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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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1.求人票の「年齢」について

ハローワークの求人票の場合は、ほとんどが
「不問」と書かれている。
これは、ハローワークでは原則として、年齢制限を
書いてはいけないことになっているからである。
(ただし、法令に基づく年齢制限である場合を除く)

実際には、会社ごとに人事規程があって、
年齢制限も当然に存在する。
なので、常識的にその仕事にふさわしい、と考えられる
年齢制限があると思う。

障害者枠の場合は、特別に年齢制限を超えても
働けるケースもあるが、あくまでも特例的であるよう
である。

「障害者雇用だから」ということは、障害者には特別に、
障害者のために仕事が切り出されている、ということ
でもある。
よって、例え採用してもらえたとしても、期待はしない
ほうがいい。

「自分の身の丈を知れ」という言葉があるが、それを
自分も考えて、応募先を探したほうが採用先を早く
見つけやすい、と思う。



2.現実には「聴覚障害者にできる仕事」と
「聴覚障害者にできない仕事」がある。


これも、社会常識から考え、割り切ったほうが、
求職活動で受ける自分の精神的ダメージが少なくなる
ことも、事実だと思う。

退職後のブランクが大きくなればなるほど、
再就職には不利になり、難しくなっていくので、
自分が仕事を継続できる範囲で割り切って、とりあえずでも
早く再就職してしまったほうがいい。

ハッキリ言って、まずはどこでもいいから現役として
働きながら、会社の有給休暇を活用して、
転職活動をしながら、自分の理想的な職場を探すほうが
賢い、と思った。
そのほうが、腰を据えながら転職先をじっくりと見つけられる
し、一度や二度で失敗しても何回か続ければ、だんだんと
納得できる会社が見つかるものだ。
やたらと転職回数が多いと不利なのは、正社員志望の場合だ。
パートの場合は、事情をうまくつけてごまかせば大丈夫だ。


『聴覚障害者にできない仕事』
〔2012-05-02 11:56〕



3.秋は就職活動に絶好の季節

よく「○○の秋」と言われるように、「就職の秋」でもある。

企業側にとっても、障害者雇用月間の頃は、単なる障害者
イベントに過ぎないわけではなさそうである。

秋と言えば、新年度に練り続けてきた事業計画を実現したり、
いわゆる新事業を始めたりする企業もある。

また、今年最後の年末商戦に向けての本格準備に入る時期
でもある、と思う。

つまり、忙しくなる時期だから、人の補充も当然にやる。

アルバイトよりも長いスパンの障害者雇用だと、
募集はせいぜい11月中旬ぐらいまでだと思ったほうが良い。

また、この時期では特に、障害者雇用でも即戦力に
なりそうな人材を求めている場合が多い。
だから、現役の障害者が有利なのだと思う。

さらに「前の経験を生かして働きたい」というような人を
望んでいるケースが多かった。

9月から10月中旬ぐらいまでには、できるだけ多くの
会社に応募しておき、会社面接へ行けるアテを見つけて
おきたいところだ。

障害者の場合、書類選考を受付けてくれる会社を探すだけ
でも大変だ。

しかし、この時期を外すと痛いので、私は過去に、
一年の半分はこの時期に応募している。
その他は、新規事業に合わせての随時採用しかなく、
そういうのは探すのが大変だし、競争率も高い。

(なかには、できるだけいい人を採りたいからと、
わざと誇大広告をしている、と思われる事例も
見られたので、十分注意することが必要だ。
そういうところは好条件をエサにしているので、
すぐに多数の障害者が集まる。)

やはり、秋から冬までに就職が決まっていることが多かった。
だから、お盆が終わった頃から、応募先を探し、書類の準備を
していた。

写真は大量に必要だが、500円証明写真でよい。
ただ、とにかく見栄えよく撮っておく。

翌年の1~3月は、新卒・新入社員の採用や受け入れ
準備で、人事も忙しいので、障害者採用どころではない。

4月から8月の時期も、求人票はあってもダミー求人票
ばかりなので、有効求人票を見つけることは難しくなる。


4.ハローワークの裏情報を聞き出して、逆利用せよ。

そこには「企業の希望」とか、あるいは逆に企業が
「採用したくない障害者」の情報がある。

なぜ、こういうデータが紹介者(ハローワーク専門援助職員)
だけが持っているのかというと、求職者、求人者双方の
マッチングのために、こういう裏情報があるようだ。

もし聞いてみて

「『聴覚障害者希望』と書いてありますよ」

と言っていたら、聴覚障害者は有利だ。
反対のことを言われるケースもあったが、そういう場合は、
さっさと諦めて、別の会社を探した方が賢い。

こちらもそうした確実な情報を引き出し、利用することで、
就職活動の効率が良くなる。


『ハローワーク求人票の「裏情報」に思うこと』
〔2012-05-03 09:59〕



聴覚障害者を積極雇用しているユニクロでも、
店舗によっては応募しても難しそうな場合もある。
だから、この情報は聞き出しておく価値が高い。


『聴覚障害者にできない仕事』
〔2012-05-02 11:56〕





5.人気薄の求人票から狙え。

企業の有名無名に関係なく、人気薄の求人票から
探して、応募してみることが有効だ。

検索コンピュータの「新着求人」で探すと早い。

ハローワークの専門援助第二部門で相談し、
希望の求人票(なるべく新しい求人)を見せる。
すると、人気度を教えてくれる。

例えば

「35-8-0」

だったとする。
この数字の意味は

「これまでに応募した障害者数」=35人

「結果待ちの障害者数」=8人

「これまでの採用者数」=0人

である。
採用人数とのバランスを見て総合的に判断するが、
3人以下ならば、この企業は人気があるほうだと
見ていいだろう。

でも、そのわりには、なかなか決まっていないと思える。

「35人中27人が、すでに落選している」

ということでもある。
この理由はわからなくても、自分なりに推測することは
可能だ。
多分、よほど厳しいか、採用する気などないかだろう。
私も、そういうところで採用に至ったことはない。

「募集はしているけれども、本当に採用する気がある
のだろうか?」

と思えるような状況である。
ハローワークの指導から逃れるための、ダミー求人票
の可能性も大いにありうる。

実際には求人票の「受付年月日」から日が経って
いなければ、採用が決まらないのは当たり前なので、
そのことも考慮して判断するが。

だからもし、受付年月日から2ヵ月も経っていて、
まだこんな状況だったなら、疑問に思ってみても
いいだろう。
受付年月日も見て、自分で総合的に判断してみて
ほしい。

