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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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2014年12月25日(木)


私が厳しく指導するものだから、
Kさんは前よりも仕事を積極的に
やるようになった。

本当は、もうKさんにも、
指導も何もやりたくはないのだが。

反対に、Yさんのほうは、完全に諦めている。
完全な差別教育だ。


しかし、前に教えたことをまたすっかり
忘れているので、私はKさんに、
またさらに厳しく叱ってしまった。

それを見ているYさんは、
ただニンマリとしている。

私;「Kさん。
あのですね、私が前に教えたことを
覚えていますか?」

Kさん;「は?」

私;「この前に私があげたリストを
出してみて下さい。」

Kさん;「はい。」

(Kさんは商品カタログのリストを出す。)

私;「この表に、本カタログとナビ・カタログと
価格表ってあるでしょう。
これを自分で在庫チェックしてから、
それぞれの発注量を決めるのですよ。
それをあなたは、やっていないじゃないですか。」

Kさん;「・・・・・。」

私;「理解していますか。
それが、あなたの仕事なのですよ。
カタログのことはあなたに任せているのだから、
あなたが一人でできないと。
あなたの今の仕事では、あそこに余っている
在庫はどうするのですか?」

Kさん;「・・・・。」


その辺りまで言うと、Fさん(健常者)が
また割り込んできて

「まだ初めてだから、わからないんです。
私が教えますから・・・」

と言う。
こんな簡単なことでも、何度も何度も教えなければ
ならないKさんって、一体何の障害を持っている
のだろうか。


このことを、後で人事総務部のKさんに相談してみた。
だが、KさんもFさんと同じように考えていた。
状況を説明すると、Kさんも

Kさん;「教えている時、Kさんはメモを取っている?」

私;「取っていないです。」

Kさん;「・・・・」(考え込む)

私:「やる気があるのかどうかは、
見ればすぐにわかりますよ。」

Kさん;「でも、まだ3ヵ月だろ。
もう少し様子を見てみないと・・・。」

人事総務部・Kさんも、Kさん(障害者)をかばう意見だ。
どうも

「本人が少しずつでもやっているのならば、
それでいい」

と思っているらしい。

のんびりし過ぎではないか。
これでは「健常者と対等に」なんて、
とても無理だ。

そういえば、過去にBさんという、
軽度の脳性マヒ障害者がいた。

彼も最後は雇止めだったが、
助成金が出る2年間だけは
好きに居られたようだ。

やはり“職場内障害者授産施設”のつもりで、
会社はその範囲で雇っているのだろうな。

最後にKさんに

「では私は障害者に見えますか?」

と聞いてみた。
Kさんはハッキリと

「見えない」

と言う。
私は

「それはそうでしょうね。
私はもともとは健常者と一緒に働いてきたので、
厳しいところでやってきました。」

と言った。
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by bunbun6610 | 2014-12-25 21:11 | 就労後の聴覚障害者問題E

2014年12月25日(木)


朝礼で、珍しくAOYAさんが皆に挨拶をしていた。
何かあったらしい。

後でYさんに筆談で聞いてみると、
人事異動があったという。
しかも、また一気に3人減るという。

メンバーは第二グループのAOYAさん、
MORさんとABIさんだ。

これでT部は、またさらに戦力ダウンする。

T部消滅へのカウントダウンがまた進んだと、
残っている皆は、すでに感じ取っているだろう。

私も来年早々に、ここを去ることが決まっている。
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by bunbun6610 | 2014-12-25 20:22 | 就労後の聴覚障害者問題E
2014年12月24日(水)


D上司からの指示を受けて、私はKさんに
商品カタログの仕事を全て、親切に教えた。

しかし、Kさんはいつまでたっても消極的で、
受け身の仕事しかしない。

例えば、商品カタログの在庫が減っているのに、
それを定期的に、自らチェックしない。
だから発注もしないままでいる。

無くなってきてから誰かに言われて発注する、
という具合である。

発注をしても「●●を50部頼むよ」と言われたら、
それを単純にやるだけなのである。

すでに何回も教えたはずなのだったが、
それをやらないとか、1つの商品カタログにも
数種類のアイテムから成っていることを
まだ理解せず、本カタログだけを発注して
他のアイテムを注文しなかったり、
在庫の過不足を確認せずに、
ただ言われるままにパソコンで発注していた。

納品時も自分で発注通りに届いたか確認せず、
業者任せにしている。

それで後になって

「ナビカタログが●●部不足しているよ」

「価格表は●●部多いよ」

とか、カタログ作業をする人からの苦情が
絶えない。

Kさんの先輩であるFさん(健常者)は、
初めは

「まだ最初のうちだから、(Kさんは)全部
覚えていない」

と言ってかばっていた。

けれども、教えたのはもう一度や二度ではない。
くり返し教えていたことでも、
Kさんはすぐに忘れてしまうのだ。

これはYさんとほとんど同じだ。
自分から積極的にやる気がないのであるが、
それにしても頭が悪過ぎると思う。

「Kさんの頭には何か、発達障害とか知的障害
とかも入っているんじゃないか」

と疑いたくもなってくる。

そもそも、この発注業務なんていうのは、
足し算引き算が出来る人ならば、誰にでも
出来る仕事だ。
つまり、小学生でも出来る仕事なのだ。

それが一人で出来ないということは、
やはり頭が幼稚だから、としか思えない。

Kさんの障害はどうも、知的障害とか
高次脳機能障害とかではないようなのだが、
ここまでバカだと、それも疑わしくなってくる。

私もそろそろ、何度も教えるのがウンザリして
きたので、もうKさんも放って置くことにしようか
と思うようになった。

D上司も実は精神障害者で、
これまた頭がヘンなようなので、
相談相手にはならない。

それでも、先輩が諦めるわけにもいかないので、
今度は人事総務部のKさんに相談してみようかと
思った。
Kさんには人事権があるので、
漏らせばこの人たちにはヤバイことになりそう
なのだが。


