ブログトップ

蒼穹 -そうきゅう-

<   2015年 06月 ( 37 )   > この月の画像一覧

○新谷参考人
 御紹介いただきました全日本難聴者・中途失聴者
団体連合会の新谷です。
ヒアリングの機会を与えていただき、ありがとうござ
います。

私どもの基本的な考え方としまして、障害認定の
方法のあり方に関する議論は障害の範囲の問題
と非常に密接に結びつくというふうに考えております。

それで我が国が 1 月 20 日に批准しました「障害者
権利条約」は、障害を、機能障害を持つ人と、社会的
障壁との間の相互作用に求めるというような考え方
をとっておりますので、今回の障害の認定方法に
関する検討会の方向は、障害の認定される人の
範囲を狭める方向ではなくて、極力聞こえの障害を
持っている人を障害の範囲に入れるという方向での
検討を是非お願いしたいと思います。

この問題は、私たち全難聴が創設以来、デシベル
ダウン運動として展開してきたもので、この辺の
経緯を踏まえて、今日、聴覚障害の範囲の問題、
それから等級の設定、それから認定方法そのもの
の問題、 3 つに分けてお話ししたいと思います。

 まず 1 番、聴覚障害者の範囲です。
これは身体障害者福祉法の規定にしたがって、
どれぐらいの人が手帳を持っているかという調査
報告が従来は出ていたのです。
5 年ごとの身体障害者・身体障害児実態調査
というのが出ておりましたですが、数年前の
「聞こえのつらさ調査」というかたちになり、検査の
継続性が失われているのではないかという懸念を
持っているのです。
私たちが持っている最新の数字というのは、聴覚・
言語障害者の数というのは 35 万人ぐらい。

先日の検討会で 45 万人という報告数字をいただ
いたので、一体その数字はどこにあるのかなと
思って、団体でもちょっと追いかけきれなかった
報告数字が出ております。
こういう数字はやはり、社会に情報として共有される
ひつようがあると思いますので、現在の調査方法に
ついての検討も併せていただきたいと思います。

 それで WHO の報告数字は資料に書いてござい
ますけども、 WHO がどういうふうに 41dB よりも
聴力が重い人の障害者の数を調べているのか。
その調査方法について私どもはかなり疑問を持って
いるのですけれども、少なくとも 4. 何パーセントとか
という具体的な数字を挙げて報告しておりますので、
何らかのやはり根拠づけた調査をやっていると思い
ます。
それは横に置きまして。

日本の 0.3 %の障害者手帳を持っている人の数と、
WHO が言っている 4.3 %の数と落差が余りにも
ひどすぎると。

この原因については、聴覚の障害認定のレベル
40dB で切っている、 70dB 以上の聴覚障害を
日本の場合では認定するという、その辺のところに
あることは大体の関係者の認識になっているんでは
ないかなと思います。

純音聴力でそういう検査がありますけども、一方、
それとは別に、日本補聴器工業会とテクノエイドが
実施した Japan Trak 2012 の検査、これは他覚
的な検査ではなくて、自分が難聴と思うかということ
を聞いて、その数が入っております。

やはり欧米諸国と並んで、同じように 10 %超える
ような調査結果が出ている。
これは、ユーロトラックの調査と横並びの調査を
やっているので、かなり調査方法としては信頼性が
高いのではないかと思います。

そういう意味で、自覚的な調査方法って難しい面が
あるかと思いますが、そういう数字を参考に現在の
手帳制度の認定のレベルの検討もいただければ
いいかと思います。

聴覚障害に関する福祉サービスはほとんどがニーズ
アセスメントはなくて、手帳の認定でサービス範囲が
決まってしまうということがありますので、手帳の障害
認定範囲というのは非常に大きなウエイトを持って
いる。

それをすぐにニーズアセスメントにサービス体系を
変えるというのは非常に困難があると思いますので、
とりあえずのところは障害者手帳の認定レベルを
WHO 並みにしていただくということで、聞こえの
障害を持っている方のかなりの数が福祉サービス
の対象になるのではないかなというふうに考えて
おります。

2 番は障害程度の問題です。
今、 6 級、 4 級、 3 級、 2 級、これは純音の
レベルで切っておりますけれども、それに対応した
具体的などのような補聴手段が考えられるのかと
いう基準はどこにもありません。

私ども団体で調べたのですが、その等級の切り方
というのがどうも労働力喪失率でバっと切ってしま
っているのではないかと。
ニーズで見ているのではなくて、昔なりの労働損失
率で等級を切っていると。

WHO は 41dB だったらこう、 80dB だったら
こういうニーズがありますよという例示を挙げている
わけなのです。
日本の等級制度、認定制度を作るのであれば、
そういうどういうニーズに対応するのかぐらいの
ところはやはり決めていただく必要があるのでは
ないかなと思います。

3 番目の障害認定の問題ですが、現在、純音の
聴力検査と語音明瞭度、これでも私ども実際に
その検査に行くのはかなり負担が多い。
指定医の数というのはそんなに多くないですし、
いろいろな所で簡単な検査で異常が出て、
すぐ病院に行って検査してもらいなさいと言っても、
なかなか簡単に行けるものではないので、
どういう方法がいいのか。

ちょっと分かりませんが、もう少し負担のない方法
を考えていただきたいということがあります。

それから障害の早期発見・早期対応の意味で言うと、
教育場面では就学前検診と、 2 年、 4 年、 6 年、
中学 2 年、高校 2 年と聴力検査がありますが、
先ほど小中さんの説明のあったように、防音室で
見るのではなくて、恐らくヘッドホンで見て、異常を
引っ掛けるだけだと思うのです。
そういう方法で、大事な聴力障害の早期発見が
果たしてできるのかどうか、学問的・医学的に検討
いただきたいと思います。

同様の問題は職場でもあって。
職場は一応 40 歳以上、ガイドラインとして聴力
検査を受けますけども、あれもほとんどの職場は
防音室なんてないですから普通の環境の中で
ヘッドホンで 1,000Hz と 4,000Hz 、 2 つを
聞いて異常を引っ掛けるという方法になっています。
これが全体を考えて仕方ない方法だということで
あれば、その先の精密検査との間のやはり手続
をきちっと整備いただきたいという気持を持って
おります。
この場は障害認定方法に対する検討会なので、
その辺の議論はちょっと難しい面があろうかと思い
ますけども、課題はやはり全体の制度の間の整合
のとれた認定方法を考えていただくという観点が
必要ではないかなと思います。
以上です。

○江藤座長
 新谷様、どうもありがとうございます。
それでは 3 団体からお話を伺いましたところで、
構成員の先生方から御質問や御意見がございま
したら、どうぞお願いいたします。

