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リングァ茶屋 Vol. 9
『知る見る語る~重なるところから見えること』

日時 2013年6月20日(木)午後7時~8時30分(6時30分受付開始)

場所 在日本韓国YMCA 3階302号会議室(千代田区猿楽町2-5-5)
  JR総武線「水道橋駅」より徒歩6分、
  都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線「神保町駅」より徒歩7分、
  JR中央線「御茶ノ水駅」より徒歩9分

お話 臼井久実子さん

参加費 500円 (介助者は参加費無料です)
  ※ 定員40名です。参加申し込みをお願いします。
  ※ 会場にはエレベーターがあり、会場内は車いすで移動できます。
   駅のエレベーター設置状況については、
   らくらくおでかけネット
   www.ecomo-rakuraku.jp/rakuraku/index/
   や各鉄道社のサイトが参考になります。
  ※ ノートテイク・手話通訳があります。


臼井久実子(うすい くみこ)さん
1960年兵庫県生まれ、幼い時からの聴覚障害者。
「障害者欠格条項をなくす会」(1999~)
「DPI女性障害者ネットワーク」(再発足2007~)で活動中。
「DPI女性障害者ネットワーク」は東日本大震災後
『あなたの避難所にこんな方がいたら』を広く配布。
障害者差別禁止法制定・障害者権利条約の批准に向けて、
『障害のある女性の生活の困難―複合差別実態調査報告書』
を発行し政策提言している。



要申込みで、定員あり、です。


さらに詳しく知りたい方は、下記ホームページをご覧下さい。

 http://www.linguaguild.com/news.php
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by bunbun6610 | 2013-05-30 23:50 | バリア&バリアフリー
東京『三田フレンズ』(※1)より、下記の情報がありますので、
ご案内させていただきます。

(※1)
三田フレンズ(三田パソコン要約筆記勉強会)

http://mita.yh.land.to/



悩みを少しでも解決・軽くして、社会人生活も頑張って下さい。

聴覚障害者のNHKディレクターも来られますから、この際、
障害者手帳の認定が受けられない難聴者も、
就労困難の問題(※2)を伝えてみてはどうでしょうか?
テレビの影響力は大きいと思います。
さらに、弁護士からはどういった知恵が出るか、
いい話が聞けそうですね。
この企画のメンバーなら、最強タッグではないかと思います。



(※2)〔参考情報〕

『(障害者)手帳のない難聴者』

http://blog.goo.ne.jp/papipupepo12/e/e4217656ab16386c6d9f9c855a1d85f3


あわせて、当ブログの過去の人気記事で、
私が選んだ記事も紹介します。

『身体障害者手帳のない聴覚障害者(難聴者)は、どうやって就職するのか?』
〔2013-01-16 18:00〕





それでは、以下が転載の情報です。



==============================



。・☆・。・★・。・☆・。・★・。・☆・。・★・。・☆・。

 ~三田パソコン要約筆記勉強会ご案内~

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   三田パソコン要約筆記勉強会・6月のお知らせ 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

**********************************************

【働く難聴女子! ~情報保障や機器を使って~】

(ゲスト)
★長嶋 愛(ながしま あい)さん:NHK(日本放送協会) ディレクター
★久保 陽奈(くぼ はるな)さん:弁護士

**********************************************

桜満開の卒業式、葉桜の入社式・入学式が過ぎ、
新生活が始まったこの時期。
皆さん、わくわくしながら過ごしていますか?(^_-)-☆

新しい環境。聴者の中で、聴者のテンポで仕事をするには
どんな工夫や事前連絡が必要なんだろう?

今回は“働く難聴女子(*^_^*)2名”をお迎えして、
職場での様子、補聴器など使っている機器、
社外の方にお会いするとき事前に伝えていること、
そして小さい頃の経験などをお話しいただきながら、
会場の皆さまと意見交換をしたいと思います。


-<概要>-------------------

【日時】
 6月15日(土) 13:15~16:40頃

【場所/部屋】
 東京都障害者福祉会館(三田会館)『A1』
 http://www.normanet.ne.jp/~tsk/kohza/map01.htm
 港区芝五丁目-18-2  TEL 03-3455-6321、FAX 03-3453-6550
 最寄り駅:JR「田町駅」または 三田線「三田駅」

【参加について】
 事前申込み不要・参加費無料

【情報保障】
 PC文字通訳・手話通訳 
 聴こえ支援スピーカー(http://u-s-d.jp)
 
【問合せ先】
 宮下(三田F企画担当) akemizo@beige.ocn.ne.jp

----------------------------

学生さんや保護者の方々にも
参加していただきたい内容だと思います。
お友だち同士お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

今回は、今まで三田フレンズで登壇して下さった方々も
会場に来て下さる予定です。
幅広い交流の場としても、三田フレンズをお使い下さい。

また、「聴こえ支援」として
NPO法人ユニバーサル・サウンドデザイン様のご協力により、
「聴こえ支援スピーカー」も設置させていただくことになりました。
補聴器や人工内耳を装用されている方々もこの機会にお試し下さい。
音の情報保証。
学校の授業・集会・受付など、いろいろなところで
使われるようになりますように。
    ↓
 参考:NHKおはよう日本(2013.4.12放送)
 「“難聴でも聴きやすく”新型スピーカー」
 http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/report/20130412.html


