カテゴリ:就労後の聴覚障害者問題M( 2 )

『任命責任?誰にやってもらうか』

http://blogs.yahoo.co.jp/uchayamamingkun2000/36226581.html


炎のジョブコーチ
『任命責任?誰にやってもらうか』
〔2014/10/30(木) 午後 6:55〕


最近、大臣の任命責任でニュースが盛り上がって
ますが、金庫番を任命している大臣、大臣を任命
している総理、何かの関連はあるのでしょう。
あんまり重箱突っつくマスコミや国民もイマイチ
ですが。

さて、会社内での障害者雇用促進の成否は、
まさに「誰にやらせるか」に尽きるように感じています。
様々な企業の雇用の現場に出合ってそのように
感じます。
人事(特に人材マネジメントや能力開発など)の
センスがあり、情報収集し、研究し、丁寧に作り
込む担当者の方は企業らしい素晴らしい職場を
作り上げているように思います。

それには、さらにこの方に担当させた上司、
又は会社の力量を感じずにはいられません。

最近、障害者雇用をすると儲かる…なんて
へんてこなタイトルを見ましたが、良い会社は
障害者雇用をしても上手にするというのが
意味するところだと思います。

職場でも、障害のある社員の担当を誰にさせる
かで定着率は全然違います。
よく、定着が悪い…なんて議論がありますが、
もちろん支援する側のレベルも30パーセント
くらいはあります。
あと30パーセントは職場の「誰か」、そして本人
の資質が40パーセント。
そんなイメージです。

「誰にやらせるか」で成否が決まる、このあたりを
研究するとおもしろいのではと思います。




==========================




私が過去にいた会社の一つにM社がある。


厚生労働省の指導により、人事部には「障害者担当」
1名が任命されていた。
大抵は、新人、または異動してきた新任が任命
されていた。
だからこの任務には、さほどの重要度はなかった
のかもしれない。
障害者との接触経験のない新入社員が任命を受ける
というのは

「障害者を新人社員の能力を測る実験台にしている
みたいで、馬鹿げているな」

とは思ったが。

私がいた頃は、Sさんという人が障害者担当だった。
Sさんも新入社員だったが、人事部で明るく振舞って
いた人で、社内手話講習会や聴覚障害者情報保障
にも、積極的に関わっていた人だった。
社内に初めての、ろう者の気持ちを理解する
手話通訳者も誕生した。
それで、ろう者にも愛されている人だった。
健常者にも、Sさんから影響を受けた人は確実に
いたと思う。
なぜなら、手話を学ぶ人、そして使う人が
出てきたから。
それには大変な時間もかかったが。

ただ、多数のろう者が入社しても、そのほとんどは
短期で辞めていった。
そして5年ほどした後、突然、Sさんも退社した。
Sさんは去る時、私たちろう者に

「何もできなくて、ごめんなさい」

と謝っていった。

ろう者雇用は、実を言うと大変難しいものだ。
特に障害者担当の人は必ず、企業と聴覚障害者
との板挟みになる。
理想と現実との、あまりに大きなギャップには、
苦しまずにはいられなかっただろう。
その橋渡し役と言えばかっこいいのかもしれないが、
成功させるのは至難の業なのである。
だから、その責任を新人だったSさん一人に
押し付けるのは無理がある、と思った。

恐らく、ろう者雇用に関しては、誰がやっても
上手くいかなかった、と思う。

「障害者担当」とは、主に新人などにやらせる、
名前だけの職に等しかった。
一定の権限が必要な職であるにもかかわらず、
何の権限も与えられていないに等しい担当職務
だった。
そのうえ、優先順位も下位と決まっていた。
だから対応も非常に遅々として進まなかった。
私も、全社員参集行事での情報保障対応の遅さに、
非常な苛立ちを覚えた。
だから障害者雇用助成金も、企業に貯め込まれ
ているだけだったのだ。

