難聴者の会社面接対策(4)

ハローワークでは、東京労働局主催の『就職支援セミナー』(場所;ハローワーク各所で)を開催し、
就職活動者のサポートをしています。

自分で通訳を用意し、勉強に行ってみましょう。
何でも「通訳がつかないから行ってもムダ」では考えものです。
自分の積極性に火をつけましょう。

聴覚障害者なら要約筆記者を自分で派遣してもらい(東京手話通訳等派遣センターから)、
4時間くらいかけて、みっちりと指導・トレーニングを受けられます。

内容は【コース5】では『面接対策セミナー』で、「グループ(4人~5人)によるロールプレイ」でした。
基本知識の講義を受けたあと、ロールプレイを2回実施する、というものです。

1回目のロールプレイが終わった後、他者から「良かった点」を1つだけ言ってもらいます。
そして、自分の感想を出します。
2回目が終わったとは、「良かった点と、悪かった点」を1つずつ言ってもらいます。

障害者の参加者が自分だけでも、当たり前だと思いましょう。
指導者は健聴者2名で、企業の人事部に居た経験のあるキャリア・カウンセラーなので、
信頼してよいと思います。
自身も再就職に苦労した経験があり、人事担当者の厳しい目も、また面接を受ける受験者の悩みも
よくわかる指導陣ですから、大丈夫です。

そこで、一方的に指導を受けるだけでなく、幾つか積極的に質問してみました。


【Q1.障害者採用面接の場合、必ずと言ってよいほど出てくる質問がある。
「障害について説明してください」という質問には、どう答えればいいか?】

(指導陣)
聴覚障害についての説明は、言って良いと思う。
基本的には、ありのままに話せばよい。
自分の障害を隠す必要はない。
やれること、やれないことは誰にでもある。これは、きちんと言うほうがよい。
ただし、ある程度、控え目に話した方がよい。

実際の面接では、やはり「入社後は、通訳なしで大丈夫なのかな?」という疑問・不安も
頭に浮かんでくる。


【Q2.「障害について配慮してほしいことはありますか?」と聞かれるが、どういう答えがいいか
? 注意すべきことは?】

(指導陣)
会社側はどう受け取るか、微妙なところ…。
紙に書くと、証拠になるので、自分の口でしゃべるほうがよい。
それと、「やってください」というニュアンスになる説明・お願いは避けたほうが賢明。
面接では、企業が上の立場にある段階だから。

雇用という市場で、買うのは企業。買ってもらうのが受験者。
だから、上手く見せることも面接の技術。
面接の段階では当然、企業の方が立場は上。
よって、自社に都合のいい人を採用したいと考えている。

しかし、内定すると、面接時よりもお互いの立場は対等に近くなる。
そこで、自分ができる点と、出来ない点をハッキリと言う。
コミュニケーション、音は拾えないけど、今まで○○をやって、コミュニケーションをとってきた等と、
具体的に成功例を説明すると良い。
会社は、仕事に差しさわりがないかどうかを、厳しくチェックすると思う。
これが会社の心配事だから。
採用(内定)後なら、聞いてよい。
そこで「配慮なし」ならば、行かなければよい。
面接では口にしないで、採用される立場の間は、黙っておく。

講義のポイントは次のようになる。

 20代の人には、どうしてそれをやりたいか?
 30代の人には、これからの方向性を明確に持っているか?
 40代の人には、今までの中からの強みは何か?
 50代の人には、どう還元できるか?

求人票に「未経験者可」と書かれていても、実際には年齢相応の力を求めている。
「年齢制限なし」というのも、ハローワークの規則で定められているから、そう書いているだけ。

欠点は隠すよりも、居直ったほうがよい。
過去と現実は変えられない。脚色しても、突っ込まれたらバレる。
人事の人も人間。「この人に賭けてみようか」と思わせることが大事。
面接官を納得させる説明力、立ち振る舞いなどを磨くこと。納得できないと、落とす。
転職は、自分を活かせるためであるか?
求める人材のイメージがあり、それに近い人が選ばれる。
面接は最初の5分間が大事〔本能的イメージ〕第一印象が評価を左右することもある。

面接時に判断する要素…(第一印象が大きい)
 ①〔視覚情報〕見た目
 ②〔聴覚情報〕声の出し方、話し方など。
 ③〔言語情報〕言葉そのもの。


①で55% ②で38%(①+②で93%) ③で7%

これが、本論での評価を大きく左右する場合がある。
受験者の話を聞いても「うそくさい」ととるか、「なるほど」ととるかの分かれ道。


これは、参考になりそうなアドバイスでしょう。
私も勿論、実践しました。

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# by bunbun6610 | 2011-07-07 21:34 | 就労前の聴覚障害者問題A

