就労後の聴覚障害者問題G

2017年2月3日(金)
「GHF-H290よ」(上部スコープ)
45度の角度に入れづらい。過去にオリンパスさんにも確認したところ、「内部の繋ぎ目が原因で、仕方がないもの」という回答だったという。

【提案】
提案ですが、下記のような問題が今後も起こらないようにするために、改善案を出してみたいと思います。

【具体的改善方法】
『筆談ノート』を配備し、意思疎通が難しいと感じた場合は、業務にかかわる重要な説明、指示等はこれに書く。(トイレ、食事、日常業務に関する慣習的指示等は除く)
または、Oさんがやってきたように、書いた紙をその日だけ、貼っておく(記録に残す)。万一、問題が起きた場合には、N主任とKさんがこれを見て確認する。


【今回起きた問題点】(原因・理由)
「GHF-H290よ」(上部スコープ)の手洗い洗浄中、またブラシが入りづらくて苦戦していた時のことである。垂直方向には簡単に入るのだが、45度の角度は、何度も何度もやってみて、やっと入る有様だった。昨日も、それ以前にも、オリンパス製品ではこの個体だけが入りづらかったので、何か理由があるのではないだろうかと思った。それで、隣で仕事をしていたSさんに言ってみた。Sさんは何か言ったようだが、マスクをしていたから、当然、私から見ると言ったのかどうかもよくわからない。しかしその後、何かを思い出したように、紙に書いて見せてくれた。「真っ直ぐなブラシでやってみてください」とか言ったか、書いていたと思う。私は「真っ直ぐなブラシでやっても、うまくいかないのです。袋から出したばかりの新しいブラシでやっても、この個体だけ、通りづらいのです」と言った。Sさんは「文句言わないで、まずやってみろ」とでも言っているふうな様子だった。私はもう、「Sさんは、今私が言っていることを本当に理解しているのかな?」と疑問に思ったので、「もういいですよ。後でN主任に聞いてみますから」と言ったら、それっきりになった。
そして15時45分のミーティングの時に紙に書いて報告したら(N主任は会議中のため不在で、司会はKさんが担当)、このことでSさんが次のように言った、という。Sさんがしゃべって、Kさんがそれを聞いて、筆談通訳をしたからである。Sさんがきちんとした筆談をしないで、しゃべって言っているだけなので、またこうなった、というわけだ。
Kさんの筆談通訳によると、Sさんの話の要点は次の通りである。

「さっき言っただろう。同じことを何度言わせるのか。時間の無駄だろう。『GHF-H290よ』は、内部の繋ぎ目にどうしても当たってしまうから、誰がやってもそうなるんだよ。オリンパスさんにも報告して調べてもらったが、これだけは仕方がないと言っていたから、仕方がないんだよ。わかったような顔をするな」