終了後、田町駅近くで交流会を予定しています。
こっちもみんなで楽しもう!ヽ(^0^)ノ

===============================




以下は、最近の続報です。



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-<ゲストプロフィール>----------------

【長嶋愛さん】
 1歳半の時に、難聴がわかる(原因不明。医者いわく先天性)。
 当時住んでいた兵庫県にあった
 「兵庫県立こばと聴覚特別支援学校保育相談部」で、
 補聴器を装用しながら、口話教育をうける。
 そのころの障害者手帳を見ると、右耳75dB、左耳95dB。
 「こばと」に1年少し通った後は、一般の幼稚園、学校に通う。
 就職してから、聴力低下が進み、現在は右耳90dB、左耳95-98dB
 (手帳3級を申請予定)。
 職場では同僚のサポートをうけながら仕事をしていたが、
 昨年8月より通訳を付け、現在に至る。
  
【久保陽奈さん】
 「自分には聞こえない音がある」と、はっきり気づいたのは、
 高校1年の時。
 検査の結果、進行性の難聴であることが判明。
 その後、補聴器を装用。
 働き始めてからも何度か聴力の低下があり、現在2級。
 仕事上、対話が必要な時にはFM送受信機を使用。
 電話では事務所の方に筆談等の協力を得ている。
  
 ※お二人とも、体調と聴力にはかなりの関係がある模様。
  耳鳴りは「常に」だそうです。


-<スケジュール(予定)>-------

12:50 開場予定
~~~~~~~
13:15 はじまり 挨拶等
13:25-13:55 長嶋愛さん:NHK(日本放送協会) ディレクター
13:55-14:25 久保陽奈さん:弁護士
14:25-14:35 中石真一路さん:NPOユニバーサル・サウンドデザイン

14:35-14:45 お知らせ等
14:45-15:05 ~休憩~

15:05-16:20 質疑応答&フリーディスカッション
16:20-16:30 お礼 おわりの言葉
16:30頃~   片付け
~~~~~~~
17:00~ 交流会ヽ(^0^)ノ(田町駅の近くを予定)

-----------------

♪ところで、私、聴者なのですが、4月末、
 「聴こえ支援スピーカー http://u-s-d.jp 」を通して
 実際に会話を聞く機会がありました。
 
 指向性っていうのかな。
 「聴こえ支援スピーカー」を向けた方向にだけ
 音が伝わるようになっているようなのですが、
 騒がしい中でも、ホント、音が浮き上がって聞こえてくるというか、
 気持ちいいぐらい、その音声だけがストンと入って来たのです。
 音の情報保障にもいろんな形があるんだなぁ~と思いました。

 6/15(土)当日は、広い会場用のものを用意していただけるので、
 より多くの方に体験していただけると思います。
 いろんな席に座ってみてね。


♪今回は、過去に三田フレンズで登壇して下さった方々だけでなく、
 今、難聴で悩んでいらっしゃる方や、
 広くユニバーサルデザインに取り組んでおられる方々からも
 「行くよ~!ヽ(^0^)ノ」とご連絡をいただいております。

 ぜひ幅広い交流の場としても三田フレンズをお使い下さいマセ。
 楽しいご縁が広がりますように…。(*^_^*)




こんにちは。☆宮下あけみ♪企画担当☆です。

 6月15日(土)三田フレンズ。
 「企画」自体は事前申込み不要&無料なのですが、
 【終了後の交流会】は別会場(お店)となるため、
 事前に人数などを伝え、予約したいと思います。

 そこで申し訳ないのですが、
 交流会に参加を希望される方は、
 「フルネームをご記入の上」、
 6月10日(月)までに、
 宮下 akemizo@beige.ocn.ne.jp までご連絡ください。

 企画終了後、みんなでぞろぞろ歩いて行きましょう。
 よろしくお願いいたします。


-<【交流会】ご案内>------------

日時/6月15日(土) 17:00~

場所/田町 個室居酒屋「駒八」 別館
http://r.gnavi.co.jp/g793700/
住所:港区芝5-16-14 石井ビル1~2F
電話:03-3452-5883

料理/「ぐるなび限定!3980円コース②」
駒八名物オリジナルもつ鍋は絶品!
飲み放題までついて4500円→3980円
(「もつ鍋」は「豚チゲ鍋」に変更可)

締め切り/6月10日(月)
申込み先/宮下 akemizo@beige.ocn.ne.jp

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by bunbun6610 | 2013-05-30 23:48 | 就労後の聴覚障害者問題B
音楽って何だろう?