難聴者の会社面接対策(3) 「オープン」と「クローズ」

ハローワークには聴覚障害に詳しくない職員でも、
聴覚障害者からの相談に対応できるようにするため、
難聴者カウンセリング・マニュアルを用意しています。

これは、日本障害者雇用促進協会の
『聴覚障害者の職場定着推進マニュアル』


http://www.jeed.or.jp/data/disability/occupation/list.html

のことではありません。

大体、こういうものは会社の人は忙しくて誰も読まない
ものです。
実際、私も森ビルでお願いしてみたことがありましたが、
誰もほとんど読まずたらい回しにされ、すぐに私のところ
へ戻ってきてしまいました。

ものすごく腹が立ちましたが、やっぱりガマンするだけです。


ハローワークのカウンセリング用マニュアルの場合は、
難聴者向けです。
それも、身体障害者手帳の認定を受けられない軽度難聴者
や、中度難聴者向けだと思います。

そうした難聴者の相談では、採用試験(面接)に望む場合、
自分の障害をどう説明すればいいか、という悩みを持って
くるようです。


そこでハローワークは難聴者に対して、

  (1)「オープン(障害者であることを面接で知らせる)」
  (2)「クローズ(障害を持っていることを隠す)」

の2種類の方法があると説明します。


                【オープン】

メリット    ・障害に対する配慮が得られやすい。

デメリット   ・採用が難しい場合も。
         ・健常者と平等ではなくなる。


                【クローズ】

メリット    ・採用されやすい。
         ・健常者と平等に扱ってくれる。

デメリット   ・入社後、障害に対する配慮が得られなくなる。


ハローワークがどちらかを選んで強制するのでなく、
2種類の方法があることを、
アドバイスとして難聴者に紹介するだけです。

こんなマニュアルがあったなんて、信じられます?
私は、実際に見せてもらったことがあります。
どちらにするかは本人、家族とも相談して、決めます。

結局、ハローワークがアドバイスできることといえば、
このくらいです。
他には

「障害者手帳認定を受けたほうがいい」

と強く勧められる場合もあると聞いていますが、
これは基準に達していない人には、どう頑張っても
無理です。


でも私は、クローズもオープンも、昔やったことが
ありますよ。
障害があっても、どうしてもという目的があって、
健聴者と一緒に働きたい、という理由があるのなら、
私はクローズを選択した時期もありました。

要は、自分の目的に合わせて、使い分けることです。
私は軽・中度難聴者の人なら、クローズでのチャレンジ
を完全否定はしません。
デメリットは勿論、覚悟しなければなりませんが。

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# by bunbun6610 | 2011-07-07 20:55 | 就労前の聴覚障害者問題A

難聴者の会社面接対策(2) サーナの面接アドバイス

サーナの会社面接アドバイス

 →http://www.web-sana.com/

昔はハローワークしか知らなかったのが、
今では『ジョイ・コンサルティング』『サーナ』など、
いろいろな障害者就職を支援する会社があります。

サーナのアドバイス例は私は正直、
良いものとは思っていませんが、
世の中の考え方としては、
まだまだこんなところがあると思います。

これを、どういった意味で参考にするかは、
ご自身でお決めになって下さい。

私も昔の難聴時代は、
難聴を隠して就職できていたし、
その方が一般就労枠で働けて、
待遇や給与も健聴者と同じ、
というメリットがありました。

しかし、それでは入った後になってから
悩むことも、デメリットとして必ずつきます。
そのことは、次回にハローワークの
アドバイス例で紹介します。

※色字部分は、私が思ったことです。


(私)
「ほとんどの会社から「障害について説明してください」
という質問があるが、聴覚障害の説明は難しく、
説明しても、なかなか理解してくれないようだ。」

(サーナ)
「障害については、あまり詳しく説明する必要はない。
むしろ、障害があっても、私はこのようなことができるという、
プラス面のアピールを、会社の人は期待している。」

(私)
「ほとんどの会社から
「あなたの障害で、会社から配慮して欲しいことは何ですか?」
という質問がある。」

(サーナ)
「障害者を雇用するわけだから、会社は当然、聞いてくる。
しかし、配慮をあまり言わない方がよい。
実際に聞き取れないことがあったら、
「はっ? 今何とおっしゃいましたか?
すみませんが、もう一度お願いいたします」
と言うと良い。