ハローワークの障害者枠求人票でも「必要な経験等」
という欄には、例えば

「社会経験がある人」

「社会人として自立している方」

「自主性を持って仕事に取り組める方」

といった条件が書かれている場合がある。
ユニクロの求人票にも、よく見かける文言だ。

こんな当たり前なことがなぜ、わざわざ書いて
あるのかというと、やはり障害者には甘えている
人がまだまだいるからではないだろうか。


例えば、レストランで働いていたとして、シェフが

「明日はパン20個」

と言ったら、障害者は

「はい、わかりました」

と言うだけの人が案外いる。
しかし、職人はパンが作れるだけではダメなのだ。
シェフの考えていることを理解し、
それに合わせて実現していく実行力が必要である。

それには、必要な情報は自分から聞いていく
コミュニケーション力が必要なのだ。

聴覚障害者の場合には、これが劣る人もかなりいる。
ハンディがあることは事実である。
しかし、それを言い訳にしては勤まらないのが、
プロの世界なのである。
それにはやはり、聴覚障害者心理を自ら克服する
力が必要だ。

焼きたてのパンをお客様に出したいと思っている
ならば

「パンは何時に焼き上げればいいですか?」

と聞くのが当たり前だ。

客層によっては、パンの大きさを変えることが
今までにあったのなら

「パンは1個何グラムにすればいいですか?」

と聞くだろう。

量が幾つあれば足りるかも、自分から聞く。

「『20個』は最低量ですか?
それとも、20個あれば十分ですか?」

などと、自分から聞くコミュニケーション力が
必要なのである。
だからパンをつくる腕があるだけではダメなのである。

前述したKさんの事例も、これとまさに同じである。
Kさんの仕事ぶりは、まだ半人前、いや、
それ以下なのである。

「健常者も障害者も関係ない」

とよく言われるが、それはこういう意味なのである。
Kさんは、言われたことをただやっているだけに
過ぎない。
だから、自分で責任を持って、その仕事を完遂
していない。

聴覚障害者には

「耳が聞こえない」という重いハンディがあるけれども、
それを恐れずに、口話も筆談もどんどん使って、
健聴者とのコミュニケーションを積極的にしてほしい。

でも、もしそれを幾らやってみても、
どうしても相手にされない職場だったならば、
さっさと転職したほうが賢いかもしれない。

たった一人でその職場環境を変えるというのは、
非常に難しいからだ。
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by bunbun6610 | 2014-12-24 21:35 | 就労後の聴覚障害者問題E

2014年12月24日(水)


出社したら、今日も仕事がない。
するとすぐにD上司が来て

「今日は仕事がないな。
これからハローワークへ行って、
仕事を探しに行く?」

と筆談してきた。

こんなことが、もう何回も続いている。
他の人(障害者も含めて)はもちろん、
仕事がなくてもそんな事は言われないが、
D上司は私にだけ言う。

気を遣っているつもりなのだろうが、
言われる方からするとこれは辛い。
D上司には、それがわかっていない。

人事から、すでに雇止めの通告を受けている
のだから、直属上司からも標的にされるように
なった。
これはもう、ユニクロの石尾さんの事例と同じだ。(※)



(※)
『ユニクロの障害者雇用いじめ・パワハラ問題について』
〔2014-04-27 18:30〕




こんな上司はブン殴ってやりたくなるが、
我慢しないと自分が損をする。

上司の言われるままに早退すれば、
それだけ自分の収入が下がるだけでなく、
もし失業給付をうけなければならなくなった
場合にも、給付額は下がってしまうからだ。
だから、悔しくても今は、じっと我慢するしかない。
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by bunbun6610 | 2014-12-24 20:51 | 就労後の聴覚障害者問題E

抑止力としての障害

バリバラ特集ドラマ『悪夢』
(主演;ハウス加賀谷〔松本ハウス〕)

〔2014年12月5日21:00~放送〕

http://www.nhk.or.jp/baribara/special/akumu.html



このドラマには、

「食べれば、どんな障害でも治る果実」

が出てくる。

おそらく、どの障害者にも

「もし、この障害が治せるならば・・・」

と思ったことがあるだろう。

それを食べれば、どんな障害でも治ってしまう
のだという。
ただし、それは自分のそれまでの過去の記憶と
引き換えになるのだという。

健常者になれるが、食べる前にあった記憶も全部
失う、ということだ。
障害者としての、自分の過去は消えるのだ。
だから、その過去へ戻りたいとも思わないだろう。

これは障害者にとっては、極めて現実的な話かも
しれない。
「記憶を失う」とは大げさでも、本当に怪我と
同じように障害も治ってしまったなら、
障害のことも忘れてしまうに違いない。
健康の有難さ、病気も怪我も、治った後に忘れる、
と健康な人も言うくらいだから。

