<   2011年 07月 ( 31 )   > この月の画像一覧

会社の飲み会にも通訳者は派遣できる

会社の飲み会に、自分のための通訳者を
依頼することはできるでしょうか?

サラリーマン、OL生活では、新年会、新人歓迎会、
歓迎会、送別会、忘年会など、いろいろな飲み会が
あります。
そこでのお付き合いも、仕事の一部と考えうる場合
もあり、そうでなくとも交流は職場での円滑な
コミュニケーション、チームワークに欠かせません。
皆さんはどうしていますか?

私の場合は、今はすっかり諦めています。
疲れるし、自分の性に合わないことをやってもしょうがない、
と思ったからです。
通訳がつかないからではありません。
通訳がついてもなお、いろいろな問題が付随して
しまうケースもあります。

でも、こんな私にも、一生懸命に努力してみた時期も
ありました。
その頃の、よい経験をお話ししてみましょう。

これは、手話通訳者の無料派遣が認めてもらえた
実例です。


久しく不参加としていた忘年会に、手話通訳者を伴って
参加したい旨を、会社の何人かの人に伝えてみました。
過去にもメールで、話を持ちかけたことはありましたが、
返事はありませんでした。
しかしそのときは、聞いてくれていました。
さすがに会社で費用負担するとまでは、
言いませんでしたが…。



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T様(人事部の聴覚障害者)
(「Tさんが親睦会相談窓口だ」と言われましたので、
最初はTさんと相談を始めることにします)


忘年会シーズンが近づいてきましたが、
数年前から私は遠慮しています。
遠慮する理由は、私は筆談以外に、周囲の人との
コミュニケーションが難しいからです。
そこで、

「親睦会に給与から天引きされているのだから、
通訳費を親睦会が負担し、
通訳を用意することはできないのか」

という意見を以前に、提案しようと思ったことが
あります。
詳しい文書をO部長(人事部)、M部長、M課長に
送ったと思います。

三者からの返事は無かったと、記憶しています。

ではこの点について、親睦会代表者はどのように
お考えなのでしょうか、
お聞かせ下さい。

Bunbun(私)



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Bunbun 様

下記の件、親睦会が負担して手話通訳者を呼びたい
ということですが、私ひとりでは決められないことであり、
むやみに回答できませんので
まず上長と相談してから回答させて頂きたいと思います。
ですので、お待ちください。


私の意見ですが、確かに聴覚障害を持つ方が、
周囲の方々とのコミュニケーションは難しいと思います。

しかも障害の程度によってコミュニケーション方法も
異なってきますので、一人ひとりの障害の程度を把握
しなければならないというのが現状です。

ですが、自分の事を把握してもらうには、
自分から動いていくしかないのではないかと思います。
現に手話や指文字を覚えてくださっている方も
いらっしゃいますし、
ゆっくり口を動かして話しかけてくださる方も
いらっしゃいます。

コミュニケーションが円滑になっているとは言えませんが、
皆さんも筆談など、やってくださってるので手話通訳者を
呼ぶ必要ないと思っております。
考え方は人それぞれだと思います。
私の意見は、以上です。
よろしくお願いいたします。

人事部 T



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最近はどこの会社でも、「通訳者は要らない」と主張する
若い聴覚障害者が増えています。
(聴覚障害者同士で意見が割れ、本来なら通訳が必要な場合
でも通訳者派遣を拒否されてしまうケースが増えてきました。)

この回答文を読むと、一人の聴覚障害者の個人的意見を
書いているだけだとわかったので、
私は会社の考えを聞いたことになっていません。
そこで、別の人へ次のメールを出すことにしました。




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人事部 OK様

私はここ数年、不参加でしたが、他の会社の例では、
忘年会に通訳者を伴って参加していることも
あるそうです。
ただ、費用負担の在り方とか、実際にどのようにして
通訳が可能なのかまでは、聞いたことがない
のでわかりません。
もしも、公的派遣が認められれば、無料だと思います。
(条件は、コミュニケーション支援事業に該当するか
どうかなので)
ただし、この相談には主催者の通訳者派遣についての
回答が必要です。
主催者に要望もしないのに派遣元へ相談しても、
応じてはもらえません。

Bunbun



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さらに、親睦会従業員代表者のAさんへも、相談してみました。



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A 様

聴覚障害に伴う、親睦会に対しての意見があります。
人事とも、相談中ですが、もしよろしければ従業員側として
どう思われるのか、お聞きしたいと思っています。

Bunbun




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OKさんから回答がありました。


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Bunbun 様

忘年会への通訳派遣の件、進めましょう。
OO君に調整を依頼しましたので、相談してください。
公的派遣として認められればと期待しています。

人事部 OK



=============================





結局、会社の対応は自発的に費用負担はしないが、
通訳者同行は構わない、という回答でした。

私は

「親睦会は、この文書にある意見を検討し、
責任を持って回答をしていただけないでしょうか?」

と、さらに聞いてみました。

しかし親睦会からは回答無しでした。
(会社だと従業員立場の親睦会でも、これが当たり前)

でも結局、派遣センターから公費負担により、
手話通訳者を派遣してもらえました。

ここでせっかくですから、皆さんにも是非、
次のことを考えていただきましょう。

なぜ会社は通訳者同行を認め、派遣センターも無料派遣を
認めたと思いますか?