○小川構成員
 慶應大学の小川と申します。
いろいろお話を頂きましてありがとうございます。
もう、本当にもっともなことではないかと思います。
今回は認定方法に関する検討会ということですので、
そこに絞って少し御質問をしたいと思います。

様々な今、御意見があって、認定の仕方というか、
生活の上でどれだけお困りになっているかという、
それをどうやって吸い上げて認定をするかという
お話もありましたが、正確に認定をするということと、
そうすると、例えば、認定のために何回か通院を
しないといけないという、認定のいろいろな物理的
な煩わしさも出てくるわけですが、実際、今の認定
の仕方の中で、先ほど再認定がいろいろな意味で
大変だというお話もありましたが、この辺は、今の
やり方がもう少し厳密になってくると、実際やはり
皆さん大分お困りになりますか、その辺少し御意見
を頂きたいと思います。

例えば、認定のためにまた新しい検査を加えるとか、
そういうことで検査の日時がもう少しかかるとか、
いろいろな。
そういうことになった場合に、実際問題としては
大分負担が増えるとお考えでしょうか。

○新谷参考人
 私も何度か聴力検査を受けるのですが、
病院によっては、待ち時間、 2 時間 3 時間は
ざらみたいな病院があります。
ああいう所に簡単に行って、何度も行って検査を
受けなさいというのは実質的にものすごい負担に
なる。
それぐらいでしたら、もう行くのやめるかとは
言えないのですが、ずるずる延ばしになってしまうと
いうことがあるので、少し私見が入りますが、
障害認定はかなり広い範囲で認定を頂いて、
実際のニーズに対するサービスの提供の部分では
個別にいろいろお話し合ってとか、いろいろな方法
で決めていくという方向で。
手帳制度で入口で切ってしまって、あなたも対象外
よと言われますと、今の日本の制度ではもうその先
に進まないのです。
ですから、広い範囲でいっぺん取り込んでいただ
いて、その後の個別の問題はいろいろ個別に決めて
いっていただくという方向があっていいのではないか
と思います。

○江藤座長
 ありがとうございます。
小川先生からは、より適切にと言いますか、そういう
判定をするために今、検査を増やす、あるいは他覚
的な検査を増やしたり、あるいは複数回検査をする
ことについて各団体の方々の御負担がどうかという
ことで、今、新谷様からは非常に負担の多いことだ
という御発言だったかと思いますが、ほかの団体の
皆様方はいかがでしょうか。

○小中参考人
 全日本ろうあ連盟の小中です。
基本的に、聴力検査は厳しいものだと思います。
私は、検査を受ける立場、する立場両方の経験を
もっていますが、聞こえるかどうかということで合図
をすること自体、非常に疲労感があります。
また聞こえないということに対して非常に嫌な気持ち
になるということもあります。

何て言いましょうか、自分のマイナス部分、どのぐらい
マイナスなのかということを調べられるような、そんな
気持ちにもなってしまいがちになるのです。

そうではなくて、医者から、例えば、生活面でどのよう
に困った部分があるのかとか、どういうふうに聞こえて、
どういう音や声が聞こえにくいのか、聞こえないことで
困るということはどういうことかなど、きちんと会話が
出来ること、その会話の中で少しでも心理的な負担を
軽くして検査を行うという環境があれば、より良いのでは
ないかと思います。
以上です。

○江藤座長
 ありがとうございます。
庵様、いかがですか。

○庵参考人
 すみません、庵です。
先ほど新谷さんがおっしゃったこと、小中さんがおっしゃ
ったことと大体近いのです。
私は先ほど申したように、盲ろう者の場合、まず検査を
受けるところまで行くのに非常に大変、移動に困難で
あることと、あと、お医者さんとか検査する人とのコミュニ
ケーションが非常に難しい面があります。

通訳・介助員を伴って実際は病院で聴力検査を受けたり
するのですが、非常に時間が掛かるし、精神的にも負担
が重いことがありますので、そうですね、聴力検査自体を
もう少し簡略にというか、あまり複雑にしないで、
それプラス、先ほど申したように問診、生活において
どれだけ不便を感じているかをきちんと問診という形で
簡単にやりとりできるような工夫をしていただけたらと
思います。
以上です。

○江藤座長
 どうもありがとうございます。
非常に負担が多くなるという御回答、御意見かと思います
が、構成員の先生方、ほかに何か御意見、御発言ありま
したらお願いします。

○原構成員
 筑波大学の原です。
お二方が、新谷さんがおっしゃったことと他の方が多少
相反する面があると思うのです。

というのは、非常に精神的な面も含めてフォローをする、
お話をする時間がやはり私も必要だろうと思うのです。

そうすると、多くの方の待ち時間が長くなってしまうわけ
です。

それが 1 点と、もう 1 つは、後でまたお話が出ると
思うのですが、今、こういう等級判定をしている医者が
必ずしも耳鼻科医ではないということで、ある意味専門
外の方がやっているケースもあるのですが、今回の方々
は皆さん耳鼻科医に診断されたのでしょうか。

それと、それが違う方たちが、例えば神経内科の先生
とかが耳元でお話を聞いて、それでどの程度かという
判定方法でも構わないというお考えでしょうか。
いかがでしょうか。

○新谷参考人
 耳元で話しての判定方法だと非常に個人的なばらつき
が出るので、私は現在の純音聴力とか語音明瞭度検査
というのは判定方法として不合理なものとは思わないの
です。
それで、純音で、恐らく聴力が悪ければ大体の場合聞き
取りも悪いですよね。
逆はあるかも、純音がよくても聞き取りが悪い人はあり得
ても、純音が悪い人はやはり語音明瞭度も悪いと思う
のです。

そういう意味で、今の方法で私どもは別段それほど不具合
は感じないのですが、とにかく、今の認定基準が厳しすぎる、
そこが根本的に問題があるということで、その 1 点がまず
解決しないと次の所に行かないのではないかという考えを
もっています。

○江藤座長
 今、原先生からの御質問に、皆様方の判定に関わられた
先生は耳鼻科の先生でしたかということも 1 つあったの
ですが、多分、皆さん耳鼻科の先生方でしょうか。

○原構成員
 そのことに対して、逆により簡便にやっていただく、
要するに時間を取らないお医者さんであれば耳鼻科医で
なくてもよろしいというお考えなのか、その辺はいかがで
しょうか。
一般論で結構なのですが。

○江藤座長
 皆様方は耳鼻科の先生だったかということですが、
より簡便にするという方向で、耳鼻科以外の先生が判定
に関わることについてはどのようにお考えかという御質問
かと思いますが。