私も以前は、
つまり聴こえていた頃は、
音楽を聴いていた。
音楽はかなり好きなほうだった。

でも今は、音楽とは全く無縁の生活をしている。
聴こえない耳に音楽は不要となったからだ。

不要なだけではない。
おそらく、今では音楽を意識的に避けるようになっている。
そのため、部屋のなかにあった楽器、ステレオ、
レコードやCDは全て捨てた。
でもそれは決して、音楽が嫌いになったわけではない。

よく、健聴者の間では

「音楽には国境がない」

とか言われる。
でもそれは、真っ赤なウソだ。

その証拠に、聴覚障害者、そのなかでもろう者(Deaf)には、
音楽とは無縁の人がほとんどだ。
聞こえない者に音楽は無意味だからだ。

私もその一人になった。
私も今では、音楽には興味がなくなった。

繰り返して言うが、音楽が決して嫌いになったわけではない。
健聴者は、好きな音楽とか歌とかを聞くと皆、
ケンカもやめるほど、心がひとつになるかのようになる。

シラノ・ド・ベルジュラックは、仲間が空腹に我慢がならず、
言い争いを始めたとき、自分の歌を聞かせて落ちつかせた。

歌や音楽が、皆の心に協和音を届けてくれるのかもしれない。

それは、聴こえていた頃の私も同じだったと思う。

でも、今は違う。

音楽のある環境にあっては、自分だけが、
孤立してしまう。
自分だけが、皆が聞いている音楽に共感できない。

それが耐えがたくなったから、音楽から意識的に
遠ざかるようになったのだ。

もはや一人で聴くこともできなくなると、
音楽の存在は、耳が聴こえなくなったことを
思い起こさせるものでしかなくなる。

それなのに、佐村河内守氏はなぜ、
それに耐えられるのかが、不思議と言えば不思議だ。

彼の場合、元々好きだった音楽でその個性が育ち、
失聴後も、彼自身が生きる術として持っているのは、
音楽しかなかったから、
音楽とともに生きているのかもしれない。


「私には夢があります。
もし何らかの奇跡が起こり、聴力が甦り、
発作も消えうせたときには、迷わず筆を折り、
作曲家以外の道を選ぶことでしょう。

裏を返すならこの淡い夢は、愛する音楽と
引きかえにできるほど、いまの精神的・肉体的苦痛が
耐えがたいことを表しているのかもしれません。」
(『交響曲第一番』〔佐村河内守/著 講談社/発行所〕より)



やはり、彼もろう者(Deaf)とは全く対照的な思考だと思う。
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by bunbun6610 | 2013-05-28 18:00 | 難聴・中途失聴
『だいじょうぶ3組』(乙武洋匡/著)

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%B63%E7%B5%84-%E4%B9%99%E6%AD%A6-%E6%B4%8B%E5%8C%A1/dp/4062162997



「『障害者に対する差別や偏見をなくそう』という言葉が
ありますけど、僕は三十六年間生きてきて、
差別や偏見ってあまり感じたことがないんです。
それは僕がすごく恵まれているか、ものすごく鈍感なだけ
かもしれないですけどね。

ただ、街中を歩いていると、小学校に入るか入らないくらい
の子が僕を見て、『なんだあれ?』『気持ち悪い』と言われる
ことはあります。
それって自然な反応だと思うんですよ。
見たことのない、得体のしれないものを目の当たりにしたとき
に思わず身構えてしまう。
それって偏見ではなく、“本能”だと思うんです。」


=============================



>「僕は三十六年間生きてきて、
差別や偏見ってあまり感じたことがないんです。
それは僕がすごく恵まれているか、ものすごく鈍感なだけ
かもしれないですけどね。」



私も

「乙武氏の場合はそうなのだろう」

と思います。

差別をあまり感じたことがない、というのは、
主に直接差別のことを言っているのだと思います。

では間接差別のほうはどうなのだろうか。
障害者本人でさえ、よく気づいていない場合さえあります。
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by bunbun6610 | 2013-05-27 18:00 | だいじょうぶ3組
これは知人・Aさんの就職活動の例です。

Aさんは片耳がほとんど聴こえませんが、
もう片方は聴こえます。
ただし、人との会話などで不自由はしていました。
難聴障害の原因は不明、幼少期から続いていた、
とのことです。

これでは障害者認定は受けられませんので、
健常者に混じって就職活動をしなくてはなりません。
というか、Aさんは難聴障害があっても、
健常者として就職したかったようです。

大学を卒業する前から就職活動をしていましたが、
Aさんだけ就職先が決まらぬまま卒業式を
迎えてしまいました。
卒業後も必死に就職先を探しましたが、
面接で落ちてばかりでした。

このブログの読者も、その理由はお分かりになって
いるはずです。

普通に就職活動をしていても難しいとわかったAさんは、
知人に特別に紹介してもらい、やっとB社に就職することが
出来ました。

それからずっと20年以上、そこで働き続けています。
平社員です。
昇進はできないし、昇給も42歳までだったそうです。
一般枠での就職は出来ましたが、扱いは障害者と同じ
のようです。
Aさんが転職できない理由も、読者には分かりますよね。
Aさんは自分の方耳難聴障害を隠していて、
我慢し続けて働いています。
(今も職場の一部の人にしか、知られていないという)

それが、ほとんどの難聴障害者の、
いやそれだけでなく大多数の聴覚障害者の、
運命なのでしょう。

ともかく、Aさんのように就職はコネを使う、
という方法もあります。
コネがあるならば、あるいはつくれるならば、
という話ですが。

コネだけでは、障害の問題はどうしようもありませんが、
就職できただけでもマシなのでしょう。

Aさんは、わりと有名な大学を卒業したのですけれども、
隠れた難聴者だと、会社での置かれ方も、そんなものです。
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by bunbun6610 | 2013-05-26 22:29 | 就労前の聴覚障害者問題A
LATE HARVEST(レイト・ハーベスト) 2010年
原産国;チリ
アルコール度; 12%
甘辛度; 甘口
容量; 500ml
輸入者; 木下インターナショナル株式会社