聴覚障害者対象の通訳者ならば、これは当然解ける問題
ですよね。

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by bunbun6610 | 2011-07-12 00:01 | 情報保障・通訳(就労)

成年後見制度

『高齢者・障がい者の権利を守る成年後見制度』という講演会に行ってきました。

→https://www.sn-hoki.co.jp/shop/seminar/74.html?hb=1

法律の話なので難しいと思うかもしれませんが、意外とわかりやすかったです。
講演者が、当日の参加者を考慮して、法律の専門的なことまでは深く入らず、
あえて広く浅く説明したのがよかったようです。

超高齢化の波、そして国連・障害者権利条約批准に向けた日本社会にとって、
両者の権利を擁護する制度の一つとして、国民の多くの人が知っておいたほうがよい
法制度だと思います。

まずは、こんなデータを紹介します。


【成年後見人等と本人の関係件数】(平成22年1月~12月)
配偶者     1632
親      1267
子        8225
兄弟      2507
その他親族  3127
弁護士     2918
司法書士    4460
社会福祉士  2553
法人       961
知人       140
その他      816

昔は9割が親族でしたが、それが今は約半分になりました。
代わって、弁護士、司法書士、社会福祉士、法人が、いずれも伸びています。

親族だからといって、安心して後見人に指名できる、というわけではないと
推測されます。

実際に、こんな例があります。

→http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/243695

「障害者の年金8万円を受給しているが、福祉サービスは受けていない。金銭管理ができず、
別居の弟に任せており…」

→http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110627-OYS1T00656.htm

「男は障害者年金を管理する家族と意思疎通が図れず、生活費に困って盗みを繰り返し、
窃盗罪などで19回の有罪判決を受け、20年以上刑務所に服役。
弁護人は「被告は刑事裁判の意味を理解できていない可能性がある。」


本来、上のろうあ者には、きちんとした後見人がつけば、そこまでひどくはならなかったと
思われます。
この場合は、この障害に詳しい社会福祉士が適任のようです。


『障害者の経済学』(中島隆信/著)にも、次のように書いてあります。

「それは障害者と扶養関係にある親の存在である。
福祉関係者の話によると、障害者を抱える家族のなかには障害基礎年金を収入の一部として
あてにしているところがかなりの数にのぼるという。
時には父親のパチンコ代などに消えていく年金もあるようだ。
基礎年金は障害者が自立するためになくてはならない社会保障である。
これが親のために使われているという実態は見過ごすことができない。」(P187~188)

これも、親ではなく、きちんとした後見人がいたら、と残念に思います。
しかし残念ながら、こうした障害者の権利を守る法制度がまだありませんし、
重度障害者でも判断能力があれば、後見制度は使えないそうで、
その点の課題が残っている、ということです。

それとやはり、当ブログのカテゴリー『障害者の経済学』でも連載しているように、
障害年金を本人または家族に渡すだけだから、こういうことが起きても、防げないのだと思います。

こうした話は、障害者の権利が侵害されていることを示していると思います。

高齢者にしても、ご本人の判断能力が喪失された途端、親族では遺産分割の争いが始まるところも
あるそうです。
そんな醜いことにならないためにも、この制度は有効です。

あなたは将来、どうしますか。

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by bunbun6610 | 2011-07-10 01:29 | 聴覚障害

難聴者の会社面接対策(5)

 ==<要約筆記通訳を利用しよう>==

面接に臨むとき、難聴者はそこでのコミュニケーション方法をどうするか、あらかじめ決めて
おかなければなりません。

補聴器のみにするのか、FM補聴システムも使うのか、通訳(手話、要約筆記)を使うのか、
それとも相手に筆談を求めるのか、といったことです。

面接といっても、いろいろな環境条件があります。
静かで狭い個室で、1対1での面接だと、補聴器だけでもわりとうまくいきやすいのですが、
事務室の中だと、たまたまパソコンやプリンターの音が邪魔になって、補聴器ではよく聞き取れなくなって
しまうことは、よくあります。

あるいは、合同面接会では周囲の騒音はもっと大きいですから、補聴器では無理な人もいると思います。

私は履歴書には「環境条件によっては、補聴器で聞き取れる場合もあります」と書いています。
実際にはあまり当てはまらない場合が多くても、面接ではこうしておいたほうが融通も利き、
都合がいいからです。(笑)
無論、全くのデタラメを書いたら、いけませんが…。

一応そうした上で、面接はどこでも必ず要約筆記通訳者を連れて行きます。
というのも、私はもう本当は「耳が聴こえない立場」ということもありますが、これで何度も採用通知を
もらってきたので、自信を持ってそうしています。

難聴者を合同面接会でよく見かけますけど、騒音の中でも補聴器だけで面接ができるのはすごいな、
と思います。
確かに、その人の聴神経がどれだけ使えるか、という聴能力次第でも、補聴器の有効性は変わってきます。

しかし、要約筆記通訳を読んできちんと答えられれば
「あなたは筆談でもコミができる。障害者だと感じさせない人だ」
と言ってくれる面接官だっています(※)。


(※)面接官がこう言う場合、「聴覚障害者=ろう者」と誤解しているとわかる。
ろう者のなかには、筆談ではコミが難しい人もいるので、自分をそうしたろう者と誤解されないためにも、
要約筆記通訳で通じるということは、プラス評価になりうるのではないか。

ちなみに、要約筆記通訳を筆談と混同していることも、間違っている。
本当は通訳としての要約筆記のほうが、技術として高度なので、筆談よりずっとわかりやすいのは
当たり前である。


逆に、自分で要約筆記通訳を連れてきながら、自分が的を得た答えができていなければ、疑問を持たれます。
結局、要約筆記通訳があっても、それを上手に使えるかどうかは、利用者である難聴者次第です。

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by bunbun6610 | 2011-07-07 23:38 | 就労前の聴覚障害者問題A

難聴者の会社面接対策(4)

ハローワークでは、東京労働局主催の『就職支援セミナー』(場所;ハローワーク各所で)を開催し、
就職活動者のサポートをしています。

自分で通訳を用意し、勉強に行ってみましょう。
何でも「通訳がつかないから行ってもムダ」では考えものです。
自分の積極性に火をつけましょう。

聴覚障害者なら要約筆記者を自分で派遣してもらい(東京手話通訳等派遣センターから)、
4時間くらいかけて、みっちりと指導・トレーニングを受けられます。

内容は【コース5】では『面接対策セミナー』で、「グループ(4人~5人)によるロールプレイ」でした。
基本知識の講義を受けたあと、ロールプレイを2回実施する、というものです。