というふうに言ったらしい。それで私は、ブラシが通りづらい理由が納得できたと共に、初めて、先頃はSさんと、こういう意思疎通ができていなかったこともわかった。原因はやはり、Sさんが重要な情報を書かないことに原因があるのではないだろうか。重要な情報とは、上にKさんが書いていることなのである。それをSさんは理解しているのだろうか。それと、Sさんは「わかったような顔をするな」と言っているが、そんな覚えはない。むしろ、「もういいですよ。後でN主任に聞いてみますから」と、Sさんにハッキリと言っている。事情を詳しく話したKさんには、「Sさんに聞いてもわからなかったことは、今後も他の人に聞くことを認めてほしい」と伝えた。
このような「言った」「いや、言ってない」というゴタゴタは昔から、他の会社で働いていた時にもよく経験しているので、私は少しも驚きではないが、今後もこうしたことが続くようでは、お互いに気分が「滅入ってしまう」のである。だから、対策を立てることが必要だと思う。
Oさんは今まで、言ったことを紙に書いて貼っている。無神経なところがあるが、これを見れば誰だって、言ったことがわかるのである。「言った」「いや、言ってない」のゴタゴタが起きないという点では名案である。ただ、書き方というか伝え方、文章をなるべくやわらかくしたほうがいい、ということが改善すべき点だと思う。洗浄室で働く人は古い(昔流儀の)考え方の男性が多く、パワーストロークに偏りがちで、それでああいった職場環境になっているのだと思う。Sさんは、それほどではなく、むしろ優しい方だが、マスクをしたまま音声言葉を発するクセが多く出てしまい、つい意思疎通が不完全になってしまうことがよくある。これも、年配者に多い傾向である。
Sさんに理解不足な点があると思うので、この際に指摘したい。
マスクをしたまましゃべっても、聞こえない人には伝わらないと思います。それは丁度、盲や弱視の障害者に対し、紙に書いて見せるのに等しい行為に近い。Sさんには、それがまだわかっていないと思う。あるいは、もしかしたらSさんは頭に障害がある人なのかと思う。もしそうならば、もう言ってもムダだから、コミュニケーション方法を変えようと思う。音声言葉を使うのをやめ、わからないと困ることはその度に仕事を中断して手袋を外し、全て筆談で伝えることにする。時間は掛かるが。それに対して、Sさんにも同様に筆談を求める。もし、Sさんにそれができなければ仕方がないので、何か言われても従わないことになっても仕方がない。こういうことになると思う。


〔参考〕
2017年1月18日(水)
面接で騙されたこと。
「マスクはしない」
→実際はマスクをしているし、マスクを外さないでしゃべる人も、かなりいる。特に困っているのは、佐藤さん。知らない人も、「聴覚障害者です」と伝えると、もう相手にされなくなることが多い。
筆談が苦手な障害者が少なくない。特にSさん。他にもTOさん。年配者なので、文字を書くこと自体が苦手で、文章力がない。
他にも知的障害者がいて、やはり文章を書くのが苦手。論理的説明力が欠ける。その結果、コミュニケーション力不足、指導力不足になっている。字が汚い、たとえ読めても、意味が分からない場合もあった。筆談力(書く力、書いて伝える力)がない。

〔2017/01/18/22:03〕
人事部 K様にメール

学校法人 ジュンテンドウ
人事部人事課
K H 様


お世話になっております。

早速ですが、最近感じたことです。

簡単な言葉ならば、口を見て分かる場合もあるのですが、実際はマスクを外さないでしゃべる人も、かなりいます。
特に困っているのは、Sさんです。
「全員障害者です」と聞きましたが、Sさんは一体、何の障害者なのでしょうか?
Sさんだけでなく、私のことをよく知らない人も、「聴覚障害者です」と伝えると、もう相手にされなくなることがあります。
筆談が苦手な障害者が少なくないと思います。特にSさんはそうです。常に、書くよりもしゃべるほうが先に出てしまい、それが始まると、まるで私にしゃべっているのではなく、周りの人に話す感じでしゃべっているような感じです。全く伝わりません。
他にもTOさんも、かなり似た感じです。年配者なので、文字を書くこと自体が苦手で、文章力がないのも仕方がないと思います。
自身が持っている障害だけでなく、これまでに受けてきた教育的背景もあると思います。
他にも知的障害者がいて、やはり文章を書くのが苦手です。論理的説明力が欠け、その結果、コミュニケーション力不足、指導力不足になっていると思います。字が汚い、たとえ読めても、意味が分からない場合もありました。筆談力(書く力、書いて伝える力)がないとも、言えるのかもしれません。
今日もTOさんやSさんとのやりとりで限界を感じましたし、ナースの方にもコミュニケーション方法のズレを理解していないように思えましたので、途中でN主任と相談し、情報の可視化を訴えてみました。手話は難しいとわかっているので、皆さんが独自に簡単な職場サインを考案し、それ聴覚障害者とのコミュニケーションに活かす、という方法です。亜細亜大学では、聴覚障害者の学生に対し、スクールサインが使われていますが、それと同じことです。音声言語に代わるコミュニケーション方法を使ってみるように、勧めてみました。筆談だけではやはり、限界があると思います。