その果実を渡されたのは、統合失調症という障害を
持つ真(まこと)である。
真は『健常者お断り』という不思議なラウンジで
知り合った障害者から

「食べるか、食べないか」

についての、各人各様の意志を聞く。
これはテレビドラマだから、その言葉が本音なのか
どうかは、私は知らない。

「食べる」と答えた障害者の気持ちも、
「食べない」と答えた障害者の気持ちも、
どちらもよく分かる。

注目すべきなのは

「自分がもしまだ少年だとか、若かったならば、
食べていたかもしれない」

という玉木さんだが、年齢を重ねた障害者ほど
「食べない」を選択するようにと、変わってくる。

つまり「障害の受容」には誰もが、それなりの時間が
かかるものだ、という点も見逃せないだろう。



ヘレン・ケラーは“三重苦”のうち、どれか一つだけ
治せるならば

「耳が欲しい」

と言ったそうな。
おそらく、耳が聞こえるようになるだけでも、
随分変わるだろう。
もし、耳が聞こえていたら、あるいは幼少期から
耳が聞こえるようになったならば、サリバン先生や
ベル博士との出会いはなかっただろう。
耳が聞こえるようになったらやりたいことがたくさん
できて、ベル博士との友情も、あれほど育たなかった
かもしれない。
あの記憶が体験後も、ヘレンにとって大切だったのは
間違いない。



『哀れみはいらない―全米障害者運動の軌跡』
(著者: ジョセフ・P. シャピロ /現代書館)


 →http://booklog.jp/users/miyamatsuoka/archives/4768434185


では、次のような話がある。

「ギャローデット大学の巨漢でカナダ出身の
フットボール選手、ジョン・リムニディスは、
映画『愛は静けさの中に』で端役を
演じたこともあるろう者だが、こう言う。

「耳が聴こえないことは障害ではありません。
むしろ文化です。
手話は別の言語です。
私は、耳が聴こえないことを誇りに思っています。
もし万が一耳が聴こえるようになる薬があっても、
決して飲まないでしょうね。
決して、決してね。
死ぬまで絶対飲みませんよ。」


これは、ろう者であることを誇りに思っている事例だ。



盲ろう者の福島智氏は、次のように話しているそうだ。

涜書録
『『ゆびさきの宇宙 福島智・盲聾を生きて』生井久美子』

〔2010/5/17(月) 午後 6:15〕

http://blogs.yahoo.co.jp/okia37/32616106.html


いずれも、障害を必ずしも、自分自身にとっては
負のものとは受け止めていないようだし、
むしろ障害を自己のアイデンティティとして、
しっかりと取り入れている、と思う。
彼らにとっては、障害も自分の一部だからだろう。

でも私は、障害も、その記憶を捨ててでも、
生まれ変わりたい、と思う。
そして健常者として、自分がやりたいことを
思い切ってやりたい、と思う。
障害者とすれ違っても、そんなヤツは無視して、
差別もして、ただ自分のやりたいことだけに
没頭するだろう。
それが“健常者の特権”だから。

「それを手に入れたい」

と思っている私がいる。

自由に生きる権利を、自由に使いたい。
この世で生まれたからには欲望と快楽を、
もっと追求したい。
そう思っている自分が、自分の心の中にいる。

だが、障害者としての人生を経験してしまった、
もう一人の自分がいる。
その両者が、自分の心の中で戦っているのだろう。
そして、それが苦しみとなって、自分に顕れている
のかもしれない。

このブログで情緒不安定が露呈しているのは、
そのためだろう。
下手をすると、今流行の“イスラム国”に
傾倒しかねない。

つまり、自分の心の中に神と悪魔がいて、
戦っているようなものだ。
自分はそのどちらでもない。
しかし、自分がそのどちらかに加勢することは
できるだろう。

ただし、加勢したほうに、自分は従わなければ
ならないのかもしれない。
どちらかにつけば、結局、
どちらかに支配されてしまうに違いない。

今、強いのは悪魔のほうだ。
その悪魔は「おまえも食べろ」と言っている。
しかし、弱い神のほうは、何も語らない。
私の心は、食べたいほうへ大きく傾いている。
この世の勝者になりたいのなら、
食べるが勝ちなのだとわかっている。

けれども

「それが、自分の進むべき道なのか」

という、迷いも続く。


高校の時、国語の教科書で、矢内原伊作の
『自己について』(確か、こんな表題)という
著作を読んだことがある。

そこにある、最後の言葉(結論)は

「自己を棄てる者こそ、自己を獲得する」

だった。

これはキリスト教の

「一粒の麦もし死なずば・・・。」

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1132891496

と、共通点があるようだ。

「自己」とは、一体何か?
それをどう考えるかで「障害が治る果実」を
食べるか食べないかの答えが出る、と思う。

玉木さんが「正解はない」と話していたが、
その通りだと思う。


私は、小学校の教科書で読んだ『杜子春』
(芥川龍之介)

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/170_15144.html


がとても好きだ。
この小説に、私の答えがある。


障害という、この世にあるもの、そして自分自身
にもある弱さは、自己抑制力にもなっている。

正直に言って

「『聴覚障害』なんてもう踏み潰してやりたい」

と思う毎日だ。
だが、それを踏み潰したら、
もう弱さを認めようとする、
今までの自分ではなくなる気がする。




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by bunbun6610 | 2014-12-23 18:30 | Eテレ『バリバラ』
聴覚障害者と個人情報漏洩問題