1回目のロールプレイが終わった後、他者から「良かった点」を1つだけ言ってもらいます。
そして、自分の感想を出します。
2回目が終わったとは、「良かった点と、悪かった点」を1つずつ言ってもらいます。

障害者の参加者が自分だけでも、当たり前だと思いましょう。
指導者は健聴者2名で、企業の人事部に居た経験のあるキャリア・カウンセラーなので、
信頼してよいと思います。
自身も再就職に苦労した経験があり、人事担当者の厳しい目も、また面接を受ける受験者の悩みも
よくわかる指導陣ですから、大丈夫です。

そこで、一方的に指導を受けるだけでなく、幾つか積極的に質問してみました。


【Q1.障害者採用面接の場合、必ずと言ってよいほど出てくる質問がある。
「障害について説明してください」という質問には、どう答えればいいか?】

(指導陣)
聴覚障害についての説明は、言って良いと思う。
基本的には、ありのままに話せばよい。
自分の障害を隠す必要はない。
やれること、やれないことは誰にでもある。これは、きちんと言うほうがよい。
ただし、ある程度、控え目に話した方がよい。

実際の面接では、やはり「入社後は、通訳なしで大丈夫なのかな?」という疑問・不安も
頭に浮かんでくる。


【Q2.「障害について配慮してほしいことはありますか?」と聞かれるが、どういう答えがいいか
? 注意すべきことは?】

(指導陣)
会社側はどう受け取るか、微妙なところ…。
紙に書くと、証拠になるので、自分の口でしゃべるほうがよい。
それと、「やってください」というニュアンスになる説明・お願いは避けたほうが賢明。
面接では、企業が上の立場にある段階だから。

雇用という市場で、買うのは企業。買ってもらうのが受験者。
だから、上手く見せることも面接の技術。
面接の段階では当然、企業の方が立場は上。
よって、自社に都合のいい人を採用したいと考えている。

しかし、内定すると、面接時よりもお互いの立場は対等に近くなる。
そこで、自分ができる点と、出来ない点をハッキリと言う。
コミュニケーション、音は拾えないけど、今まで○○をやって、コミュニケーションをとってきた等と、
具体的に成功例を説明すると良い。
会社は、仕事に差しさわりがないかどうかを、厳しくチェックすると思う。
これが会社の心配事だから。
採用(内定)後なら、聞いてよい。
そこで「配慮なし」ならば、行かなければよい。
面接では口にしないで、採用される立場の間は、黙っておく。

講義のポイントは次のようになる。

 20代の人には、どうしてそれをやりたいか?
 30代の人には、これからの方向性を明確に持っているか?
 40代の人には、今までの中からの強みは何か?
 50代の人には、どう還元できるか?

求人票に「未経験者可」と書かれていても、実際には年齢相応の力を求めている。
「年齢制限なし」というのも、ハローワークの規則で定められているから、そう書いているだけ。

欠点は隠すよりも、居直ったほうがよい。
過去と現実は変えられない。脚色しても、突っ込まれたらバレる。
人事の人も人間。「この人に賭けてみようか」と思わせることが大事。
面接官を納得させる説明力、立ち振る舞いなどを磨くこと。納得できないと、落とす。
転職は、自分を活かせるためであるか?
求める人材のイメージがあり、それに近い人が選ばれる。
面接は最初の5分間が大事〔本能的イメージ〕第一印象が評価を左右することもある。

面接時に判断する要素…(第一印象が大きい)
 ①〔視覚情報〕見た目
 ②〔聴覚情報〕声の出し方、話し方など。
 ③〔言語情報〕言葉そのもの。


①で55% ②で38%(①+②で93%) ③で7%

これが、本論での評価を大きく左右する場合がある。
受験者の話を聞いても「うそくさい」ととるか、「なるほど」ととるかの分かれ道。


これは、参考になりそうなアドバイスでしょう。
私も勿論、実践しました。

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by bunbun6610 | 2011-07-07 21:34 | 就労前の聴覚障害者問題A

難聴者の会社面接対策(3) 「オープン」と「クローズ」

ハローワークには聴覚障害に詳しくない職員でも、
聴覚障害者からの相談に対応できるようにするため、
難聴者カウンセリング・マニュアルを用意しています。

これは、日本障害者雇用促進協会の
『聴覚障害者の職場定着推進マニュアル』


http://www.jeed.or.jp/data/disability/occupation/list.html

のことではありません。

大体、こういうものは会社の人は忙しくて誰も読まない
ものです。
実際、私も森ビルでお願いしてみたことがありましたが、
誰もほとんど読まずたらい回しにされ、すぐに私のところ
へ戻ってきてしまいました。