○新谷参考人
 それは余りにも機械的で、私どもは耳鼻咽喉科に行って
聴力測定だけしていただくわけではなくて、やはり耳鼻科
の先生に聴力検査の結果についてはこうこうだということ
をお話を伺うことで安心できる面があるので、機械的に
手帳みたいな大事なものを別の専門科医が判定しました
では、なかなか納得はいかないと思います。
  
○小中参考人
 より簡単に検査をするという場合、 4 級、 3 級、 2 級…
という等級をなくした形で、聴覚障害の認定を行い、
その後は、個々の必要なニーズに応じたサービスを提供
していくというシステムに変える、これはなかなか難しい
だろうと思いますが、そういう形もあるかなと思います。

今の検査に関しては、私がろう学校に在職中、
子どもたちの聴力を調べるときには、ただ調べるという
だけではなくて、聴力を調べることにどのような意味が
あるのか、例えば、自分の聴力をきちんと知ること、
生活の中で少しでも聞く気持ちをつくるとか、補聴器や
聞こえを補完する機器を活用していくことも学習の中に
取り入れるなども考えて検査に係わっていました。

聴力検査というものは、普段は検査する人と受ける人は、
お互いに見えないようにする設定が普通だと思うのです
が、そうではなくて、お互いに顔が見える、操作の様子も
見えるという状態にすることで安心感が生まれる、
検査の説明も十分に理解できるようにすると、
精神的に安定して検査が受けられる。

時間は掛かると思いますが、精神的な面での安定感を
得ること、
説明に納得もできる。
また生活改善にもつながるという面も大事だと思って
います。
以上です。

○奥野構成員
 三井記念病院の奥野と申します。
耳鼻科医ですので、難聴の患者さんと私どもは長い間
お付き合いをして、どのくらいお困りだというのを伺って
初めて認定の申請などを出すのですが、いろいろな
ケースがあって、ただ認定だけのために耳鼻科を受診
するという方もあるかもしれません。
皆様方は認定を受けられるまでにどのような耳鼻科医
との関わりみたいなのをもっていますでしょうか。

あるいは、認定を受けられた後もずっと関わりがある
のではないかと思うのですが、その辺のところを伺え
たらと思います。

○新谷参考人
 新谷です。
私は 40 歳ぐらいからずっと検査を受けてきたわけ
なのですが、最初はやはり聞こえのいろいろな検査を
受けて病気が何だとかいろいろ診断を受けて、
だんだんと何年か受けていますと聴力が落ちてきて、
あなたの場合にはそろそろ手帳をもらわないと
難しいよというアドバイスがあって、
それでその所で別の検査士の方から受けて、
それで手帳の申請書に書いていただいて、
その後もやはり 1 年に 1 回、 2 年に 1 回ぐらい
行って聴力のこの低下の具合を調べて一度等級も
変えました。

その後、補聴器効果がないのでどうするのだという話
になって、あなたの場合はもう最終的にも人工内耳を
決断しないとどうしようもないのではないのというような
ステップを踏んでいますので、ある日突然どこかに
行ってあなた聴覚障害よと言われるそういう歴史を
経ていませんので、常識的には、最初に耳鼻咽喉科に
行っていろいろ治療を受けて、その後ステップを踏み
ながら聴覚障害者となったという歴史をもっています。

○小中参考人
 全日本ろうあ連盟の小中です。
私の場合には、小学校に入ったときに聴覚障害となり、
小さかったので記憶が定かでないので、親に連れて
行かれて病院に行って補聴器というものを手にしました。
ただ、親は手帳を申請しませんでした。

手帳申請ができることを知っていたのか、あるいは
知らなかったのか分かりませんが。

ですから私自身知らないまま大人になって、仕事に
入ったときに初めて手帳の申請ができるということを
知って慌てて窓口に行きました。

今、私は聴覚障害者情報提供施設という所で仕事を
していますが、難聴の方々も多く相談に来られます。

聞こえなくて困っているといういろいろな訴えが
ありまして、昔、ろう学校で検査をした経験があります
ので、簡単に聴力を調べる機械も準備してあり
簡便な検査をする。

また、話を聞いて、私自身の経験も通して、
少しでも聴覚障害を受け入れるようになってもらう、
そして、耳鼻科に行って調べてもらうようにつなげて
います。
すぐに耳鼻科に行くということも難しい人がおり、
耳鼻科に繋げる聴覚障害者情報提供施設の役割
は非常に重要だと思っております。
以上です。

○庵参考人
 庵です。
私の場合は 3 歳のときに難聴ではないかと親よりも
先に保育士さんが見つけてくれて、それからあちこち
病院を回って何とかならないかということで。

まだそのときは手帳をもらうほどではなくて、
小学校に入ってからやはり授業を受けるに当たって
きちんと補聴器を着けたほうがいいだろうということで
改めてきちんとした耳鼻科というか、大学病院で検査
をして手帳を取るようになったのです。

小学校、中学校、高校時代はとにかく耳の病気というか、
中耳炎になることが多くて耳鼻科にはしょっちゅう
通っていて聴力検査もいつもやっていたのですが、
大人になってからずっとほったらかしの状態で、
しかも職も転々としていたのでなかなか耳鼻科のほう
に足が向くことがなくて、 30 歳を過ぎてから最近
すごく聞こえが悪くなったということで行ったらもう
100 近くまでなっていたのです。
それで再申請をして等級が上がりました。

それ以来耳鼻科の先生とはなかなかきちんとお付き
合いをしていないのですが、やはり子供のときみたい
にきちんと身近な所に耳鼻科の先生がいて常に
聴覚管理をしていただける方がいると、今よりももっと
いい状態だったのかと今思うとそう思います。
以上です。

○江藤座長
 庵様、どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
本日は、聴覚障害の認定方法に関して 3 つの団体の
方から御意見、お話を頂きました。
構成員の先生方から何かほかに御質問がないようで
したら先に進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

( 異議なし )


(つづく)


==========================




新谷氏の話を補足する資料として、
例えば下の全難聴資料がある。


『世界の難聴者、アジアの難聴者』(WHO資料を引用)
http://www.zennancho.or.jp/archive/h16inter-3.pdf#search='%E8%81%B4%E8%A6%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%9F%BA%E6%BA%96'




「どこの病院も信用できない」

そして

「たらい回しされたりした」

ような経験を、当事者である参考人が話している。

私も同じだったし、やはり、こういう人たちは
聴覚障害者の中でもまだ「氷山の一角」に
過ぎないのだろう。


〔関連情報〕

『『交響曲第一番』(佐村河内守/著) 2/11 』
〔2014-02-02 18:30〕



その原因は、認定基準が高過ぎることにも
あるのではないだろうか。

「軽度ではまだ障害とまでは言えない」

と医者が言えば、どんどん手遅れになるのは
当たり前だ。
(ところが驚くことに、障害年金の初診日認定には、
これが採用されるという矛盾がある)