ハローワークの常連企業になっている企業は、
避けたほうがいい。(※1)



(※1)例として

ワタミフードサービス株式会社


採用する気がない企業とか、ブラック化している
企業の可能性が高い。 (※2)


(※2)

『ワタミフードサービスの障害者求人票(平成25年8月)』
〔2013-08-12 23:57〕


文中の【追記(2013年9月22日)】
〔参考情報〕を参照。




逆に、いいところの場合は、募集するとすぐに
決まってしまうので、求人票が取り下げられる
のも早い。
見逃さないようによくチェックしておくことが大切で、
その最良の時期が今なのではないか、と思う。

私も、採用された会社からは、面接に行くとまだ
初対面、話し始めたばかりだというのに

「いつから働けますか?」

と言われている。
ブラック企業にも、誰でもいいからすぐ採用する、
というところが多いが、紙一重の違いがある。

書類選考でほぼ決まっていたようなものだが、
その理由はやはり、障害者雇用の場合、
仕事内容は誰にでもできるものばかりなので、
能力はそれほど高くなくてもよい、ということ
だからだと思う。
そのなかで、特に即戦力の障害者を求めている
のではないか。

だから、本気で障害者を採用する気がある会社
が現れると、そこはすぐに決めてしまう。
新着求人票に目を光らせておくとよい。
人気がまだ薄い段階で、競争率も高くない。

ちなみに、ハローワーク求人票の紹介期限は
最長でも3カ月間ぐらいのようである。
それを過ぎると、全部新しい求人票に差し替え
られているようだ。

不人気(「人気薄」とは意味が違う)な企業では、
使い回ししている場合も多い。
注意してみればわかる。
私は就職活動中はリストを作って、マンネリ企業
がどこかを見抜いて、応募先企業を選択していた。
そういう会社の関連会社も勿論ダメである。



6.応募書類の生かし方

書類選考を通るために。

〔近年の障害者求人票の特徴〕

近年の障害者枠求人票を見て、以前と変わって
きた点がある。
それは、求人票にわざわざ

「障害の種別・等級を明記して下さい」

という文言を入れている会社が増えたこと
である。
一体、なぜだろうか。
5年ぐらい前は、全く見かけなかった。
なぜなら、書く必要がなかったはずだからだ。

障害者枠は、ハローワークに障害者手帳を
提示し、登録していないと、斡旋してもらえない。
そうして、求人側に自分の存在知ってもらう。

これが第一関門で、ハローワーク職員が、
まず会社に電話で問い合わせをする。
ここで、障害の種別や等級を必ず聞かれる
ことになる。
それによって、応募不可となってしまう場合もある。

どの障害者でも同じだと思うが、聴覚障害者も、
職種によっては拒否されるケースが多い。
しかし、驚いたことに、電話問い合わせの後、
応募書類には障害者手帳のコピーを必ず添付する
義務になっている。
実は、その書類を受付けても

「最初から相手にされていなかったのでは」

と思えた場合もある。
早い場合だと、3日ほどで返送された。
選考結果には「7~14日後」と書いてあるのに、だ。
こういう経験をされた方も、他にもたくさんいるはずだ。

なぜこういうことがあるのかというと、経験者なら
想像したこともあると思うが、その場で会社が拒否
してしまうと

「その障害を持つ障害者は応募できないわけだ」

と障害者に見抜かれてしまうからだろう。
場合によっては

「その会社は特定の障害者を差別している」

という見方もされかねない。
その噂が広まってしまうことを恐れるからではない
だろうか。

もし、本当にそういう場合は、その会社の本心は

「書類選考だけなら、しても構いませんよ」

ということでしかない。

3日で書類を返送してしまう理由も、これでつじつま
が合う。

こういう回りくどいことをするのが日本の慣習だから、
仕事の内容を見て、障害との相性を自分で見極める
力を持ったほうがいい、と思う。

やっぱり、会社には最初から、どんな障害の人で、
等級もどの程度の人までがいいのか、理想形は頭の
中にあるのだろう。
ハローワークの裏情報なんか、まさにそれが理由だと
しか、思えない。

例えば、聴覚障害者でも、4、6級の人ならいいが、
1、2級の人はダメだということもありうる。

理由は、1、2級の人は、ろう者を思い浮かべるから
だろう。
特に1級は言語障害が重い人だから

「日本語の読み書きも無理な人」

と考えるのではないか。
2級でも、それに近いと考えられやすい、と思う。

つまり、障害の等級で能力や適応力を判断される
こともありうる。
実際に、会社への問い合わせ電話の段階で、
聴覚障害の等級について聞かれ、答えた段階に
なってから急に会話が途切れ、結果、応募できなく
なった、ということもあった。

障害者を採用する気がある会社ならば、すぐに
誰でも採用するところもあるが、書類選考に出す
書類では、人事の人に響く、自分の強みをアピール
することも忘れてはならない。
それがないと、単に障害種別・等級だけで判断
されてしまうだろう。



7.ずる賢い就職活動&転職術のすすめ


もう言うまでもないことだと思うが、
障害のことは詳しく話さないほうがいい。
質問範囲内で、最低限のことにとどめるべきだ。

私も以前は、障害について配慮してもらえる会社を
探していた。
それで、自分から障害のことを理解してもらいたくて、
その配慮をきちんとしてもらえることを期待して、
自分の障害のことを面接で詳しく話したことが
あった。
『障害について』という文書までつくって、
応募書類に同封したこともあった。
しかし、会社は、そんなことには全く興味はない
のである。
実際、採用に至ったことはゼロだった。

多くの会社の実態が『職場内障害者授産施設』で
あっても、会社はボランティア施設ではないのだ。
一人できちんと働けるかどうかを見ようとしている。

実際には、見極められていないで採用に至って
しまったケースも、なぜか非常に多いのだが。

「この人は、面倒そうだな」

と思われたら終わり、だと思ったほうがいい。


先に述べた

『6.応募書類の生かし方
「障害の種別・等級を明記して下さい」』

という、最近の傾向で、もうおわかりだと思うが、
それを書くだけでは会社側は

「この障害者を雇用するリスク、デメリットな何だろうか」

と、ネガティブなことばかり考えてしまうだろう。
会社は

「配慮はできるだけ考えたくない」

と思っている。
実際、聴覚障害者への配慮をしている会社などは、
今でもほとんどないのだ。

面接では必ずといっていいほど聞いてくる事柄だが、
それを正直に吐き出させることによって、
裏から障害による欠点を探ろうとしているだけなのだ。
だから、騙されないように気をつけたほうがよい。