ものすごく腹が立ちましたが、やっぱりガマンするだけです。


ハローワークのカウンセリング用マニュアルの場合は、
難聴者向けです。
それも、身体障害者手帳の認定を受けられない軽度難聴者
や、中度難聴者向けだと思います。

そうした難聴者の相談では、採用試験(面接)に望む場合、
自分の障害をどう説明すればいいか、という悩みを持って
くるようです。


そこでハローワークは難聴者に対して、

  (1)「オープン(障害者であることを面接で知らせる)」
  (2)「クローズ(障害を持っていることを隠す)」

の2種類の方法があると説明します。


                【オープン】

メリット    ・障害に対する配慮が得られやすい。

デメリット   ・採用が難しい場合も。
         ・健常者と平等ではなくなる。


                【クローズ】

メリット    ・採用されやすい。
         ・健常者と平等に扱ってくれる。

デメリット   ・入社後、障害に対する配慮が得られなくなる。


ハローワークがどちらかを選んで強制するのでなく、
2種類の方法があることを、
アドバイスとして難聴者に紹介するだけです。

こんなマニュアルがあったなんて、信じられます?
私は、実際に見せてもらったことがあります。
どちらにするかは本人、家族とも相談して、決めます。

結局、ハローワークがアドバイスできることといえば、
このくらいです。
他には

「障害者手帳認定を受けたほうがいい」

と強く勧められる場合もあると聞いていますが、
これは基準に達していない人には、どう頑張っても
無理です。


でも私は、クローズもオープンも、昔やったことが
ありますよ。
障害があっても、どうしてもという目的があって、
健聴者と一緒に働きたい、という理由があるのなら、
私はクローズを選択した時期もありました。

要は、自分の目的に合わせて、使い分けることです。
私は軽・中度難聴者の人なら、クローズでのチャレンジ
を完全否定はしません。
デメリットは勿論、覚悟しなければなりませんが。

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by bunbun6610 | 2011-07-07 20:55 | 就労前の聴覚障害者問題A

難聴者の会社面接対策(2) サーナの面接アドバイス

サーナの会社面接アドバイス

 →http://www.web-sana.com/

昔はハローワークしか知らなかったのが、
今では『ジョイ・コンサルティング』『サーナ』など、
いろいろな障害者就職を支援する会社があります。

サーナのアドバイス例は私は正直、
良いものとは思っていませんが、
世の中の考え方としては、
まだまだこんなところがあると思います。

これを、どういった意味で参考にするかは、
ご自身でお決めになって下さい。

私も昔の難聴時代は、
難聴を隠して就職できていたし、
その方が一般就労枠で働けて、
待遇や給与も健聴者と同じ、
というメリットがありました。

しかし、それでは入った後になってから
悩むことも、デメリットとして必ずつきます。
そのことは、次回にハローワークの
アドバイス例で紹介します。

※色字部分は、私が思ったことです。


(私)
「ほとんどの会社から「障害について説明してください」
という質問があるが、聴覚障害の説明は難しく、
説明しても、なかなか理解してくれないようだ。」

(サーナ)
「障害については、あまり詳しく説明する必要はない。
むしろ、障害があっても、私はこのようなことができるという、
プラス面のアピールを、会社の人は期待している。」

(私)
「ほとんどの会社から
「あなたの障害で、会社から配慮して欲しいことは何ですか?」
という質問がある。」

(サーナ)
「障害者を雇用するわけだから、会社は当然、聞いてくる。
しかし、配慮をあまり言わない方がよい。
実際に聞き取れないことがあったら、
「はっ? 今何とおっしゃいましたか?
すみませんが、もう一度お願いいたします」
と言うと良い。

あなたのように「筆談をお願いします」と頼むと、
会社はそれを「要求」と受け止める場合が多い
と思う。
「お願いします」という頼み方でも、健聴者は
「全部書かなくちゃいけないのか」と受け取る人もいる。
そういう場合、書くのが面倒だと思うのは当たり前。
会社は仕事をする場なのだから、そのような面倒な
ことはできない。
したがって、補聴器で聞こえる人が雇用されやすい。
補聴器装用でも会話が無理だと、雇用されにくいので、
次のように答えると良い。
「私は、補聴器でほとんど聞き取れますので、大丈夫です。
ただ、後ろから呼びかけられても、聞こえない場合もあります」と。」

→これはおかしなアドバイスだと思う。
「はっ? 今何とおっしゃいましたか?
すみませんが、もう一度お願いいたします」
では、迷惑ではないのか?
もう一度言っていただくことは確かに配慮にはなるが、
繰り返し言われても分からない状況だと自分でも
わかるから「筆談でお願いします」と頼むのである。
それを、この人はなぜ分からないのだろうか?

それに、後ろからの呼びかけが聞こえない場合、
どうすればいいのかを説明しないと、
配慮にも問題解決にもならない。
「肩を軽く叩く合図でお願いします」が正解だと思う。

サーナさんは、聴覚障害者のことをまるでわかっていないで
アドバイスをしていると思う。
「補聴器でほとんど聞き取れます」というウソをつくのも、
間違っていると思う。
現実にそうでもしないと、面接に受からないことは、
私も経験上、わかるような気はする。
けれども、サーナさんの言っていることは、
間違ったアドバイスだと思う。
仮にそれで運良く仕事にありつけたとしても、
聴覚障害者を一層、苦しめるだろう。


(私)
「7月の産経新聞で読んだのですが、厚生労働省が
「筆談や通訳などの配慮をお願いします」
というお願いを企業へ通達したことはご存知ですか?」

(サーナ)
「なぜ、そのような通達を厚生労働省が出したのか、
ご存知ですか?
ほとんどの企業がそのような配慮をしていない、
という実態だからです。
今は経済状況が非常に厳しい時代なので、
筆談や通訳の配慮は、障害者も我慢しなくては
なりません。」

(私)
「経済状況と筆談の配慮をするかしないかの
問題は、別だと思います。」

(サーナ)
「それはそうでうけれども、…」


サーナさんの意見は男性に多く、中でも高年者に多い意見だと思う。
そのような世代の男性が、障害者でも健聴者に合わせろ、
という考え方が当たり前だと思っている人が多い。

サーナさん自身、この面談で、筆談はほとんどしていない。
私は、状況によるが、この時は3割ぐらいしか聞こえていなく、
それでも分かる範囲で聞いて、後は自分の想像で理解している。

