六本木ヒルズ回転ドア事故<6> 名ばかりだった、六本木ヒルズ安全対策本部

 ―『名ばかりだった六本木ヒルズ安全対策本部』―

事故発生後、全ての回転ドアは使用中止になりました。
そして死亡事故が起きた森タワーの正面エントランスに
設置してある回転ドアは、立ち入り禁止となりました。

この死亡事故には、業務上過失致死罪に当たるかどうか、
警察の捜査が入りました。
六本木ヒルズ森タワーの9階にある管理部に、
強制捜査が入りました。

その結果、やはり立件されることになりました。
ただし、誰を有罪とするのかが、難しい判断になったようです。

弁護士の話では、通常のこうした事故責任を問われるのは、
代表取締役社長だそうです。
ところが警察の捜査では、次の点が明らかになり
「社長に責任を問えない」
という結論になったのです。

 ①死亡事故発生の1年前から、
  30件以上の回転ドア事故(ヒヤリハット事例はもっと多い)を、
  管理部は把握していたにもかかわらず、
  社長(六本木ヒルズ安全対策本部長も兼務)に報告したのは
  数例しかなかった。

 ②社長は①の報告に対し
  「すぐに安全対策をやりなさい」と指示していた。

以上の理由から、社長に過失はないと判断できる、
という結論だったのです。

立件となった時点では、社内では役員の誰も処罰や辞任は
ありませんでした。

ただ、六本木ヒルズ管理部のメンバーのほとんどの人が退職していったり、
他部署へ人事異動になる、というゴタゴタがありました。

社長を立件できなかったことについて、遺族の溝川光一さんは、
次のようなコメントを出していました。

「会社組織は、社長を守るようにつくられている」

私も「そんな部分はあるな」と思いました。
このような大きな会社の場合、社長に責任を問おうにも問えなくなる、
と思うのです。

言いかえると、溝川さんと同じように

「万一でも社長の責任にならないように何重ものブロックができあがっている。
それが会社組織というもの」

と。

六本木ヒルズについて、何か褒められて表彰される場合、
その賞状にある名前は全て
「六本木ヒルズ安全対策本部長 森 稔」
の名前です。
そういった、たくさんの賞状が総務部文書書庫に、保管されてありました。

名誉は全部、社長のものなのに、罪だとどうして
「社長に責任を問えない」
ということになるのでしょうか。

「こんな責任逃れができる会社組織をつくりあげてきた社長に、
責任を問えないとは、一体どうしてなのか?」

と思う人もいるだろうと思います。

結局、森社長は六本木ヒルズ安全対策本部長としての
仕事は日常的にはしておらず、名前だけに等しかったのです。

これが、このビルの安全運動を鈍らせていたと
言えなくはありません。

森社長の会社経営は人命軽視と言わざるをえなかった、
と思います。




回転扉事故、警察に届けず
森ビル、連日発生も黙殺
〔2004年3月31日(水)「しんぶん赤旗」〕





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# by bunbun6610 | 2011-04-20 21:47 | 六本木ヒルズ回転ドア事故

六本木ヒルズ回転ドア事故<5> 「緘口令」の疑惑

 ―『緘口(かんこう)令?』―

事故の日から一夜明けて、森ビルと三和タジマの事故責任の擦り付け合いの騒動を、マスコミが
大々的に流し、一気に社会問題視となりました。
それで森ビル広報部や、事件に関係のある部署、直接関係がなくとも業務に影響を受けうる部署の
人が総力を出し、寝る暇もないほど大変な対応に追われていました。
森ビルは事故後、「ウチの責任ではない」と主張、メーカーも「森ビルに安全対策を申し出ていたが、
断られた」などと主張していました。
しかし、結論を早く言うと、どっちも悪かったのです。
ただ、それでも、死亡事故を防ぐことは十分にできたはずなのです。
できなかったのは、森ビルの責任だと言い切れると思います。

森ビルは、事故直後の管理部の記者会見がまずかったと判断し、すぐに社長室広報部で情報の
一元管理体制に切り替えました。
そして全社員に
「マスコミに何を聞かれても答えないように。「当社では事故につきましては広報が対応しています」
とだけ伝えるように」と指示しました。
これが一部マスコミから「森ビル緘口令」などと報道されたのです。

社員への説明は「憶測や風評被害を防ぐため」という内容だったと思います。
なぜなら六本木ヒルズは複合施設で、多数のテナント入居者迷惑をかけないようにするためにも、
そういう対策がとられたのです。
森ビル社員が説明、謝罪に店舗を巡回していました。

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# by bunbun6610 | 2011-04-20 21:33 | 六本木ヒルズ回転ドア事故

六本木ヒルズ回転ドア事故<4> 森ビルへの抗議文

 -『森ビルへの抗議文』-

抗議文書の要旨は大体、次の3点でした。

①メーカーの商売もひどいが、森ビルなら事故を防げた。
だから、防がなかった森ビルの責任である。

②自分の体験からも、危険度が高いのでは?
 と想像はできた。このような安全装置がないドアを、
なぜ使い続けたのか?