あなたのように「筆談をお願いします」と頼むと、
会社はそれを「要求」と受け止める場合が多い
と思う。
「お願いします」という頼み方でも、健聴者は
「全部書かなくちゃいけないのか」と受け取る人もいる。
そういう場合、書くのが面倒だと思うのは当たり前。
会社は仕事をする場なのだから、そのような面倒な
ことはできない。
したがって、補聴器で聞こえる人が雇用されやすい。
補聴器装用でも会話が無理だと、雇用されにくいので、
次のように答えると良い。
「私は、補聴器でほとんど聞き取れますので、大丈夫です。
ただ、後ろから呼びかけられても、聞こえない場合もあります」と。」

→これはおかしなアドバイスだと思う。
「はっ? 今何とおっしゃいましたか?
すみませんが、もう一度お願いいたします」
では、迷惑ではないのか?
もう一度言っていただくことは確かに配慮にはなるが、
繰り返し言われても分からない状況だと自分でも
わかるから「筆談でお願いします」と頼むのである。
それを、この人はなぜ分からないのだろうか?

それに、後ろからの呼びかけが聞こえない場合、
どうすればいいのかを説明しないと、
配慮にも問題解決にもならない。
「肩を軽く叩く合図でお願いします」が正解だと思う。

サーナさんは、聴覚障害者のことをまるでわかっていないで
アドバイスをしていると思う。
「補聴器でほとんど聞き取れます」というウソをつくのも、
間違っていると思う。
現実にそうでもしないと、面接に受からないことは、
私も経験上、わかるような気はする。
けれども、サーナさんの言っていることは、
間違ったアドバイスだと思う。
仮にそれで運良く仕事にありつけたとしても、
聴覚障害者を一層、苦しめるだろう。


(私)
「7月の産経新聞で読んだのですが、厚生労働省が
「筆談や通訳などの配慮をお願いします」
というお願いを企業へ通達したことはご存知ですか?」

(サーナ)
「なぜ、そのような通達を厚生労働省が出したのか、
ご存知ですか?
ほとんどの企業がそのような配慮をしていない、
という実態だからです。
今は経済状況が非常に厳しい時代なので、
筆談や通訳の配慮は、障害者も我慢しなくては
なりません。」

(私)
「経済状況と筆談の配慮をするかしないかの
問題は、別だと思います。」

(サーナ)
「それはそうでうけれども、…」


サーナさんの意見は男性に多く、中でも高年者に多い意見だと思う。
そのような世代の男性が、障害者でも健聴者に合わせろ、
という考え方が当たり前だと思っている人が多い。

サーナさん自身、この面談で、筆談はほとんどしていない。
私は、状況によるが、この時は3割ぐらいしか聞こえていなく、
それでも分かる範囲で聞いて、後は自分の想像で理解している。

理由は、サーナさんに自分の耳の障害のことを
何度言っても分からない人だからだ。

サーナさんは補聴器で聞こえなければダメだ、
と言いたいのだろう。

しかし、それを言えば差別になるとわかっているのだろう。
しかしだからと言って、筆談をするのも面倒だと
思っているのではないだろうか。

残念だが、これが通訳のいない状況での、
お互いの心理状態だと思う。

結局、サーナだけでなく、ハローワークも企業も、
通訳費用を払いたくない、また手配するのも面倒だから、
障害者に全部やってもらえるならいいよ、
でもそうでなければ(通訳は)ダメだ、
というのが本音なのだろう。


その後、A社との面接で、人事部の担当者一人と
1時間弱、話し合った。
ここでもやはり「障害について配慮して欲しいことは?」
という質問があった。

私は「先ほどサーナで「あまり言わないほうがいい」
と言われていて、どうしようかと悩んでいるのですが…」
と正直に話すと、先方は「障害について、
またその配慮について、きちんと話していただいたほうが、
こちらも対応できて、お互いのためになる」
という意味のことを言われたので、正直に話した。

私も、入社後も我慢し悩み続けるより、
たとえ落ちてもこのほうがいいと思ったからである。

先方はまだ30歳代の女性だが、考え方がグローバルなのか、
サーナさんとは随分違う。
サーナさんから
「筆談でお願いします、と言わず、補聴器で聞くようにして」
というアドバイスを受けていたので、
私はずっと迷っていたが、先方はすぐに
「筆談のほうがよろしいでしょうか?」
と言い、用意していた紙とペンでスラスラと
書き始めたのにも驚いた。

この姿勢を見ると、同様の聴覚障害者が在籍しており、
職場でも実際にこのような配慮をしている可能性が
濃厚だと思う。

実際、この会社では手話サークルを立ち上げており、
現在30人ほどメンバーがいて、教える人も5人以上いる
と聞き、びっくりした。


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# by bunbun6610 | 2011-07-06 20:37 | 就労前の聴覚障害者問題A
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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