その性質は、私が現在働いている企業でも、
全く同じだ。
それに気づいているからこそ、障害者もその人に
相談する気になど、なれなくなっているのだ。

もはや、誰もが無駄だと諦めている。

それでも、誰かに取り組んでいってほしい。
上を動かさなくては、硬直した企業体質は決して
変えることができない。
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by bunbun6610 | 2014-10-31 19:55 | 就労後の聴覚障害者問題M

「解雇」をめぐる個別紛争をどう解決するか 高谷 知佐子弁護士(森・濱田松本法律事務所)

就労後の聴覚障害者問題(M社


https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/50/


日本の人事部

「解雇」をめぐる個別紛争
をどう解決するか


高谷 知佐子さん
弁護士(森・濱田松本法律事務所)


合理的理由のない解雇は権利を濫用したものであり
無効である――「解雇」のルールなどを明文化した
改正労働基準法の施行から2年。
でも労使のトラブルはなかなか減りません。
とくに個別労働紛争が急増し、頭を悩ます人事労務
担当者も急増中と言います。
そのため、解雇を金銭で解決する制度を盛り込んだ
「労働契約法」が立法化に向けて検討されたり、
また紛争解決の幕引きを早める目的の「労働審判法」
がすでに立法化されたり、さまざまな法制度が刻々
と変化している状況です。
それによって企業の現場にはどんなインパクトが
見られるのでしょうか?
紛争の予防とその迅速な解決のために、人事部は
何をどうしなければいけないのか。
2005年『日経ビジネス』の「弁護士ランキング 労務
・人事部門」で第4位の高谷知佐子さんがメディアに
初登場、紛争の解決をめぐる傾向と対策を語ります。



たかや・ちさこ
●1969年生まれ。93年東京大学法学部卒業。
95年弁護士登録、2001年から森綜合法律事務所
(現 森・濱田松本法律事務所)所属。
1999年にアメリカ・コーネル大学法学部大学院卒業、
ニューヨーク州弁護士登録。
99年から2000年までシンガポールのArthur Loke
 Bernard Rada and Lee法律事務所で執務。
2000年にはインドのKochhar & Co.法律事務所
でも執務した。
今年8月、『日経ビジネス』恒例の「弁護士ランキング」
労務・人事部門で第4位に選ばれる。
主な著書に『現代アメリカ契約法』(共著、弘文堂)など。



「うつ病になった従業員」の解雇トラブルが増えてきた


―― 2003 年の改正労働基準法では、

「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上
相当であると認められない場合は、その権利を濫用
したものとして、無効とする」(第18条第2項)

と明記されました。
それから2年ほど経ちますが、企業の現場の実務など
に何か変化が出ているでしょうか。



改正労働基準法から2年で、企業の中に大きな変化が
あったという印象はないです。
ただ、それまでは、いくつかの判例の積み重ねで

「合理的な理由がなければ解雇できない」

というルールがあるだけだったので、その解雇権濫用
法理が法律に明記されたことは、企業が解雇について
改めて考えるきっかけになっているとは思いますね。

今度○○さんに辞めてもらうことになったけれど、では
そのときの「合理的理由」は何だろう、というところまで
考えるようになったということです。

そういう意味では変化がなかったとは言えませんが、
その法律ができたから企業が解雇を躊躇するという
ような場面もあまりないように思います。

もっとも、改正労基法には

「解雇を予告された労働者は、解雇前であっても使用
者に対して当該解雇の理由について証明書を請求
することができる」(第22条第2項)

という一項も入っていて、これは意外と効いている
感じがしますね。
もし従業員が自分の解雇の理由について会社に
証明書を請求したら、会社のほうはそれを遅滞なく
交付しなければならない、ということです。
それまでは、従業員を解雇しておいてから後で理由
を考える、というような会社もあったのですが、もう
そんなことはできなくなったんですね。