ある日イヤー・モールドがとうとう壊れてしまった。
もうだいぶ老朽化していたので、
新しいものに交換せざるをえなくなっていた。

なじみの補聴器屋さんに、イヤー・モールドの
耐用年数は決まっているのかどうか、聞いてみた。

補聴器屋さんの返事は

「福祉補助は地域(の役所)によってまちまちですが、
イヤー・モールドの耐用年数は決まっていないと
思います。
自分の地域の役所に聞いてみてはどうでしょうか?」

という。

そこで、役所に聞くことにした。
依頼文書を作って、役所の障害者福祉課のFAX番号
を調べた。

インターネットで役所のホームページを見たら、
今は各課にも専用の電子メール・アドレスがあるらしい。
それで、そのアドレスに電子メールで送信してみた。

ところが、待っても返事が来ない。
FAXのほうがいいのかと思い、FAXでも送ってみた。

FAXは確かに「1枚送信しました」と、FAX機に表示が
出たのだから「送信が成功したことは間違いない」と
思っていた。

そして、何日か待って休日も明けたらなぜか、
郵便で返事が届いた。
返事の内容は、おおよそ次のように書いてあった。


①補聴器屋さんに補聴器の状態を見てもらい、
見積書を作ってもらう。

②その見積書を、役所に送る。

③その次に、聴覚障害者が申請書を書いて、
それを役所に送る。

④役所は、見積書と申請書がそろったことを
確認したら、支給券を申請者へ送る。

⑤それから、修理、または交換が実現する。



ともかく、電子メールだったのかFAXだったのか、
それとも両方うまく届いたのかはわからないが、
役所に届いたことは確かだった。

それにしても、手続きだけで、こんなにかかる
のだとわかり、二度ビックリした。

そして今回、一番問題になったことを、これから
書くので、よく読んでいただきたい。



(役所からの、私宛の文書)
●●様

(追記)
■月■日に××××××××××(FAX番号)へ
FAXしました。(メールでいただいた連絡先です)

●月●日にいただいたFAX文書に記載してある
×××××××××▲(FAX番号)へFAXしたところ、
未送信になりました(送信できませんでした)」



とある。
さらに


「このFAXを見ていただきましたら、
TEL又はFAXでご連絡下さい」



とある。
実際はFAXではなくて郵便でポストに
入ってきた文書(役所の封筒入り)だ。
こちらはFAXなのに、なぜ役所はわざわざ、
郵便でやりとりするのか?

何だかよくわからない事情があったようだ。

とりあえず、こちらは指示通りに、FAXで
「受け取りました」という旨の文書を送信した。

その後、事情を聞こうと、会社を休んで役所
に行き、直接聞いてみた。
応接してくれたのは、障害者福祉課のK係長
(健常者)だった。


私;(声)「この前、イヤー・モールドの件でFAX
しました●●です」

K係長;(声)「はい、どうも」
(みたいな、声だけの返事。
私が聴覚障害者だということは、FAXでの
やりとりで、知っているはずだが)

私;(声)「この前に私が送りましたFAXは、
届きましたよね?」

K係長;(声)「はい」

私;(声)「でも、返事は郵便でしたよ。
なぜだったのでしょうか?」

K係長;(声)「その郵便は、私が送りました。
●×▲◇★◎■・・・・・。」
(みたいなことを言っている。
「私が」のジェスチャーがあったので。
後はわからなかった)

私;(声)「あの・・・私は補聴器をしても聞き
取れない障害を持っているのですけれども・・・。」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(声でしゃべるだけ)

私;(怒声)「ですからね!」
(怒る。
そして、自分の紙とペンを出して、筆談を始めた)

私;(筆談)「初めは電子メールで送ったのですが、
なぜ電子メールで返事が来なかったのでしょうか?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(また、声で話すだけ)

私;(怒声)「ちょっと! あんたはなぜ、
ここにいるのか?!」

K係長;「・・・・?!」
(びっくりする)

私;(声)「『障害者福祉課』っていうのは、
役に立たない落ちこぼれが配属される部署
なのかね?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(オドオドしながら、何か言っている)

私;(声)「今、何をすればいいのか、
わかってる?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(声でしゃべっている)

私;(声)「だからね・・・。
私は聴覚障害者なんですよ。
それなのに、あなたは声でしゃべるんですか?
手話通訳者は今、どこにいる?」

K係長;(声)「●×▲◇★◎■・・・・・。」
(キョロキョロしてから「今、いません」という
ふうに言っている)

私;(声)「手話通訳者がいないと、あなたは
何もできないのですか?
では、あなたは何のためにここにいるのですか?」

K係長;「・・・・」
(無言で、困った顔をしているだけ。
それから、やっと、近くにあった筆談ボードを
取って、筆談する)

K係長;(筆談)「最初、あなたが送ってくれた
FAX文書にあった×××××××××▲(FAX番号)
に送信しましたら、送れませんでした。
それで、××××××××××(FAX番号)で送ったら、
送れました。」


(注)
・最初に送った電子メール文の、私の
××××××××××(FAX番号)は正しかった。

・2度目に送ったFAX文書の×××××××××▲
(FAX番号)が、実は私のミスで間違っていた。



私;(声)「え? でも、私のところにFAXは
届いていませんよ。」

K係長;(筆談)「一応、手紙でも郵送しました。
それがそれです。」

私;(声)「何でFAXは届かなかったのだろう?」

K係長;「・・・・」
(「さぁ・・・?」の表情)

私;(声)「FAXは、ちゃんと送れたのならば
『●枚送信しました』とか、FAX機器に必ず表示が
出ますよ。
それを、ちゃんと確認しましたか?」

K係長;(筆談)「しました。」

私;(声)「送信成功ならば、私のFAX機器にも
送られてきます。
そうしたら、私のFAX機器にも受信ランプが点滅し
続けるのです。
私がそれを印刷するか消去するか、処理するまでは
ずっとね。
でも、何もありませんでしたよ。
なぜでしょうね?」

K係長;「・・・・」

私;(声)「私は最初、電子メールで文書を送りました。
それはなぜ、返事がなかったのですか?」

K係長;(筆談)「電子メールは、決裁に時間がかかって
しまうからです。」

私;(声)「そうなの? それじゃ、FAXは?」

K係長;(筆談)「FAXのほうが早いです。」

私;(声)「しかし、結果的には、FAXは私のところには
届いていないし、こんなに時間がかかってしまいました。
電子メールだと決裁は何日かかるの?」

K係長;(筆談)「3日ほどです。」

私;(声)「なら、そんなには違わないね。
そのことをまず、電子メールで私に返事・確認をすれば
良かったんじゃないですか?」

K係長;(筆談)「役所ホームページには『障害者福祉課』
の電子メール・アドレスになっていても、実際はその
アドレスではないんです。
まず代表のアドレスに届いて、それから障害者福祉課
へ振り分けられるようになっています。」

