働いている皆と一緒に1時間の食事。
そして午後からは、眠そうな顔をしながらデータ・チェックの
仕事をして、定時になるまで時間をつぶす。
相変わらず、温室育ちのままである。
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by bunbun6610 | 2013-09-05 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (3)本当にうつ病障害者? 病前性格のワガママ障害者?

職場内障害者授産施設 (3)
中途障害者(元健常者)のAさん
(内臓障害者4級、うつ病者)

『ある日 1』
障害者雇用促進法により、私はある会社に
入社しました。
配属された部署には、障害者の先輩Aさん
がいました。

それで初めのうちは、Aさんのお世話になり、
仕事を覚えていくことになりました。

ただ、Aさんの仕事ぶりやマナー等を見ていて、
疑問に思うことが度々ありました。

真っ先に驚いたのはまず、何といっても、
Aさんは出社するとすぐに、家から持ってきた
新聞や旅行パンフレットなどを机の上に開いて、
読む習慣でした。
これは毎日のことです。

周りは皆健常者で、要するにAさんとは違います。

健常者はノルマを達成しなければならないので、
皆必死になって仕事をしています。

でも、なぜAさんだけが朝の慌しい時間帯に、
一人だけのん気に新聞等を読んでいるのか、
理解できませんでした。

時には、旅行パンフレットを読みながら
メモ書きをしていたので、私は

「何をしているのですか?」

と聞いたことがあります。

するとAさんは

「ああ。
今度の休日の、旅行プランを立てている
ところなんだ」

と言いました。
これって、私事ですよね。
当然ですが、勤務時間中にやることでは
ありません。

出勤してすぐに、私事のことを考えている
なんて、普通はあり得ないことだと思いますが、
どうやらAさんは

「自分は障害者だから、他の人とは違うんだ」

と思っている(すねている?)ような感覚です。

私のほうは、しばらくすると仕事に慣れてきた
ので、他の人からいろいろな雑用を朝から
頼まれるようになってきました。
しかし、不思議なことにAさんには誰も雑用を
頼まず、Aさんは毎日、朝から自分のしたいこと
から始めている有様でした。

これはヘンだ。



『ある日 2』
Aさんにいろいろと教わったことにも、
疑問に思うことが幾つかありました。
例えば

Aさん;「好きな日に休んでいいよ。
一緒に休んで旅行に行こうか?」

私;「は? でも、一緒に休んだら、障害者が
やっている仕事をやる人が、いなくなってしまう
ではないですか」

Aさん;「いいんだよ。営業にやらせるから」

この尊大そうな態度は一体、何なのだろうか?
と思いました。



『ある日 3』
入社してしばらくの間、Aさんにいくつか
聞いてみました。

「Aさんの障害は何なのか?」

「いつから障害者になったのか?」

などです。
Aさんは答えてくれました。

障害は

「ここを触ってみろ」

とAさんが言い、Aさんの左脇腹のあたりに
手を持っていかれました。
するとプラスチック・タンクのような感触が
ありました。
内臓に障害があるようです。
障害等級は4級です。

それから、Aさんはさらに話し始めました。
以前は、ここの店長だったが売上不振の
ときに悩み、身体を壊して手術、
そしてうつ病にもなり、
長期休養したという。

それでも会社はクビにせず、
障害者手帳を取得後は障害者として雇用
してくれた、という。

そして定年退職後も、そのまま障害者雇用
され、今に至っているという。

これは、かなりの厚遇ではないだろうか。

だが、もううつ病とは思えないような元気さ
だったので、今は内臓の障害だけだと
思っていました。



『ある日 4』
たまたま、社員の一人であるGさんが
私に話しかけました。

Gさん;「Aさん、…(「頭がパーだ」という
ジェスチャーを表す)」

私;「は? ああ、そういえばAさんは、
このところ休んでいますね」

Gさん;「Aさんから連絡がないので、
何で休んでいるのかわからない。
Aさんはダメだ」

私;「ああ…。
そういえばAさんは、以前に会社の顧客書類
が入ったカバンを抱えて、電車の中で居眠り
していたり、顧客のものを外で落として行って、
後から紛失を指摘されて、あわてて探し回って
いましたね」