「この従業員は就業規則の○条に抵触したから解雇
も妥当です」

などと、会社側が慎重に検討する場面も増えて
きています。

―― 解雇をめぐって、高谷さんのところにも相談が
増えていますか。


件数が急に増えてきたというわけではありませんが、
最近になって目立ってきたなというケースはありますね。


―― どんなケースでしょうか。

「うつ病になった従業員の取り扱いをどうすればいい
でしょうか」

という相談です。
この1、2年、目立って増えてきました。
日本の企業では、うつ病で休職となった従業員は、
就業規則に定めた休職期間を全部使い果たしてしまった
ら自動的に退職、というケースが圧倒的に多いんですね。
それまでに職場復帰できなかった従業員が「辞めろ」と
言われて、「でも私は辞めたくありません」とトラブルに
なってしまうケースが目立ちます。
うつ病が完全に治っていなくても、多少配慮してもらえ
れば職場に戻れるという従業員もいますから、そもそも
「復帰をどうするか」という問題からして、すごくむずかしい
でしょう。
会社側が

「ゆっくり治療して、もっと休んで」

と言っても、従業員は

「早く復帰したい」

と言ってトラブルになるかもしれないし、反対に

「早く戻って来い」

と言っても、

「復帰したけど、やっぱりダメ、うつ病が悪化した」

となってトラブルになるかもしれません。
そのように従業員の「心の病」がトラブルの原因になる
ことが多いんです。

その背景には、たとえばリストラで人が減ったけれど
仕事は減らず、1人当たりの仕事量が増えているとか、
昔は職場のみんなの気心が知れていたのに、今は
正社員から派遣社員、契約社員、フリーターまで多様
な働き方になったぶん職場の一体感がなくなってきた
とか、いろいろな要因があるのだろうと思います。

ただ、企業側の対応は、少し前までは

「病気の人は会社に出てくるな!」

というのが一般的でしたが、最近では会社側に調整
や配慮ができるんだったら、そうしなさいという判例
も出てきて、変わってきています。
とくに大手企業は調整や配慮の余裕がないはずは
ないから、

「病気だからダメ」

なんてすぐに言うな、という雰囲気になっていますね。



「労働審判法」は個別紛争解決の決め手となるか

―― 改正労基法には、まず第一に労使トラブルを
減少させる目的があったと思いますが、施行後2年
の効果はどうでしょう。


トラブルは減ってはいませんね。
むしろ、個別の労働紛争が増えています。
従業員にしてみれば、今はリストラとか組織の再編成とか
成果主義人事の導入とか、不安定な雇用で働くことが
多いでしょう。

たとえばリストラの一環でクビを言い渡されたときに、
自分の権利を主張する従業員が増えているんですね。
それを会社側は解決することができず、紛争になって
外へ出てしまう。


―― 従業員が自分の権利を主張して裁判も辞さない、
というのは、一昔前ならそんなに多くなかったように
思います。
そういう紛争の芽が出てきても、大きくなる前に社内で
解決されたり、そんな芽が出てくる前に収まったりして
いたように思うのですが。



そうかもしれません。
個別の紛争が増えているのは、突き詰めると従業員と
会社の関係が変わってきたからだと言えるかもしれま
せん。
昔に比べると、従業員と会社が密な間柄でなくなって
きたんですね。
大企業の従業員でも、どうせそんなに長く勤めるわけ
じゃないとか思っている人が少なくないだろうし、
そういう気持ちで働いていると気兼ねなく会社を訴えら
れるのかもしれない(笑)。

従業員が悪いと言うわけではありませんし、自分の権利
を主張するのは当たり前ですよね。

でも、従業員に

「ここはずっと勤めてきた会社だ」

とか

「これから定年まで勤めていく会社なんだ」

という気持ちがあると、紛争になったときに世話になった
上司の顔がふと頭に浮かんだとか、同僚から

「まあそんなことするなよ」

と諭されて裁判をやめたとか、そういう場面も出てくると
思うんですね。
今は、そのようなことが少なくなったという背景もあって、
個別の紛争が多くなっているのではないでしょうか。


