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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141017-00000092-mai-soci


<リコー退職勧奨>
出向命令撤回で和解
 80人再配置協議


毎日新聞 10月17日(金)21時17分配信


大手複写機メーカーのリコー(東京都中央区)で、子会社への
出向を命じられた社員が

「退職勧奨を拒んだための出向だ」

と出向命令の無効を訴えていた問題で、社員が加入する東京
管理職ユニオン(鈴木剛委員長)は17日、会社側と出向命令
を撤回する和解が成立したことを公表した。

命令無効で提訴した8人の組合員の他に、提訴していない組合
員や労組に加入していない出向を命じられた約80人についても
再配置の協議が行われた。

代理人の弁護士によると、大規模な出向命令の撤回は非常に
珍しいという。

 ユニオンによると、組合員らは2011年夏ごろから退職勧奨
をされ、拒否すると9月に出向を命じられた。
13年11月に出向命令を無効とした判決が出たことをきっかけ
に会社側との和解交渉が始まり、次々と本人の専門性を生かし
た再配置で和解した。

 茨城県在住の佐久間行則さん(47)は、長年業務用プリンター
設計の仕事をしていたが、上司に退職勧奨された。

新たな仕事を見つけるのが困難だと判断して断ると、子会社の
東京都内の物流倉庫への出向を命じられた。
佐久間さんは設計の仕事から、慣れないトラックからの荷受けや
仕分けなどの作業に従事、3カ月で10キロも体重が減った。
約3年倉庫で働き、9月1日に茨城県内の元の職場付近に再配置
された。
佐久間さんは

「納得できる仕事に戻ることができた。
理不尽な出向で、必ず戻れる日がくると信じていた」

と話した。

 鈴木委員長は

「今、求められているのは、不合理で非人道的なリストラを制限し、
人材を生かし雇用の安定を図ることだ」

と話している。
リコーは再配置について

「社員の能力を最大限に発揮できる職場配置を行い、さらなる
事業成長に取り組んでまいります」

とのコメントを公表している。

【東海林智】



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by bunbun6610 | 2014-10-17 23:11 | ブラック企業と障害者雇用
会社の労働組合と面談しました。
筆談してもらえたので、通訳者はなし。

主な内容を簡単に説明すると、

(1)組合への要望
  (聴覚障害者への職域差別撤廃を会社に伝えてもらうことを要望)

(2)要望する理由を説明。
  (なぜそれが差別であり、よくないことなのか)

(3)職場の実態を説明
  (私の今までの仕事内容。
   他の人との違い〔差別であることを説明するために必要〕)

(4)組合との質疑応答

(5)組合としてやれることを説明してもらった

                              以上

【(1)について】
(A)聴覚障害者だけに不当な職域差別を行っている実態がある。
それはどうしてか?
 (会社は改善すべき。もしこのままなら、その理由を説明すべき)

(B)組合は、このことを障害者に対する差別と見るか?
 企業側また健聴者と、障害者側には温度差がある。
 (差別に当たるならば、当然に改善してほしい。
しかし、差別には当たらないとするならば、この問題はどうなるのか?)

【(3)について】
「今の仕事内容」については、次のように説明した。
 ・書類の簡単なチェック
 →毎日、年中がほとんどこれだけ。
  この仕事もないときは、次のどれかの仕事に変わる。

 ・ゴミ処理
 ・シール貼り
 ・輪ゴム留め

「私だけ、皆と同じ仕事(他の作業)はやらせてもらえない」
と説明しました。
それを聞いた組合の人は、「なぜだろう?」と、首を傾げていた。


〔私の見解〕
会社が障害者を雇用するのは助成金目的であり、
福祉的就労しかさせない、と考えている可能性が濃厚。

会社の障害者雇用は、法令遵守(障害者雇用促進法があり、
違反すると罰金を払わなければならない)が第一の目的である
可能性が濃厚。

これは、障害者に対する、職域差別である。


(1)と(2)までは、特に難しいことはありませんでした。
理解が得られなかったのは(3)からでした。

差別と主張するとき、差別を行っている者だけでなく、
自分と他者(差別されていない者たち)との比較論も
避けては通れないように思うのです。

そうしないと、差別する側、それも聴覚障害者の
精神的苦痛について何も知らない健聴者には、
差別という事象そのものすら、ちゃんと見えていない
のではないか?
 と思われます。