Gさん;「えっ? 本当なの?!
そりゃ、もうダメだな…」



『ある日 5』
たまたま、社員のHさんと一緒に仕事をすること
になって、少し話しました。
そこでAさんのことを聞いてみました。

私;「Aさんは、このところはどうして
休んでいるのですか?」

Hさん;「…『会社に行きたくない』と言うんですよ」

私:「えっ? 突然にですか?」

Hさん;「突然です」

私;「そういえば、この前、NHKのバリバラっていう
テレビで『双極性障害』というのがあったんです
けれども、あれは症状が周期的にやってくるそう
ですね」

Hさん;「そうです。繰り返していますね。
だから、しょうがないんです」

私;「Aさんは、もしかして本当は、以前と同じ仕事に
復帰したかったのではないでしょうか?」

Hさん;「そうですね。好きみたいですね。
でも、会社がダメだと…」

私;「店長になったほどの人だし、能力はあるのに、
どうしてダメなのでしょうか?」

Hさん;「この仕事は厳しいノルマがあって、
それを達成できなければ…」

なるほど…。
能力はあっても、ノルマをこなすにはストレスにも
強くなくてはならない、というわけだろうか。



『ある日 6』
上司のFさんに仕事の説明を受けていたときです。

Fさん;「Aさんは普段は遠くへ行くのが好きなので
遠くの方へ行ってもらっています。
でも時々、遠くへ行くのがイヤだと言い出すときも
あります。
たとえば、体調や気分が良くないとき、
それと雨のときも、
イヤだと言うときがあります。
その場合は、あなたが代わってあげて下さい。
よろしくお願いします」

私;「わかりました」


あるいは、Aさんに

「仕事は、ゆっくりやればいいよ」

と言われて、Aさんと一緒に仕事をするときは、
老人のペースに合わせて仕事をしているような
感じでした。


こんなわがままそうな人は、今まで見たことが
ないのですが、うつ病って何なのか、
私もよく知らないので、
言われた通りにすることにしました。


『ある日 7』
上司Fさんに頼まれた仕事は、普段はAさんが
担当しているところでした。

ところが、その日は雨が降っていて、
その仕事は私に頼んできました。


この日は、このような依頼は初めてだったので、
不平等だとかは思わなかった。

「たまにならば、仕方がないだろう」

というふうに思っていました。
ところが…。



『ある日 8』
朝、出勤するとすぐにAさんに

「今日は君に、ここへ行ってきてほしい」

と言われました。
行き先を見ると、いつもはAさんの担当地域でした。

私は

「おかしいなぁ、どうしてだろう?」

と思ったのですが、仕事なのでどこだっていいか、
と軽く引き受けてしまいました。

出発してみると、雨が降っていました。
そして一時間後には土砂降りになってきました。

「ああ、そうか…。
Aさんはこのことを天気予報で知っていたんだな。
これがイヤだから、私に代わって欲しい、
と頼んできたのだろう」

と気づきました。
私はこの大雨のなかでも歩かなければ
ならなかったので、靴もズボンもびしょ濡れに
なりました。

出張から帰ると、Aさんは部屋の中で
気持ち良さそうに、他の人としゃべっていました。
それで私は、こう思いました。

「会社は、何でうつ病の社員へ、
ここまで配慮する必要があるのだろうか?」

「Aさんは、本当にうつ病なのだろうか?
うつ病を発症しているから、私が代わる必要が
あったのだろうか?」
(この場合、上司の命令ではなく、
Aさんが自分で私に指示をした)