むしろ、あなたはその上をいくべきだ。

「私には、こういう障害があります。
でも、私は次のような方法で、障害の克服に努力しています」

という筋で応募書類に書いたり、その論法で面接に臨むと、
あなたへの見方も変わってくる場合もある。
そこでは、自分と敵対し続ける健常者への“歩み寄り”を
示さなくてはならないが、会社が求めているのはまさに
それだから。

私の場合は、次のように書いてみたことがある。
実際、採用に至ったこともあるケースである。



〔例1〕

志望の動機
①電話応対はできませんが、作業系の仕事は何でも、
特にメール室業務の仕事は得意です。
②パソコンを使用してのビジネス文書作成
(Word、Excel)、メール(Outlook Express)もできます。


本人希望
聴覚障害のため電話応対は困難ですので、
ご配慮をお願いいたします。



〔例2〕

志望の動機
①電話対応はできませんが、作業系の仕事は何でもできます。
前職で郵便物仕分・重要文書管理・データ入力の業務経験が
6年半あり、本当は庶務・総務関係の仕事を再びしたいと
思っています。


本人希望
①聴覚障害のため電話応対は困難ですので、ご配慮を
お願いいたします。
②聴覚障害があっても、補聴器やFM補聴システム、
筆談、メール手段(日本語文章力)などで、障害の克服へ
前向きに取り組んでいます。




私の場合は志望動機に

「貴社の●●が良いと思ったため」

などとは一切書いていない。
障害者雇用では、昇進がないとわかっているからでもある。
それよりも、自分に出来ることをアピールする欄として、
活用している。

また、これらは志望する職種によっても、当然に変わってくる。


他に注意すべきなのは、たとえば通院していても、
月1回程度ならば、そのことは正直に「書かない」「言わない」。
そのときになってから、突然仮病を使ってごまかすことにする。
半年後は有給休暇を使って、堂々と休めるようになる。




事例ではパソコンに強いことを書いた。
この方法は、本当に筆談やパソコンメールなどで、
きちんとコミュニケーションができる人に限る。
後で疑われるようなことになれば、それは聴覚障害者
全体の問題になってしまうだろう。
ちょうど、ろう者が面接でよく

「口を見て読み取れます」

と言いながら、実際の職場ではコミュニケーションが
出来ていなかったりするのと同じように。


『2日で職場放棄してしまった、ろう者』
〔2010-01-09 18:00〕



この会社では、二度とろう者を雇用しなくなった。


自己PRは積極的に書くべきだが、ウソだけは書いては
ならない。
面接で「言う」だけなのと、文書に残る「書く」のとは、
大きく違うからだ。
書面は、ずっと残るものである。
だからそれは、採用後も影響することを忘れてはならない。

ろう者はたしかに、ろう学校のなかでは口を見て何とか
なっていたのだろう。
しかし、社会は学校のなかとはまるっきり違う。

「口を見ればわかります」

と言ったら、健聴者は

「聴覚障害者は、どんな説明でも、口を見れば読み
取れる能力を持っている」

と、勘違いしてしまう人もいるようだ。

『声の支配』(※)を読んでもわかるように、
声の世界に引きずられてしまうと、聴覚障害者の
不利はどんどん大きくなる。


(※)
『音声言語世界の中で生きる、ろう者の現実と、手話が持つ可能性』
〔2014-08-25 18:30〕




だから、健聴者とのコミュニケーションで、
確実で最善の方法は筆談しかない。
私の手法


『バカがいつまでも聴覚障害者差別をしている時代に』
〔2013-04-03 18:00〕



を参考にして、やってみてはどうだろうか。


あるいは、ろう者の例もある。


『補聴器と発声訓練が、聴覚障害者にもたらしたものとは――。』
〔2014-06-17 18:30〕

(『もうひとつの手話 ― ろう者の豊かな世界』
(斉藤道雄/著 晶文社/発行者
1999年6月10日/初版発行)より引用した文を参照。)



補聴器は、たとえ使えなくても、あったほうがいい。
補聴器を使ってダメならば、健聴者に書いてくれるか、
それとも相手にされなくなるかのどちらかしかなくなる。

そこでもし、相手にしなくなるようなことがあったら、
一人で悩まずに、すぐに上司や人事に相談するとよい。
その人たちでは役不足だと思ったら、コンプライアンス部や、
役員でも社長でもよい。
そこまでやっても改善しなかったら、さっさと辞める準備
をしなさい。
ただし、次の会社が見つかるまでは、自分から「辞める」
と言わないことだ。
働きながら転職先を探すことだ。
実際にハローワークも、それを推奨しているのだ。(※)



(※)
『ハローワークからの転職アドバイス』
〔2011-03-11 18:00〕



これは大変だが、辞めてしまうと転職活動中にも
面接で必ず

「何で辞めたの?」

としつこく聞かれ、そこが最大のネックになってしまう。
そこでは、相当辛い思いをすることになると思う。
精神的ダメージが大きく、再就職活動にも大きく
響いてしまうこと必至だ。

ここは批判覚悟で言うが、有給休暇でも仮病を
使ってでも、何でもいいから理由をうまくつけて休み、
転職活動をすればよい。
会社にとって迷惑な話だし、自分の良心も傷む行為
になるが、それでも、あなたにとっては、それ以外に
いい方法はない。


応募書類は基本的に

①送付書
②履歴書
③職務経歴書
④障害者手帳の写し
⑤その他、会社が指定した書類
⑥自分の趣向で添える書類
(『障害について』『転職したい理由』『私の長所と短所』など)

以上のものだ。

「『送付状』なんかつけなくたって」

と思うかもしれないが、
きちんとした作成能力があれば、それも自己アピール
にはなる。

「そこは見られている」

と思って、真剣に取り組んだほうがよい。
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by bunbun6610 | 2014-09-12 19:00 | 就労前の聴覚障害者問題A

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140911-00000068-san-soci



全盲女生徒「歩くの怖い」
不安な心情
 1人通学始めたばかり


産経新聞 9月11日(木)7時55分配信

埼玉県川越市のJR川越駅で8日、全盲の女子生徒が
何者かに脚を蹴られて負傷した事件で10日、生徒が
産経新聞などの取材に応じ

「1人で歩くのが怖い」

と不安な心情を語った。

 「許せない気持ちでいっぱい」。

こう振り返る生徒は同日、負傷した右膝の痛みが増し、
校内で車いすを利用した。
今年4月、マッサージ師を目指し、通勤の練習を兼ねて
1人で通学を始めた直後の事件だった。