ですから、差別されたと主張するときには、
必ずその状況も詳しくあぶり出さねばならなくなります。
この内に、職場環境的に見ても良くない要因があれば、
その問題も一緒に暴露してしまう、ということになります。

私の場合もまさにそれで、
当ブログ『障害者奴隷雇用促進法』〔2014-08-08 18:30〕
 →【1.やりがいのある仕事は全部、健聴者が独り占めしてしまう】

に述べたことを説明しました。


すると、組合の人は目の色が変わり、障害者差別問題のことより先に
「そもそも職場環境が悪いのが原因であって、差別しているという意識はない」
と話しました。

私の

「課長(言い換えると会社)は、聴覚障害者に対し、職域差別を行っている」
当ブログ『障害者が、就労後に直面する職域差別』〔2014-08-01 18:30〕参照)

という主張より、組合は

「まず、職場環境改善から始めることが必要」

という結論を出したのです。

私は「その結論には、とても納得できない」と言ったのですが、健聴者は

「差別ではない」

と考えているか、あるいは

「会社が差別している、と認めたら、後で裁判になった場合に問題になる」

と考えているか、あるいは

「そのような実態があったとしても、会社との関係も重視する組合としては
「差別」という言葉は、できるだけ使いたくない」

などと考えているのだろうと思います。

もし皆さん(特に、聴覚障害者の方に)なら、ここまでを読んで
「聴覚障害者への職域差別の原因が、職場環境にある」と言われたら、
どう思われるでしょうか?

私なら、組合の結論は、おかしいと思います。

各自(差別される聴覚障害者も含めて)への仕事の指示をしているのは
課長なのですから、職域差別の原因は課長(言い換えると会社)の
指示なのです。

職場環境の悪さのほうが、会社としては大きな問題なのでしょうが、
それは皆の意識が悪いからであって、聴覚障害者への職域差別とは
何ら関係がありません。
それをすり替えている組合がおかしいのです。

このことにより、差別問題の解決の難しさを痛感させられました。
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by bunbun6610 | 2014-10-17 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1
「聞こえなくてもわかる」で自信過剰に言ってしまい、
相手の反感を買ってしまうこともある。
自己中心だと思われることもある。
だが、筆談、手話がない環境だと、それしかなくなる。
そういうリスクがあるのも、しかたがないことだ。
それでも聴覚障害者は、このコミュニケーション方法を
使って、失敗から学んだり、新たなコミュニケーション術
を獲得することも少なくない。
だから聴覚障害者の場合は、そうした失敗は貴重な
体験なのであり、前向きに捉えることが多い。



「聞こえなくてもわかる」の過信が招いた失敗もある。
あるイタリアン・レストランに入った時のことだ。

ランチ・タイムだったので、メニューをサッと見て店員に

「カポナータのパスタセットを、大盛りで。
ドリンクはアイスティーで」

と言った。

店員は

「●×▲★■・・・」

と話しかけてきた。
注文の品の確認かと思い

「はい」

と言った。
すると、すぐにセットについてくるミニサラダ、カップスープ、
フリードリンクが、シルバーと共にセットされた。

「あー、なるほど。
さっき聞いていたのは

『ドリンクは先出し(食事前)してもよろしいでしょうか?』

だったのか」

次にこのお店に来る時のために、この会話パターンは
覚えておこう。
そうすれば「後出し」にしてもらうこともできる。
会話パターンを学習すれば、この程度のことなら、
聞こえなくてもわかるようになるからだ。
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by bunbun6610 | 2014-10-16 18:30 | コミュニケーション能力

立て続けにやってきた大型台風が、
秋の本格的な冷え込みを呼び込んだようだ。

寒くなると、耳鳴りが大きくなる。

そういえば、ある聴覚障害者の話では、
気圧とかが耳鳴りの状態と関係するのだとか。

気圧の変化なんか自分でわかるわけがないのに、
どうしてそんなことが言えるのか、
私はわからない。

ただ、天気というか気候というか、
その変化が耳鳴りにも影響するということは、
昔からあった。
だから、言われてみれば確かにそうなのかも。

今日は耳鳴りがするとかしないとかではなくて、
その大きさの感じ方が違うのだろうか。

極めて感覚的な話で、全く科学的ではない話
なのだけども、皆さんは、どう感じるだろうか?

