障害者の権利意識

アメリカは多様な人種からなる国家で、人々の価値観等も様々で、
人間関係でも軋轢が起きたりすることはしばしばです。
特に、黒人差別がアメリカの歴史の始まりからあり、
それは黒人運動により、黒人も白人も一緒に、
平等に暮らす権利が叫ばれました。

そして、その後に起きた運動が、全米障害者運動でした。
世界中のろう者が集まるといわれるギャローデット大学の学生たちも、
この運動に加わりました。
それは「ろう者はこの学校の校長になれない」という、
健聴者の差別に対する反対運動でした。

人種の差別のみならず、障害の種別をも超えて、
全米の障害者たちが一致団結して、
健聴者中心の社会(=実質的に障害者を差別していることになる社会)へ、
挑戦状を叩きつけました。
(これはちょっと、言い過ぎかも?)

ここで起きた大きなうねりが、ADA法(1990年)
(→http://members.jcom.home.ne.jp/wheel-net/america.htm)
成立への背景となってゆくのです。

ですから、ADA法は米政府が率先してつくったのではなく、
当事者側の運動があってできたものです。
障害者たちが自ら起こした民主主義運動の成果と言えます。

日本でそのようなうねりをつくろうとしているのは、
JDF(→http://www.normanet.ne.jp/~jdf/)でしょう。

日本のあらゆる障害者たちが、障害・団体の種別を超えて団結しています。
その目的は何かというと、私も詳しくは知らないのですが、
当面は日本としての障害者差別禁止法(JDA)を成立させること
であるのは間違いないと思います。
この国内法もなしで、国連・障害者権利条約を受け入れ(批准し)ても、
何もならないからです。

国際法があっても、それを守るための国内法がなかっらた、
日本国民は誰も守るわけがありません。
だから日本の障害者団体は、自民党政権の早期批准に反対したのです。
しかし、国内法整備はなかなか進みません。
また、その前にも、重要な問題があります。

日本の障害者はおとなしいのか、そうした障害者運動には消極的です。
こういう傾向は健常者でも同じなのですが、日本は海に囲まれた島国で、
鎖国の歴史も決して浅くはなく、異国民との争いや交流もあまりなかった。
単一民族、そして封建的社会といわれるように、
違う考え方の人間とヨコからつながっていく、
という考え方があまりなかったんじゃないか、と思います。

そういうことが、日本では障害者にも当てはまっているんじゃないかな、
と思います。
これが、障害者同士の、ヨコのつながりができるのに時間がかっている
要因の一つではないかと考えられます。
しかし、障害者運動が起きにくい要因には、もう一つ大きな理由があると思います。

それは、障害者がこの運動をするうえで不可欠な自己の権利意識が、
日本の障害者の場合は弱いのではないか、ということです。
その理由には、次の3つが考えられるのではないでしょうか。

①権利意識が芽生えていない(気づいていない)。
あるいは、全く芽生えない障害者もいる。

②権利意識が弱い。どうせ無理だと思っている。

③権利意識を知ってても、放棄してしまっている。(あきらめている)

①は比較的、障害の程度が軽く、差別をあまり受けていなく、
感じない人も多いのではないか。
自分はまだ健常者と一緒に頑張れるし、そうしたい、と思っている
軽度難聴者などに多いと思います。
「権利意識」はあっても、この言葉が嫌いだから、
使うと嫌われるから使わない、という人もいます。
つまり、健常者だけでなく、軽度の障害者にも、
そういう偏見を持った人が多いのではないか、と思われます。

私がこの権利意識を持つようになったのも、
自分の障害が重度化したことも関係しているように思います。
自分よりも重度の障害を持つ人との交流から、その重要性に気づいた、
ということのほうが、受け入れる理由としては大きかったのですが。
その重度障害者はすでに亡くなられておりますが、確か

「この国の障害者には『権利は、自分で勝ち取るものだ』という意識がないのです」

と言われていたように記憶しています。

日本人って、そういう意識の面は、まだ弱そうですよね。
何でも上からしてもらうのを待っている、という感じで。

こういう民族性からすると、当事者側の理解にも時間がかかるのではないか、
と思います。


『哀れみはいらない―全米障害者運動の軌跡』
(著者: ジョセフ・P. シャピロ /現代書館)

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# by bunbun6610 | 2011-10-08 23:26 | 国連・障害者権利条約