 生徒は県立特別支援学校「塙保己一(はなわほきいち
)学園」(川越市)高等部専攻科1年生で8日朝、登校中
に同駅で右膝の裏を蹴られ3週間のけがを負った。
視覚障害者が使う白杖(はくじょう)が前から歩いてきた
人物にぶつかり、転倒する感触があった直後、背後か
ら強く蹴られた。
川越署は傷害などの容疑で捜査を始めた。

 白杖を折られ、心ない言葉をかけられた経験はあるが

「暴力は初めて。
蹴られるとは思わなかった」

という生徒。
最初は恐怖で誰にも言えなかったが、同日夕、同級生
に相談し同駅近くの交番に被害を伝えた。

 「白杖は目の代わりだが、全ての障害物を感じられる
わけではない。
点字ブロックや白杖について健常者の方に理解して
もらえれば」。

生徒はこう訴えた。



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by bunbun6610 | 2014-09-12 18:00 | 障害者問題・差別

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140403/waf14040312390017-n1.htm


全盲の女性殴られ、顔の骨折る重傷
 「足がひっかかって腹が立った」
と供述の44歳男逮捕


2014.4.3 12:34

 全盲の女性の顔を殴り、重傷を負わせたとして兵庫県
警須磨署は3日、傷害容疑で神戸市須磨区竜が台の
無職、松浦衛容疑者(44)を逮捕した。
女性は顔の骨を折ったとみられる。
松浦容疑者は

「女性に自分の足が引っかかって腹が立った」

と話している。

 逮捕容疑は2日午後3時5分ごろ、同区中落合の
スーパーで、いすに座って休憩していた同市兵庫区の
無職の女性(41)の前を通りかかり、いきなり無言で
女性の顔を1度殴ったとしている。



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by bunbun6610 | 2014-09-12 17:50 | 障害者問題・差別
『健聴者の偏見と差別による不合理』


運転免許制度と酷似した聴覚障害者差別事例が、
近年にもあった。

某遊園地であった、聴覚障害を持つお客への、
乗り物搭乗の「お断り」である。


『某遊園地での聴覚障害者バリアフリー化について(朗報)』
〔2014-08-15 08:36〕





「・・・補聴器を使用しない聴覚障害者の入場は固くお断り、となって
いました。
補聴器の使用者が一人いる、または健聴者の付添人が一人いる、
などで入場が可能となっています。
何故そうなっているのかと聞いたところ、2011年に発生した
『スピニングコースター舞姫』『サンダードルフィン』の死傷事故により、
お客様の安全性を考慮した上での判断であり、障害者規制として
設けたとのことでした。
なお、事故現場に聴覚障害者はいなかったとのこと。
・・・(中略)・・・
先方に『他の遊園地では、補聴器を使用しない聴覚障害者への
入場について、特に規制を受けていない』旨を伝えたところ、
『前向きに検討します』との回答でした。」
(2013年)



この文章を読んだら

「他の遊園地では、聴覚障害者でも補聴器を
つけさえすればOKなのか?」

と疑問に思うところだが・・・。
(では、補聴器をしても効果がない聴覚障害者も、
これでOK? になりそうだが・・・)

そんな意味ではよく理解できないので

>「補聴器を使用しない聴覚障害者」

の意味は「(補聴器を必要としない)難聴者」ということか?

その聴覚障害者に限り「規制がない」ということか?

すると、この施設側は

「補聴器を使用しないろう者はお断り」

と、遠回しに言いたいのか?

意味がよくわからないが・・・。


多分、結論から言ったほうがわかりやすいと思うが、
このろう者が要望したいこととは、要するに

「“補聴器を装用しての搭乗に限り認める”という、
条件を外してほしい」

ということだろう。

ところが、施設側の条件では、自動車運転免許証の
場合と同じなのだ。
健聴者は、聴覚障害者でも補聴器があれば安心
できるとか、健聴者のように聞こえる、と思い込んで
いるようだ。
しかし、安心なのかどうかは、聞こえの状況を把握
している本人が一番よくわかるのではないだろうか。


その遊園地の乗り物に乗るには、以下の条件がクリアされ
なければならない、という。


「ある聴覚障害者から、某遊園地への入場を断られたと連絡を
受けたことが始まりです。
・・・(中略)・・・
但し、聞こえの具合問わず補聴器装用、または話ができる方との
同行等で入場は可能であることがわかりました。
理由は、緊急時に放送されるスピーカーを聞けるという判断基準
とのことからです。」
(2014年)




最終的には、この施設でも差別的状況はほとんど
撤廃されたようだ。

しかし、自動車の運転免許制度の場合は、依然として
同種の、大きな疑問の残る差別が続いている。


健聴者の皆さんは、おそらく

「念入りの安全のためであって、差別するつもりはなかった」

と言いたいと思う。
しかし、意図はなくとも、障害者の側から見て差別的状況
なのかどうかが、差別であるか否かの、判別材料になる。

差別には「意図しなかった(差別的)状況の発生」も含むのだ。
そこを、よく理解してほしいと思う。
それが理解できないからといって、非協力的であることは、
差別的状況の放置になりうる。





【追記〔参考記事〕】

『“軍艦島上陸ツアー”での聴覚障害者拒否事件』
〔2015-05 -09 18:30〕

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by bunbun6610 | 2014-09-09 18:30 | 運転免許制度への疑問
『バイクの運転では違反回数1回(警察の調べ)
・・・しかし実際の違反数は1000回以上・・・』

『警察は、補聴器の欠点については、
何もわかっていないで形式的に法令を定めていた』

『補聴器の両耳装用が不可欠であるにもかかわらず、
日本の障害者福祉では原則、片耳しか交付されない』
(欧米では両耳装用が主流だと言われている〔※〕


〔※〕当ブログ

『『「耳の不調」が脳までダメにする』(中川雅文/著)』
〔2014-07-29 18:30〕


参照。






『公開シンポジウム報告
運転に聴力は必要ですか?! ~欠格条項見直しと運転免許~』
〔2006年10月15日〕





『PDF文書「50年の軌跡とアンケート調査から」
- DPI日本会議(Adobe PDF)』





『聴覚障害者と運転免許』



聴覚障害者の樋下氏は、バイクの無免許運転で、
何度も捕まってはまた運転する、をくり返して、
裁判で有罪判決を受けたことは有名だ。
今よりも障害者雇用促進法も進んでいなくて、
職域差別があった当時では、どうしても、
生きていくための仕事にバイクが必要だった
そうだ。