寒い夜は、特に耳鳴りが大きくなる。
(ように感じている)
そんな夜は、快適に眠れる、ということはない。

聴覚障害は、肉体的苦痛はないが、
代わりにこういう健康上の問題が起こる。
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by bunbun6610 | 2014-10-15 21:45 | 難聴・中途失聴
聴覚障害者と呼ばれる人のなかには、手話を母語とする
ろう者(Deaf)と呼ばれる人や、日本語を母語とし、
しゃべることもできるが、耳の聞こえが個人により様々な
難聴者、中途失聴者がいる。

このうちの、特に、難聴者、中途失聴者についての話である。

健聴者は、難聴者と話していて

「言葉の意味はちゃんとわかるんだけれども、
ちょっと発音がおかしいかな」

と思ったケースもあるのではないか、と思う。
健聴者も、その人が実は難聴だと気づいていないと、
そういうふうに不思議に思う。


例えば、私も子どもの頃、釣りの話をしていて

「はりす? ハリスって言うんじゃないの?」


※ 「ハリス」・・・釣り糸の名称。
切れないようにしている「道糸」と、切れてもいい
「ハリス」に分かれる。


と、友人に言われたことがある。

芸能人のコンサートの話をしていて

「にほんぶどうかん? 日本武道館って言うんじゃないの?」

書き言葉で説明しても全然わからないだろうが、

「言葉の読み方は正しいのに、発音が微妙におかしい」

ということになってしまう場合がある。
これは、


『漢字の読み方を忘れる - 聴覚障害者のウィークポイント』
〔2014-04-26 18:30〕



『漢字の読み方が自己流 - 聴覚障害者のウィークポイント』
〔2014-08-15 18:30〕



で説明したのと同様と言っていい。
漢字などの読み方が、健聴者のような、自然な
音声会話で聞くことによって、正しく学習すること
ができなかったことによる。
そういうハンディが、この現象となって顕れる。

先天性の聴覚障害者に多いと思う。
特に、失聴年齢が早かった中途失聴児や、
障害の発症時期が早い難聴児が、影響を受ける。

発音だって、聞き取れなくなったら、もうその通り
には覚えられない。
健聴者と一緒に育った聴覚障害者は、ろう学校
卒業の聴覚障害者と比べて、言葉の修得率が
高いのは当たり前かもしれない(健聴者は、そう
思っているようだ)が、それでも、完全には難しい。
軽・中度難聴でも、聞き取れなくなると、こういうこと
が起こる。

(だから、親はこういうことに早く気づくことが大事だ。
私の場合、手遅れもいいところになってしまったのだ。)

本人も全く気がつかないので、間違えて覚えたら、
そのままになってしまうのだ。
誰かが指摘してくれれば修正はできるので、そういう
時は、なるべく

「今のは、発音が違うよ」

とか、親切に言ったほうがいい。
きちんと言えば、修正はできる。

言葉の発声を教える以上は、きちんと言わないと、
その難聴者が社会人になったとき、会社面接で落ち
たりして就職できなかったり、就職後に誤解やいじめ
になどに遭ったりする可能性が大である。

健聴者からは

「あまりにも意外なミス」

だと思われるので、よく笑われ

「バカなんじゃないか」

と勘違いされる。

難しい漢字を書く能力は高いのに、読み方や発音
となると、おかしかったりする。

学科だけでなく、テストの問題別にも、成績に著しい
偏りが見られる。

音楽や英語のヒアリング・テストだけはいつも0点
だったり、とか。

こういう場合は、学校の先生も、親も、耳の聴こえなど
を疑ってみたほうがいい。
かなりの高確率で、難聴など、何らかの障害があると
思っていいだろう。
聞いただけで誰でも覚えられるはずの、漢字を読むのは
下手なのに、漢字を書く能力が高いのは、学習能力が
視覚に偏っているからである。

ところが、健聴者はこういうことを知らないものだから、
子どもや家族の耳の障害を疑うよりも、頭の方を疑って
しまうのだ。

これは、実は健聴者に陥りやすい判断ミスなのだ。
健聴者の、ほぼ100%の人が、耳の聴こえを疑うより、
頭を疑っている。
それほど、今の時代ではまだ、難聴に気づくのは難しい。

ろう者の場合は、ろう学校を卒業した後、社会に出て、
相当傷ついた経験をしているらしい。

ろう者の話では

「ろう学校では、難聴児のほうが発声ができ、勉強もできる
ので、彼らばかり褒められている」

という話をよく聞く。
音声言語中心の世界だったら、少しでも聴こえるほうが、
発声訓練でも勉強でも有利に決まっている。
それがわからないで差別をしている健聴者教師のほうが、
バカなのだ。

