就労後の聴覚障害者問題G

2017年2月21日(火)

(未送信原稿)
看護部 T課長
人事部 K様
私は今までに、健常者が働いている職場でばかり働いてきました。障害者もいないわけではなかったけれども、いても1人か2人しかいませんでした。ほとんどは、私一人しかいない場合が多く、一人で自分の担当を受け持ち、仕事をしてきました。そこでは、障害者は健常者から指示・指導を受けるので、障害者同士がそういう関係である職場というのは、ここが初めてだったのです。
私は聴覚障害者なので他企業でも、大切なコミュニケーションの場合は筆談でした。日常会話に変わって、慣れてきたことならば、補聴器でも一部分はコミュニケーション可能でしたが、ここでは使える条件をクリアしていませんでした。
それで筆談が最も確実なコミュニケーション方法となるのですが、人事や主任、現場管理者とはそれがうまくできていても、現場の先輩方とはうまくいかない、ということが繰り返されてきました。
私はここへ来る前に、昨年の面接試験の時に、次の2点を確認しています。

①「聴覚障害者とのコミュニケーション方法は、どのようにしていますか?」

②「病院だから、マスクをしたまま話しかけられるのですか?」


①に関しては、人事のKさんが「筆談でやりとりしています。聴覚障害の方もいますから、大丈夫です」と伝えられました。

②に関しても、T看護部課長(あるいはK氏かも?)が「マスクはしない。マスクをしても、話す時は外すから大丈夫。読話は出来るの?」と答えました。私は、マスクをしていたら断ろう、と思っていましたが、それなら何とかなるのではないか、と思いました。
しかし、実際の職場環境では全く違っていたので、私はとても苦労しました。私と一緒に働く方も、大変でした。
障害者雇用ではよくある、「ミスマッチング」――まさに、この言葉がピッタリと当てはまっていると思います。ただやはり、最悪となった原因は、人事部(Kさんがいる部署)、看護部事務室(T課長がいる部署)、そして就労現場である内視鏡室(誰も面接に立ち会っていなかった)が全く別の建物で、人事部も看護部も、現場の実態を把握していなかったから、こういう失敗が起きた、のではないかと思っています。
この医院ではこれだけにとどまらず、短期間に幾つものミスを目撃してきているので、いつか重大な医療事故が起こる可能性もある、と思います。
でも、人間は失敗する生き物であると共に、失敗から学ぶ生き物でもあります。
私は3月で、この職場を去りますが、障害者といっても、やはり多様な人々がいますから、その点でもっと理解が広がることを願います。


現場をよく見てみると、彼らは筆談用のメモ用紙すら持ち歩いていなかったし、専用の『筆談ボード』すら、なかった。私が改善要望を出すまでは、ミーティングも全員、声だけで行われていた。その中には、無表情な案山子(かかし)のように立っているだけの聴覚障害者(ろう者)が、まるで化石のように残っていた。
皆、筆談にはなれていない人ばかりで、私が声で話しかけたらもう、誰も筆談なんかしない状況だった。

筆談をするにも制約が多過ぎて、筆談しやすい職場環境ではなかった。濡れた手袋のままペンを持つのは禁止。作業台の上での筆談も禁止。水場で濡れているところが仕事場だったから、紙は使いづらかった。筆談ボードもなく、私が持って来ても、なぜか、あまり好まれなかった。多分、書きたくなかったのだろう。管理職の人ならば、筆談は難なく出来ても、現場の人が洗浄作業中に筆談配慮なんて、よく考えてみればヘンだと思いました。だからこれは、人事と看護部の言っていることがおかしかった、と言うか、最初から無理があった、と思うのです。

聴覚障害者と健聴者(健常者や、他の障害を持っている人)はもともと、コミュニケーション方法が違っている。その為に、急なオーダー(変更点がある場合や、特殊な場合など)に急いで対応する時、周囲の人はどうしても音声コミュニケーションだけになってしまう。それで、そういう時の対応が聴覚障害者には難しく、筆談だけでは煩雑になってしまう。
ただ、それ以外のことなら少し時間はかかるが、きちんとした筆談を交えてやれば、仕事を覚えることも、定型的な仕事は出来る。苦手なのは会議とか、音声によるコミュニケーション方法しかない場合である。
例えば、一人でやる作業なら基本的に、障害はない、と言える(電話対応などを除く)。

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by bunbun6610 | 2017-02-21 21:00 | G.有名私立大学病院
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ある聴覚障害者から見た世界


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