医学界としても、非常に危険な認識と言わねば
ならないはずだ。


信じられないことだと思われるだろうが、中には

「オレは(障害認定は)やりたくないんだ」

と、逃げ回っている認定医もいた。
そのせいで必要な対応が何年も遅れ、
私は就職にも非常に困ってしまった。
だから私も、障害者手帳を持てない難聴者の
気持ちがわかるのである。

おかげで、とても大きな回り道をしてしまった。
親にも信用されず、社会では孤立していた。
誰も信用できなくなっていた。
まだ若いというのに、そんな暗い経験をしなければ
ならなくなってしまうのだ。

このような難聴者人口が決して少なくないとすれば、
社会(国家)の経済損失も大きいだろう。
[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-06 19:00 | 聴覚障害


厚生労働省
『第2回 聴覚障害の認定方法に関する検討会議事録』
〔平成26(2014)年9月2日〕





第2回 聴覚障害の認定方法に関する検討会議事録
社会・援護局 障害保健福祉部

○日時; 平成26(2014)年9月2日(火)18:00~20:00

○場所; 厚生労働省 共用第8会議室(19階)

○議題;
(1)関係団体ヒアリング
(2)研究班からの報告等
(3)その他

○議事

○江藤座長 
座長の江藤でございますが、定刻になりましたので、
ただいまから「聴覚障害の認定方法に関する検討会
( 第 2 回 ) 」を開催したいと思います。
皆様方にはお忙しいところをお集まりいただきまして、
誠にありがとうございます。
 まず議事に入る前に事務局から構成員の出席状況、
資料の確認等をお願いいたします。

○田中課長補佐 
まず始めに、事務局に人事異動がございましたので、
ここで紹介させていただきます。
障害保健福祉部長の蒲原が異動しまして、後任の
藤井です。

○藤井保健福祉部長 
藤井でございます。
よろしくお願いします。

○田中課長補佐 
企画課長の井上が異動しまして、後任の川又です。

○川又企画課長 
川又でございます。
よろしくお願いします。

○田中課長補佐 
私、森岡の後任で課長補佐の田中です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、本日の出席状況ですが、構成員の方全員に
御出席いただいております。
ありがとうございます。
 続きまして、資料の確認をいたします。

資料 1 「一般財団法人全日本ろうあ連盟提出資料」

資料 2 「社会福祉法人全国盲ろう者協会提出資料」、
それから全国盲ろう者協会のパンフレットもございます。

資料 3 「一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者
団体連合会提出資料」

資料 4 「身体障害者の認定基準の今後のあり方に
関する研究班提出資料」

資料 5 「第 1 回検討会における主な意見」

資料 6 「聴覚障害に係る指定医の状況」

資料 7 「聴覚障害認定に係る主な検査機器設置状況」

資料 8 「身体障害者手帳の返還件数調べ
( 集計結果 ) 」

参考資料 1 「聴覚障害の認定方法に関する検討会
開催要綱」

参考資料 2 「聴覚障害の認定方法に関する検討会
構成員名簿」

参考資料 3 「身体障害認定基準等について」

です。

 また、構成員の方のみの配布資料として、前回も
配布いたしました「 S 氏の身体障害者診断書・意見
書」がございます。
本資料は、御本人の会見時に配布されたものですが、
個人情報ですので、構成員の方のみの机上配布と
いたします。

以上、お手もとにございますか。
資料の不足等ございます場合は事務局まで御連絡
ください。
また、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生
労働省のホームページに掲載されますので、あらか
じめ御了承ください。
なお、頭撮りはここまでとさせていただきます。
傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意
事項の遵守をお願い申し上げます。

○江藤座長
 それでは議事に入らせていただきます。
本日の議事についてですが、前回申し上げたとおり、
聴覚障害の認定方法に関して、関係団体へのヒアリ
ング及び研究班からの経過報告を行うこととなって
おります。

開催要綱 3 の (2) に基づき、「全日本ろうあ連盟」
「全国盲ろう者協会」及び「全日本難聴者・中途失聴
者団体連合会」より参考人をお招きし、ヒアリングを
行うこととしたいと思います。

また、「身体障害者の認定基準の今後のあり方に
関する研究班」から、国立障害者リハビリテーション
センターの石川先生に、研究班の経過報告を行って
いただきます。

まず、関係団体へのヒアリングを行いたいと思います。
それぞれ 10 分程度でお話しいただいた後、構成員
の方々から御質問等をいただく予定としております
ので、よろしくお願いいたします。

 最初に、「一般財団法人全日本ろうあ連盟 小中様」、
お願いいたします。

○小中参考人
 一般財団法人全日本ろうあ連盟副理事長をしており
ます小中です。
今回は意見を述べさせていただく機会をいただき、
大変ありがとうございます。
資料に合わせて説明したいと思います。

現在の認定に関しましては、聴覚障害は、障害の程度、
聴覚障害になった年齢、あるいは他の重複の障害を
伴うなど、障害の幅というのが極めて大きくございます。

また、同じ平均聴力レベルであったとしても高い音が
聞こえない、あるいは教育環境、あるいは家庭環境、
また補聴器装着での生活をどれだけしているか、
また手話を使用しているかどうか等、様々な環境要因
による生活の影響も、非常に個人差が大きいものが
あります。

いちがいに聴力が軽度だから障害が軽いとはいえない
現状があります。

世界保健機構 WHO の障害基準、国際基準では 41
dB から聴覚障害の認定と比べますと、我が国の場合
は非常に狭い範囲になっております。

今回の認定に関しましては、これまでよりも更に厳しい
制約を設けることは基本的にはやめていただきたいと
いうふうに考えております。

今回の審議内容には入っていないかもしれませんが、
お考えいただきたいのは、生活のしづらさ、また意思
疎通の困難は平均聴力のみでは計り知れない、判断
ができない部分があり、ぜひ社会モデルにたった見直
しをして頂きたいと思っています。

これが今後の検討課題だと考えております。

 先日も、難聴の方から相談を受けたケースを話したい
と思います。
その方は主婦の方でいらっしゃいますが、平均聴力が
残念ながら手帳交付の基準には至らない軽度の聴覚
障害の方です。
彼女は、主婦という立場で、料理、洗濯、掃除といった
家事仕事があります。
家事仕事に関する音が聞こえない。
湯わかしの音が聞こえない。
洗濯機が終了したことを知らせる音が聞こえないなど、
そういう中で、非常に生活のしづらさというものがある
と訴えておりました。