これで専門者で、高い給料を貰っているのかと、呆れて
しまう話だ。
保護者も、文句を言ったほうがいい。
でないと、しわ寄せは全部、自分の子どもに来てしまう。
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by bunbun6610 | 2014-10-15 18:30 | コミュニケーション能力
今日も、朝の勤務開始早々、朝食(パン&コーヒー牛乳)
を食べている人(Nさん)とか、ケータイ・メールチェックを
している人(M・Oさん)がいた。
ケータイの方は、毎日やっている。
普通は出勤時間前後とか休憩時間以外、仕事場では
やらないだろ。

以前にも、残業時間帯に入っていても、その日3回目の
休憩(お茶、一服)時間を取っていたこともあった。
それでも、Oさんは何も言わなかった。
(ただし、最近は残業がないので、こういうことそのものが
なくなったという感じがする)

仕事は「ゆっくりやって下さい」と言われます。
仕事が少ない時なんかで、特に私が頑張ると、仕事が
いつもより早く減るので、昼の休憩時間が1時間半、
あるいは2時間以上になった場合もあります。
さらに、夕方の休憩時間も通常は15分間ですが、
20分、30分になることもあります。
(ボーナス休憩時間みたいなものです)

私は皆の休憩時間を増やすために一年間、頑張って
きたのではありません。
この差別的状況で我慢しているのは精神的にも、
とても苦しいので、状況を変えたいと思って頑張って
きたのです。

ところが今の私の状況というのは、健常者の下請け
作業要員、もっとわかりやすく言うならば奴隷に等しい
とさえ思っています。

これにはやはり「職場環境が悪い」とは言わないと
思います。
差別問題をそんな言葉で、差別する側に説明し続けて
いたら、この問題はいつまでたっても解決しないでしょう。
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by bunbun6610 | 2014-10-14 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1
精神障害者手帳3級の人が

「自分には障害年金もバス運賃割引もない」

と不満をこぼしていた。

「障害者枠雇用で、同じ時間、同じ賃金で働いている
から、収入が低いのは重度身体障害者と変わらない。
なのに、自分には恩恵が少ないのは納得できない」

という話だった。
こういう不満というか、不公平感は、聴覚障害の人からも、
よく聞く。
受けられる恩恵は、等級によって随分違うのだ。

こうなったのは国の制度なのであるから、
制度が変わるか、新たな制度ができるかしないと、
不公平感は消えないと思う。


全部は話しきれないのであるから、今回は、公営バス
・電車のフリーパスや、多くの私営バスでも導入されて
いる「旅客運賃減額」(俗に「障害者割引」と呼ばれている)
について話してみたい。

私の知っている範囲で説明すると、障害者手帳には

「身体障害程度 2級」

の場合だと

「旅客鉄道株式会社 旅客運賃減額 第1種」

と書かれている。
旅客運賃減額は、障害の程度によって、第1種と第2種が
あるらしい。
知人の話によると、精神障害でも

「1級や2級の人には運賃割引があるが、
3級の人にはない」

という。
そういうことは、1級と2級の人は第1種、
3級以下の人は多分、第2種なのだろう。
その種別によって、割引の範囲とかが違うようだ。



〔参考情報〕

『精神障害者手帳の等級は“2級”でした』



それを初めて知って、私は思った。

バスを降りる時に運賃を払う際、障害者手帳の
カバーだけを見せて、割引適用を受けている人も、
結構見かける。

それを私も今までは

「障害者はみんな割引してもらえるから」

と思い込んでいた。
しかし、知人の話が正しいのならば、本当は違う
ということになる。

あるいは

「自分の写真を見せたくないからかな?」

とも思ったが、それもおかしい。

もし、本人でない者が障害者手帳を使い回しして
割引を受けているとしたら、それは不正使用だ。
家族ならやりかねない。
第1種の障害者本人と付き添いなら割引は
あるが、本人がいない状態では手帳の表面だけ
見せて、割引を使っていることもありうる。
運転手さんの無知につけ込み、不正に割引を
受けている場合もあるだろう。

そんなことを考えていたら、障害者も結構ずる賢く
やっている人も多いのではないか、と思ってしまった。
やはり“逆差別”だろう。

身体障害者手帳のカバーの色は、都道府県によって
色が違うが、緑色の障害者手帳なら精神障害者手帳
だそうだ。
そのカバーだけを見せて、割引を受けている人もいた。
それで