まだある。午後からは1番洗浄から2番洗浄に切り換えるが、そのタイミングをSさんに聞いても、「やっていれば、そのうちにわかってきます」と言っていた。しかし、いつまで経っても、わかるようにはならない。丁度、手話の勉強に来る健聴者と同じだ。手話学習者が「手話を覚えたい」と一生懸命にろう者聞くと、よく「そのうちにわかってきます」という返答が結構ある。しかし、いつまで経ってもわからないので結局、手話学習者は辞めてゆく。それと同じだ。
TOさんに聞こうとして呼んだが、TOさんはなせかよく、聞こえないフリをして行ってしまう。無視しているようだ。すると残るはTAさんんだけが側にいた。TAさんに聞いたら、「何? アレを見ればわかるだろう?」と言う。
私;「・・・・わかりません」
TAさん;「5番~8番;上部 9番以降は下部! 上部はもう2番洗浄に切り替わっている。下部は8本ある。この表を見ろ! 下部スコープの保有本数だ(Sさんはそこまで教えてくれなかったので、私は初めて見た)。これを見れば8本だと分かる。廊下を見てみろ! 下部スコープは何本ある? 4本だろ。予約表には現時点で残り3人となっている。そうすると、余りは? 4-3=1本だろ。だからもう、2番洗浄でいい、ということだよ!」
TAさんはいつもこういう強烈な教え方なのだが、論理的でわかりやすい。非常に頭がいいと思う。
指導役がなぜSさんなのかが、わからない。Sさんは、単にやさしいだけなのかも。いや、経験と知識力はあるが、伝え方が下手というか、苦手なのだろう。