「Aさんは、うつ病になった過去病歴を利用して、
自分の好きなように仕事をしているだけの
“モンスター障害者”“セレブうつ病者”ではない
だろうか?」

「これは配慮というよりも、上司がAさんのワガママ
を聞いているだけではないのか。
うつ病者への「配慮」と「特別扱い」は違うと思う
のだが。」

その後も、会社はAさんに対し、このような
不審な配慮をしていたので、
次第に疑問は大きくなっていきました。



『ある日 9』
Aさん;「猛暑の季節だから、■と▲へ行くのは、
もうイヤだ。
だから、そこへ行く仕事を頼まれても断って
きたよ」

私;「ふ~ん…。そうですか。」

雨だけでなく、暑くてもイヤだと言う。
また私に、その仕事が回ってくるのだろう。
Aさんのイヤがる仕事ばかり、私に回ってくる
ので、不満が溜まってきました。



『ある日 10』
Aさんがやらない仕事があります。
それは、本社へ行く仕事です。
なぜ本社へ行くのがイヤなのかは
わかりません。
ただ、JR東日本「大人の休日倶楽部」の
会員で、JR線で遠くへ行くほうが、
自分のポイントカードが貯まる。
それでなのかもしれません。
Aさんは定期的に旅行に行っているので、
そのときに仕事で貯めておいたポイントが
使えるようだ。

それと、本社の人の悪口をよく言うことから、
自分を店長職から降ろして、障害者雇用へ
切り替えた本社への怨みも半分くらい、
ありそうです。
本社の人にも、あまり会いたくないのでしょう。

実は、本社へ行く仕事はほぼ毎日あるのですが、
Aさんは行かないので、私が行っています。

それで、自分の仕事がない場合は、
Aさんは早めに会社を退出し、実は直帰しています。
出張したフリをして、そのまま会社には戻って
こないわけです。

また、

これが問題になるケースとして、皆さんは
個人情報保護法というのをご存知だと思います。
直帰で顧客情報の含まれる書類を自宅へ持ち帰り、
翌日に会社に持ってきている場合は

「これってマズいんじゃないの?」

「元店長でも、そんなこともわからないのだろうか?」

と思ったものです。
これは勿論、世間にバレれば会社の信用失墜
になるのでは、と思います。


『ある日 11』
Aさんは突然休むことが度々あります。
会社はそれを寛大に認めています。
おそらくAさんが元店長で会社の売上に貢献した、
そのためにうつ病や障害者になるという自己犠牲
を払ったので、それに対し、敬意を払うという意味で、
特別に寛大にしているのだろうと思われます。

ただ、突然休まれると、Aさんの仕事を私が
代わりにやらなければなりません。

それが慌ててやる状況です。

ただ、突然とはいっても、Aさんが休む場合という
のは大体予測がつきます。

外に出る仕事なので、Aさんは雨や強風、猛暑、
極寒、雪の日など、天候が悪い日が嫌いです。

Aさんが休まれた場合に慌ててしまうのは、
行き先がその日に決まる為、行き先への行き方
の記録が全くないことです。

これは、Aさんが自分の経験で仕事をしているので、
何もデータが残されていないからです。

そのため、代わってやる人は自分で調べてから
出発しなくてはなりません。
それに時間がかかってしまうのです。

Aさんは慣れているので、自分の頭の中に情報は
全て入っています。
でもそれだと、他の人にはわかりません。
多少の手書きの紙情報はあるのですが、
それを分かりやすくパソコンでつくってほしいと
思っていました。

ところがF上司の

「Aさんはパソコンが嫌いで、勉強も練習もしようと
しないからダメなんだ」

の一言を聞いて、諦めざるをえませんでした。

今時、パソコンもできないような人は仕事をする
のは難しくなっていますが、それでもAさんは、
他人の言うことは全く聞かないようです。
そういう頑固さがあるのです。


『ある日 12』
上司Dさんから、ある仕事の説明を受けました。

Dさん;「今度のこの日に、引越し準備として、
■■店へリフォームに行く。
Aさん、Iさんとあなたの三人にやってもらうから」

私;「わかりました」

その後、Aさんにもこの件を聞いてみました。

私;「●日から▲日まで、■■店に行くの、
知っていますか?」

Aさん;「え? ああ…」

そして、その日が来て、集合してみたら、
Iさんと私だけしかいませんでした。

Iさん;「Aさんは?」

私;「さぁ? 来るんでしょう?」

Iさん;「さぁ?」

私;「やっぱり、またイヤだからか…。
私たちは、誰もやりたがらない仕事を頑張って
やっているのに…。
この会社の障害者雇用って、ダメだねぇ…」

Iさん;「そうだよなぁ~」

翌日も、Aさんは来るのか、来ないのかの
話になりました。
Aさんは、やはり来ませんでした。

後から応援でやって来た上司に、

「Aさんは今、向こう(会社)にいるのですか?」

と聞いたら、そうだと答えました。
それでやはり

「Aさんはこっちの仕事はやりたくないのだな」

と理解しました。
そして、Aさんのうつ病が再発しないように、
会社が特別扱いしているのは、実はAさんが
元店長という、あれでも、かつては偉い地位に
いた人だから特別扱いにしておこう、
ということなのではないだろうか、
という疑問になっていきました。