理由は、サーナさんに自分の耳の障害のことを
何度言っても分からない人だからだ。

サーナさんは補聴器で聞こえなければダメだ、
と言いたいのだろう。

しかし、それを言えば差別になるとわかっているのだろう。
しかしだからと言って、筆談をするのも面倒だと
思っているのではないだろうか。

残念だが、これが通訳のいない状況での、
お互いの心理状態だと思う。

結局、サーナだけでなく、ハローワークも企業も、
通訳費用を払いたくない、また手配するのも面倒だから、
障害者に全部やってもらえるならいいよ、
でもそうでなければ(通訳は)ダメだ、
というのが本音なのだろう。


その後、A社との面接で、人事部の担当者一人と
1時間弱、話し合った。
ここでもやはり「障害について配慮して欲しいことは?」
という質問があった。

私は「先ほどサーナで「あまり言わないほうがいい」
と言われていて、どうしようかと悩んでいるのですが…」
と正直に話すと、先方は「障害について、
またその配慮について、きちんと話していただいたほうが、
こちらも対応できて、お互いのためになる」
という意味のことを言われたので、正直に話した。

私も、入社後も我慢し悩み続けるより、
たとえ落ちてもこのほうがいいと思ったからである。

先方はまだ30歳代の女性だが、考え方がグローバルなのか、
サーナさんとは随分違う。
サーナさんから
「筆談でお願いします、と言わず、補聴器で聞くようにして」
というアドバイスを受けていたので、
私はずっと迷っていたが、先方はすぐに
「筆談のほうがよろしいでしょうか?」
と言い、用意していた紙とペンでスラスラと
書き始めたのにも驚いた。

この姿勢を見ると、同様の聴覚障害者が在籍しており、
職場でも実際にこのような配慮をしている可能性が
濃厚だと思う。

実際、この会社では手話サークルを立ち上げており、
現在30人ほどメンバーがいて、教える人も5人以上いる
と聞き、びっくりした。


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by bunbun6610 | 2011-07-06 20:37 | 就労前の聴覚障害者問題A

難聴者の会社面接対策(1)

障害者の中途採用の募集・面接は8月のお盆に入る1週間ほど前までと、
お盆明け後に集中すると思います。
それを過ぎると、会社の人事部は新卒対応で忙しくなるので、
それまでに書類選考と一次面接をやっておくところがあります。
そして、9月に二次面接を行い、採否決定をする、という流れもあります。

障害者の場合、面接対策で悩む人もいます。
特に難聴者の場合は、かなり悩んでいる人もいるのではないか、
と思います。

会社から必ずといっていいほど出る質問と、難聴者が悩む理由、
それからアドバイスの例を紹介します。
今回のアドバイスは、私の考えですが、後日、別の人のアドバイスも
紹介します。


『1.あなたの障害について、説明して下さい』
これは一見、簡単な質問に見えますが、実は、ただ説明するだけ
ではいけません。
自分の難聴について自覚していない人と、自覚している人とでは、
答え方が違ってきます。
自覚があったほうがよいと思いますが、ない人には、どうしょうもない
かもしれません。
面接の失敗を繰り返して、気付く難聴者も多いのではないでしょうか。

会社の面接官が、どの程度、聴覚障害についての知識を有しているか、
難聴者との面接経験なども含めて、理解度は違うと思います。
ともかく、難聴者は初対面の相手にいきなり話すわけですから、
そういったことまで推測するのも難しいです。
したがって、ここは思い切って、子供でもわかりそうなくらいに具体例で
説明し、難しそうな専門用語は使わないようにします。
その方が確実に伝わり、好印象を持たれる、というのが私の経験です。

この説明の仕方は、時間も長くなり過ぎないように、予め練習しておく
ことが重要な対策だと思います。
もし人事の人は、説明を聞いてもさっぱりわからなかったら、
黙っている(あなたを落とす)と思います。


『2.障害について、どんな配慮をしてほしいですか?(配慮が必要ですか?)』
この質問に答えるには、サジ加減が非常に難しいところです。
配慮を求めすぎると、会社は負担を感じるし、逆に「特に必要はありません」
などと答えると、
「障害者なのに、それはおかしいんじゃないか?」と怪しまれると思います。
もしこう思われたら、面接官はやはり黙っている(あなたを落とす)と思います。

もし、本当にいらないのなら、なぜそう言えるのか、説明したほうがいいのでは
ないでしょうか?
それが上手くできて、相手も納得すれば、あなたの評価は上がるのではないか、
と思います。

難聴者の場合、読話ができる人もいるので、「話すときは、少しゆっくりと、
口型をハッキリ見せていただければ、読み取れます」などと伝えると、
プラス評価になると思います。
私の経験では、読話技術は歓迎されているようです。
筆談対応を求めた場合は、会社によって反応は様々でした。
「手話通訳をつけてほしい」は、まず無理だと思ったほうがいいと思います。

他には、補聴器の使用環境に配慮してもらうかどうか、があると思います。

こうした説明も、相手に「本当にそれで大丈夫なのかな?」と不安に
思われないよう、聞いて納得できる説明力が必要なので、
練習しておくことが大切です。

上の2点は、しつこく聞いてくる会社もあるので、慌ててしまわないように、
いろんな質問パターンを想定して練習すると、自信を持って答えられるように
なります。
「前の会社では、どのようにしていましたか?」と聞いてくる会社もあります。

ウソをついても、ほじぐられてバレたら、それまでの努力も水の泡になります
から、過去は過去と割り切り、今の自分はどうしたいのかを、きちんと話す
ことのほうが大切です。

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by bunbun6610 | 2011-07-04 20:37 | 就労前の聴覚障害者問題A