私;(声)「電子メールだと、遅くなるの?」

K係長;(筆談)「そんなことはないです。」

私;(声)「なら、まず電子メールで伝えてみれば良かった
じゃないですか。
それで駄目だったら、FAXでやってみればよかった
んじゃないでしょうか?」

K係長;「・・・・」
(返答に窮する)

私;「これがもし、至急案件とか、命に関わることだったり
したら、大変なことですね。」

K係長;「・・・・」

私;(声)「今後は、どうしたらもっとスムーズにいくので
しょうか?」

K係長;「・・・・」

私;(声)「障害者福祉課専用の携帯電話とかないですか?」

K係長;(筆談)「ないです。」

(K係長は、しばらく考えてから、名刺を持ってくる)

K係長;(筆談)「この名刺にある電子メール・アドレスなら、
障害者福祉課へダイレクトにメールが送れます。」

私;(声)「これは、障害者福祉課の誰に届くのですか?」

K係長;(筆談)「全員のパソコンに届きます。」

それを聞いた私は

「ということは、これが本当の『障害者福祉課の
メール・アドレス』だったんだ・・・。
何で最初から、これを使わないのか?」

と思った。
そして

私;(声)「なるほど。
これならいいかも。」

K係長;(筆談)「これを使っている方もいます。」

私;(声)「今では固定電話、FAX機器を持っていない人
もいますしね・・・。」


この話を読まれた方は気づいたと思うが、重大問題がある。

一つは、電子メール・アドレスがあるにもかかわらず、
役所の都合で対応しなかったこととか、
その後の担当者の対応等にも問題があった。
こんな役所が災害時に役に立つとは、とても思えないだろう。


もう一つの疑問点が、私のところには実際、FAXが届いて
いないのに、K係長は「送信しました」と言っている矛盾点
である。
これで済むだろうか。

これは、役所が私宛に作成した文書を、誤って他人へ送って
しまった、という可能性が濃厚だろう。
役所がFAXをかける時、番号を間違えたとしか思えない。

皆さんにも、こういう経験はないだろうか。
民間会社ならば、こうならぬように、もっと厳しいルールが
あるはずなのだが。




〔参考情報〕


【お詫び】東京都しごとセンターにおける個人情報の流出について 

 (公財)東京しごと財団が運営する東京都しごとセンター
※(所在地:千代田区)において、同財団がミドルコーナー
(対象:30~54歳)の雇用就業支援業務を委託している
株式会社パソナの担当者が、東京都しごとセンター利用者
に対して、別の利用者の個人情報を誤ってメールで送信
する事故が発生しましたのでお知らせします。
 ご本人ならびに関係者の皆様には多大なご迷惑をおかけ
し、深くお詫び申し上げます。
 今後、このようなことがないよう、情報管理を徹底して
まいります。

 詳細は、こちらをご覧ください。

東京都公式ホームページ(報道発表資料)
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by bunbun6610 | 2014-12-22 18:30 | バリア&バリアフリー
丸の内ブリックスクエア『不思議の国のアリス』
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丸の内ビルディング『アナと雪の女王』
超人気・大混雑で入れませんでした。
でも、外からでもこんなにきれいです。
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『ホワイトツリー』
白と青の2色に変化する巨大ツリー。
前方に記念写真が撮れるステージがあります。
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東京ビルTOKIA ガレリア (丸の内2-7-3)
『ライティング・オブジェ』

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『東京駅』(昼)
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『東京駅』(夜)
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by bunbun6610 | 2014-12-21 23:48 | 観光(関東)
『精神障害者と“腐れ縁”になった聴覚障害者の2年間』


私が今いる職場も、ほぼ完全に音声言語社会だ。
だから聴覚障害者に対する健聴者の、
目に見えない“間接差別”は、すごいたくさんある。
まるで“差別”というシャワーを毎日浴び続けて
いるようだ。
毎日だから、嫌になってくる。

私は以前、D上司に商品カタログの一括管理を
自分がやりたい、と申し出たことがあった。
勿論、私にはその能力があった。
人事総務部のKさんも、その力があることは
認めていたようだった。

けれども、私に任されたのは、その業務の中の
ほんの一部分、つまり肉体作業の部分だけだった。

パソコンのスキルもあっても

「その作業は別の人がやるからいいよ」

と言われた。
初めは人事から

「パソコンの仕事もやってもらう」

と、入社前面接で聞いていたのだが、現場に入ると
その仕事は他の障害者に取り上げられてしまった。
理由は簡単だ。

「聴覚障害者には肉体労働をやってほしい」

とD上司が考えていたからだ。

こんなふうだから結局、新しい仕事はいつまで
経っても覚えられなかった。
まさに『スモールステップ、刻みすぎ』(※)だ。


(※)
『障害者雇用に合わせた“仕事を切り出す”ということ』
〔2014-09-30 18:30〕



これは、聴覚障害者に対して、非常によくある
差別事例なのだ。
耳が聞こえないからという、それだけの理由だけで、
多くの仕事が奪われてしまう事実が、いくらでも存在
するのだ。

だからそれは、決して聴覚障害者の能力が低いから
なのではない。
まず健聴者が、聴覚障害者の能力を過小評価して
いるところに原因がある。
それが周りの健聴者にも広がり