「この人はもしかして、本当は3級なのかもしれないな」

と疑ったりした。
写真・記載面をきちんと見せている障害者なら問題ないが。



〔電車・バス運賃割引制度の参考情報〕


都営交通無料乗車券

http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/other/kanren/fare/free.html


JRの障害者割引

http://www.jreast.co.jp/equipment/waribiki/



東京モノレールの障害者割引

http://www.tokyo-monorail.co.jp/support/faq.html


バス会社の場合;第1種の場合、京王、京成、東武、
西武などで半額。


千葉・日東交通バス㈱

http://www.npoyui.org/access.html


茨城・関東鉄道

http://www.kantetsu.co.jp/train/ticket/ticket_index.html


やはり、第1種は半額になること多いが、第2種だと
割引がほとんどない。





【追記】(2016年1月22日)


========================



http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/173368


公共交通運賃
 精神障害者割引進まず
 九州 バス、鉄道
 4割未導入


西日本新聞
2015年06月04日 11時34分


路線バスや鉄道など身近な公共交通機関の
精神障害者を対象にした割引導入が進んで
いない。

身体・知的障害者は原則、運賃の半額が割り
引かれるのに対し、九州の路線バス会社の
44・1%、鉄道会社の37・5%が精神障害者
に同様の割引を導入していない。
精神障害者関係団体は

「障害の種別で格差があるのはおかしい。
身体・知的障害者と同等の割引を適用して
ほしい」

と訴え続けている。

 福岡市南区の統合失調症の女性(49)は
「精神障害者保健福祉手帳」(2級)を持って
いる。
夫も精神障害があり、生活保護に頼って収入
は月約20万円。
通院や地域の精神障害者支援センターに
通うのに西日本鉄道(福岡市)の電車やバス
を利用することもあるが、節約のため、体調
が許す限りは歩くという。

「身体・知的障害者と同じ割引があれば、
もっと積極的に外出できるのに」

と嘆く。

 精神障害のある人が、福祉サービスを受ける
ための精神障害者保健福祉手帳は1995年、
身体・知的障害者の手帳より20年以上遅れて
制度が創設された。
さらに、2006年10月まで、精神障害者保健
福祉手帳には顔写真が貼付されておらず、
本人確認ができないとして、交通機関の割引
導入の壁になっていた。
このため、精神障害者割引の導入が遅れた
という。

 国土交通省は12年8月、バス事業者がモデル
にする「標準運送約款」に精神障害者への運賃
割引を明記し、全国の事業者に通知した。
それでも、割引を導入している事業者は全国で
バス2120社のうち716社(33・8%)、鉄道では
177社のうち66社(37・3%)と、なかなか広がら
ない。

 九州運輸局によると、九州で割引を導入している
のは今年4月1日現在、路線バスで59社中33社、
鉄道で16社中10社=表参照。

 路線バスでは長崎(14社)、熊本(6社)、宮崎
(1社)の3県は全社が導入済み。
佐賀県(4社)は3社が導入、鹿児島県(12社)も
鹿児島交通(鹿児島市)が4月から割引を始める
など8社に広がった。
これに対し、大分県(9社)はゼロ、福岡県(13社)
も1社止まりと、地域間の差が大きい。

 北九州市営バスや沖永良部バス企業団(鹿児島
県知名町)のように、自治体の施策で実質的な割引
を実現している例もあるが、割引導入は各事業者
の判断に委ねられているのが現状だ。

 バス、鉄道とも割引がない西鉄は

「収支状況が厳しい中、割引を拡大するとさらに
厳しくなる。
行政などの補助金がない限り、難しい」。

大分交通(大分市)は

「JR九州や西鉄など大手が導入していないので
見送っている」

という。

 一方、今春割引を開始した鹿児島交通は

「九州運輸局や当事者団体の要請を受け、導入した。
現段階で収益への大きな影響はない」

と説明している。

 精神障害者の家族でつくる全国精神保健福祉
会連合会(東京)が14年11月~15年2月まで、
会員の生活実態を調べたところ、精神障害者の
月平均収入額は約6万円。
通院・通所のため、交通機関を利用する頻度は
月10回以下が約半数、交通費は月3千円以下
が約4割を占めた。
同会は

「通院や就労支援施設などへの通所を考えると
利用頻度はもっと高くてもいいはずで、利用を
控えているのではないか」

とみている。

 福岡県精神障害者福祉会連合会長の一木猛
さん(71)は

「通所にバスを使わず、自転車や徒歩で通い、
猛暑や厳寒で体調を崩す人もいるし、
買い物や映画などの外出を我慢している人も多い。
一刻も早く全ての交通機関で割引を実現し、
障害間、地域間の差をなくしてほしい」