障害者団体のILOへの提訴文書について、思うこと

(※A)(※B)(※C) →私の思ったことです。

日本は先進各国と比較して、障害認定基準が非常に厳しく(※A)、
難聴者の多くの人は障害者としての認定がされていません。

〔※A〕当ブログ
『自民党政権がつくった『デタラメ障害者福祉』の犠牲者』
〔2011-06-13 22:46〕
参照。

厚生労働省は2009年7月、病院や企業などに対し
「筆談などによる対応を」求める通達を出しました。
つまり、厚生労働省の見方は、難聴者の場合には
周囲の配慮があれば、どうにかなる障害だという
ことであろう。
周囲の理解促進とサポートがあれば、
何も国が支援までしなくとも解決できる問題ではないか、
と考えているのではないでしょうか。

聴覚障害者に認定を受けている難聴者でも、
ハローワークの会社面接会会場に要約筆記通訳が
準備されないのは、このようなことが理由だと考えられます。

併せて要約筆記通訳事業が遅れたのも、
社会全体がそういう状況だったからではないでしょうか。

とにかく、難聴者への障害克服は、自力で可能とか、
周囲の人々のちょっとした理解促進とボランティア支援で
可能、と今まで長く考えられてきました。
それが当たり前とされてきました。


『障害者の就労支援と国際基準
 -ILO 159号条約違反の提訴への回答と今後の対応-』
(発行・全国福祉保育労働組合,2009年6月25日発行)には、
次のような記述があります。

〔ILO(国際労働機関)とは〕
 →http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/about/ilo.htm

「重度身体障害者は、障害者雇用促進法第2条第3号において、
身体障害者のうち、身体障害の程度が重い者であって
労働省令で定めるものをいう…」(P104)

「重度身体障害者については、その雇用を促進する観点から、

(ⅰ)障害者雇用促進法に基づく実雇用率の算定上及び
納付金制度における対象人数の算定上重度身体障害者
1人は身体障害者2人に相当するものとみなすこと、

(ⅱ)重度障害者を雇い入れ、そのために一定の措置を
講じた事業主に対する各種の助成金
(前述した重度障害者職場適応助成金)の支給、

(ⅲ)雇用保険の適用事業主であって障害者、高年齢者
等就職が困難な者を雇い入れる者に対して支給する
特定求職者雇用開発助成金の助成率の引上げ及び
支給期間の延長に関する特例等特別の配慮が行われて
いる。」(P104)

「重度身体障害者の範囲の見直しは、現行の定義に
おいて重度身体障害者とされている者にとって、
職業能力上の重度の身体障害者とならない場合が生じ、
不利益となる側面も考えられるが、
障害等級が3級以下の「中・軽度」ではあっても職業能力上
は「重度」と認められる障害者をも重度障害者の中に含め、
重度障害者の雇用促進対策の中に取り込んでいくことを
趣旨としており、このことにより、職業能力上は「重度」と
認められる障害者に対するより手厚い支援が可能となり、
その雇用機会を拡大する効果が期待できるものである。」
(P105)

「身体障害者福祉法における身体障害者は職業能力の
観点からとらえられておらず、障害の判定が機能・形態障害
を中心としたものとなっており、障害等級表上の障害の程度
と職業能力の低下の度合いとの間には必ずしも対応関係が
ない場合もあるとされている。」(P105)

「「聴覚又は平衡、音声、言語若しくはそしゃくの機能の障害」
(以下「聴覚障害等」という。)は重度の障害者であっても
就業率が81.1%と相対的に高く、…」(P106)

「また、就業率を障害の程度に着目してみると、「聴覚障害等」
及び「視覚障害」の身体障害者にあっては、中・軽度の者の
方が重度の者より就業率は低くなっている(※B)。」(P106)


(※B)中・軽度の聴覚障害者を雇用しても、ポイントが低く、
助成金もなく、企業には雇用してもメリットがないから
なのではないか?
国は未調査であるが。
企業が障害者を雇用するのは、助成金の受給条件を
満たすため、法令遵守を第一目的として雇用しているに
過ぎない、という可能性が濃厚だろう。
障害者団体は、重度身体障害者のダブルカウント制を
止めるように求めています。

しかし、やめたら今度は、重度身体障害者の雇用が
減るのではないか、という懸念もあります。
障害者に対する見方が、日本と欧米各国とでは違うため、
日本企業は、鎖国政策のような態度なのだと思います。



「「聴覚障害等」又は「視覚障害」の身体障害者については、
重度の者であっても61.8パーセントないし108.9パーセント
(離転職を繰り返している場合があり、就職延べ人数が
有効求職者数を上回っている。)
又は37.5パーセントないし63.9パーセントと比較的高い
ものとなっている(※C)。

…その就業率や就職率には障害の種類や程度によって
相当の差や逆転現象が見られ、障害等級表上の障害の
程度と就職困難度や職業能力からみた障害の程度とは
必ずしも対応していない。」(P106)


(※C)重度聴覚障害者の場合、法定雇用率にカウント
されるポイントが高い。
しかし、聴覚障害の重度障害者の場合は、
特別に会社施設を改善したりする必要がないため、
特に雇用する上で費用はかからない。
にもかかわらず、企業にとっては助成金までもらえるメリット
がある。
法定雇用率遵守のために、同じ障害者を雇用するなら、
聴覚障害者のほうが断然得ではないか、と考えるのは
自然だろう。
しかし、雇用された聴覚障害者は職場に具体的配慮
がないために辞める人も多く、結果的に転職率が高く
なってしまっている。

ところが、これが企業にとっては実は好都合で、
聴覚障害者が辞めた後も、新規にまた聴覚障害者を
再雇用するだけで、特定求職者雇用開発助成金が
また入る。
これを繰り返すことにより、結果的に長期的に低賃金で
雇用できる聴覚障害者を、もっぱら単純労働に専従させる
者として雇用する(事実、嘱託,契約社員という雇用形態
が多い)
という戦略が生まれたのではないか、と考えられる。

つまり、現行の国の障害者雇用に関する各種制度は、
企業側のそうした温床になっている、と考えられるのです。


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by bunbun6610 | 2011-07-04 00:50 | 就労前の聴覚障害者問題A