「聴覚障害者は何もできない、無能だ」

という見方も広まるのだと思う。

そして、そうした差別をしているのは、健常者だけ
ではない。
障害を持つ健聴者にも、実はたくさんいるのである。

これほどの孤立感を味わう障害者も、盲ろう者と
聴覚障害者を除いては、他にいまい。


私はそれでも、ずっと我慢して働いてきた。
そして、障害者が次々といなくなって、また新しい
障害者(健聴者)が2人(KさんとYさん)入ってきた。

彼らは、私より2年弱の後輩だが、耳が聞こえる
障害者だった。
だからD上司は、私にはやらせなかったカタログの
発注を、何と! Kさんに任せるようにしたのだ!
Kさんは入社してから、まだ3ヵ月しか経っていない!
それなのに! である。

一方、その時に、D上司が私に任せた仕事は
ゴミ捨てだったのだ。
たちまち、私のハラワタは煮えくり返った。

この鈍感な上司のことを言ってやろう。
このD上司も、実は精神障害者なのだ。
こんなに軽い障害なのに、なぜか精神障害者手帳を
持っている、という。
健常者と変わらないくらいだから、
とても信じられない。


だから実に、聴覚障害者の私は、精神障害者と2年
もの腐れ縁になっていた、ということになる。
精神障害のある人は他にも、Aさん、Yさん(※)がいた。 


(※)
AさんとYさんの勤務態度については

『職場内障害者授産施設』(2013年9月~2014年6月)

『職場内障害者授産施設 第二篇』(2014年9月~)

を参照。



D上司は彼らに対しても、非常に甘かった。
きつい仕事を指示するのはいつも、私にだけだった
からだ。
雑用も皆、私には頼むが、AさんやYさんには、
何もしていなくても頼まなかった。
だからこれが毎日、不思議に思えてならなかった。
「差別」だとは、最初からわかっていたが。
精神障害者のせいで、頭がおかしくなりそうなのは、
実はこっちのほうだったのだ。

今になって思えば、D上司は同じ精神障害者同士
には甘くしているのだと気がついた。
だから、T部はやる気のない精神障害者の天国
だったのだ。
この部署が「将来はなくす方向」だと人事総務部も
言っていた。
だから、いつまでも甘えていられるわけではない。
お陰で、私もリストラになってしまった。
腐れ縁もいいところだ。

それでも、考えてみれば、健聴者は悪気があって、
こんな差別的な指示をしたつもりではなかった
のだろう。

要するに、その障害者に残されている身体機能を
生かした選択の結果、耳の聞こえる障害者には
営業社員の世話、耳の聞こえない障害者には
ゴミ捨てがいい、と判断したのだろう。

その人の能力から判断したのでもない、
先輩後輩も関係ない。

ただ障害の種類や軽重があるから、
それによってスモールステップを図ることにした
のだろう。

でも、だからこそ私は

「もう、こんな会社は辞めよう」

と心に決めた。

実はこのような差別は、私に限らず、特にろう者には
昔からあるのだ。


昔、このような話を聞いたことはないだろうか。

昔は、年末になると、どこの地域でも道路工事を
やっていた。
噂を聞くと、予算を残してしまうと、次年度予算が
その分、カットされてしまうために、あのムダな
道路工事を毎年、年末になるとどこの役所でも
やり出すのだと言われていた。

バブル期に向かう高度成長期に、こういうムダな
ことをやっていたから、今になって膨大な借金
(1000兆円以上)になってしまったのだろう。

実は、私が今いるこの職場でも、それと同じよう
なことをやっているのだと、私は思っている。

その道路工事が、今の聴覚障害者雇用なのだと
言いたい。

当然、この聴覚障害者雇用には、意味などない。
健聴者は、自分たちが楽をしたいから聴覚障害者
にいてほしい、と思っているだけなのかもしれないのだ。
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by bunbun6610 | 2014-12-21 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題E
『民間ホテルが、パティシエに求めているものとは何か』


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ハローワーク 専門援助第二部門
障害者枠求人票より


求人票(フルタイム)

紹介期限; 平成27年1月31日

求人番号; 13090-48899741


〔1.求人事業所名〕

事業所名; 日本ホテル株式会社

所在地; 〒171-0021
東京都豊島区西池袋1-6-1

就業場所; 事業所所在地に同じ 転勤の可能性なし

豊島区西池袋1-6-1
(池袋、飯田橋、丸の内、東京、ホテルメッツの
いずれかのホテル)


〔2.仕事の内容等〕

職種; (障)調理師

仕事の内容; 
洋食調理 または パティシエ

* 募集は、洋食調理、パティシエ 各1名。

雇用形態; 正社員以外 嘱託社員(1年毎更新)

雇用期間; 雇用期間の定めあり
12ヶ月
契約更新の可能性あり

学歴; 不問

必要な経験等; 実務経験5年以上
*ウエディングケーキ製作経験がある方 尚可

必要な免許・資格; 不問

年齢; 不問


〔3.労働条件等〕

時間額; 160000円~230000円

賃金形態; 日給月給

通勤手当; 実費(上限あり)
毎月30000円まで。

昇給; あり

賞与; なし

加入保険等; 雇用 労災 健康 厚生
 財形 退職金共済

退職金制度; あり(勤続3年以上)

就業時間; (1)8:00~16:40
(2)14:20~23:00

就業時間に関する特記事項;
他シフトあり。8時~23時の間でシフト制
[7:40労働(8:40拘束)]

時間外; あり  月平均10時間

休憩時間; 30分

休日等; 休日 他 週休二日制 その他

休日 その他の場合; シフト制による。

6ヶ月経過後の年次有給休暇日数;

求人条件特記事項;
障害者用設備
1.エレベーター (有)  2.出入口段差 (有)2cm
3.車椅子移動 (不可)  4.階段手すり(有)片側
5.点字表示 (無)  6.トイレ(洋式)