と訴えた。 

=2015/06/04付 西日本新聞朝刊=




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by bunbun6610 | 2014-10-13 18:30 | 障害者問題・差別

肉親の障害者差別

私が聴覚障害者だからなのか

「結婚するなら健聴者とろう者の、どっちがいい?」

ということを、よく聞かれたものだ。
ろう者にも健聴者にも、よく聞かれた。

それで

「何でだろう?」

と思ったものだ。

でも、だいぶ後になって、その理由がやっとわかった。

もし

「ろう者がいい」

と答えたなら、多分、聞いた人が他のろう者へ紹介された
かもしれない。

反対に、もし

「健聴者がいい」

なんて言ったとしたら、不評を買っていたかも
しれない。
ろう者の仲間か、そうでないかの踏み絵だった
のかもしれない。
それが人間社会というものだと思う。


■テレビドラマ『おふくろに乾杯!!』

昔、テレビドラマで<おふくろシリーズ>というの
があった。
その中に『おふくろに乾杯』というドラマがあった。

浜 木綿子主演で、この人がろう者女性・珠江役を
演じていた。
珠江には、健常の一人娘・笑美子がいた。


フジテレビ『おふくろシリーズⅥ おふくろに乾杯!!』



このドラマで、笑美子は結婚を申し込まれる
のだが、相手は健聴者だ。
相手の家族に、珠江がろう者だと知られると、
結婚に反対された。
それでも二人は結婚するのだが、ろう者の珠江が
家族に入ることで不協和音とか、いろいろと起こる。
それを乗り越えていく家族ドラマだった。

そのドラマで、なぜ婿の家では結婚に反対したの
かは、詳細は描かれていない。
しかし、これはよくあることだろう。
これが、ろう者差別だ。


■ろう者の実話から

デフ・ファミリーに育ったろう者・Y氏が、講演会で
語っていたことがある。
自分の父の親が、ろう者同士でも結婚を認めたが、
条件として

「子どもをつくらないこと」

があったという。
しかし、Y氏の両親はその約束を破って、子どもを
つくったという。
そして生まれた子が、Y氏だったという。
実の親にさえ、そんな差別意識があったそうだ。


別の事例もある。
私の知人のろう者は長男で、難聴者と結婚した。
だが、家の相続権は弟に決められたという。
実父に

「おまえでは老後のオレの面倒を見ることも、
家も継ぐことも出来ないから」

と言われた。
彼は家を出て、同じ障害を持つ人と結婚し、
3人の子どもに恵まれている。

彼は立派ではないか。
なのに、今でも、こんな差別があるのだ。

ろう者に生まれた場合、家族会議で家の財産の
相続権を一切奪われた、という話は、昔からある
そうだ。

健常者の家が心配することは、社会の偏見だけ
ではない。
子どもが障害者に生まれないか、という遺伝性の
心配もするからだろう。
Y氏の両親が

「結婚はしても、子どもはつくるな」

と忠告したのも、それが理由ではないだろうか。

たとえ健常の子どもが生まれたとしても、その次の
世代も遺伝性難聴が顕れないとは限らないだろう。


〔参考情報〕

『先天性難聴 遺伝子で原因特定…早期治療合併症対策も』
〔2014-05-29 21:48〕



『『みんなが手話で話した島』(ノーラ・E・グロース/著) 1/3』
〔2013-10-03 18:00〕





今でも、障害児が生まれる可能性を排除しようと
する考え方が支配的だということは、誰も否定
できないだろう。
もし、障害児が生まれるようなことがあれば、
その子は捨てられるかもしれないのだ。