森美術館の事例

当ブログ

『自分の交渉力、説得力を磨こう』
(2011-06-30 22:27)

で聴覚障害者が社会見学ツアーに参加し、
自分の通訳者を同伴させる場合、
主催者側の判断は

「通訳者の分も参加費を払う必要がある」

という回答でした。

過去にも、これと同じ回答例が、
六本木ヒルズ森美術館でありました。
今回は、それについて話します。


≪1.入館料は、通訳者の分も聴覚障害者が払うことについての疑問≫
聴覚障害者の場合、通訳者は介助者の立場に相当する手話
(または要約筆記)通訳を行うために来ている人です。
ですから聴覚障害者の立場から言えば

「何で障害者が通訳者の分も負担しなければ
ならないのかな?」

「国の無料派遣なのに、通訳者の入館料まで
必要なのはなぜ?」

という疑問が生じてきます。
もしこうなるのなら、聴覚障害者は諦めるでしょう。


≪2.そもそも…聴覚障害者に付き添う「介助者」の意味とは何か? ―その見解の相違≫
極端な話ですが、森美術館でも、
介助犬は無料で入館できます。
視覚障害者の障害の除去に必要な介助犬は
無料が認められています。

一方、聴覚障害者の通訳者という場合なら、
有料のカルチャー・スクール、講演会などであっても、
通訳者は無料で入ることが認められています。

しかし、森美術館の場合は、人間である手話通訳者
の場合、同じ介助(でいいのか? どう言えばいいのか
悩ましいところですが)という目的でとはいえ、
半額負担に変わってしまいます。

実は、開業当初は森美術館だけの入館なら
障害者手帳提示で介助者も無料でした。

しかし、展望室、スカイデッキも併せた3つの入館券に
変更してから、セット料金として障害者からも半額
いただくことに変わった、という説明でした。

そして、通訳者が同行する場合は、その入館券も
買わなければならないシステムに変更したため、
障害者がそのお金を払うことになった、
という説明でした。

要するに

「美術館を運営している森ビル側の都合で料金システム
がこうなった」

ということです。
これには納得できるような、できないような、
微妙さは残りますね。

国の法律によって実施されている無料派遣で、
コミュニケーション支援のために同行している
介助者にお金がかかるということには、
どうも疑問があるのではないだろうか?
と思います。

企業側はまず、通訳者は障害者と一緒に遊びに来た
のとはまるっきり違う、ということを理解して欲しいと
思います。

一方、森美術館側としては

「これは通訳者として同行されているのか、
それともお客様として聴覚障害者と同行されているのか、
外から見た目では判別できない」

という見解があるかもしれません。

しかし、この問題があるからといって

「障害者の負担もしょうがない」

と考えるならば、それはおかしいのではないでしょうか。

本来ならば、社会の側が解決すべきことだと思います。
そこがおかしくなる原因だったのではないかな?
と疑問に思います。

これは、費用負担を障害者に求めて解決させているのは、
おかしいのではないかな?
という疑問が残る事例です。

本来は、例えば、通訳者に派遣証明書を携帯させ、
その提示があれば、無料でどこへでも同行できるように
する法律をつくるとか・・・。

まだまだ通訳者の資格が社会的に低く評価されている
ことも、こういう問題が解決しない一因なのかもしれません。

聴覚障害者のアクセスの不自由を解決するには、
例えば「(仮称)情報・コミュニケーション保障」による
法整備が必要になっている、と思います。


≪4.森美術館の、理解しがたい入館料システム≫

【森美術館への質問内容】
「身体障害者は、国立美術館などで障害者手帳を提示すれば、
本人と介護者1名までは無料で入場できます。
ただし、森美術館の場合は、入場料半額と受付で聞きました。

それでは、介護者の入場料はどうなるのでしょうか?
聴覚障害者の場合、介護者とは、手話または要約筆記通訳者
のことを指している場合もあります。

この通訳者が同伴する場合、その分のお金も障害者本人が
払うことになるのでしょうか?」


【森美術館からの回答(2008年7月現在)】

「お尋ねの件、現在森美術館では、障害者手帳をお持ちの
お客さま及び介助の方1名まで、半額で入館して
いただいています。
国立美術館では無料とのことですが、森美術館の場合、
エントランス・チケット等を52階TCVと共用しているため、
下記のような料金体系になっております。

また、手話や要約筆記通訳者の方の入館料ですが、
この方の入館料は、障害者の方或いは通訳者の方に
お支払いいただくことになります。

①障害者手帳一般 1名 + 介助者一般 1名 ⇒ ¥750 + ¥750 =¥1,500
②障害者手帳一般 1名 + 介助者学生 1名 ⇒ ¥750 + ¥500 =¥1,250
③障害者手帳一般 1名 + 介助者子供 1名 ⇒ ¥750 + ¥250 =¥1,000
④障害者手帳学生 1名 + 介助者一般 1名 ⇒ ¥500 + ¥750 =¥1,250
⑤障害者手帳学生 1名 + 介助者学生 1名 ⇒ ¥500 + ¥500 =¥1,000
⑥障害者手帳学生 1名 + 介助者子供 1名 ⇒ ¥500 + ¥250 =¥750
⑦障害者手帳子供 1名 + 介助者一般 1名 ⇒ ¥250 + ¥750 =¥1.000
⑧障害者手帳子供 1名 + 介助者学生 1名 ⇒ ¥250 + ¥500 =¥750
⑨障害者手帳子供 1名 + 介助者子供 1名 ⇒ ¥250 + ¥250 =¥500

尚、MACGなど展示により入場料が異なることがありますので、
ご注意ください。」




入館料のシステムも、きわめて複雑で、なぜこのようになっているのか、
理解しがたい。
可能な限りの厳正なサービス料金設定と言えば、確かにそうなるのだろうけど。


※「③⑥⑨介助者子供1名」とは、どういう意味で言っているのでしょうか?
理解に苦しみます。

例えばろうあ者にとっては、子供は本当に介助者(通訳者)
と言えるのでしょうか? 
その役割を果たしえるのでしょうか?
(これは難聴者でも、おそらく同様になるかもしれない)

おそらく「介助者」という言葉についての森美術館側の定義が、
身体障害者の法律や聴覚障害者側の理解とは異なっている
と考えられます。

②⑤⑧の「介助者学生」も、同様に疑問です。
聴覚障害者にとっての介助者の意味とは、この場合、
通訳者ではないでしょうか?