※ 始業時間について
表記の就業時間(1)(2)はシフトの一例です。
他のシフトもあります。

労働組合; なし

定年制; あり 一律60歳   勤務延長なし
再雇用あり 65歳まで

利用可能託児施設; なし

育児取得実績; あり

介護休業取得実績; あり

看護休暇取得実績; あり

年間休日日数; 106日

就業規則; あり


〔5.選考等〕

採用人数; 通勤2人

選考方法; 面接

応募書類; 履歴書(写真貼付)
備考欄参照。

日時; 12/17(水)13時~

選考結果; その他

結果の通知方法; 郵送 電話

試用期間; あり 試用期間3~6ヵ月
(パート:時給900~1200円)
労働条件変更あり


〔備考〕
いけぶくろ障害者就職面接会求人
日時; 12月17日(水)13時~
会場; 豊島区民センター(池袋駅から徒歩5分)
豊島区東池袋1-20-10

応募ご希望の方は、ハローワーク池袋専門援助
第二部門までご連絡下さい。
面接時間を設定いたします。

※応募書類に障害名・等級等を明記するか、
または障害者手帳の写し(必要な部分のみで可)
を添付してください。


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このホテルの求人は、コックとパティシエの、
各1名ずつの募集だ。


>「必要な経験等; 実務経験5年以上
* ウエディングケーキ製作経験がある方 尚可」


を見てほしい。
この年数経験者だと、一応は一人前レベルの
パティシエだし、ウエディングケーキ製作もできる
職人となると、それなりの実力者である。

ところが、待遇のほうを見てみると、意外にも


>「試用期間; あり 試用期間3~6ヵ月
(パート:時給900~1200円)
労働条件変更あり」



となっている。

異常なほどの低評価から始めなければならない
ので、これでは優秀な人は集まらない。

実際、応募状況を探ってみると、応募者はわずか
1名だという。
不人気の理由は、高レベルの能力の割りに、
低過ぎる待遇のせいだろう。


>「ウエディングケーキ製作経験者 尚可」

というのは、パティシエ志望の人に対してのメッセージだ。
パティシエ経験者ならば、先輩がウエディングケーキ、
バースデーケーキなどのデコレーションをして

「これができなきゃ、パティシエはつとまらないんだぞ」

「これができなかったらパティシエだって、
メシを食っていくことなんかできないんだぞ」

などと言われたことがあるはずだ。
このホテルだって、例外ではない。

ホテルというと、やはり大きな宴会の予約が
取れないと、収益は上がらない。
そのためには、お客様からの幅広い要望に応える
ことが出来るプランを用意しておかなければならない。

となるとやはり、結婚式は重要である。
この時の華ともいえるのが、ウエディングケーキ
ではないだろうか。

だから、どこのホテルでも、この作り手が必要だ。
つまり、これもパティシエに必要な技能であることは
確かだ。

「本当はこんなものは作りたくない」

と思っている菓子職人は多いが、カネがもらえる
仕事とはそういうものなのだから、
仕方なくやっている菓子職人も多い。


この部分を語るにあたり、思い出すのが、
ろう者画家・八木道夫氏(東京都町田市)の言葉だ。(※)


(※)詳細は

Eテレ
ろうを生きる難聴を生きる
『人生を描く ―ろうの画家・八木道夫―(後編)』
〔2014年9月14日(日) [Eテレ] 午後7時30分~7時45分〕
番組ダイジェスト


参照。




(ナレーション)
「肖像画だけでなく、さまざまな分野にも挑戦して
いきました。
ふすま絵や掛け軸、びょうぶ絵まで、あらゆる注文
に応じました。
依頼主の期待に答えたいと、寝る間も惜しんで
技術を磨いていったのです。」

(八木さん)
「それはプロだからです。
どんな注文でも受けるのが、本当のプロだと思って
います。
プロでも、それはできないと断ってしまう、
私は肖像画専門だから、できないと断ってしまうのは
プロではない。
何でも描く。
心の中で、すべて描けると思うこと、それがプロだと
思うんです。」



世の中には、色々なアーティストがいる。
けれども、ホテルが望むパティシエというのも、
おそらく2タイプに偏重しているのではないか。

一つは、カリスマ的存在のシェフ・ドゥ・パティシエ。
コンテストやテレビ等で注目を集めたパティシエだ。

そしてもう一つは、八木氏のようなオールマイティな
仕事ができるパティシエではないか。


だが、このホテルの求人票を見るとやはり

「これだけ高い能力が求められているにも
かかわらず、なぜ試用期間がこんなに長いのか?
なぜパートタイマーからで、こんなに低い給料なの
だろうか?」

などという疑問を持つ。

「信じ難い求人票」

と言ってもいいくらいだ。

それでも、とりあえずは面接会へ行ってみた。
それが、以下の通りである。


=============================



【実際の通訳文】
( 要約筆記文なので、わかりにくい部分もある。)


面接官; どうぞ。早いけど。
スギモリです。よろしく。
履歴書。拝見します。
●●さん。
希望は調理師ですか?

私; いいえ、パティシエのほうです。

面接官; 少しお待ちを。

(面接官が履歴書等に目を通す)

面接官; 質問です。
専門学校卒業後はパティシエの仕事をなさっていた?

私; いいえ。履歴書に書いてある通りで、
初めは料理の世界に入りました。
・・・(以下、省略)。

面接官; ここからは?
自分で店も? 1年間。

私; はい。しかし、物件の構造等に問題が
ありましたので、閉めました。

面接官; むずかしかった? 営業が?

私; (省略)。


面接官; 地域性の問題ね。
周囲は住宅地? マンション?