「マスカット・オブ・アレキサンドリア種の
遅摘み完熟ブドウ、貴腐ブドウを使用。
マスカットのブドウの香りに花や蜂蜜の
香味が重なり、上品な甘味と心地よい
酸味との絶妙な味わいをお楽しみ
いただけます。

飲み頃; 10~12℃」

明治屋で購入(1280円)。


チリ産ワインはフランス産などと比べて
安いです。
甘辛度には「甘口>やや甘口>やや辛口>辛口」
の4段階評価で「甘口」になっていました。
ちょっと甘すぎると思うが。
「やや甘口」があれば、ちょうど良い味だと思いました。

a0196876_20515081.jpg

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by bunbun6610 | 2013-05-26 18:30 | お酒
『だいじょうぶ3組』(乙武洋匡/著)

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%B63%E7%B5%84-%E4%B9%99%E6%AD%A6-%E6%B4%8B%E5%8C%A1/dp/4062162997




「ひさしぶりに二十七名全員が顔をそろえた五年三組。
二時間目の授業は、道徳だった。
白石が子どもたちに配る紙には、一篇の詩が書かれていた。

『わたしと……小鳥と……すずと? へんな題名!』

配られたプリントを手にした陽介が、思わず素直な感想をもらす。

『これはね、金子みすゞさんという人が書いた詩なんだけど、
まずは最初にみんなで声に出して読んでみようか』

赤尾の合図で、子どもたちがタイミングを合わせて口を開く。


わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。


子どもたちが最後まで読み終えると、赤尾はすばやく
つぎの指示を出した。

『じゃあ、今度はそれぞれ声を出さずに読んでみよう。
そして、読み終わったら、この詩のなかで作者がいちばん
伝えたいことが書かれていると思う一行に、線を引いてごらん』

見てまわると、ほとんどの子が同じところに鉛筆で印をつけている。

『そうだね。
先生も、金子みすゞさんは、最後の
『みんなちがって、みんないい』
ということを伝えたかったんじゃないかと思う。
じゃあさ、みずゞさんは、『何が』ちがっていてもいいよ、
と言っているのかな?』

赤尾の問いかけに、慎吾が『顔!』と答えると、
『そんなのあたりまえだろ!』とすかざず陽介からツッコミが入る。
ようやく復活した掛け合いに、クラスがひさしぶりにわいた。
ひとしきり笑いがおさまった頃、京子があらためて手をあげた。

『みんなの……いいところ?』

『うん。たしかにみんなのいいところ、得意なところは
ちがっていていい。
でも、それだけかな。
もう一度、この詩をよく読んで、みずゞさんが伝えたかったことを
考えてみよう』

しばらくすると、分析力にすぐれた公彦の手があがった。

『できないこと、苦手なこと?』

公彦の言うとおり、この詩をじっくりと読みとっていくと、
『空をとべない』
『地面をはやく走れない』
『きれいな音がでない』
『たくさんのうたは知らない』
と、そこには“できないこと”ばかりがならんでいることに気づく。

『みんなには、それぞれ、『できること、できないこと』、
『得意なこと、不得意なこと』がある。
それはあたりまえのことで、そんなことで友達を
うらやましがったり、自分にがっかりする必要なんてない。
自分には、自分なりのよさがある』

『先生、それ“個性”っていうんだよね』

陽介の言葉に、赤尾が深くうなずく。」



===============================





赤尾先生(乙武氏)は、
このように言っています。

けれども実際には、
自分の持っている障害を、
個性と捉えるのか、そうではないのかは、
その人により、違います。

障害を個性と捉える障害者には他にも、
たとえばろう者(Deaf)の人にいたりします。(※1)


(※1)詳細は、当ブログ

『米国・ギャローデット大学でのろう運動』
〔2013-03-05 18:00〕
『ろうは文化 障害ではない』
参照。


「ギャローデット大学の巨漢でカナダ出身のフットボール選手、
ジョン・リムニディスは、映画『愛は静けさの中に』で端役を
演じたこともあるろう者だが、こう言う。

『耳が聴こえないことは障害ではありません。
むしろ文化です。
手話は別の言語です。
私は、耳が聴こえないことを誇りに思っています。
もし万が一耳が聴こえるようになる薬があっても、
決して飲まないでしょうね。
決して、決してね。
死ぬまで絶対飲みませんよ』」



ろう者は耳が聴こえないことを、別に障害だとは思っていません。
彼らは自分たちのことを

「『ろう者』(Deaf)という種族」

なのだと思っているようです。

ただし聴覚障害者だからといって、
全ての聴覚障害者がろう者(Deaf)なのではなく、
難聴者や中途失聴者もいます。

その人たちのなかには、聴覚障害を個性と捉えることができず、
障害は障害以外の何ものでもない、と考える人もいます。
私もそうなのですから、こういうブログを書いているのです。

だから

「全ての聴覚障害者がこのように考えている」

と思い込む読者がいるとすれば、
それは大きな間違いです。

ある健聴者からは

「『聴覚障害者は…』と言って書くのが良くない。
『自分は…』と書け」

という批判を受けました。

しかし「自分は…」という言葉で書いて、
聴覚障害者の立場の意志が伝わるとは
思えませんでした。
だいいち、私だって聴覚障害者なのです。


本当のことを言うと、健聴者たちが勝手につくった
「聴覚障害者」という用語は、
そこに包括されてしまっている、
さまざまな耳の障害を持つ人たちの個性をも、
そして本当に必要とされる合理的配慮さえも、
見失う用語なのだと思います。(※2)