『今年4月から始まった、出生前診断』
〔2013-04-07 18:00〕




『新型出生前検査で陽性、確定診断受けず2人中絶』
〔2014-06-11 19:42〕



『<赤ちゃんポスト>7年間に受け入れ101人 11人に障害』
〔2014-09-27 09:32〕



たとえ捨てられはしなくても、責められることもある。


『難聴者の世界 - 同障者が涙流さずにいられない手記』
〔2014-03-17 18:30〕




だから、なかには結婚前から心配し、結婚をやめる
カップルもいるに違いない。
聴覚障害者と健常者との結婚には、
やはりハードルがないとはいえない。

相手が健常者か、それとも障害者であるかは、
全く問題でない、というわけにもいなないのだろう。


〔参考情報〕


白馬岳 滑太郎のブログ
『今月の話題(2001年1月)
< 耳の聞えない人と結婚しますか。耳の聞える人と結婚しますか >』





自分の意思だけで考えれば
相手が健常者かろう者かなんて

「どっちでもいいじゃないか」


と思うのだろうけど、現実は自分だけで、
そう簡単に決められることではない。
相手だって、障害のことをよく知るようになると、
変わってくるかもしれないのだから。

私も、私が聴覚障害者だということは、
実は家族以外には誰にも知られていない
のである。
親族は、私が聴覚障害者だということを、
誰も知らないのだ。

なぜかというと、家族が知られたくないから、
知らせていないのだ。
もっとハッキリと言えば、それを隠しているのである。
それが、聴覚障害者の存在が、社会にあまり知られて
いない原因にもなったのではないだろうか。
それだけでなく

「障害のある者は、家族に面倒を見てもらえばいい」

という考え方があったに違いない。
それが、国策の遅れになったのは間違いない。
だから親族の結婚披露宴にも、私だけ呼ばれないのである。

恐らく、知られると兄弟、子ども、孫の、結婚の障害
にもなりうるからではないだろうか。
最悪だと、破談にもなりかねないだろう。
それが、テレビドラマ『おふくろに乾杯!!』でもわかる。

「生まれてくる子どもに遺伝するのではないか」

といった心配もするだろうし。
残念だが、家族といえども、障害者を排除しようとする
のが、健常者の考え方だと思う。


幼い頃、母に

「(妹と、兄の私が)逆に生まれてくれば良かったのにね」

と冷たく言われたことが、今でも深い心の傷となっている。
青春期に、深い劣等感があったことは、いうまでもない。
この傷は、一生消えない。
私には、そんな母を今も、心から愛することなんてできない。
幾ら過去のことでも。


また、これも当然だが、結婚は、夫婦の人生にも
影響するようだ。
知り合いに、聴覚障害者の男性が健聴の女性と結婚
した後、聴覚障害者団体での活動も手話も完全に
やめた人がいる。

妻に

「もう、そんなことをやっている場合ではない」

とか言われたらしい。
聴覚障害者だから障害者雇用枠での仕事しかなく、
その収入は低かった。
だからなのか、彼は妻の尻に敷かれて、そして
カツカツの生活を送っていた。


ろう者が初めて会った人に、必ず聞くことが3つある、
という。

「あなたはろう者? それとも健聴者(難聴者)?」

「あなたは、どこのろう学校を出たの?」

「あなたは結婚していますか?」

昔からよく言われていたが、今ではそうでもないかも
しれない。

結婚したとか、付き合っている人がいるとなれば、
次の質問はやはり

「相手はろう者? 健聴者?」

となるのだろう。

一見、軽いような話に思える。
しかし、そこから、次第に差別へと発展して
いくのではないか。
そういう心配を、いつもする。
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by bunbun6610 | 2014-10-12 18:30 | 聴覚障害
今年の健康診断は、他の人と一緒に、
集団健診を受けることにした。

理由は、前回の個人(特別扱い)対応の健診(※)が、
何の意味もなかったと思ったからだった。


(※)当ブログ

『胃部レントゲン検査 - 会社の健康診断で、複雑な気持ちになったこと』
〔2013-12-19 18:00〕


参照。



意味がなかっただけでなく、受診者の立場から
正直に言えば、かえって時間と労力を多大に
費やされ、大きな負担になっただけだった。

「これって配慮? それとも差別?」

と思った。
「差別」とは言いたくはなくても、やはり

「これではもう二度と御免だ」

と思った。


さて、集団健診で受けてみたら、健診は筆談ボード
持参で受けて、身長・体重測定、血圧測定、採血、
視力検査(聴覚検査は省いた)、心電図、問診と、
すべて何事もなくスムーズに進んでいった。

