就労後の聴覚障害者問題G

2017年1月22日(日)

看護部事務室へメール送信。
〔2017/01/22/8:46〕

看護部事務室

 ご担当者様


いつもお世話になっております。
以下の内容を、内視鏡室・N主任にお伝え下さい。
よろしくお願い致します。


内視鏡室
 ■■ ■■




2017年1月20日(金)のこと。
洗浄作業1日目。午前も午後も洗浄作業になった。指導は午前はSさんが、午後はTAさんが担当した。
Sさんは相変わらず、字が汚くて読みづらく、書いてくれても、ちゃんとした文章になっていないので、何をと伝えているのかわからない。意味が分からないようでは、ただ時間が無駄に過ぎていくだけなので、もううんざりしてきた。
洗浄は2人いる。午前は私のほかにTOさん。午後はOさんが入った。やり方がそれぞれで、まさに人によって違っていたので、もう「周りの人のやり方を見て仕事を覚えるのは無理かも」と思うようになってきた。
最初に「おかしい」と思ったのは、「Z」の記号があるスコープ洗浄作業の時で、これは昨日のオリンパスさんの説明にはなかった業務だった。だから当然、先輩のやり方を見て覚えるしかない。Sさんのやり方を見ていたら、最初に注射器に洗剤を入れて、スコープに注入した。次に、注射器に水を入れて、スコープに注入した。それから今度は注射器に空気を入れて、スコープに注入した。だから、「洗剤、水、空気で、それぞれ1回ずつやればいいのですか?」と声を出して確認したが、Sさんは振り向きもせず、黙々と仕事をした。(Sさんのことだから、実際は何か言ったのかもしれない。だが、アイコンタクトがないと、聴覚障害者にはわかりようがない)だから、それでいいと思って、自分もやった。
ところが、それを隣で見ていたTOさんが紙に何か書いて、TAさんに伝えていた。するとTAさんがやって来て、「洗剤1回、水1回、空気2回」と、実際にやって見せてくれた。というわけで、やはりSさんの教え方がわかりにくかったことと、Sさん自身が、説明、教えたことが私に伝わったか、理解できたかどうかの確認を怠っていることが問題点なのだとわかった。
さらに、TOさんは水道水を出しながら挿入部とユニバーサルコードの中を洗浄していた。これが、昨日オリンパスさんが教えているやり方だ。ところが、Oさんは水道水を出さずにブラッシングしていた。流水を使わないと、汚れが落ちても、すぐに流せないのだ。
また、部品のボタンを洗う時、指導役のTAさんは大ブラシを孔に突っ込んで洗っていた。オリンパスさんが昨日、私に教えたやり方とは違っていたので、びっくりした。いや、それでなくても、あんなことは常識的にありえないのではないか? だから隣にいたOさんもこれには驚いて、「そこは、小さいブラシです」と言っているような様子だった。人により、やり方が違う以上、気にし過ぎても仕方がない、と思った。
TAさんが「洗浄したスコープを置くテーブルの上には、絶対に素手で触ったり、他の物を置いたりするな」と、TAさんが今日になって言った。しかし、以前からその上で筆談をする人もいた。だから、頭の中がゴチャゴチャになって、正しく覚えられなくなる場合もあった。教え方には、順序があべこべになっている面もあると思う。
Kさんから「これからしばらくは洗浄だけをやってもらう」と言われたが、厳しい衛生管理が優先される洗浄現場では、筆談は難しい状況である。マスクも当然、外せない。となると、聴覚障害者に残されたコミュニケーション方法は、やはり手話一本しかない。
今日のことで特に思ったのは、「障害とは何か?」ということである。それは、必ずしも障害者だけにあるのではない、ということが、結論の一つである。例えば、上の事例ではよく、聴覚障害者に聴覚障害があるから、音声言語が使えない(言語的障害)、情報が伝わらない(情報障害)、コミュニケーションが取りづらい(コミュニケーション障害)といったことを、健常者、健聴者はよく言う。しかし、本当にそれだけなのだろうか? それは、情報の受け手にだけ、目を向けた場合だ。では、情報の発信側に目を向けた場合は、どうだろうか? 字が汚い、書いてあっても意味が分からないほどの文章力だったら、筆談しても通じるだろうか? やり方をわかりやすく説明するよりも、「TAさんは全然聞こえません。それでも、覚えました」と文句を言う時だけ、ちゃんと書けるのはどうしてなのか? TOさんにも、そういうところがある。口は達者なのかもしれないが、筆談はかなり苦手。しかし、人事のKさんも看護部のT課長も面接時は「コミュニケーション方法は筆談です」と言っていた。正直に言うならば、騙された気分です。職場でのコミュニケーション方法の確認は、聴覚障害者にとっては最も大事なことなのに、こんな誤魔化され方をされたのは、ハッキリ言って不快です。今まで多くの企業で、こうしたことで辞めていく聴覚障害者が多いのを、学校側は全くご存知でないと思える。本当に筆談で出来ていたのだろうか? それをTAさんにも、聞いてみた。すると「自分で盗み見して、覚えた」と言っていた。しかし、動きを見よう見真似することはできても、難しくて煩雑な医療用語まで、どうして理解し、できるようになったのかが、不思議といえば不思議である。時間をかければ、覚えられないことはないが。TAさんも、「昔はかなり周りの人と衝突しながらも、独学で仕事を覚えていった」と言っている。非常に苦労してきた人だと分かる。この職場では、聴覚障害者と他の人達が、筆談でコミュニケーションが成立しているからではなかった。その証拠に、TAさんはほとんど筆談していない。日本手話しか使わない、典型的な昔のタイプのろう者だったのだ。
Sさんはまた、「1回で覚えられるとは思っていませんので、ゆっくりでいいです」とも書いて伝えていた。だが、それならばどうして、あんなにハイペースでどんどん教えるのだろうか? TAさんの言う「ゆっくり」の意味がわからない。いやそれよりも、障害者雇用だからといって、甘過ぎることを言うほうが、むしろ問題だ。よその企業でもよくやっている、障害者への「特別扱い」。それが、障害者をダメにするのだ。「配慮」は必要だが、「同情」はいらないのである。Sさんは、そこを勘違いしているようだ。だから聴覚障害者を哀れみの目で見ているだけで、配慮をしないのではないか。