こういうタイプの人は、実は自尊心が異常で、
心が弱いゆえに、甘えているのではないかと
思われました。

周りに対しても

「自分は元店長だったんだぞ」

という尊大な態度で、周りの悪口をよく言う。
そして、自分だけは自分のやりたいように
仕事をしてもいい、と思っているようです。

だから、周りの人は誰も、Aさんに仕事を
頼まないのだと思うようになりました。


読者のなかにも

「この障害者はヘンだ」

と思うだろうと思います。

あなたの会社にも、こういう障害者や、
「自分はうつ病だ」と言う人が
いないでしょうか。
(自称なのか、医師が過剰診断をしているのか
わかりませんが)

おそらく、いると思います。
私は、すでに他の会社でも見てきているのですから。

もちろん、昔からあるタイプのうつ病の人も、
また新型と呼ばれるタイプのうつ病者も、
どちらも見たことがあります。
両者は、やっぱり違います。

でも、それ以上に、Aさんとこんなふうに
接している会社のほうもヘンだと思うはずです。

障害者雇用は、本人の障害や病気に配慮する
ことは必要であり、それは必ずプラス効果を
もたらすと思います。

しかし、このようなヘンな特別扱いをすると、
必ずマイナスになります。
差別、不平等な扱いをすることによる、
周りの人への影響です。

そのうち『障害者、うつ病者が会社をダメにする』
といった題名の本まで、出てくるかもしれません。

しかし、こういう障害者も問題なのは事実ですが、
それを助長している会社の責任のほうが、
やはりよっぽど大きいと思います。

それを、会社組織を創ってゆく人事は、
知らなければならない。
こんなこともわからないのが、おかしいのだ。


【ある日 13】
オフィス引越しの当日、それまで引越しの準備も
手伝わずに、休み続けていたAさんは来ました。

朝礼が終わった後、みんなは早速引っ越し作業を
始めて、大忙しになりました。

ところが、Aさんは何もせず、一人だけ椅子に
座ったまま、みんなの様子を眺めているだけでした。

Aさんが休んでいた間に、隣の健常者がAさんの
荷物を全部まとめて箱に入れておいてくれたので、
Aさんは何もすることがありませんでした。

「Aさんは自分のこと以外は、何もしないのだなぁ」

と思いました。
やはり、Aさんは「特別扱い」されているのだと
思います。


【ある日 14】
昨日まで休んでいたAさんが、今日は出勤して
いました。
昨日はAさんが休んでいたから、私が代わりに
Aさんが担当している仕事をやりました。
でも今日はAさんがいるから、代わらなくて
大丈夫だと思っていました。

ところが…。

F上司が私に指示をしてきたのは、
いつもはAさんがやっている●●●へ行く仕事
でした。
「おかしいなぁ…」と思ったので

「それはAさんの仕事なのでは?
今日はAさんはどうしてですか?」

とF上司に聞きました。
すると

F上司;「Aさんは■■へ行きます」

私;「え? それはいつもならば私が行って
いるところですよ」

F上司;「そうですが、Aさんと調整し、
今日はAさんは■■へ行くことになりました。
あなたは14:00までに戻ってきて、その後、
▲▲▲へ行って下さい」

私;「…」

現実には●●●へ行ったら、14:00に戻るのは
不可能だと分かっていました。
だから、これはこういう種の差別、もしくは不平等、
もしくはパワハラなんだな、と思いました。

「Aさんと調整」という言葉の意味が、
最初は全くわかりませんでしたので、
10分くらい考えていました。
●●●というところは、どうやって行くのかを調べたら、
駅から2Kmほど離れたところにあり、
片道25分歩かなくてはなりませんでした。
でも、Aさんは以前はそこへ言っていたのですから、
それだけでは今回行かない理由の説明がつきません。
だがそのときにすぐに、【ある日 9】で聞いたことを
思い出したのです。