手話に対する、健聴者の受け止め方

『手話に対する、健聴者の受け止め方
  ―ろう者と健聴者の違い』


夕方の休憩時間に、会社のろう者と一緒に、
喫煙室で手話で話していました。
その後、仕事場に戻ると、M係長から質問を受けました。

M係長;「さっき喫煙室で話しているとき、
Hさんを指差していたでしょ?」

私;「いえ、O間さんがいたことは知っていましたが、
  Hさんがいたことは知らなかったです。
  指差しした方向に、たまたまHさんがいただけなのでは?
  何か誤解していませんか?
  何を誤解しているのですか?」

M係長;「わかりました。誤解していました」


うーん。
ろう者は音声言語ではなく、手話で話すのが当たり前
ですが、それを見て、健聴者がいろいろ誤解する可能性
には、考えさせられます。

私は「誤解って、何ですか?」とM係長に聞いたのですが、
M係長からは

「指差しの意味が何だったのか、ハッキリ聞きたかったから。
今のは気にしないで」

と言われ、結局、他の人が何を誤解したのか、
知ることはできませんでした。

私は納得できなくて、こうつけ加えました。

「私たち(聞こえない人)だって、皆の会話は聞こえないので、
わかりません。
聞こえない私たちが手話を使って話すのは当たり前です。
それなのに、健聴者は私たちが手話を使うと、
なぜ気にするのですか?」

その反応も、M係長は「何でもなかった」と言っていました。

M係長が喫煙室にいたわけでなく、
たまたま喫煙室にいたHさんが、私たちの手話を見て、
何を話しているのか気になり、それを誤解したのか、
M係長に何か言ったと、想像できる。
そういう流れからの質問だったのだろう。

誤解とは、例えば、指差しをしていた方向にたまたま
Hさんがいたので、Hさんは

「私のことを手話で話されているみたい」

と勘違いしたとか。

手話は遠くからでも丸見えなので、そんな感じに
見えると、確かにHさんに気の毒だ。
周りには、他の人もいて、見ているかもしれないの
だから。

健聴者の場合、声なしで、身ぶりなどだけで相手に
伝えるとき、他人の陰口だったりすることもあるから、
健聴者から見ると「その可能性がある」と見えるわけだ。

私は、有名な蛇の目寿司事件を思い出しました。


【『蛇の目寿司事件』とは】
昭和40年9月19日 ろうあ者2名が上野の寿司屋で
傷害致死事件
(蛇の目寿司事件)

昭和41年8月4日 蛇の目寿司事件控訴審開始
(日本初のろう者弁護士松本晶行氏が弁護団に参加)

http://www3.ocn.ne.jp/~oneyes/kobushiza/pri03.html


「二人のろうの青年が、ある寿司屋で、
手話で話しをしていたとたろ、
三人の客が、好奇の目で、じろじろ、二人を見る。
二人は「見ないで」と頼むが、三人の客の態度は変わらず。
そこで、立って行って、客の肩を叩いて注意を促したが、
逆に殴られ、ケンカとなってしまった。


店の主人はろう青年と顔見知りで、仲裁に入ったが、
くちで言っても通じないためか、
下駄(ボール…という証言もある)で、
ろう青年の頭を打ったため、
今度は主人と争いになってしまった。
そして、店の主人は、投げ倒された際に、
後頭部を強打し、そのまま亡くなってしまった…。」


この事件の真相は、全くわかっていません。
一番の問題は、当時は手話通訳もなかったため、
上の文にしても、ろう者の証言が反映されていない、
ということです。

私の受けた誤解も、もしかしたら、健聴者の誤解から
勃発した可能性も、ないとは言えないかもしれません。

自分の知らないところで、いろいろ噂を言われたら、
困るものです。
それはお互いにそうですよね。
ですから、お互いにコミュニケーション・バリアをなくして
いけたらいいのですが。

この問題を考えるのは、カテゴリー『聴覚障害者』や
『バリア&バリアフリー』『情報保障・通訳』とも関係する、
深い意味を持つと思います。

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# by bunbun6610 | 2011-10-08 10:28 | コミュニケーション能力

MINI新宿店(東京都庁の近く)

MINI新宿店ショールームに入って、
いきなり

「これ、撮ってもいいでしょうか?」

と聞いたら、あっさりと「OK」してくれました。

外から見ていても、この車のブルーは綺麗なので、
引きつけられました。

自分のブログ・タイトルも『蒼穹』(意味は「青空」)という
名をつけるほどで、青は最も好きな色です。

これは貸切のスタジオで撮っているみたいで、気持ちよかったです。

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# by bunbun6610 | 2011-10-07 23:12 | 街風景


ある聴覚障害者から見た世界


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