そして最後に、不安に思っていた胸部レントゲン検査
と、胃部レントゲン検査を受けた。

胸部は、レントゲン機器の上方に

「息を吸って下さい」

「息を止めてください」

「楽にして下さい」

などの文字ランプが点灯するので、わかりやすかった。


そして、胃部レントゲン検査の前は、
検査技師が筆談ボードに

「今朝は、飲食をしていませんか?」

「ゲップを我慢してください」

「暗くなったら、息を止めてください」

とだけ事前に伝えられた。
そしていよいよ検査室に入り、検査が始まった。

検査が始まると、音声指示(誘導)はなしで、
技師さんが何度も側に来て、姿勢を指示し、
確認した。
これが、実に上手かった。

レントゲン技師さんは男性が多いのだが、
今回は女性技師だった。

この技師さんは、聴覚障害者への対応法が
わかっていて、手話はできないようだったけれども、
聴覚障害者への指示の仕方がわかっているよう
だった。

この場合、手話ができなくても、伝えようとする
真剣な気持ちが表現できる人には、
意思疎通は可能だ。

方法は意外にも簡単で、右手掌を使うだけだ。

読者も、どんな方法でやったのか、想像してみてほしい。
その想像力を磨くことが、こういう場面で必ず役立つ。

掌(てのひら)を寝台の上に載る被験者に例えればよいのだ。
寝台と被験者の身体は水平と決まっている。
だから、掌を真っ直ぐに水平に伸ばして、あとはそれに
角度をつけたり、傾けたり、倒したりするだけで、姿勢の角度や、
寝台が動くことも、聴覚障害者に伝えられるのだ。

「しっかり握っていて下さい」

の指示は、握る仕草を見せて、相手の顔を真剣に見る。
これは「注意して」の意志を表している。
だから、これで私はわかった。

身体を回転してもらう場合は、手を回転すればよいし、
身振りでも伝わる。
方向もわかる。

息を止める瞬間は、事前説明の通り、室内の照明を
消すことで伝わる。

寝台が起き上がる(または倒れる)のも、手の角度で
わかる。

結局、普通の人よりも、若干時間がかかっただけで、
他は問題なく検査を終えることが出来た。

「何だ、やればできるじゃないか。
前回の男性技師は何であんなことをやっていたの?
何で、あんなに下手だったのだろうか?」

そんなふうに思った。

レントゲン技師というのは、男性技師のほうが
まだまだ多い世界なのだから、確率的に言って、
上手い人も下手な人も、男性のほうが多くなるのは
当たり前だろう。
それでも、上手い人が統計的に多いのは、
女性技師のほうではないかと思う。

やはり、女性のほうがやさしいし、様々な社会的弱者
(赤ちゃんから子ども、老人など)と接し、世話をして
きた経験が豊富なのだから、障害者への接し方も
自然と出来てしまう人が多いのではないだろうか。
そんな気がずる。

以前は、男性技師からムキになって怒鳴られたこと
もあった。
その後も、怒鳴る人はいなかったが、苦心している
男性技師を見かけた。
だからそれが、胃部レントゲン検査の苦情を書く
きっかけになったのである。

やはり、女性技師に上手な人が多いのは、それだけ
の理由があるのではないか、と思う。

受付、接客業務では女性のほうが上手いと言われるし、
コミュニケーション力を必要とする業務もそうだ。

そして、手話講習会で手話を学び、手話通訳者になる
人も、やはり女性が圧倒的に多い。
男性もいることはいるが、どちらかと言えば、落ちこぼれて
いってしまう人が多い。
男性は手話のようなコミュニケーションが、苦手なよう
なのである。
そんな背景があるからなのではないだろうか。

「女性だから向いている」

とは断言できないが、レントゲン技師にもっと女性が
増えるといいかもしれない、と思う。
女性技師は、まだ二人目だったが、二人とも上手だった
のを憶えている。

男性技師は指示通りに出来ていないと、
よく被験者の身体を触って動かすけれども、
女性技師の場合には、そうされたことはまだ一度もない。
これは明らかに、コミュニケーション力の差を物語っている。
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by bunbun6610 | 2014-10-11 18:30 | 医療バリア&バリアフリー

労働組合と面談


20■■年■月■日(■)

午後2時~3時半までの間、労働組合(Sさん、Tさん)との面談を行った。
筆談してもらえたので、通訳者はなし。

主な内容を簡単に説明すると、

(1)組合への要望(聴覚障害者への職域差別撤廃を会社に
  伝えてもらうことを要望)
(2)要望する理由を説明。(なぜそれが差別であり、よくないことなのか)
(3)職場の実態を説明(私の今までの仕事内容。
  他の人との違い〔差別であることを説明するために必要〕)
(4)組合との質疑応答
(5)組合としてやれることを説明してもらった



【追記】

詳細内容は、当ブログ

『会社の職域差別は、なぜ「職場環境が悪いため」だと言うのか?』
〔〕

を参照。

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by bunbun6610 | 2014-10-10 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1