また、もう一つ手帳交付の基準に至らない難聴者の方
で忘れがたいことは、補聴器を付けていないのですね。
なぜ付けていないのかと聞きましたら、補聴器を買う
お金がないと。
補助制度がないため補聴器を買うことが全額自己負担
にあり、経済的な苦しさのため買えないというお話が
非常に忘れ難いものとして残っております。

ですから、聴覚障害の認定を厳しくすることによって、
このような状況がさらに増えていかないよう、
社会の中での生活のしづらさということを十分勘案し
ながら検討していただきたいと思っております。

 それから手帳交付と、もう 1 つ障害基礎年金受給、
両方とも診断書が必要になっており、現在別々の対応
で、さまざまなばらつきがみられます。

今回の検討内容には入らないかと思いますが、手帳
交付と障害基礎年金の受給に係わる診断の手続きで、
聴覚障害者の負担が重くなっている面がありますから、
負担の軽い、合理的な方法へと改善して頂きたいと
思います。

 障害基礎年金の場合、永久認定と有期認定があり
ますが、障害の程度が固定している状態なのに、有期
認定と見なされ、診断書提出あるいは手帳のコピーの
提出が必要とされる再認定のケースが報告されています。
そういう再認定のことをどう考えるのか。

47 都道府県協会にアンケート調査をした結果として、
12 県から診断書を求められたケースがあることが
分かりました。

対応がまちまちであること、分かりやすい説明の面でも
不足していたのではないかとも思います。

再認定とする場合は丁寧な説明が求められると思います。

また、再認定による提出書類に診断書が含まれる場合と
そうでない場合とが混在しており、判断基準や手続きを
統一してほしいと思います。

また2級のうち先天性又は幼少時からの聴覚障害は、
障害が変動することはほぼ皆無なので、
一定期間の有期認定の後、永久認定とされるべきでは
ないかと考えます。

このような検討もしていただければありがたいと思います。

3 番目は、認定等に関する検討を実施する場合には
ヒアリングという形ではなく、当事者が構成員として意見
が述べられるような形が望ましいと考えておりますので、
検討委員会のメンバーに当事者参画ということを是非
お願いしたいと思います。

 最後に、私個人の経験を、少し述べさせていただきたい
と思います。
私は、かつて、ろう学校の教員をしておりました。
聞こえない立場、難聴という立場で子どもたちの聴力検査、
補聴器の装用点検等の仕事もずっと担当しておりました。

子どもたちにとって聴力検査をするのは非常に負担が重く、
大変なことです。
負担にならないよう、いろいろと話をして検査をしてきたと
いう経験もございます。
聴力検査に加えて、いろいろと話ができること、生活に
おいて意思疎通や聞こえにくいことで困ったことも聞き取り、
勘案して医師が診断するというような方法になるように
是非お願いしたいと思います。
以上です。

○江藤座長
 小中様、どうもありがとうございます。
続きまして、「社会福祉法人 全国盲ろう者協会 庵様」、
よろしくお願いいたします。

○庵参考人
 ただいま御紹介いただきました全国盲ろう者協会の庵
と申します。
少し見えて、少し聞こえる盲ろう者です。

盲ろう者ということで、今日皆様にはパンフレットをお配り
していますが、参考にしていただければと思います。
盲ろう者とは、目と耳の両方に障害をあわせ持つ者を
いいます。
 平成 24 年度に厚生労働省からの補助で、私どもが
実態調査を行いまして、身体障害者手帳に視覚と聴覚
の障害が明記されている盲ろう者が、全国で約 1 万
4,000 人いることが明らかになっています。

 一口に盲ろう者といいましても、見え方とか聞こえ方の
程度によって大きく 4 つのタイプに分けられます。

1 つは全盲ろう、全く見えなくて全く聞こえない人です。
あの有名なヘレン・ケラーさんのような人ですね。

2 つ目は全盲難聴、全く見えなくて少し聞こえる人。

3 つ目は弱視ろう、少し見えて全く聞こえない人。

4 つ目は弱視難聴、少し見えて少し聞こえる人。

この 4 つのタイプがあります。

また、障害の発症時期とかによってもいろいろありまして、
例えば、生まれつき盲ろうだったり、年を重ねていくに
したがって徐々に目と耳が不自由になっていく人もいたり、
何らかの病気とかで突然視力と聴力を失ってしまう者も
います。

障害の程度や発症時期によってコミュニケーション方法
やニーズが違ってきますけども、共通することは情報
・コミュニケーション・移動の 3 つの困難が全て合わ
さっているということです。

 私自身はこの 4 つのタイプの中では弱視難聴でして、
年を重ねるにつれて視覚と聴覚の両方の障害が進行
してきました。

網膜の病気では、初めは夜盲だったんですけど、年を
重ねるにつれて視野がだんだん狭くなってきて、今では
5 円玉の穴をのぞいているような感じです。
皆様のお顔の表情とか、会場の中の様子が分かりません。
ちょっとした段差や薄暗い所は見えませんので、一人で
歩くときは白杖を使っています。
耳のほうは重度の感音性難聴で、補聴器をつけてます
けど、辛うじて音が聞き取れます。
周りの音が少しでも騒がしいと、人の話が聞き取れません
ので、日常会話では FM 補聴システムを使って会話を
したり、通訳・介助員に音声通訳をしてもらって会話をして
います。

しかし、込み入った今回のこのような会議の場であるとか、
そういったときになると聞き取りがなかなか難しくなります
ので、今ここではパソコン通訳を受けています。

 ここにあるスクリーンですが、その画面の文字が読め
ません。
また、この会場の皆様の様子が見えません。
ですので、私が読みやすいように、すぐ目の前にある
このノートパソコンの画面の色が黒になっていて、
文字が白で、大きく文字が映し出されています。

皆様の話だけではなく、どこに誰が座っているのかと
いった会場内の様子など、視覚的な情報を適宜入れて
もらっています。

また、私はこの会場まで自力で来ることができません
ので、移動介助もしてもらっています。
このように、盲ろう者は一人ひとりのコミュニケーション
方法やニーズが異なっています。
それぞれに合わせた通訳や情報提供、そして移動介助
のサポートをする人のことを通訳・介助員と呼んでいます。
前置きが長くなりました。

 本題に入りたいと思います。

私どもから今日は 3 つのことを述べさせていただきたい
と思います。

1 つ目、生活実態に見合った検査方法を考えていただき
たいということです。
聴覚障害の認定においては、一般的には防音室内での
純音による聴力検査及び語音明瞭度の検査が用いられ
ています。
しかし、私たちの日常生活の場面では戸外や教室、
会議室、食堂、電車内などのように様々な騒音、環境音
があります。