③このドアが危険なのは子どもだけではない。
女性、老人、障害者、怪我人(杖を使う人など)などもいる。
歩く速度も、人により様々。
であるから、そうした誰もが安心して利用できるドア設計にしてほしい。


【抗議文】(原文から一部抜粋)
・新聞等の報道によれば、回転ドアの安全面での機能に重大な問題があり、
これが子供を死なせてしまった原因であったのは確かだ。

しかし、森ビル㈱は、回転ドアに、そのような欠陥があることに気付いていながら、
事故当時は、開業日とほぼ同じように使用していた。

・重大な欠陥があることに気付いていながら、当面の営業を優先し、
人の死にかかわる施設改善・対策を後回しにしていた事実を、
子供を持つ全ての母親は許さなくても当然だ。

一時期は、回転ドア入口の横に、警備員が立っていて、
お客様を安全に誘導していたのに、
なぜそれをやめたのか。

やめていなければ、今回の大事故は防げていたはず。

・私は、この事故の責任は、森ビル㈱にあると考えている。
回転ドアを改善するより、まず管理責任者の頭の構造から
直すべきだ。

安全面の問題点が未解決になっていたのなら、
自動ドアで十分だったはず。

事故発生日までは、回転ドアを毎日通っていたが、
私もこのドアに危険性があるのではないかと感じていた。

というのも、センサーがあるといっても、すり抜けられたので、
これで安全対策になるのかと思っていた。

あのドアは(事故を起こしたドアとは別ですが)、
ドアが閉まる数秒前になると、急に速度が上がっていた。
これが、大人の自分ですら、実に怖かった。

しかし、見慣れてくると、そうでもなくなった。
これが、油断につながりやすい。

ドアの近くまで行くと、急にドアの速度が速くなるので
「せっかくここまできたんだから入っちまえ!」と、
身体を横向きにして、狭いすき間からサッと入ってしまっては、
面白がっていた。

こういう人は他にも見かけていた。
(子供なら、なおさらやりそうだ。)

考えてはいなかったけれども、皆、心の中では
「万一、挟まれても大丈夫」
と思っていたと思う。

それが、今回の事故ニュースで、そうではなく、
挟まれたら即死するとは驚きだ。

センサーは役に立っておらず、しかもエレベーターのような、
挟まれた場合の安全なシステムも無いドアを、
死亡事故が起こるまで使い続けていた、という事実は、
一般社会では当然、衝撃ニュースだ。

新聞に出ている記事では、多少の死角がセンサーには
あるとなっているが、大人がサッと通り抜けても
停止しないということは、センサーの感度が悪くなっていたとか、
瞬時に通過したものには反応しないのではないかと考えられる。

・人間には、実にいろいろな人がいる。
子供、大人、老人、男性、女性、身体障害者
(特に知的障害者が危険)、マナーを破る人までもいる。

また、いつも来ている人にはよくわかっていても、
外から来られる一般者にはわからない、
あのような回転ドアは、人間社会に理想的とは言えないのでは
ないかと私は思う。

・ドアが閉まる直前に入ってもセンサーは反応せず、
ドアに身体が付く時、あるいはその数センチ手前で反応し、
それから25センチもすべって止まるのでは、挟まれるのは当然。

・森ビル㈱は「知らなかった」と言いますが、
開業前に安全テストを実施していなかった、ということにもなる。

・この回転ドアは、挟まれる危険があるうえ、安全面を、
どんな場合にも対応出来るわけでもないセンサーのみに
頼っていた。

・普通の歩き方でなく、閉まろうとする回転ドア内に
無理矢理入ろうとする場合、身長170センチの大人なら、
ドア幅が90センチ程開いている時
(この時から、速度が上がり始める)
に身体を横向きに変え、1歩でサッと中へ入ってしまえば、
所要時間約1秒、侵入途中に速度が上がっていて、
ドア幅が50センチに狭くなっていたとしても、
侵入成功する。

しかし、大人の身体は、横向きに変えても、
20センチ以上はあるはず。

速度が上がっていて、両側各15センチずつでもセンサーが
反応していなかったとしたら、もはや安全とは言えない。

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# by bunbun6610 | 2011-04-19 20:07 | 六本木ヒルズ回転ドア事故


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