日本の障害者運動のなかには、車椅子障害者が
国鉄の駅構内を集団で突入し、バリアフリーを
訴えた運動も知られている。
その違法がいいとは言えないが、結果的には、
その行為から障害者の権利擁護が前進した。

確かに、裁判という、重い審判で有罪判決を
受けたことは、非常に重く受け止めなければ
ならないことだ。

しかし、この後、警察は軟化姿勢を示して、
法改正により聴覚障害者にも一定の条件を
満たせば、運転免許証が取得できるように
なっていった。
その条件は長い期間を経て、段階的に
緩和されていった。

しかし、それでもなお、完全にバリアが
なくなり、問題が全て解決したというわけ
ではない。

私は、初めのうちは難聴でありながらも、
補聴器装用という条件もつかず、まず原付
自動二輪の運転免許を取得したことは、
以前に述べた。
そして、その後に、普通自動車の運転免許も、
初めは補聴器の条件も無しで取得できた。


『平成20年(2008年)6月1日改正
道路交通法の前と後』
〔2014-09-02 18:30〕



しかし、その後、聴力が低下したわけでも
ないのに「人の話し声が聞き取れない」
という理由で、運転の条件に補聴器装用が
付け加えられた、という話も、その後に述べた。


『運転免許制度への疑問』
〔2014-09-06 18:30〕




〔原付バイク運転での問題点〕

私も、その頃、社会人として一人で生きていく
ために、2つのアルバイトを掛け持ちして
働いていた。

その頃はまだ、私は障害者手帳も知らず、
したがってそれを持っていなかった。
手帳を持った後だって、何しろ、手帳の使い方
もわからず、障害者雇用促進法という恩恵的
制度があることも、知る機会もなかった。

だから案の定、就職にも困っていて、仕方なく
2つのアルバイトを掛け持ちして働いたことも
あった。

そのうちの一つが新聞配達で、バイクの運転免許
証を持っていることが採用・勤務の条件だった。
それで、最初のうちは補聴器をつけて、
ヘルメットを被り、新聞配達をこなしていた。

ハウリングの問題もあり、補聴器は装用しても、
電源は切っていたのだが、実際には正しく使用した
ところで、この時には問題が他にもあったのであった。

配達作業中は短時間にかなりの激しい運動になるので、
多量の汗をかく。
それで補聴器にほんの少しでも汗が落ちると、
マイク部の小さな孔が塞がってしまったりして、
聴こえなくなることもしばしばだった。
あるいは、イヤーモールドの内部に水滴が溜まってしまい、
それで聴こえなくなってしまうこともあった。
補聴器は、汗そのものだけでなく、湿気の多い場所に
弱いので、ヘルメットの中に装用するのは、
もってのほかだったと思う。

そんなふうだったから、補聴器にも汗がついたりして、
壊れてしまったり、補聴器の寿命が縮んでしまっていた。
安月給なのに、自腹で買って、何度も壊れてはまた
買っていたら、働いても何もならないと思った。

自腹で買っていた補聴器は何台も持っていたが、
それらは性能に不満があるだけでなく、非常に高価な
ものであったので、次第に、壊れてももう補聴器を
買う気をなくしていた。
防水機能の高いスポーツ用補聴器もあったが、
それはより高価だった。

「どうせ買い換えても、この仕事で使ったのでは、
またすぐに壊れるだろう」

と思い、新たな補聴器は買わなかった。

いっそのこと、最初から補聴器をしないで運転する
ようになっていった。
新聞配達は住宅街のなかの狭い道路を走るので、
パトロールカーに出くわすこともなかった。
だから、見つかることもなかったのである。


補聴器の不具合は即、聴こえなくなってしまう、
ということだ。
しかもそれは、運転中でも突然に起こるものだ。

ずっと後の運転免許フォーラム(2006年10月15日)
に参加して、そのことを思い出し、矛盾に初めて気が
ついた。
補聴器の実用性にも大いに疑問があったことを、
警察は当時も今も、全く知らないで条件に付していた
ということになる。
このことからも、依然として、形式的な法制度だったと
思わざるをえないだろう。




〔補聴器の片耳装用運転の危険性〕

運転免許試験の聴覚検査は、補聴器は片耳装用
でも十分通る。

しかし、実際の自動車の運転で、片耳装用のままで
運転すると、危ない。

なぜかというと、片耳装用では、左右からの聴こえの
バランスが悪くなってしまうからである。
特に補聴器をした方からしか、音が入らない場合、
そっちの方ばかり気になってしまうので、
本当はどっちから音がしたのか、一瞬わからなくなる。
補聴器の方からだけ聴こえるとなると、
そっちの方にばかり反応してしまい、
逆の方向はおろそかになってしまう、ということだ。

補聴器をしていない方から音がしていても、
その方の耳から聴こえなかったら、わからない、
あるいは、反応が遅れてしまう、ということもある。

したがって、補聴器は必ず両耳装用でバランスを取る
ことが大事である。
特に、車などの運転の時は、そうだろう。

ところが、実際は高額な補聴器を両耳分購入できる人は、
そんなに多くないのではないか。
障害者福祉でも、特に認められた場合にしか、両耳分の
補聴器の補助金をもらうことができない。

私も、初めは片耳だけで我慢していた。
そのようなわけで、片耳装用ではかえって危険なので、
実際の運転時は、補聴器を装用しなかったのである。




以上、これまで数回にわたって述べてきたように、
聴覚障害者に対する運転免許制度は矛盾がまだ
まだ多い。
それにもかかわらず、私がそれを黙秘してきたのは、
法改正が何度も進むと期待していたからで、
現に私自身も運転することには何の壁もなかった
からである。

しかし、聴覚障害者全体の問題として考えた時、
この差別を放置するならば、決して本当の聴覚障害
者理解のある社会はやって来ないだろう。
そう思える。
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by bunbun6610 | 2014-09-08 18:30 | 運転免許制度への疑問
『聴覚障害者標識の義務付けに反対する声から』

自家用車に「聴覚障害者標識」をつけると、
それが目立つ。
マークだから目立たなければ意味がないので、
当然だが。

他の車の注意を引くことになり、配慮が得られるという
点は、確かにいいと思う。

だが、デメリットのほうも考えられる。
それは、その車を所持するろう者のほうにある。

そのマークがきっかけで、犯罪に利用される可能性が
心配されている。


『「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」
等に対する意見の募集結果について
結果概要、提出意見、意見の考慮 結果・理由等 結果概要』
〔2008年05月20日〕