また、多くの人の声が交錯する中で、どれだけ語音が
識別できるかが重要であります。

防音室内での検査上の聴力が良くても、こうした現実の
生活場面において、周りの音環境によっては聞こえに
大きな制約を受ける人がいます。

また、そのときの体調とか精神的な緊張の度合いなどに
よっても聞き取りにくくなります。

聞こえ方には本当に波があります。

このようなことから、現行の機械的な検査だけでなく、
本人への詳しい問診を導入するなどにより、生活実態に
見合った検査方法の工夫が必要ではないかと思います。

また、聞き取りにくい状態での聴力で聴覚障害の程度を
判定すべきだと思います。

2 つ目、環境音の聞き取り能力が非常に大事だという
ことです。

私たち視覚障害と聴覚障害を重複する盲ろう者にとって
は、語音以外の様々な環境音の聞き取りの問題が
極めて重要な意味を持っています。

例えば、白杖を使って一人で歩いているとき、車や
自転車あるいは人がどの方向から来るのか、
音源の定位、危険回避などの面から環境音がどの程度
聞き取れるのかということは、視覚障害のない人の場合
とは全く次元の異なる問題であります。

視覚障害のある聴覚障害者が、聴覚障害の検査を
受けるにあたっては、このような環境音の聞き取り能力
についても十分な御配慮をお願いしたいと思います。

3 つ目、定期検査の義務づけはしないでいただきたいと
いうことです。

高度の難聴や全ろう状態の盲ろう者が定期的に検査を
義務づけられることになれば、心身両面・物理的・心理的
双方の面から、過重な負担となることが考えられます。

特に、移動やコミュニケーションに大きな困難があること
から、検査のための通院とか、検査自体での負担が大きく
なります。

今、私が受けているような盲ろう者向け通訳・介助員の
派遣事業は、障害者総合支援法に基づき各都道府県で
実施されていますが、多くの地域では視覚障害と聴覚
障害の両方の障害が身体障害者手帳に明記されている
者が利用できることとしております。

万一、聴覚障害の認定が取り消された場合、例えば
69dB とかそういった場合には盲ろう者向け通訳・介助
員派遣の対象から外されて、生活の基盤が失われること
を考えると、盲ろう者の不安は非常に大きくなることが
予想されます。

このようなことから、定期検査の義務づけはしないで
いただきたいと思います。

 最後になりますが、日本の聴覚障害の認定方法が
私たち盲ろう者の実態に見合ったものになりますよう、
御検討をいただければと思います。
御清聴ありがとうございました。

○江藤座長
 庵様、どうもありがとうございます。
最後に、「一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者
団体連合会 新谷様」、お願いいたします。


(つづく)


=============================






難聴の障害認定についての国際基準や
日本の現状については、

水野 映子 (みずの えいこ)氏
(ライフデザイン研究本部・研究開発室
・上席主任研究員)
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/members/mizuno.html

の資料を読むと、ある程度分かる。

特に

『スウェーデンの聴覚障害者
―日本との比較を通じて』

〔2010年9月〕



を見ると、スウエーデンと日本とでは、
聴覚障害者人口があまりにも違い過ぎている
のである。

勿論、これは日本政府の

「意図的な障害認定基準による、
聴覚障害者人口操作」

をした結果だろう。
[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-06 18:30 | 聴覚障害

 ―「想定外」ではなく「想像力の欠如」がもたらした結果―

20■■年■月■日

行政書士の人から

「あなたから手数料を取るのは、気が引けますよ」

と言われました。

重度身体障害者には、貧困層が多いということを
知っているのでしょう。
それに、裁判は勝たなければ、それなりの報酬も
取れません。

アメリカ映画とかサスペンスドラマとかで

「カネは幾らでも出すから、勝たせろ」

というセリフが出てくる話もありますが、
金がない人は裁判はできないのかというと、
そうとも限りません。
お金がない人には、法テラスというものがあります。

しかし、この法テラスは他にも条件があって、
それは

「勝てる見込みがないとは言えない事件」

であることです。
弁護士に相談しても

「勝てる見込みがない」

と逃げられたら、
やっぱり弁護士なしで一人でやるしかありません。


聴覚障害者への差別(職域差別を含む、多くの間接差別)は、
六本木ヒルズ回転ドア事故と、驚くほどよく似ています。

事故は、有識者から「隙間事故」とも呼ばれています。
隙間とは

「誰も考えもしなかった領域」
「誰も関わろうとしなかった領域」

といった意味で、今流行っている言葉で言えば「想定外」です。

健聴者の何気ない行為が結果として、
聴覚障害者への間接差別になっていることなど、
全く考えてもいないことです。

そしてある日突然、我慢ができなくなった聴覚障害者に

「差別です」

と言われたら、言われた健聴者は「想定外だった」と
思うでしょう。
そして健聴者は「想定外は言い訳になる」と思って
いるのでしょう。

しかし実際は「想定外」ではなく、健聴者の
「想像力の欠如」に過ぎないのです。
今まで、人間としての思いやりが欠如した
行動を取っていただけに過ぎません。
すでに常識になっているのだから、
非難されないと思っています。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というやつです。
こなると、やられているマイノリティーのほうは、
一人では非難しづらくなるものです。


裁判で争う事件には、民事事件と刑事事件があります。
刑事事件は、刑事責任の追及えあって、
検察と個人または団体が争います。

六本木ヒルズ回転ドア事故は、遺族が民事事件として
訴訟を起こすこともできましたが、刑事事件になりました。

当時、社長が六本木ヒルズ安全対策本部長でしたが、
社長が「すぐに対応しなさい」と部下に命じていたの
だから、刑事責任を問えなくなりました。
その責任を個人に問う、というのも酷という判決に
なったのです。

事故前は、危険だと十分には気がつきませんでした。
事故後、会社は最大限の努力をし、改善努力をしました。
これも結果的に、温情的な判決に結びつきました。
業務過失致死罪による懲役1年6ヶ月(執行猶予3年)
の判決でした。