(※2)詳細は当ブログ

『聴覚障害の用語定義について』
〔2011-03-30 22:03〕

『聴覚障害者』の定義に関する共同声明(1989年)』
〔2011-03-31 23:19〕
参照。




一方、「全聾の作曲家」と言われる佐村河内守氏は、
自著にこう述べています。(※3)


(※3)『交響曲第一番』(佐村河内守/著 講談社/発行所)

「私には夢があります。
もし何らかの奇跡が起こり、聴力が甦り、
発作も消えうせたときには、迷わず筆を折り、
作曲家以外の道を選ぶことでしょう。

裏を返すならこの淡い夢は、愛する音楽と
引きかえにできるほど、いまの精神的・肉体的苦痛が
耐えがたいことを表しているのかもしれません。」



この対比には、驚く人もいるかもしれません。

耳が聴こえないということだけではありませんが、
聴力が甦ることを夢と思っている彼は、
自分の宿命に誇りを持つことができているでしょうか。


中途失聴者になってもあえて手話を学ばず、
人工内耳装用を受け、長いリハビリに努力する
聴覚障害者もいます。


聴覚障害者=ろう者 とは限りません。

聴覚障害者の言語=手話 とは限りません。

聴覚障害=個性 とは限りません。


自分の個性は、その人自身が決めるものだと思う。
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by bunbun6610 | 2013-05-26 18:30 | だいじょうぶ3組
http://www.best-worst.net/news_aFZYjiLBjS.html

『乙武洋匡氏「イタリアン入店拒否」で釈明記事をブログにアップ!
-ツイッタートレンド「イタリアン入店拒否」TOPに!
炎上に燃料投下か!?』
2013年5月22日 14:00


■とにかくネット炎上は黙っていることが一番
ネットの炎上を鎮静化させる方法はとにかく情報を一切
出さないこと。
経緯説明や釈明を行わないことだろう。

過去のいくつかのネット炎上を見ているとその思いが強くなる。

2013年5月21日、乙武洋匡氏が自身のブログに
「イタリアン入店拒否について」とする記事を掲載した。

これは、乙武洋匡氏が予約した東京・銀座のイタリアン
レストランに車いすを理由に断られたということに端を
発する騒動である。

事前に予約を入れておく時点で知らせるのが常識である
と店側が指摘しているのだ。

この対応に対し乙武氏は店名を上げて批判。
それが乙武氏に対する批判を呼び炎上となった。

今回、乙武氏は、レストラン側とのやりとりの詳細をブログ
に掲載し、経緯を説明しているというわけだ。

■炎上は沈静化するのか?
この件では乙武氏が入店を拒否され、その店名を公開
したという時点で大きな話題となった。

「2ちゃんねる」では関連スレッドが立ち、事前に「車いす」
であることを説明していなかった乙武洋匡氏に対する
批判が巻き起こり炎上状態となっていた。

同スレッドは5月21日現在Part28まで進んでいる。

更に、今回のブログに掲載した経緯説明により新たな
スレッドが立ち、ニュース系勢いランキングのTOPに立った。

新たな釈明は燃料投下にしかならないのである。

■ツイッタートレンドでもTOPに!
ツイッタートレンドでも「イタリアン入店拒否」がTOPに浮上した。

乙武洋匡氏の釈明に対しどのような意見が見られるのであろうか?

いわゆる「乙武洋匡銀座イタリアン入店拒否問題」だけど、
知的障害者施設だからという理由で某ディズニーランド
オフィシャルホテルに宿泊を拒否されたり、スーパーからも
入店を拒否された経験を持つ者としては乙武氏に与するね。

乙武氏「イタリアン入店拒否について」 同伴女性が泣いた
ので私怨で店名を晒したことを認め、店を批判
http://gahalog.2chblog.jp/archives/52195171.html …

キチンと自分を省みれる乙武さんかっこいい。
>イタリアン入店拒否について(乙武洋匡) - BLOGOS(ブロゴス)
http://blogos.com/article/62738/

乙武氏の「イタリアン入店拒否」 http://ototake.com/mail/307/  
よくある話、有名人だから問題になった。
この論争の顛末や真偽、善悪は当事者の問題で触らなくていい
と思うけど、「大事なのはお互いの配慮」という教訓だけは、
心にとどめておきたいものだ

事前に知らせることは常識か否かの問題だったのですね
(始めからそうじゃね?)
>イタリアン入店拒否について | 乙武洋匡オフィシャルサイト
http://ototake.com/mail/307

トレンドに「イタリアン入店拒否」ってあるけど、たぶん乙武さんの
例の話だよね。
あれは、絶対に乙武さんに落ち度があるよ。
障害者だからすべての人が味方してくれるわけじゃないし、
車いす持ち上げてって言っても乙武さんのは電動だから重いはず! 
無理でしょう!! 
人の善意を試すことはどうなの?