マークを貼った車を、自宅の車庫に入れていたら、
その家にはろう者が住んでいると簡単にわかってしまう。
しかも、夫婦がろう者というケースも少なくはない。

ろう者を手話で騙す商法は、すでに以前にもあった
ことだが、これは手話で騙す健聴者などに好都合だ。
ろう者は

「手話のできる人は自分たちの味方だ」

と信じやすいと言われているからだ。

また、音がほとんど聞こえない、助け声も出せない
という障害を持つという点につけ込まれて、
予め周到に人物調査された後に狙われて、
引ったくりや窃盗犯罪の標的にもなりやすい
のではないだろうか。

ろう者側が、日々、そのような心配をする
ようになったことは確かだろう。

初心者マークなどとは違い、聴覚障害者標識は
恒久的義務になっているからだ。
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by bunbun6610 | 2014-09-07 18:30 | 運転免許制度への疑問

運転免許制度への疑問

私の経験を話すと、次の通りである。

当時の私は、障害者福祉制度のことも
知らなかったので、障害者手帳を持って
いなかったが、聴覚障害6級相当の難聴
の頃だ。

最初に原付免許を取得した。
難しい試験はなく、講習会のみだったので、
簡単に取れた。

補聴器は一応、持っていたが、わざわざ申告する
ことはせず、免許の条件にはならなかった。
当時の補聴器は、あまりに性能が悪かったので、
装用してもヘルメットを被るとハウリングがして、
使い物にならなかった。
もともと、補聴器無しでも10メートル離れた
位置からクラクションの音は聞こえていたので
問題ない、と思っていた。


普通自動車運転免許を取得する時も、当時の聴力は
6級相当で、障害者手帳もまだ持っていなかった。
補聴器無しでも原付免許を取得できていたので

「耳のことは言う必要はない」

と思っていた。
そのまま教習所に通っていて、教科書の丸暗記に
強かったので、筆記試験は簡単に合格できた。
(本試験でも、合格率50%の中を突破した。)

しかし、実技指導がよく聞き取れず、仮免許試験
合格後に、教習所側に

「何で入所する時に、耳のことを言わなかったのか」

と言われた。
それでも「大丈夫だろう」と思われたらしく、結局、
何で咎められたのか、自分にはわからなかった。

「法令で定められた聴力基準を満たしているんだから、
言う必要はないじゃないか」

と思っていたが、公安局から認可を受けている教習所にも、
仮免許を交付する責任があったのだろう。

そして、本番の免許試験場でも、実技試験免除だから、
そのまま通っていたが、不安になり、自主的に試験官に
耳のことを伝えて、法令に基づく聴覚試験を受けることを
申し出た。
それが

『平成20年(2008年)6月1日改正道路交通法の前と後』
〔2014-09-02 18:30〕

に述べている試験方法だった。

その結果は、私の場合は

「補聴器は免許の条件にはつかない。
でも、安全のため、補聴器をつけて運転するほうが
いいですよ」

と言われた。

(健聴者読者は、この説明の矛盾に、気がつくだろうか?
なぜ、法令で定められた聴覚検査で合格しているのに、
こう言われなければならないのだろうか?
日本人は、このように曖昧に説明してしまうことが多い)

そして、それから何年かは補聴器無しで運転していて、
それまでに事故はゼロ、違反が、原付自転車運転時の
ヘルメット無しによる反則1回だけだった。

しかし、その数年後、免許更新のある時、聴覚の検査を
申し出てみたら、その検査官の場合は法定検査ではなく、
検査官が指示したやり方で検査をした。

それは、私の後ろの10メートルほど離れた位置から、
声で呼ぶという方法だった。
それで私は反応できなかったので、

「今日から補聴器の条件をつけます」

と言われた。
でも、車のクラクションの音は常に、
ちゃんと聴こえていましたので、
自分は納得できなかった。

人の声とクラクションの音とは、
幾らなんでも違い過ぎないだろうか?

これはどうも、きちんとした客観的判断が
なされた結果ではなかったように思う。

それを差別と言うのではないだろうか。

このような健聴者の個人的な先入観で
何事も決めつけられてしまうのは、
納得がいかない。

検査官は手抜きして自分勝手な判定をせず、
法定検査をやるべきだったと思う。

聴覚障害者の運転が心配だというのなら、
それは自分たちのつくった法律にこそ、
問題があるのだ。

屁理屈で聴覚障害者の心を傷つけるのは、
本当にもうやめてほしい。

健聴者も、自分たちのそういうところに気づき、
変えるべきところは変えていってほしい、
と思う。


私はこの時初めて、運転免許制度、そして警察のいい
加減さを知り、それからは疑問に思うようになっていった。

なぜ検査もせずに、勝手にこんなことをするのだろうか?
自分たちのつくった法令に、そんなに自信がないから
だろうか?

そうだ。
きっと、心配だからだ。

聴覚障害者への偏見か?
差別からか?

そうだ。
これは、彼らの鈍感による、差別なのだ。

いずれにしても、理解しがたい愚行だ。

それから数年後、大勢のろう者が集まる運転免許フォーラム
があり、私も参加したのだった。



警察に

「補聴器は条件にならない」

だの、一転して

「補聴器も条件にする」

だのと勝手に言われていたのは、
それはもう25年ぐらい前のことだった。
障害者手帳も持っていなかった頃のことだった。
聴覚障害6級に相当すると思われる聴力だった。

なぜなら、その頃、すでに、確実に人の話を聞き取る
には1メートル以内でなければならなかったからだ。

その頃の国産アナログ型補聴器の性能の悪さは、
半端ではなかった。

加えて、当時の自動車のほうも、エンジン音は
今の自動車に比べ、かなりうるさく聞こえた。

それでも、後になって免許の条件に、一方的に補聴器
をつけることが義務付けられてしまったので、
最初は真面目に補聴器を装用して運転してみた。

ここで、健聴者の読者の皆さんにも、補聴器というもの
について、しかもここでは、約30年前に買った補聴器と
いうものについて、勉強しなくてはならない。

そうでないと、私がこれから話すことを正確に理解できない
からだ。

当時の国産アナログ型補聴器の特性を説明しよう。
バイクではハウリングの問題を挙げたが、車の運転では、
補聴器に内臓されたマイクの「指向性」が問題になる。
ノイズも著しかった。
狭い車内で機械を操作するのだから、補聴器は近くの雑音
をみんな拾ってしまう。
その音が耳、そして頭の中に入ってきてしまうので、
まともに運転し出すと、外の音まで聞き分けるのは不可能
に近かった。

これで、運転に集中できるだろうか?