障害を持つ労働者に対する差別の場合は民事事件
として、最終的に会社に改善を求めるとか、
慰謝料を請求する目的が考えられます。

慰謝料はこれからも働き続ける障害者にとって、
決して職場問題の解決にはならないので、
せいぜい妥協案でしかありません。

それでは仮に勝訴を勝ち取ったとして、
裁判所から改善命令を出してもらったとしても、

「仮に裁判所が改善命令を出しても、監視機関はどこに
あるのか?」

「また改善のプロセスや、結果の評価は誰が公正に
行いえるのか?」

そういった難問が残っています。

やはり勝訴したとしても、本当に聴覚障害者にとって
よい方向へ向かうのか、極めて難しく、不透明です。
結果、あまり改善しないことも予想されます。


弁護士から「慰謝料を数十万円にしたら?」という提案が
ありました。
そうしたら今度は、会社だけでなく周囲の人からも、

「なぜそんなに要求するのか?
原告の聴覚障害者は、
幾ら何でもやり過ぎではないか?」

という評判になってしまう恐れもあります。
これでは勝訴して慰謝料も勝ち取り、
会社に残れたとしても、
居づらくなってしまいます。

勝訴できたとしても、社内での信頼関係が損なわれ、
雇用契約を打ち切られてしまうリスクが高くなります。
これでは負けに等しい。

では逆に

「慰謝料を会社を休んだ分の賃金に相当する1~2万円
とする」

では、会社は裁判を起こされる前に

「払って、さっさと終わらせた方がいい」

と考えるだけかもしれません。
そうなったら、おそらく反省なんてないでしょう。
自分の雇用契約更新を止められる可能性も
濃厚になります。

会社は、理由のない支払いには応じられないけれども、
裁判を避けたい、面倒がるという性格はあると思います。

裁判所としては、原告が会社の上司個人を相手に
争っても、このケースでは「使用者責任」と見ます。

しかしそれでも、使用者がもみ消し、見過ごし、
対応拒否といったことがなく、
むしろ積極的に対応している事実があると、
それも責任を問えない理由になります。

そうなると、勝訴するのは途方もなく難しい。
[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-05 19:00 | 就労後の聴覚障害者問題Z1



桂花(けいか)ラーメン 池袋サンシャイン60通り店

 東京都豊島区東池袋1-22-13
 第5中村ビル 1F



ここの『太肉麺(ターローメン)』というラーメンは、
初めて見た時も、また食べた時も衝撃的だったと
記憶している。
それは、今からもう30年ほども前のことだった。

そのラーメン専門店が、同じ場所で、同じメニューで
まだ営業している。
これほど息が長いラーメン店は、ラーメン店激戦地
の東京では多くない。

なぜ衝撃的だったのかというと、ラーメンにざく切り
にした生キャベツをトッピングする、という発想が、
当時では信じられなかったのだ。

「トンコツスープにこの組み合わせは合うの?」

と、目を疑った。

それでも行列ができるのを見て、思い切って食べて
みることにした。
それはもう、衝撃的体験だった。

マー油という、クセの強い調味油を加えたトンコツ
ラーメンが、キャベツのお陰でさっぱりと食べられる
のだった。

豚バラ肉、メンマ、ネギ、茎ワカメ、トンコツスープ、
マー油という、個性の強い材料を集めたラーメ
だが、キャベツが中和させる役割を果たしている
ようだった。



今なお、絶品の『太肉麺(ターローメン)』(980円)
昭和43年の東京出店を記念して考案された
メニューだという。
a0196876_20242773.jpg

[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-03 19:00 | 食べ物(ラーメン編)

フランス映画
『奇跡のひと マリーとマルグリット』


フランスに実在した、盲ろう者の実話物語だ。
勿論、「手話」と「触手話」が出ている。
マリー(盲ろう者)役には、本物のろう者を
起用している。

2015年6月から、東京などを初め、
順次、全国公開される。






〔参考記事〕


『「盲ろう者」について』
〔2011-04-09 09:34〕




『コミュニケーションは、人間が生きるために必要なもの』
〔2012-02-18 01:19〕




『『ヘレン=ケラー自伝』
(ヘレン=ケラー/著 今西祐行/訳)(1/5)三重苦』
〔2014-05-01 20:00〕






【追記】(2015年6月21日)

映画館の入場券売り場には、
鑑賞券を買う人の列が出来ていた。
そのなかに、カトリックの修道女もいた。
日本語で誰かと話しているようだった。

その時私は、昔、中途失聴者・難聴者対象
手話講習会で出会ったKさんを思い出した。
Kさんはカトリックの修道院で奉仕活動を
していた。

Kさんが手話の勉強を始めた理由は、
まず自身が難聴になったことと、
もう一つの理由があった。
それは

「カトリックのろう者に、聖書を手話通訳して
ほしい」

という修道院からの要望に応えるためだった。

ところが、最初は挫折してしまう。
Kさんは山登りが好きで、手話を覚えるためにも、
ろう者の山登りの会に入会しようとする。
しかし、「難聴者です」と自己紹介しただけで、
あっさりと無視されてしまったのだという。
それで最初はショックを受けてしまった。

しかし、使命感のある人だったので、
ろう者に手話通訳をすることは、諦めなかった。
そしてとうとう、ろう者の手話を覚え、
使えるようになるまで上達した。

50歳を過ぎてからの手話学習・修得だったから、
相当の努力家だったと思う。
普通の難聴者だったら、ろう者の手話からは
逃げてしまう人がほとんどだというのに。



〔参考情報〕

『『ヘレン=ケラー自伝』
(ヘレン=ケラー/著 今西祐行/訳)(1/5)三重苦』
〔2014-05-01 20:00〕




『コミュニケーションの神秘性』
〔2011-08-30 00:40〕



「誰かとある形のコミュニケーションを保つこと、
友情をともにすることは、
絶望に身を任せるか、
限りない希望へと導くか、
二つの違いを生じさせるのである。」


          (スーザン・シャラー)



『言葉のない世界に生きた男』
(A Man Without Words)
【序文】オリバー・サックス
スーザン・シャラー(Susan Schaller)著
 中村妙子訳
(1993年6月25日発行,晶文社)より引用。

 →http://www.ne.jp/asahi/wtnb/2000/recommend/genre4/schaller.htm





『狼にそだてられた子』
(アーノルド・ゲゼル/著 生月雅子/訳
 家政教育社/発行)
1967年5月20日第1刷発行
アーノルド・ゲゼル
(元イエール大学教授ゲゼル児童研究所長)


「孤立児にはそのほか、社会学者のギングスリ・ディビス
が報告した二例がある。
一例は先天性の精神薄弱らしいが、もう一つの
例は興味がある。
これは耳も口も不自由な母親といっしょに、
暗い部屋のなかに、六年半も入れられていた
コドモであるが、発見されたときには、
まったく人間らしさがなく、白痴のような状態で
あった。
しかし、じゅうぶんに学習させた結果、
二年後にはじゅうぶんに話をすることが
できるようになり、知能指数(I・Q)は三倍にも
達し、十四才にはまったくふつうの頭のコドモ
になっていた。」
(P10~11)