正直どっちもどっちだけれど、店主も外に出てきてなんだかんだ
言う時間があったのなら、その時間の間に抱えていけたのではない
かとも思う。
しかし私の職業柄、この店の対応はありえないとも思う。

twitterへ行こうぜ……久しぶりに…………キレちまったよ……
/ “イタリアン入店拒否について | 乙武洋匡オフィシャルサイト”
http://htn.to/6XENYa

「イタリアン入店拒否について」http://ototake.com/mail/307/
 あくまでも私の価値観ですが、完全に乙氏の負け。
事前に車いすの事を連絡しなかった落ち度と、店主の拒絶を
障害者差別と結び付けて泣くような頭が悪く冷静さを欠く友人が
同行したってことがアウトでしょ。

んー!嘘をついて居るのは店主か、乙武さんか、どちらかだけど、
メディアの怖さを知ってる乙武さんが真実っぽいね
RT “@BurnNews: イタリアン入店拒否について | 乙武洋匡オフィシャルサイト
http://bit.ly/16HAF3F #enjo”

「イタリアン入店拒否について」http://blogos.com/article/62738/
 ようするに「むかつく態度をとった店を晒しあげた」だけで、
障碍とか弱者とかあんまし関係ない。


今回の釈明に納得する人もいないではない。

しかし、最初から結論が決まっている人にとっては釈明や経緯説明など
あまり意味が無いのである。

ネットに問題を持ち込まず当事者同士で解決するのがベストだったの
はないだろうか。




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あえてツイッターやブログにこの問題を語るのは、
いかにも乙武さんらしいと思う。

しかし、この世間の大騒ぎは、一部の人たちによる
障害者問題への勝手な解釈で、核心部分から
大いに離れてしまい、一人歩きしてしまっている
ように思える。

このような障害者問題は、今までにもずいぶんと
あったはずだ。(※)


(※)もう30年も前の話ですが、
ある車椅子障害者とその友人が、
タクシーには一緒に乗車できたが、
その運転手のコミュニケーションの、
あまりのひどさに怒り、
目撃証人である友人が新聞に内容を投稿した。

読者からは

「これはもはや、犯罪だ」

と。

それで警察で捜査するということになったが、
情報不足で運転手は見つけられなかった、
という。

その新聞で何度か、この問題が取り上げられていました。





それが今回は、今までのような無関心で放置される
のではなかったというのは、いい方向でもあるという
ことなのだろう。

それは乙武さんでなければ、できなかったかもしれない。


それにしても、炎上したツイッターやブログを読んでいると本当に、
橋下さんの

「日本人の読解力不足」

という言葉が、思い出されるものです。

こういう人たちって、一日中、自分の言いたいことばっかし
言っている人なんだろうな。

何て不毛な人たちなんだろう。
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by bunbun6610 | 2013-05-25 07:28 | バリア&バリアフリー
http://kasakoblog.exblog.jp/20531470


『乙武・店主のやりとりは水掛け論。
第三者が論じるのは無意味』


(2013年 05月 22日)


乙武氏と店主とのやりとりについて、
乙武氏が言っていることが本当なのか、
店主が言っていることが本当なのか、
そこに未だにこだわっている人がいるが、
それは無意味なのでやめた方がいい。

だって水掛け論でしょ。
「両者に取材して何と言ったか真相を暴け!」
と言う人もいるけど、そんなの無理だから。
現場に居合わせなければ、後から本人に聞いても真実はわからない。
どちらかが嘘をついているかもしれないし、
両方が嘘をついているかもしれない。
故意であろうとなかろうと。

本人だって詳細に記憶を覚えているとは言い難い。
お互いいいように改変している可能性もある。
偽造されていないと確証が持てる、
録音データなり動画データなりの客観的証拠ない限り、
言った言わない論争を当事者に聞くだけで調べてもわからないし、
第三者が推測でああだこうだ言っても、意味がない。

そもそもこのやりとりの部分については、
今回の問題の本筋ではない。
なぜなら、このような不幸な行き違いが生まれた原因は、
乙武氏がたった一言、車椅子で行きますと言わなかったことにあるからだ。
それさえいえば、お互い後味の悪い思いしなかったですよねと。
ただそれだけの話なんです。
なんも難しい話じゃない。

ただ私が「店主に話を聞いた」というのを、
誤解して捉えている人が一部にいる。
店主に話を聞いたのに、乙武氏に話を聞いていないから、
店に肩入れした記事を書いているのではないか、という人が何人かいた。

私は店主に話を聞き、店主はその日のやりとりを語ってくれたが、
そのことはブログには書いていない。
理由は3つ。

1:店主が乙武氏とはネット上で和解しているので、
書かないでほしいといったこと。
(そう思っていただけで、翌日乙武氏は謝罪のふりした、
自己援護記事を書いているので、和解はしていなかったのだが)

2:店主の言っていることが本当なのか確かめようがないこと。

3:どう対応したかが今回の本筋ではないこと。

あくまで現場に行ったのはバリアフリーではないビルの構造確認が主。
でも確認に行ったら店主がたまたま店にいたので、
それならと思って話を聞いただけに過ぎない。

店主に話を聞いたから店を擁護しているわけではなく、
店主に話を聞く前から、乙武氏が事前に言うべきだ、
というスタンスは変わっていない。
ただ現場のビルの構造を見て、よりその思いが強化されただけの話。
さすがにこのビルの造りじゃ、
いくらなんでもいきなり運べというのは無理でしょと。

