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蒼穹 -そうきゅう-

「音の記憶」の重要性

近年は、当ブログでよくランキングに入る記事の中に


『聴覚障害者でも、しゃべれる人がいる理由①』
〔2014-03-14 18:30〕



とか、

『感音性難聴障害と語音明瞭度検査(聴覚検査)』
〔2014-03-15 18:30〕



といったものがある。

科学的根拠によるものではなく、経験的に書いたに過ぎないものだった。

ところが、これらの記事が意外にも長く、多くの方に読まれているようだ。

たまたま今日、部屋の中を整理整頓していたら、ワイデックスの冊子を見つけた。

内容の一部には、下記の記事があった。

興味深い記事であり、上に挙げた当ブログ記事や、『オウム返しのマジック』とも関係がある話だと思う。というのは、自分が発生していた(音声の)記憶がなければ、『オウム返しのマジック』はできないからだ。





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THE WORLD OF WIDEX

『LISTEN』(#44 2016年8月)より、引用。



あなたは耳ではなく脳で聞いている


認知聴覚科学の専門家

パトリック・ソルクビスト(スウェーデン・ガブレ大学 環境心理研究部長)

『記憶の重要性』

記憶力は聴覚の働きの中で重要な役割を果たします。「記憶力とはとても広範囲にわたる概念で、短期間情報を保持したり、長期間にわたる経験を巧みに操ったりする能力なども含まれています。技術や言語知識といった要素もこの分野に属します」とソルクビストは語っています。

耳を通じて受け取った情報を理解しようとするとき、私たちは皆記憶に頼っています。しかし、聴覚に障害を持った人たちは、入ってくる情報が不完全なため、通常の人以上に記憶に頼らざるをえません。通常、聞くという行為は、電光石火の早さで行われます。しかし、もし聴覚に障害があったり、入力情報が乏しかったりする場合には、脳の記憶を司る部位がそのギャップを埋めようと働くのです。

ソルクビストは続けます。「記憶力が優れているほど騒音の中で会話を理解する能力が高く、高い言語知識もこの能力を増加させるという事例があります」


『未知の要因』

最近のいくつかの研究では、聴覚の障害と高齢者の認知力低下の相関関係が示唆されています。しかしながら、補聴器が認知能力の低下を防いだり、低下した能力を元に戻したりすることができるという明確な証拠はまだ提示されていないようです。

ソルクビストは、人間の認知能力とそれに影響を及ぼす方法について結論を急ぐことに対して警鐘を鳴らしています。「現在、興味深いいくつかの推測があります。聴覚の障害によって記憶の想起が妨げられることで、認知症や記憶障害が進行する可能性が高まるのではないかという考えもその一つです」



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>「もし聴覚に障害があったり、入力情報が乏しかったりする場合には、脳の記憶を司る部位がそのギャップを埋めようと働くのです」


やっぱり、聴力不足のハンディを埋めるのは、推測力だろう。
推測力とは、要するに「音の記憶」の中からチョイスする力だと思っている。
特に難聴者や中途失聴者は、聴覚障害者の中ではこの能力を、健聴者よりも多く使っているのかもしれない。




>「記憶力が優れているほど騒音の中で会話を理解する能力が高く、高い言語知識もこの能力を増加させるという事例があります」

これが事実ならば、昔やっていた「ばなな」とか「らいおん」といった言葉の聞き取り検査で分析する語音明瞭度検査なんてのも、ほとんど無意味だ。

すでに、聴覚障害の判定基準の見直しが迫られていると思う。

日本の基準はもう「厳しすぎる」というよりも「ムチャクチャなもの」ではないだろうか。
日常会話で使う言葉の聞き取りと、新しい言葉の習得に欠かせない聴覚能力は当然、切り離して考えるべきで、現状はそういった正確な検査がなされていないのである。
特に、これから言語獲得をしていかなければならない子どもにとっては、致命的になるのではないか。
当事者からの意見としては、聴覚障害の認定基準を改正し、早期の支援をすべきだと思う。


老人性難聴と痴呆症との相関関係研究を著した本には、下記のものもある。

『『「耳の不調」が脳までダメにする』(中川雅文/著)』
〔2014-07 -29 18:30〕



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by bunbun6610 | 2017-01-28 21:52 | 聴覚障害