この本の話は、現在では「ウソ」だとされている
らしい。


『世界が騙された「オオカミ少女」というウソ』



しかしそれでも、人間が人間社会で生きていく
ためには、適切な教育が必要だということは
確かだろう。

ヘレン=ケラーも、サリバン先生からの教育を
受ける前は、野生児のように暴れていた、
という自伝記録がある。


耳の聞こえない赤ちゃん』
〔最終更新日 2004.01.26 08:48:19〕



『【感動の話】 あるろう者の苦悩と、幸福観』
〔2015-04-02 23:06〕




マリーは36才の生涯ながらも、マルグリットとの
物語は映画『ゆずり葉』(※)を思い出させるものだった。
マルグリットからマリーへ、そして次の盲ろう者を
この修道院が受け入れ、手話で教育していったそうだ。
そのあたりは、映画『ゆずり葉』を思い出す。


(※)
全日本ろうあ連盟創立60周年記念映画
『ゆずり葉』




また、手話言語法の必要性を強く感じさせる
映画でもあった。


『「教育をしない者の罪」
 教育に捧げた人生 ―古河太四郎 生誕170年―』
〔2015-05-21 19:30〕



聖書に

「光があるように」

といった言葉がある。
マルグリットの人生にとって、マリーが「光」
となった。
マリーにとってもマルグリットが「光」だった
ようだ。

では「言葉」は何だ?
それが「聖霊」の働きの一つなのだろうか?
[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-02 19:44 | ろう者世界

新宿駅の鳩


新宿駅。

ある日、あるおじさんが、ポップコーンみたいな
食べ物を広場にばら撒いていた。

当然、人に慣れた鳩が多いこの場所だから、
多くの鳩が群がっていた。

そのおじさんは、ホームレスなのかもしれない。
近くには、たくさんのホームレスがいるから。

別のある日の朝、鳩たちは同じ広場でエサを
捜し歩いていた。
白いものがたくさん散らばっていて、
鳩たちはそれを何度も何度も嘴で突いていた。

どうも、エサと勘違いしているみたいだった。
一羽の鳩がそうしていると、なぜか他の鳩も
同じようにしている。
同じタバコの吸殻だということも学習できないのか、
ポップコーンのようなエサに似ているからといって、
つい嘴で突いてしまう習慣がついてしまっている
ようだった。
鳩の中には、片足だけの個体もあった。
足に障害を持つ鳩、目に障害を持つ鳩がいた。

これはもしかして、このタバコの吸殻が原因なの
だろうか?
しかし、鳩にはそんな危険性も、わかるはずがない。

ただ、おじさんが時々くれるエサが食べたいだけ
なのだ。
タバコの吸殻を、それと勘違いしてしまっているのかも
しれないのだ。

ホームレスのおじさんには、腹を空かしている鳩たち
の気持ちもわかるのかもしれない。
だが、その哀れみだけの行為が、鳩に危害を与えて
しまっている可能性もある。

人間だって、そうだろう。
[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-02 18:30 | 雑談

JAPAN補聴器フォーラム2015



【開催日】
2015年6月5日金曜日、6日土曜日


【開催時間】
5日金曜日:午前10:00~午後5:00
6日土曜日:午前9:30~午後4:00


【会場】
東京都立産業貿易センター・浜松町館
〒105-0022 東京都港区海岸1-7-8
TEL:03-3434-4242/FAX:03-3434-4648
(JR・東京モノレール浜松町駅から徒歩5分、
ゆりかもめ竹芝駅より徒歩2分)


【入場料】
無料
※一部イベント・セミナーについては事前の
参加登録・申込が必要です。
※出展社セミナーに関しては参加登録・申込が
必要です。


【主催】
一般社団法人 日本補聴器販売店協会


【後援】
厚生労働省
文部科学省
独立行政法人国民生活センター
一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会
一般社団法人日本聴覚医学会
一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会
一般社団法人日本医療機器産業連合会
公益財団法人テクノエイド協会
一般社団法人日本ホームヘルス機器協会
公益財団法人日本補助犬協会
一般社団法人日本補聴器工業会
特定非営利活動法人日本補聴器技能者協会
InternationalHearingSociety日本支部


【共催・賛助
補聴器メーカー(50音順)】

オーティコン株式会社
コルチトーン補聴器株式会社
ジーエヌリサウンドジャパン株式会社
スターキージャパン株式会社
ニュージャパンヒアリングエイド株式会社
バーナフォン株式会社
パナソニック補聴器株式会社
フォナックジャパン株式会社
リオン株式会社
ワイデックス株式会社


【共催・賛助
人工内耳メーカー(50音順)】

株式会社日本コクレア
株式会社日本バイオニクス
メドエルジャパン株式会社


【補聴器周辺機器メーカー(50音順)】
IDEX株式会社
株式会社エントリージャパン
株式会社自立コム
株式会社ソナール


【電池メーカー(50音順)】
ファルタマイクロバッテリーPte Ltd日本支社
レイオバック


【団体】
一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
一般社団法人日本補聴器工業会
公益財団法人テクノエイド協会
特定非営利活動法人日本補聴器技能者協会


【予定来場者】
2000名


【対象者】
一般消費者
補聴器ユーザー
補聴器販売従事者
医療・教育・介護関係者


【開催企画】
展示イベント
基調講演
パネルディスカッション
エキスポ(補聴器、補聴器関連機器展示会)
補助犬デモンストレーション
第2回音を感じる写真展
第2回子供たちが考える補聴器の未来図作品展
補聴器コンシェルジュ・相談コーナー


【一般向セミナー】
消費者セミナー
耳ときこえのセミナー
介護福祉セミナー
日本教育オーディオロジー研修セミナー
人工内耳セミナー
全難聴セミナー
日本補聴器販売店協会講習会
出展社セミナー



記載情報は予告なく変更する場合がございます。




==========================




特に障害者手帳のない聴覚障害者の場合は、
補聴器は就労に必ず必要な仕事道具だ。

しかも障害を隠すわけだから、補聴器の性能、
フィット感がいいに越したことはない。

補聴器をしていても長髪にして隠し通せば、
クローズで一般就労できないことはない。
だから肝心なのは、補聴器に尽きる。

このイベントは、補聴器選びにじっくりと取り組める
チャンスだろう。




〔参考情報〕

難聴でも成功できる
『本当は難聴の人口は多い?』
【補聴器ユーザー数としての日本の難聴者人口】





ガジェット通信
『日本の補聴器装用率は欧米の半分以下
 ハンディキャップへのタブー意識が問題』

〔DATE:2013.03.03 21:35 BY: 中将タカノリ〕





『身体障害者手帳のない聴覚障害者(難聴者)は、
どうやって就職するのか?』
〔2013-01-16 18:00〕





『『「耳の不調」が脳までダメにする』(中川雅文/著)』
〔2014-07-29 18:30〕

[PR]
by bunbun6610 | 2015-06-01 21:12 | 補聴器、福祉機器等