補聴器をしたほうが、余計に外の音が聞こえなくなる
危険状態だというのに。

免許試験の時の聴覚検査は、何のためにしたのだろうか?

このようになってしまうのは、補聴器の内臓マイクによる
指向性も原因なのだと思う。

もともと、補聴器というものは、近くの人の話し声を聞くために
あるもので、そういう設計になっているものだ。
だから車内でも当然、そうなってしまう。
車内の操作音を何でも拾って、耳に入れてくるので、
外の音なんかほとんど聞き取る余裕が持てなかった。

さらに、窓を開けた時の、風が補聴器のマイクカバーへ当たる
「ザザー」という強力な音(風切り音)も、外の音をほとんど、
わからなくしてしまっていた。
これだけ説明すれば、健聴者ももう理解できるはずだ。

「何のために補聴器をするの?」


そして、それは

「なぜそれでも、補聴器をつけることが条件になるの?」

となるだろう。
誰もが「おかしい」と思うはずだ。


「窓を開ければ、補聴器で外の音も聞こえるようになるだろう」

と思っている健聴者もいるかもしれないが、こちらとしては

「補聴器が風で吹っ飛んでしまわないか」

と心配になってくる。
特に対向の大型車などとすれ違う時の突風は、
危険だと思った。
だから、もし補聴器を装用して運転するなら、
窓はあまり開けないのである。

たしかに、車を運転する時は、常に補聴器を持っているが。
仮に装用するとしても、電源を入れないか、
入れてもボリュームを最小にしてしまうのである。


ワイドミラーがその時になって必要だとも、
私は思わなかった。


では、聴覚障害者マークはどうだろうか?
これも、よく考えると、一部のろう者だけには、
免許取得時から半永久的に義務付けるというのは、
疑問もあるのではないかな、と思う。
いつまでも「初心者マークと同様に」とすべきなの
だろうか。


「初心者マークと同様に、周囲の運転者はこの標識を
掲示した車両を保護する義務を有し、幅寄せ・割り込み
(やむを得ない場合は除く)などの行為を行なっては
ならない」



「表示は義務となっており、表示しなかった場合、違反点数
(1点)、反則金などが課せられる。」


ちなみに、パブリックコメントでもあったように、
やはり珍しい聴覚障害者マークをつけた車を
見かけると、写真でも撮られたり、何かと差別的な
話題になったりしかねないような心配もある。

中には、本当に冷やかしてくる人もいるかもしれない。

車にはナンバーもわかることから、プライバシー侵害
の心配もあると思う。
駐車場にあるだけで、その家に、あるいはその辺に
ろう者が住んでいるとわかってしまう。
もみじマークと同様に、不特定多数の人にわかるので、
犯罪の標的にされやすくなる可能性もある。




運転免許制度で運用されている「聴覚障害者標識」だが、
こんな使い方をする警察署もある。
認知度はいかほどなのだろうか?
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路線バス車内のポスターにも、聴覚障害者標識が掲示されている。
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by bunbun6610 | 2014-09-06 18:30 | 運転免許制度への疑問
『運転免許の聴力基準に関する意見書』
〔2003年12月26日〕



『道路交通法の改定と課題
―聴覚障害者を中心に―
臼井久実子・瀬山紀子』
〔「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年9月号〕




『自動車などの運転免許について』
〔障害者欠格条項をなくす会〕



『公開シンポジウム報告
運転に聴力は必要ですか?! ~欠格条項見直しと運転免許~』
〔2006年10月15日)




『PDF文書「50年の軌跡とアンケート調査から」 - DPI日本会議
(Adobe PDF)』





『聴覚障害者と運転免許』



〔警察庁発表によるパブリックコメント〕


『「道路交通法改正試案」に対する意見の募集の結果について』
〔2007年2月15日〕

8ページ;(4)聴覚障害者の運転免許に関する規定の整備について



『聴覚障害者標識に関する基本的な考え方の
パブリックコメントの募集の結果について』
〔2007年10月3日〕




『「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等
に対する意見の募集結果について』
〔2008年5月20日〕






〔運転免許フォーラムなどでの、ろう者の反対意見の主な例〕

(1)「法令の聴覚検査では合格できても、実際の運転で
音がわかるとは限らない。
窓を閉めたら、補聴器をしたってわからない。
だから、そんな制度も試験も意味がない。」
(補聴器の条件についても反対)


(2)「耳が聞こえるから安全運転ができるとは限っていない。
車の安全運転は運転者の良心がするものだ。
聞こえない人でも、安全運転はできる。
私(ろう者)だって、ゴールド免許証だ。」
(補聴器の条件についても反対)


(3)「健聴者は携帯電話で話しながら車を運転しているじゃないか。
あれのほうが危ないではないか。
なぜ、あれがOKで、ろう者はダメなのか。
差別だ。」
(補聴器の条件についても反対)


(4)「ワイドミラーも蝶マークもいらない。
なぜ、ろう者にだけ、これらを義務付けるのか。
安全運転上必要なものなら、健聴者にも義務付けるべきだ。」
(「条件付きで認める」という改正法への反対)


(5)「ろう者は健聴者よりも、視野がずっと広い。
そもそも、聴覚によって音声情報が得られない分、
目でよく注意しながら運転している。
ろう者の場合は、補聴器を使う人でも、補聴器に頼っている
のではなく、視覚情報に十分注意しながら安全運転をしている。
だからろう者の場合は、補聴器は安全運転を心がける上では、
それほど重要ではない。」
(補聴器の条件についても反対)






〔参考情報〕


『聴覚障害者の視覚能力が高い理由』
〔2010年11月08日〕





「ろう者の眼は、健聴者よりも視野が広い」

と言われている。
これは本当のことで、実際にそれを裏付けるエピソード
がある。

ある日のことである。
すでに、かなりの高齢になっていたろう者Oさんは、
腰をほぼ直角に曲げたまま歩きながら、私の手話を
見ていたが、だんだんとこっちを見なくなり、
下を向いたまま歩いているように思えた。