それと中立な記事を書くべきという指摘もあったが、
中立の記事なんてあり得ない。
誰か人間が書く以上、何かしらのバイアスがかかっている。
メディアに中立を求めるから、メディアに騙される。

また大手メディアのように、さも中立を気取って、
こっちも悪いですけど、あっちも悪いですし、難しい問題ですね、
みたいなどっちつかずの中途半端な記事を個人ブログで書いても意味がない。

今回の件について個人ブログなのに両者の批判を恐れて、
中立気取って、毒にも薬にもならない、
どうでもいいコメンテーターずらした記事を時々見るけど、
ああいうの見ると情けないなと思う。
読者に嫌われたくないけど、話題になっていることを書けば、
アクセスかせげるみたいな、小賢しさが感じられる。
で、あなたの意見は何なんですか?と。

だから私の記事は中立ではないし、
はじめから乙武氏が事前に一言言わないのが悪い、
という主張は変わっていない。

未だに乙武氏と店主のやりとりを問題にするのは不毛だと思う。
その場で撮った録音データでも出てくれば、
それは議論の余地がわかるかもしれないが、
第三者がああだこうだいってもそれはすべて推測にしか過ぎない。

今は巧妙な狂言だってあるし、
それを見抜くのはかなり難しい。
録音データだって改ざんは容易だし、
以前、大手メディアがやったようにでっち上げた捏造テープを流し、
サラ金を一方的に叩いた挙句、
実は後日、裁判で「それはサラ金とは関係ない」とわかったこともある。

※マスコミ捏造のアイフル脅迫テープ
http://kasakoblog.exblog.jp/12002446/

水掛け論の真偽はまずわからないし、
今回についての論点はそこではないことを、
あらめて記しておきたい。

・乙武氏ツイートの銀座の店に行き、店主に取材しました
http://kasakoblog.exblog.jp/20523301/

・弱者を気取った強者=車椅子の王様・乙武氏の横暴極まれり
http://kasakoblog.exblog.jp/20514356/

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by bunbun6610 | 2013-05-25 00:38 | バリア&バリアフリー
http://kimumasa2012london.blog.fc2.com/blog-entry-266.html

『木村正人のロンドンでつぶやいたろう』より。


『乙武さんの責任と心のバリアフリー』

(2013年5月21日)


予約していた人気レストランで入店を拒否された
乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)さん(37)が
レストラン名を入れて「銀座での屈辱」とツイート
したことをきっかけに、「レストランの対応が悪い」
「いや、障害を告げずに予約した乙武さんが
常識はずれ」と大論争が起きている。


ロンドンのバリアフリー度

東京都は2020年五輪・パラリンピックを招致している。
今やパラリンピックは五輪以上の意義を持つ。
12年にパラリンピックを大成功させたロンドンの
バリアフリー度が気になって、調べてみた。

僕は、パラリンピックで金メダル11個を獲得した
車いすの英国人女性タニー・グレイ=トムプソンさん(43)
が大好きだ。
昨年、ロンドン・パラリンピックの聖火リレーに参加したときは、
ひと目見ようと応援にはせ参じた。

地下鉄ウエストミンスター駅近くで、鉄柵を自分で
押しのけている姿を見たときは、その力強さに感激した。

タニーさんが娘を身ごもったとき、見知らぬ人に

「障害者は子供を生むべきではない」

という言葉を投げつけられたという。

ロンドン・パラリンピックで「ディスエーブル(障害)」に対する
理解は一段と深まったが、まだまだ障害は残っている。

今年3月、午後11時前にタニーさんが帰宅すると、
エレベーターが故障していた。

タニーさんの自宅は5階。

故障は昨年7月に引っ越してから6度目だった。

エレベーター管理会社に電子メールを送っても返事がない。


階段120段をはい登る

通りがかる人もなく、他の住民を起こすわけにもいかず、
タニーさんは重さ6キロ以上もする車いすを引きずって
階段を120段のぼって自宅にたどり着いた。

車いす生活を余儀なくされてからというもの、タニーさんは
父親に

「人生は常にアクセス可能なわけではない。
自分で乗り越えなさい」

と言われて育った。

タニーさんはエレベーターが故障するたび、車いすを引きずって
階段を上がっていた。

何度、苦情を言っても管理会社が対応を改めないため、
ついにツイッターで怒りをぶちまけた。

「エレベーターがきちんと動くように要求するのは
悪いことではないでしょう」

とタニーさんは英メディアに語っている。

タニーさんは車掌さんを呼んでも誰も来てくれないため、
車いすを列車から放り投げて、自分で飛び降りたことがある。

障害者用トイレがない列車もある。

スーパー・ディスエーブルのタニーさんだからこそ障害は
乗り越えられるが、他の障害者はタニーさんのようにはいかない。

タニーさんは他の障害者の気持ちを代弁しようと、
ひどい目に会うたびメディアに告発している。

障害に対するバリアが少しでもなくなればと願ってのことだ。

タニーさんほどの有名人になると、行きつけのレストランや
店はネット上で話題になる。店にとってはバリアフリーが
大きな「売り」になるというわけだ。


心のバリアフリー

昨年、ロンドンから列車で2時間弱のパラリンピック発祥の地、
ストーク・マンデビル病院を訪れたとき、隣接するスタジアムで
車いすのアスリートたちと健常者、子供が一緒にスポーツを
楽しんでいた。