私は、Aさんが今日は●●●に行きたくない理由が
わかりました。

「なるほど…。
今日は暑いから、行きたくないんだな。
それで『■■に変えて』とF上司に要求したのだろう」

私は、仕方なく代わることにしました。
しかし、当然、14:00までに戻って▲▲▲へも
行くことは不可能でしたから、その指示は無視する
ことにしました。
このF上司に「無理です」とか「できません」と
言ってもムダなことは、わかっていましたから。

パワハラをする上司を見たことはあると思いますが、
こういう人に正論を言っても逆効果だということは
知っていると思います。
だから何も言わず、この指示は無視しました。



Aさんのこと(本当に病気なのか?という疑問も
ありますので)
を考えるにあたって、読んでみた本があります。

それが

『「私はうつ」と言いたがる人たち』
(香山リカ/著  株式会社PHP研究所/発行)


という本です。
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by bunbun6610 | 2013-09-04 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E

職場内障害者授産施設 (1)役所の障害者福祉課で

だいぶ昔のことですが、役所の障害者福祉課へ
用事があって出かけたときのことです。

その頃、私は障害者手帳を取得して
あまり経っていなくて、
障害者雇用促進法のことも、
まだ知りませんでした。

当時の私の場合は、会社に障害者雇用枠で
雇用されたわけではなかったようで、
おそらく一般枠での雇用でした。

障害者が一般枠で雇用されるというのは
珍しいかもしれませんが。

別の言い方をすれば、私は障害者雇用促進法に
よる“差別”をほとんど受けていませんでした。
ですから障害者であった私でさえも、
障害者雇用促進法なんて、
名前も実態も全く知りませんでした。


「障害者雇用促進法は差別だ」

という言い方には、健常者にはかなりの抵抗感が
あるかもしれません。

「何を言っているんだ。
障害者雇用促進法は働けない障害者のために、
障害者が雇用されるように企業に義務づけた
制度だよ。
だから、それによって多くの障害者が、
恩恵が受けられるようになったのだ。
差別なんて、とんでもないことを言うな」

あるいは、こうも言われるでしょう。

「障害者って、いいよね。
能力がなくたって、
特別に雇用してもらえるんだから」

確かに、そう言われても仕方がない事実が
あると思います。

けれども「恩恵=特別扱い」は、
障害者の視点では「差別」と感じる場合も、
やはりあると思うのです。

健常者だけでなく、恩恵に甘えて生きてきた
障害者にもわからない、と思いますが。


さて、話を役所のことにもどすことにします。

その役所の障害者福祉課の窓口へ行き、
対応してくれる人を呼んだのですが、
まず非常に背が低い女性が出てきました。

ところが、ウロウロする感じで、
すぐにどこかへ行ってしまいます。

それでまた呼ぶのですが、またすぐに姿を現しても、
またすぐどこかへ行ってしまいます。

私は

「この女性は、何をしているのか」

と、少しイライラしてきました。

すぐ近くに、他の職員も何人かいましたが、
皆忙しそうにしていました。

「ははぁ・・・。これがお役所対応なのだな・・・。
それにしても、なぜここに障害者がいるのだろうか・・・?」

と素朴に、思ったものです。
後になって、つまり私も障害者雇用を経験してから

「あの人も障害者雇用だったのだな」

とわかるようになりました。

障害者雇用なんて、
どこも同じような状況ですから。

職場で大人の障害者を見ているというのに、
まるで子供のような感じでした。

何もさせてもらえない、
誰にも相手にされない、
何もすることがない障害者・・・。


私は、この異常と思える実態から、
本で読んだ、あの言葉を思い出しました。


「永遠の子どもとしてしか、私たち障害者はみられていないのです」
(障害者の権利を擁護してきた弁護士、故ティモシー・クック)
( 当ブログ『障害者は、永遠の子ども?』〔2012-03-28 00:48〕 )
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by bunbun6610 | 2013-09-02 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題B


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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