―― 改正労基法の施行後も個別労働紛争が増えている、
ということになれば、何か別の手立てを見つけなくては
いけません。



その一つとして、「労働審判法」という新しい法制度ができて
います。
これまで個別労働紛争は普通の民事事件として扱われて
いましたが、それをやめて裁判官(労働審判官)、裁判所が
指定する労働審判員2名(労働関係に関する専門的知識
・経験を有する者の中から労働者側として1名、使用者側
として1名が選ばれる)の3人で構成される労働審判委員会
が話を聞いて、合議体として審判を下すというものです。

イメージとしては調停に近いかもしれません。

労働審判法では、原則3回で審判を終了させます。
現在のところ、第1回は双方の主張と立証を聞き、第2回は
和解の道を探り、それが無理だったら、第3回で審判を出す
ということが想定されています。
すでに法律はできていて、予定では来年4月からスタート
することになっていますね。
男女の賃金差別問題とか労働組合の問題などは別ですが、
大型の事件ではない個別紛争は、すべて労働審判法で
処理されることになるんです。


―― それと同じような法律で、個別労働関係紛争解決
促進法というのが2001年10月に施行されていると
思うのですが、個々の労働者と事業者の間のトラブル
を、裁判によらず労働局のあっせんで解決するという
ものでした。
この法律が不十分だったから、今回、「労働審判法」が
できたということですか。



いえ、そうではありません。
労働局のあっせんの手続きは、思った以上にうまく機能して
いますから。
ただ、法律的な拘束力がないのです。
従業員と会社の間でトラブルが起きても、あっせんに行って
もいいし、行かなくてもいいんですね。
行ってみて、途中で止めてもいい。
でもこれからは「労働審判法」ができたので、トラブルが
起きたときは必ず、この手続に参加しなければいけません。

「労働審判法」では、従業員も会社も、審判委員会から
出される調停案を受諾しなくてもいいのですが、そうすると、
一定の審判が出てしまいます。
この審判に不服があれば当事者は2週間以内に異議の
申立てをすることができ、適法な異議の申立てがあれば、
労働審判はその効力を失って、その後通常の民事訴訟に
移行します。
異議の申立てがなければ労働審判は確定して、裁判上の
和解と同一の効力を有するとされています。
以前の個別労働関係紛争解決促進法では労働局の
あっせんは原則1回で終わり、あっせん案の受諾の
見込みがなければ打ち切られてしまいました。

また、あっせん委員が提案するあっせん案には法律的な
拘束力はなく、当事者は受けても受けなくてもよかった
のです。
労働審判法は、そこに法律の裏付けを持たせ、かつ
裁判官という専門家を入れたうえで、裁判所でやろうと
いう試みなのです。

調停手続のイメージに近い審判とはいえ、手続への出頭
については強制されますし、一定の法的拘束力のある
結果(審判)が出るのですから、従業員側はもちろん、
会社側も主張や立証をちゃんとやらないと負けてしまい
ます。
労働審判法がスタートすれば、1件の紛争が3カ月ぐらい
で解決できるだろうと言われているんです。
労働関係の民事事件は今、仮処分で3カ月、本訴になって
長期化すると1年ぐらいかかっていますので、労働審判法
は仮処分のようなテンポで個別労働紛争を解決していく
かもしれません。



「金銭解決制度」は会社側にどんなインパクトを与えるか


―― 「労働審判法」のほかに、厚生労働省は現在、
労使間で労働条件などを決める際の基本的ルールを
定めた新しい「労働契約法」(仮称)の制定に向けても
動き出しています。
その中に解雇トラブルを金銭で解決する制度の導入が
検討されていますが、この「金銭解決制度」は2003年の
改正労働基準法でも盛り込むかどうか議論されたことが
あります。
今回、その制度を新しい法律の中で仕切り直すという
ことなのかもしれませんが、高谷さんは「金銭解決制度」
についてどう見ますか。