つまり、美術館に入る時も

「コミュニケーションのために通訳者が必要だからである」

という考えでしょう。

人間社会では人と会えば、コミュニケーションをいつだって
必要とします。
それは美術館での中でも、例外ではありません。

聴覚障害者の場合の「介助者」とは、それが通訳者の場合は、
美術館に一緒に入る健聴者や同障者と会話をするために
必要ですから、行政に通訳者を派遣してもらっています。

いやそもそも、通訳者は人と話さなければならない場面では、
どこでも必要です。

その通訳者を入れるだけなのになぜ、美術館がお金をとるの
だろうか?

私は、その根拠も聞いてみるべきだったかもしれません。

確かに美術館の立場からは、通訳者もお客様なので、
それには一定の理解はし「仕方がない」という思いも
ありますが…。

もしも聴覚障害者が通訳者の分の入館料を払いたくなければ、
通訳者をそこに置いて入る方法もあるが、一体誰が、
コミュニケーションも出来ないで、健聴者の友人、
家族と一緒に美術鑑賞を楽しめるでしょうか? 

難聴だからといって、館内で大声で会話をするわけにも
いきません。
コミュニケーションもできず、一人で楽しむべきものなのだと
いうのでしょうか?

もしも遠くから父母や友人、それと通訳者を伴って来て、
美術館で有料と知ったら(しかも森美術館の値段は
決して安くはない)、楽しみにして来たとしても諦めて、
歩いて15分のところにある、国立新美術館のほうに
行くのではないでしょうか?(これは実際にありました)

これは、健聴者がつくったバリアの例になると思います。

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by bunbun6610 | 2011-07-03 20:48 | バリア&バリアフリー

日本の超恩恵型障害者福祉施策と、障害者の雇用率

この資料は、あくまでも一人の聴覚障害者が、
個人的立場で考えて作成したものです。
当然ながら、全ての聴覚障害者がこのように
あってほしい、と考えているわけではありません。

一口に聴覚障害者といっても様々で、画一的な
施策で問題解決へ運ぶのは愚かなことであり、
より不公正なものとなります。

これはあくまでも、全ての人々が幸せに暮らす
ために、それぞれの個性・社会的能力発揮の
機会を重視した社会システムのための、
その一部分についての提案です。

現在の経済問題は、障害者も含めた社会システム
を見直す絶好の機会です。
日本は、900兆円以上の借金を抱えています
(2009年12月調査結果発表時)。
その返済に、国民一人当たり700万円以上の負担
がかかることがわかりました。

今、政府が行っている「事業仕分け」も、ムダ削減、
財政節約を断行するため、あらゆる分野にメスを
入れています。
障害者福祉とて、例外ではないようです。

ではその障害者福祉の現状は、どうなっているの
でしょうか。

重度身体障害者(聴覚障害)の場合、福祉制度に
よって、さまざまな恩恵を受けています。

日本の障害者福祉制度
(重度身体障害者〔聴覚障害〕の場合)

①障害基礎年金 毎月約8万円

②障害者福祉手当金 毎月約15.000円

③医療費免除(低所得者)

④所得税の障害者控除(特別障害者は40万円)

⑤都営交通無料乗車券
(費用は東京都負担〔つまり、これも都の福祉予算から〕)

⑥少額貯蓄の利子等の非課税制度
(マル優350万円,マル特優350万円制度)

⑦日常生活用具の無料給付または一部負担金 その他

⑧国民年金納付免除

⑨相続税の障害者控除

⑩特別障害者に対する贈与税の非課税
(6.000万円まで)

⑪心身障害者扶養共済制度に基づく給付金
の非課税


現物支給的なものも含めたらこれだけではなく、
もっとたくさんあるのです。

税金を遣って、なぜ障害者だけのために、
このような恩恵があるのでしょうか?

その理由としてあげられているのが、
障害者は低所得者が多い点です。

日本は障害者雇用に極めて消極的で、
法定雇用率も世界的に大変低い設定値である
にもかかわらず、一度も達成したことがありません
(最高記録が、現在の1.6%台)。


『障害のある人の人権と差別禁止法』
(日本弁護士連合会人権擁護委員会編
・2002年8月30日 初版第一刷発行)(明石書店)より。
(P136~)

 ● 低い水準の法定雇用率日本

  民間の一般企業が1.8%
  特殊法人が2.1%
  国・地方公共団体が2.1%
(1998年7月1日より、法定雇用率算定の基礎に
知的障害のある人が含まれることになった)


 ●ドイツ  16人以上の雇用の民間企業及び
       公的機関6%(実雇用率)    4.2%

        民間企業             3.8%
        公的機関             5.5%


 ●フランス  20人以上雇用の事業所   6%     
         (実雇用率)           4.0%


 ●オランダ  民間企業  業種別に3~7%の割合で設定


この資料だけ見ても、日本の障害者雇用が先進国
と比べてどれだけ低いかが、一目でわかります。
日本は、障害者を労働市場に、ほとんど生かして
いないのです。

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by bunbun6610 | 2011-07-03 09:22 | 障害者の経済学


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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