私; 住宅地の中のマンションの1階でした。
・・・(以下、省略)。

面接官; その後料理から離れた。
長かったですね。

私; 離れたくなって、離れたわけではありません
でした。
当時は今ほど、障害者雇用枠にまでパティシエの
門は広くはなかったのです。

面接官; パソコンは?

私; パソコンはできます。
マイクロソフト・オフィス(ワード、エクセル、メール)、
パワー・ポイント、他に画像加工を行うアドビ社の
フォトショップ等ができます。

面接官; そこから、今は? やめるの?
決まっていない?

私; 辞めるとは決めていませんが、やはり本来は、
自分のやりたいことではありませんので。

面接官; 今の仕事の内容は? ジム?
パソコンを使った、使ったりとか?

私; パソコンは今の仕事でも使います。
専用ソフトによるフォームが出てくるので、
そこに必要な情報を入力すれば、
誰にでもできるようになっています。

面接官; むずかしい仕事ですね。
●●在住ですね。
(勤務できる)ホテルは東京など・・・星印のところ。

私; ホテルはたくさんありますが、
パティシエの仕事ですと、勤務地はどこになりますか?

面接官; 第一希望は?

私; この範囲でしたら、どこでも通勤可能です。

面接官; ●●は近い。
1週間何日OK? 週5日8h。
今は? 7h30 土日休み?

私; 一日7時間半の勤務です。
現職は土日祝日が休みです。
他に会社が定めた、夏冬などの休日、有給休暇も
あります。

面接官; 体調は?

私; 今のところは、問題ありません。

パティシエは立ち仕事だから。
腰とか どうですか? 痛いところとかは?

私; 大丈夫です。

面接官; パティシエ。
お菓子はどんなものが得意?
一般的なもの なんでも?

私; プティ・ガトー、プティ・フール・セック、
グラス・ソルベなどです。
アントルメも勿論できます。
レストラン向けのデザートや、このぐらいの
大きさのウエディング・ケーキの製作経験も
あります。

面接官; ほとんどOK?
ききたいこと、質問ある?

私; 貴社の求人票を拝見させていただきましたが、
この通りでしょうか?

面接官; 雇用条件 場所からきいている。
●●が合いそう。
今日から働きます。
という形ではないと思うので。
最初は短時間、時給パートで と思っている。
今日の面接後相談すること。
最終的には働き始めてから雇用条件は決める。

私; 何だか雇用条件が曖昧なようですね。
後になって問題にならなければよいのですが。

面接官; やってみないとわからない面も。
今この場では決まらない。
この後、●●に行ってみて場所を確認してから。

私; それでは、これが終わりましたら
見てみようと思います。
そのホテルの洋菓子売り場は、
何階にありますか?

面接官; 2Fです。

私; 具体的な雇用条件の明示は、
いつできますでしょうか?

面接官; それは次のステップ。
他は?

私; 特にありません。

面接官; 病院行ってるの?
通院回数。薬は?
種類と回数 1日の。

私; 月に一度は行っています。
その時に、薬も処方してもらっています。
薬の種類は●●です。

面接官; 仕事上 配慮することは?

私; 手話か筆談が必要です。
貴社でも聴覚障害者には何か配慮は
行っていますか?

面接官; ありますよ。
筆談で指示、うしろから声をかけない。
正面で話すようにしている。

私; それならば職場の人は皆わかっていて、
聴覚障害者も安心して働けるようですね。

面接官; わかってます。
よろしい?

私; わかりました。
今日は、どうもありがとうございました。




=============================




まるで、未経験者か経験2年未満の人が
受けるような面接内容だった。
この面接官には実力を相当低く見られていた、
と思う。
あるいは、実力よりも、とにかく安価な労働力を
求めていたのだろうか。

それでも、この面接が終わってから、
実際にホテルメトロポリタン●●内の洋菓子
販売店へも行ってみた。

街のケーキ屋さんとほとんど変わらないケーキ、
低価格設定のものだった。
ホテルにしては、水準が低いように思えた。
買って食べてみる気まではしなかった。

だから

「この程度のものを作るパティシエに、
そんなに高い能力は必要ないではないか?」

と思った。

しかし結果は、あっさりと落選してしまった。
この会社が考えていることはわからない。

しかし、とにかく、この面接で会社側が
雇用条件を明示しなかったことに対し、
不満を漏らしたことが、大きなマイナスとして
響いたと思う。

この会社は

「最初は短時間アルバイトで、数ヶ月間雇用したい」

と考えていたが、私は

「最初からフルタイム就労、社会保険加入も条件」

だったので、そこが折り合わなかった。

お互いに面接で直接に口にしなくとも、
肌でその違和感を感じていた、と思う。
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by bunbun6610 | 2014-12-20 18:30 | 就職活動・離職


12月19日(金)


14年以上勤めているというRIさん(ろう者)と、
社内ですれ違った際、少し話した。


RIさん;「いつまで」

私;「本当は1月15日まででしたが、
3月15日までは構わない、としてもらいました。」

RIさん;「へぇー」

私;「この会社は、長く続いている障害者は
案外少ないみたいですね。
ウチの部はみんな雇止めになっているみたい
ですよ。」

RIさん;「そうそう。
みんな1~2年で辞めちゃう。」

私;「やっぱり・・・・。」


これはどういう意味だか、もうわかる。
つまりこれは、障害者雇用助成金の受給期間
と同じなのだ。
この会社が助成金目当てで障害者を使い捨て
雇用している、ということは、ほぼ間違いない。

道理で、障害者の研修や能力評価はないワケだ。
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by bunbun6610 | 2014-12-19 22:28 | 就労後の聴覚障害者問題E