会社側の立場にしてみれば、「金銭解決制度」ができたほうが
当然、ウエルカムだと思うんですね。
さっきも言いましたが、改正労基法の後、何の考えもなしに
従業員との雇用契約を一方的に切るような会社はなくなると
思います。
でも逆に、今の労働法制度を見る限り、「あまりにも会社側に
苦しい」というケースはなくならないだろうと思うんです。

私自身、解雇トラブルの解決に当たっていて、

「もうちょっと法律に柔軟性があれば」

と思うときも少なくありません。
会社側が金銭解決を持ち出すことによって従業員と契約解除
できる道が開けたら、

「従業員を金で解雇できると考える経営者が増える」

という危惧もありますけど、私はむしろ金銭解決制度の中で
従業員と真摯に対応しようとする経営者のほうが出てくるん
じゃないかと。
私はそう見ているのですが。


―― わざわざ「金銭解決制度」を設けなくても、裁判の中の
「和解」で金銭解決の道があるじゃないか、という声もあります。


今の解雇事件の金銭和解の場面では、そのときの会社側と
従業員側の双方の状況とか思惑とか、労働組合が出てくるとか
こないとか、そんな個別の事情に左右されて結論が出てしまう
ことも少なくないんです。
それよりは、裁判などで解雇無効と判断されたケースでも、

「事前の契約で決まった金額を会社が従業員に払います」

との方法で解決できる、というほうがわかりやすいのでは
ないでしょうか。
その金額も含めて、金銭解決のルールがあらかじめ雇用契約書
の中に書いてあれば、従業員と会社側の双方が

「これはお互い納得して決めたルールで、納得して決めた金額
ですね」

と、和解のサインもできますから。


―― 解雇のトラブルが裁判になっても、結局、金銭和解で決着
するケースも少なくないと聞きます。



ええ。
ただ難しいケースが多いですね。
たとえば採用のミスマッチから起きた解雇トラブルとか。


―― 具体的にどんなケースでしょうか。


ヘッドハンティングで従業員を採用したけれども、思ったほど
ではなかった、というケースがよくあるんですよ。
ヘッドハンティングというのは、今このポジションに適任の
人材が欲しいということで会社側が従業員を採用するわけ
ですが、しかし採用してみたけれど見かけだおしだったと。

でも解雇するのは今の法制度ではできないので、他のポジション
に移ってもらう。
それでもダメ、となれば、会社としては解雇せざるを得なく
なりますが、そこで従業員のほうが怒って裁判になるという
ケースです。

こういうケースでは、ヘッドハンティングされて解雇された
従業員は必ず、

「自分のパフォーマンスに何の問題もなかった。
だから解雇は無効です」

と主張します。
それに対して会社側も必ず、こういう反論をするんです。

「彼は『これこれの仕事ができます』と言うので入社して
もらったけれど、できませんでした。
嘘っぱちでした」

と。
しかし、従業員もそうですが、会社側が自分の主張を証明する
こと、つまり

「彼は仕事ができなかった」

ということを具体的に証明することは難しい。
裁判官も、その会社の中でその従業員の仕事ぶりを見たわけ
ではないので、「彼は仕事ができた」とも「できなかった」とも
判決に書きづらいと思うんです。
不祥事を起こして解雇された従業員をめぐるケースでは、
証拠がいくつも出てきたりして裁判官も認定しやすいでしょうが、
ヘッドハンティングのケースみたいに「仕事ができなかった」こと
の認定は難しくて、結局、「双方和解を」ということになる。
それだったら、金銭的な和解条項というものが、ヘッドハンティング
の従業員と会社側で、入社の最初からあってもいいのではない
でしょうか。
採用のミスマッチから起きるトラブルを早く解決の方向へ向かわ
せるんじゃないかと思います。




