おかしいのはどっち? ろう者の常識と健聴者の常識

先日、『串揚げ居酒屋 ふさお』へ行ってきた。

食べログ『串揚げ 居酒屋 ふさお』
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13059627/

ろう者が経営しているお店だ。

今さらのように言うが、
店員がお客様の肩を軽く叩いて(合図して)から、
料理提供したり、手話で声掛けなどをしている。
こういう光景って、ろう者の世界では自然なのだが、
よく考えてみると、健常者、健聴者

(主に聴覚障害以外の障害を持つ人など、
手話の世界を知らない人たち)

の世界では有りえないことだ。

健常者の常識では、知らない人にこのように
振る舞うと、セクハラになりえたりする可能性が
あるそうだ。
そこまででなくとも、不快に思う人もいるかも
しれない。


〔関連記事〕


MIRAIROスタッフブログ
『聴覚障害者はマナーができない?
研修でショックを受けた話』

(岸田 奈美)
〔2015年1月29日〕



『「聴覚障害者はマナーができない?」』
〔2016-02-26 21:37〕






ところが、このお店では健聴者もよく訪れて
きていて、それでもろう者店員がこの合図を使って、
接客をしている。

(ろう者の常識を用いて、接客という仕事をしている)

これには今さらながらだが、驚かずにはいられない。
そして、ろう者がこんなふうに自信を持って接客
という仕事もしている姿を見て、
勇気づけられずにはいられなかった。


私は以前、サービス業(厳密にはエンターティンメント
業界と言ったほうがいいが)で就労した経験がある。
そこでは最初は、皆と同じように、お客様の見える
ところでも自分の業務を行っていた。
それは当然、先輩の指示通りだった。
その結果、お客様から人気投票ももらっていた。

ところがある日、先輩よりも職位が高いマネージャー
がやって来て、

「それはしなくていい。
ホールに出てはダメ」

とだけ伝えられた。
理由など勿論、わからなかった。

ただこれは、後になってよくわかってきたのだが、
会社で決められている厳命なのだった。

なぜこうなのかと、マネージャーに聞いたことがある。
マネージャーの回答は

「あなたは国の障害者雇用施策で雇っているに
過ぎない。
会社は、障害者雇用のことなど、
考えてもいないのが、今の現状です」

というふうに伝えられた。
予想していたこととはいえ、やはりショックは隠せない。

さらに、他のスタッフからは、私の姿を見かけなく
なったことを疑問に持ち

「○○さんは、どこにいるの?
何をしているの?」

という声が、あちこちの人から挙がっていたそうだ。
それは当然だ。
残念なことに、仕事をしない障害者だと思われて
いたらしく、その怒りの矛先は全て、
障害者に向けられていたようだった。

出勤はしているのに、姿を見かけないなんて
おかしい。
そして、障害者を一人だけで外に出し、
ゴミ拾いという社会貢献活動を一人でさせている
なんて、マネージャーも言えない。

この会社ではCSR活動として、ゴミ拾い運動を
していることで有名だ。
ホームページ上でも宣伝していて、皆で一緒にやる
活動として、定着している。

ところが障害者だけは、その仲間外れ状態になって
いたのである。
この理由も、先に上司が言っている通りだろう。

言葉は非常に悪くなるけれども、その本音は

「我々は障害者の面倒は見ない。
一緒にいると邪魔だ」

としか思えない。
昨年7月に起きた、知的障害者殺傷事件と、
本質的には変わらない。


『夢破れ突然の変貌 相模原障害者施設殺傷』
〔2016-07-27 22:07〕




こういう人間が、いつの時代にも一定数は
いるというのも、残念だが経済学的にも証明
されているらしい。


『「ソーシャル・デス」と障害者』
〔2017-03 -08 00:57〕




しかし、そればかりを見つめ、考えていても、
世の中は決して変わらないだろう。

『ふさお』のような世界が、もっと広がればいいと
思っている。
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by bunbun6610 | 2017-05-23 07:23 | ろう者世界
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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