英国の車いす団体ホイール・パワーのマーティン・マクエルハトンさん
(木村正人撮影)

車いす団体ホイール・パワーのマーティン・マクエルハトンさんは

「子供たちが車いすの人たちと同じ場所でスポーツを
楽しめるようにしています。
何の垣根も存在しない心のバリアフリーが子供のころから
自然に育まれるようにという願いを込めています」

と話してくれた。

「ディスエーブルの人は助けを必要とするときがありますが、
それは健常者でも同じでしょう」

というマクエルハトンさんに、今回のレストラン入店拒否事件に
ついて電話で尋ねてみた。

「状況が詳細にわからないのではっきりしたことは言えないが」

と前置きした上で、マクエルハトンさんは

「障害者が利用できるようにビルが設計されておらず、
介助の訓練を受けたスタッフがいない場合、車いすの
障害者への対応は極めて難しいでしょう」

と指摘する。

「ロンドンでも古いビルや小さなビルは障害者用のアクセスが
確保されているわけではありません。
事情は東京でも同じでしょう。
私がロンドンに行く場合、事前にスロープや障害者用トイレの
有無を調べて、アクセスが十分に確保されていなければ
別のレストランを予約するようにしています」

ディスエーブルの責任

これをマクエルハトンさんは

「ディスエーブルの責任」

と表現した。

「レストランはすべて障害者にとってアクセス可能と
ふるまうことは傲慢ととられるかもしれない。
介助の訓練を受けていない人が運搬中に障害者を落とせば、
訴訟沙汰になる恐れもある。
彼のキャンペーンはそうしたことへの恐れを広げることに
なるかもしれない。
僕なら介助に慣れた友人と一緒に行っただろう」

英国では、役所や図書館、大学など公共施設は平等法で
障害者用スロープやリフトの設置が義務付けられている。

マクエルハトンさんらはアクセス可能な劇場、映画館、
レストランの数をさらに増やすよう働きかけている。

「インターネットで障害者がアクセス可能なレストランを
紹介するなどのサービスも役に立ったかもしれない。
(乙武さんに)ツイッターのフォロワーが60万人もいるなら、
バリアフリーを社会的な重要人物に求めることもできたでしょう」

バリアフリーは社会全体で取り組むもので、
十分な施設やスタッフが整っていない個人のレストランに
それを求めるのは難しいというのがマクエルハトンさんの
考え方だ。

「五体不満足」の乙武さんがどこにでも行けると思えるほど、
日本のアクセサビリティは進んでいたのだろうか。

今回の事件では、乙武さんも事前に障害者であることを
伝えなかった非を詫び、双方が和解している。


パラリンピック効果

マクエルハトンさんは

「東京が五輪とパラリンピックの招致に成功すれば、
ディスエーブルへの理解が広がり、施設面でも心の面でも
バリアフリーは進むでしょう。
それが一番ポジティブなキャンペーンになります」

と応援する。

車いすのバスケット日本代表主将だったアスリート
ネットワークの根木慎志理事も僕の国際電話に

「ロンドン・パラリンピックでパラリンピアンの露出度が増え、
バリアフリーの意識改革は随分と進みました。
東京への招致が成功して実際にパラリンピックを見れば、
議論も盛り上がると思います」

と声を弾ませた。

今回の事件が、ディスエーブルへの偏見を広げるのではなく、
理解を深めるきっかけになってくれればと願っている。

最後に、僕が尊敬するスーパー・ディスエーブルの女性を紹介して、
締めくくりたいと思う。


ミラクル・レディー

足が不自由な人でも歩けるようになる最先端のロボット・スーツを
身に着けて、12年ロンドン・マラソンを16日間かけて完走した
クレア・ロマスさん(33)。

07年の馬術大会で木にぶつかって落馬し、胸から下が完全に麻痺。
医師は

「もう歩けない」

と冷たく宣告した。
恋人はクレアさんに興味を示さなくなり、3年続いた関係に
終止符が打たれた。

親友が申し込んでくれたデート・サイトに

「今は車いすに乗っていますが、昔はスカイダイビングや
乗馬をやっていました」

と自己紹介し、元気なころの写真を添付した。
すぐにメールを送ってきてくれたのが現在の夫ダンさんだった。

クレアさんは身体障害者スキーを始め、スキー旅行でダンさんから
結婚を申し込まれる。

クレアさんは新しい命を宿していた。長女を出産したとき、
クレアさんは自分の体に奇跡を感じた。

ロボット・スーツが実用化されたのを知ったクレアさんは

「ロンドン・マラソンを歩くことはできるかもしれない」

と決意した。
ロボット・スーツは4万3千ポンド(約673万円)もする。
かつての乗馬仲間はセミヌードのカレンダーを制作。
販売代金をクレアさんに寄付した。

ロボット・スーツはバランスを移せばセンサーが作動して
片方ずつ足が前に進む仕組みになっている。
ロンドン・マラソンではダンさんが後ろから補助した。

今、パリからロンドンまで643キロメートルを自転車で
走破する壮大な計画を立てている。
クレアさんは筋肉の動きでペダルを動かす自転車の
猛特訓中だ。

素晴らしき哉、人生!

(おわり)

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by bunbun6610 | 2013-05-25 00:31 | バリア&バリアフリー

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610