“助成金目当ての、ろう者雇用”はまだ続いていた

20■■年■月■■日(■)

以前に辞めさせられた会社の人たちと、
話をする機会があった。
その会社で雇止めになったろう者と、
手話通訳者の代わりをする健聴者が一緒にいた。

手話通訳士・者の資格を持つ健聴者でなく、
やはり手話サークルに通って手話を覚えた人で、
会社のろう者のために手話通訳をしている、
と言う。
私がいた頃にも、そんな人がいた。(※1)


(※1)
『健聴者にだまされたこと (1)』
〔2014-08-20 18:30〕


この健聴者の話では

「『ろう者とはもともと、契約書にある雇用期間で
雇ったので、雇用契約の更新をするつもりはない』

と会社が言った」

と言う。
私の手話の読み取りに間違いはなかった。
再度確認を求めてみても、確かにそう言った
のだと健聴者がいう。

だとすれば、信じられないことだと思った。

この会社がまだ、こんなことをやっていたとは・・・。
ろう者使い捨て雇用か・・・?


私は、その健聴者に話した。

「もし、『ろう者だから』だとすれば、
それはろう者差別になるかもしれない。
それでも会社とろう者双方で、
入社前から入念に雇用契約期間の
合意をしていたのなら、
そうなっても仕方がないが。」(※2)


(※2)参考情報
【実際のハローワーク障害者枠 会社求人票の事例】

『障害者雇用 -国立大学法人 東京大学
大学院理学系研究科附属植物園』
〔2015-01-18 19:00〕



『障害者雇用 - ジブラルタ生命保険株式会社
(事務職)』
〔2015-01-18 19:30〕



もし、会社が試用期間だったり、
本人の能力不足を会社が指摘していたり、
『ろう者だから』という障害による差別理由
ではない
(絶対に言うわけがないが)
なら、普通の『雇止め』もありえるだろう。

『ろう者とはもともと、契約書にある雇用期間で
雇った』

とは、おそらくはこういう意味かもしれない。
もし期間が短ければ、ろう者に失業給付が出ない
可能性もある。
もしそうなると、これは企業側のやり過ぎだ。


私がこの会社にいた時も、最初は単純な
仕事ばかり、私だけ一日中させられていた。
他の人は、同期、後輩でも、最初から
いろいろな仕事をやらせてもらっていたのだ。
だから、これは差別ではないのかと、
労働組合と会社上司に聞いてみた。

すると、返事に窮した労働組合と会社側は、
その問題点を改めて、私に筆談しながら指導
してくれるようになり、私も皆と同じ仕事ができる
ようになった。(※3)


(※3)
『新しい仕事をやっているときに思った疑問
の答えは差別』
〔2015-02 -16 21:30〕




通訳者はいなくて、やはり社内ボランティアの
ような健聴者が手話通訳代わりをしていた。
しかし、私が手話通訳や要約筆記通訳を、
研修などにつけることを要望して、
実現させたのである。(※4)


(※4)
『完全な情報保障が初めて実現した例』
〔2012-03-02〕



「あなたには今まで、手話通訳者などが付いた
ことはありますか?」

そのろう者は「ありません」と答えた。

私は答えた。

「それは、おかしい。
私が要望してから、手話通訳者などはついた。
ただし、その後、私は解雇された。
その後は、手話通訳もなくなったというわけだね。
すると、会社に手話通訳を要望すると、
クビになるというのか。
会社は、手話通訳等の費用負担をしたくないから、
結局、その派遣依頼をやめた、というわけだ」

私の話を聞いたろう者は、驚いていた。
私は、そのろう者に話を続けた。

「どこの会社も、やっているよ。
私が今いる会社でも、私は助成金の書類に
署名していたけれども、手話通訳者が派遣
されたことは一度もない。

ろう者だって、考え方は人それぞれだよ。
長く働きたければ、クビになりたくなければ、
自分の生活を守りたければ、
会社に手話通訳の要望はしないほうがいい。
もしすれば、私と同じ目に遭うだろう。

『会社はろう者差別をしている』と言えるが、
それを労働者が言えば間違いなく、
雇止めされるだろう。

でも今では

『ろう者を雇って接客業務をさせたい』

と考えている健聴者もいる。
そういう事業所を探して働くのも、一つの方法だ」

後は、自分でどうするのか、決めることだ。
あなたは、どんな人生を歩みたいのか。

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の吉田松陰や、
映画『ブルベイカー』のような人生を歩む人は、
決して多くはない。
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by bunbun6610 | 2017-05-28 19:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610