私は

「高齢であの姿勢で歩くものだから、疲れるんだろうなぁ。
ろう者は常に相手のほうを見ていなければ、
話が読み取れないから、大変だなぁ」

と思っていたが、Oさんはそうは見えても全然そんなこと
はなく、話をちゃんと読み取っているのだった。

その時、ろう者の視野の広さは、超広角レンズのように
広いのだと、初めて知った。

その特性を、別のあるろう者は日本手話で、
非常に面白く表現している。
健聴者や、他の聴覚障害者は知らないが、
ろう者なら、皆知っていることだろう。
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by bunbun6610 | 2014-09-05 18:30 | 運転免許制度への疑問
ある日、マンション前の車庫から公道にバックして
出ようとしていた車を見かけた。
車の運転手は、私の知っている不動産会社の社長だった。
その他に女性社員が二人、同乗していた。

よく見ると、社長は片手に携帯電話を持って話し中だった。
それだけでなく、時折、女性社員とも車の中でモメていた
ようだった。
そういう状態で、右手だけで車を運転しているのだった。

その車庫から出る際、社長があまりにチンタラとやって
いたので、公道を通りたい車はどんどん停まり、
渋滞のようになってしまった。

しかし、それでも社長は携帯電話をやめない。
感情的になって、電話相手に文句を言っているようだ。
同乗の女性社員も怒っていた。
それを見ていた私も、不愉快なので怒っていた。
周囲の車の人も、迷惑そうに冷たい目で、社長のほうを
見ていた。

車庫から車を出す時に携帯電話をしている人を見たのは、
この時だけではなかった。

別の時も、やはりチンタラとなってしまうもので、
終わるのを待っている人が、次第に溜まってくるのだった。

もし、その場に警察官がいたら、こういうことはダメ
だろう。

だが、いなければやる健聴者もいる。

おそらく、電話の話し相手は、その人にとって大事な人
なのだろうが、それでもダメなものはダメだ。

それでも、こういう者には車の免許証も与えるし、
迷惑行為なんかやっても、大目に見られている。

しかし、耳の聞こえない人の場合は、どうか。

耳が聞こえても、周囲の状況を無視するヤツが
車の運転を認められていて、耳の聞こえない者は、
なぜそれだけで認められなくなるのか。

その部分は一応、2008年の道路交通法改正によって、
条件付きながらも認められるように変わった。

だが、多くのろう者が集まった『運転免許フォーラム』
では、その条件全てに猛反対を表明していた。
なぜか?

彼らの反論の幾つかを、次回で述べてみたい。
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by bunbun6610 | 2014-09-04 18:30 | 運転免許制度への疑問
運転免許制度の疑問
『聴覚障害者が、原付自転車や自動二輪を運転する場合は?』


「考えられる方法は4つある。

①補聴器を試験時と同じように装用する。

②補聴器を装用するが、電源スィッチは入れない。

③補聴器を装用するが、ボリュームを目一杯下げる。
 (ハウリングはしなくなるが、補聴器の役目はほとんど
  果たさなくなる)

④補聴器を装用しない。


上の行為を健聴者から見ると、①は違反ではない。
では、②と③は? これを健聴者は、どうやって識別
できるのか?
④は健聴者からも、明らかに違反と見える。
しかし、車の中の運転者が装用している小さな補聴器を
確認するのは容易でない。
実際は、見つからなければ装用しないことだってあるのだ。
普通自動車の免許所持者は、原付自転車の運転も認められて
いるが、それもヘルメットを被るから、補聴器をしているか
どうかは、外見からだけではわからない。」


以上は、当ブログ

『平成20年(2008年)6月1日改正道路交通法の前と後』
〔2014-09-02 18:30〕


より引用。



===============================




昔の補聴器の性能がどれほど悪かったか、健聴者は
知るはずもない。
だからなのか、健聴者は今も昔も変わらず

「補聴器をすれば聞こえる」

と勘違いしたままだ。

困ったことなのだが、これを逆利用してごまかすことも、
随分とできたものだ。
就職なんかの時でも、特に障害者雇用を知らない会社
だったら、補聴器をつけて聞こえるフリをすれば、
採用してもらえるところもあったものだ。
障害者雇用が今ほど知られていなくて、「合理的配慮」
なんていう考え方もなかった時代だったから、
これしかなかったのだ。
健聴者の無知を逆手にとって、健常者と同じ仕事をする
こともできたものだ。


さて、本題に入るとしよう。
その補聴器は、昔はみんなアナログ型だった。
役所の福祉課と癒着した業者に勧められて購入した
補聴器は、国産(株式会社リオン)の「リオネット補聴器」
という商品名だったが、性能が著しく悪かった。
それを装用してヘルメットでも被ろうものなら、たちまちハウリング(※)
を起こして、運転に集中・・・どころではなかったものだ。
ノイズもひどかった。


(※)「ハウリング」
当ブログ

『補聴器のハウリングと、ろう者』
〔2012-09-19 18:30〕


を参照。



補聴器店に相談して「ベント」という細い空気孔をつけた
特注イヤー・モールドに変えてみたが、それでも改善でき
なかった。
当時のイヤー・モールドは、今のものと比べて材質が
劣っていて、硬かった。
今のものは体温に反応して柔軟性が生じるのでフィット
するが、昔のものは硬かったので、ハウリングが起きて
しまうこともあった。
それで、運転中に突然、ハウリングが起きることもあった。
だから結局、原付自転車を運転する時は


①補聴器を装用するが、電源スイッチは入れない。

②補聴器を装用するが、ボリュームを目一杯下げる。

③補聴器を装用しない。



のどれかしかなかった。

この答えを正直に書くことはできないから、後は読者の想像
にお任せする。

それを想像してみた上で、昔の免許制度の意義についても、
考えてみてほしい。

自分も聴覚障害者になったつもりで、よく考えてみて下さい。
ハウリングがしたまま我慢して補聴器を使っていたら、
周りの音なんか聞こえなくなります。
それでも、補聴器を装用することなんかに、意味がありますか?

その馬鹿げたことを、警視庁は聴覚障害者に運転の条件として、
聴覚障害者に押し付けていたのだ。


現在の補聴器は、私は外国製を使っており、デジタル型だ。
それからは、ヘルメットを被っても、ヒアリングは起きなくなった。

だが、今のデジタル補聴器であっても、性能の悪い補聴器だった
ら、もしかしたらハウリングはあるかもしれない。
実際、ハウリングを起こしっぱなしの人もいるからだ。


『補聴器のハウリングと、ろう者』
〔2012-09-19 18:30〕



その真実を知っているのは、その補聴器を装用する聴覚障害者
本人のみであろう。
勿論、健聴者にはわからない。
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by bunbun6610 | 2014-09-03 18:30 | 運転免許制度への疑問