2017年1月20日(金)
洗浄作業1日目。午前も午後も洗浄作業になった。指導は午前はSさんが、午後はTAさんが担当した。
Sさんは相変わらず、字が汚くて読みづらく、書いてくれても、ちゃんとした文章になっていないので、何をと伝えているのかわからない。意味が分からないようでは、ただ時間が無駄に過ぎていくだけなので、もううんざりしてきた。
洗浄は2人いる。午前は私のほかにTOさん。午後はOさんが入った。やり方がそれぞれで、まさに人によって違っていたので、もう「周りの人のやり方を見て仕事を覚えるのは無理かも」と思うようになってきた。
最初に「おかしい」と思ったのは、「Z」の記号があるスコープ洗浄作業の時で、これは昨日のオリンパスさんの説明にはなかった業務だった。だから当然、先輩のやり方を見て覚えるしかない。Sさんのやり方を見ていたら、最初に注射器に洗剤を入れて、スコープに注入した。次に、注射器に水を入れて、スコープに注入した。それから今度は注射器に空気を入れて、スコープに注入した。だから、「洗剤、水、空気で、それぞれ1回ずつやればいいのですか?」と声を出して確認したが、Sさんは振り向きもせず、黙々と仕事をした。(Sさんのことだから、実際は何か言ったのかもしれない。だが、アイコンタクトがないと、聴覚障害者にはわかりようがない)だから、それでいいと思って、自分もやった。
ところが、それを隣で見ていたTOさんが紙に何か書いて、TAさんに伝えていた。するとTAさんがやって来て、「洗剤1回、水1回、空気2回」と、実際にやって見せてくれた。というわけで、やはりSさんの教え方がわかりにくかったことと、Sさん自身が、説明、教えたことが私に伝わったか、理解できたかどうかの確認を怠っていることが問題点なのだとわかった。
さらに、TOさんは水道水を出しながら挿入部とユニバーサルコードの中を洗浄していた。これが、昨日オリンパスさんが教えているやり方だ。ところが、Oさんは水道水を出さずにブラッシングしていた。流水を使わないと、汚れが落ちても、すぐに流せないのだ。
また、部品のボタンを洗う時、指導役のTAさんは大ブラシを孔に突っ込んで洗っていた。オリンパスさんが昨日、私に教えたやり方とは違っていたので、びっくりした。いや、それでなくても、あんなことは常識的にありえないのではないか? だから隣にいたOさんもこれには驚いて、「そこは、小さいブラシです」と言っているような様子だった。人により、やり方が違う以上、気にし過ぎても仕方がない、と思った。
TAさんが「洗浄したスコープを置くテーブルの上には、絶対に素手で触ったり、他の物を置いたりするな」と、TAさんが今日になって言った。しかし、以前からその上で筆談をする人もいた。だから、頭の中がゴチャゴチャになって、正しく覚えられなくなる場合もあった。教え方には、順序があべこべになっている面もあると思う。
Kさんから「これからしばらくは洗浄だけをやってもらう」と言われたが、厳しい衛生管理が優先される洗浄現場では、筆談は難しい状況である。マスクも当然、外せない。となると、聴覚障害者に残されたコミュニケーション方法は、やはり手話一本しかない。
今日のことで特に思ったのは、「障害とは何か?」ということである。それは、必ずしも障害者だけにあるのではない、ということが、結論の一つである。例えば、上の事例ではよく、聴覚障害者に聴覚障害があるから、音声言語が使えない(言語的障害)、情報が伝わらない(情報障害)、コミュニケーションが取りづらい(コミュニケーション障害)といったことを、健常者、健聴者はよく言う。しかし、本当にそれだけなのだろうか? それは、情報の受け手にだけ、目を向けた場合だ。では、情報の発信側に目を向けた場合は、どうだろうか? 字が汚い、書いてあっても意味が分からないほどの文章力だったら、筆談しても通じるだろうか? やり方をわかりやすく説明するよりも、「TAさんは全然聞こえません。それでも、覚えました」と文句を言う時だけ、ちゃんと書けるのはどうしてなのか? TOさんにも、そういうところがある。口は達者なのかもしれないが、筆談はかなり苦手。しかし、人事のKさんも看護部のT課長も面接時は「コミュニケーション方法は筆談です」と言っていた。正直に言うならば、騙された気分です。職場でのコミュニケーション方法の確認は、聴覚障害者にとっては最も大事なことなのに、こんな誤魔化され方をされたのは、ハッキリ言って不快です。今まで多くの企業で、こうしたことで辞めていく聴覚障害者が多いのを、学校側は全くご存知でないと思える。本当に筆談で出来ていたのだろうか? それをTAさんにも、聞いてみた。すると「自分で盗み見して、覚えた」と言っていた。しかし、動きを見よう見真似することはできても、難しくて煩雑な医療用語まで、どうして理解し、できるようになったのかが、不思議といえば不思議である。時間をかければ、覚えられないことはないが。TAさんも、「昔はかなり周りの人と衝突しながらも、独学で仕事を覚えていった」と言っている。非常に苦労してきた人だと分かる。この職場では、聴覚障害者と他の人達が、筆談でコミュニケーションが成立しているからではなかった。その証拠に、TAさんはほとんど筆談していない。日本手話しか使わない、典型的な昔のタイプのろう者だったのだ。
Sさんはまた、「1回で覚えられるとは思っていませんので、ゆっくりでいいです」とも書いて伝えていた。だが、それならばどうして、あんなにハイペースでどんどん教えるのだろうか? Sさんの言う「ゆっくり」の意味がわからない。いやそれよりも、障害者雇用だからといって、甘過ぎることを言うほうが、むしろ問題だ。よその企業でもよくやっている、障害者への「特別扱い」。それが、障害者をダメにするのだ。「配慮」は必要だが、「同情」はいらないのである。佐藤さんは、そこを勘違いしているようだ。だから聴覚障害者を哀れみの目で見ているだけで、配慮をしないのではないか。




人事部・Kさんより返信あり。
件名; Re;相談(2017年2月1日)
〔2017/02/03/09:09〕
■■様

平素より大変お世話になっております。
人事課のKです。

標記の件、ご連絡ありがとうございます。
内容について承知いたしました。
今後ともよろしくお願い致します。
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by bunbun6610 | 2017-02-03 21:00 | G.順天堂
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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