解雇トラブルは白黒をはっきり決着しないほうがいい


―― 2003年の改正労基法では、有期雇用契約の上限も
1年から3年に原則延長されました。
その後、延長するケースは増えていますか。



あまり増えていないですね。
雇用契約を3年までに延長した場合、その間、会社側は従業員
を解雇したり契約を終了したりできません。
一方で、労基法の附則によって従業員は1年経てばいつでも
辞められるんですね。
会社側にしてみれば、これではあまりうまみはない。
そこで、3年に延長してしまうよりも、契約は1 年ごとで、3年を
一応の期限にしておきましょうとか、そういうケースのほうが多い
と思いますね。

ただし、有期雇用契約じたいは増えているという印象があります。
大手企業の部長クラスにも、「私は1年契約なんですよ」という
人がいますから。
会社側からすると、1年という期間でその人の成果を見たいの
でしょう。
その結果で、1年後、契約をどうするかということになる。
従業員のほうも、有期雇用をネガティブに受け取る人は少ない
ように私は思います。

「私は1年契約なんですよ」

という人に自嘲的なところが見えるわけではないし、

「成果を出し、次の契約でもっといいお金をもらおう」

という姿勢を強く感じるほどです。

もっとも、これはどちらかというとアッパーサイドによく見られ
る話で、ダウンサイドでは状況が違うかもしれません。

有期雇用契約の従業員を増やして、いざとなれば解雇しようと
考えている会社もあるだろうし、正社員になりたくても
有期契約で働いているという人だっているだろうと思います。


―― 裁量労働制についてはどうでしょう。
導入要件の厳格だったり、手続きが煩雑だったりして、
なかなか浸透しませんが、これも2003年の改正労基法で
手続きが緩和されました。
利用が拡大するのではないかと見られていましたが。



私も、もっと利用が拡大するかと思っていたのですが、思った
ほどではないですね。
緩和されてもまだ、手続きが煩わしいのでしょう。

たとえば労基署は

「新入社員の裁量労働なんて無理」

という考え方です。
新入社員は裁量できるだけの仕事をするスキルはないから、
と言われてしまう。
会社も、こっちの従業員には裁量労働制を導入したいけれども、
あっちの人はスキルがなくてダメだ、となると、労務管理が面倒
臭くて、結局、今までのとおりでいいやという話になってしまうん
ですね。
もともと、労基署からして

「日本の労働者はhourly payed、つまり労働時間を基準に
してお金を得ている」

という考え方です。
日本の法制度がそんな考え方を変えて、仕事とか能力でお金
を得る働き方もあると認めないと、裁量労働は広がらないと
思います。


―― 高谷さんが人事や労務をご専門にされているのは、
どんな理由があるのですか。



もともと私はM&Aの仕事に多く取り組んでいたのですが、その際、
必ず「人」の問題が出てきて、人事の相談を受けることがあったん
ですね。
それで自然と、この分野の勉強をするようになりました。
性格的にも向いていたのかもしれません。
弁護士というのは白黒をはっきりさせたい性格の人が多くて、
判決の日には必ずシャンパンを家に用意しておく、という人も
います(笑)。

そういう弁護士からすると、人事労務に関するトラブルの解決という
のは、どうも溜飲が下がらないんですね。
つまり会社側あるいは従業員のどちらかが勝ち切ってしまうと、
負けたほうが立ち直れないほどになったり、しこりが残ったりして
しまう。
三方一両損ではないですけど、それぞれが譲ったところで解決する、
というのがいいのです。
私は白黒はっきりつけたいほうではないし、そんな性格的なことも
あって、人事労務の仕事をやっているのではないかと自己分析
しています。
もちろん解雇トラブルがうまく解決できたとき、私はシャンパンは
開けませんけど、飲みに行ったりすることはありますよ(笑)。

(取材・構成=天野隆介、写真=中岡秀人)
取材は9月16日、東京・丸の内の森・濱田松本法律事務所にて




=================================





『森・濱田松本法律事務所 高谷知佐子弁護士』
〔2012-09-03 23:30〕



『『通知書』(平成21年12月7日)』
〔2012-09-03 23:40〕

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by bunbun6610 | 2012-09-03 23:40 | 就労後の聴覚障害者問題M


ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

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