健常者、健聴者の場合
音声言語
音声コミュニケーション
音声情報
これらを、自然に聞きながら生活したり、仕事をしている。

聴覚障害者の場合
言語的多様性を持つ
第一言語(母語)が手話の人の中にも…
例)高齢ろう者Aさん…日本手話のみ。
中年ろう者Bさん…日本手話と日本語対応手話ができる。
若いろう者Cさん…ほとんど日本語対応手話で育ってきたろう者で、日本語対応手話がメイン。日本手話はまだ勉強中。第一言語は手話だが、その中でも日本語対応手話だといえる。
若いろう者Dさん…両親の教育方針で普通学校に行かせたため、手話も知らない。第一言語は日本語で、第二言語は持たない。

先天性難聴者…普通学校に通った難聴者とか。第一言語は日本語だが、手話もある程度出来る。普通学校にもろう学校にも通った経験がある人もいる。そういう人は、手話もできる場合が多い。
後天性難聴者…健常者、健聴者と同じ生い立ちだったが、成人後に難聴になった人が、聴覚障害者人口の中では最も多い。第一言語は日本語。手話は出来ない人が、圧倒的に多い。
中途失聴者…成人後とかで、聞こえなくなってしまった人。第一言語は日本語。手話は出来ない人が多いが、補聴器もあまり効果がないぐらい聞こえなくなっては、必要性に迫られて手話を覚える人もいる。

上に述べたように、それぞれにレベルがあり、一様ではないが、聞こえなくなってくるほど、音声情報ではなく、視覚情報に関心が向く。


【健聴者】
・音声言語(日本語)、視覚言語(書記日本語)
・コミュニケーション手段(口話、書記日本語、筆談、読話、日本語対応手話)
・音声情報、視覚情報

【難聴者】
・音声言語(日本語)、視覚言語(書記日本語)
・コミュニケーション手段(口話、補聴器、書記日本語、筆談、読話、日本語対応手話)
・音声情報、視覚情報


【重度聴覚障害者】
・視覚言語(手話、書記日本語)
・コミュニケーション手段(日本手話、中間型手話、日本語対応手話、筆談〔書記日本語〕など)
・視覚情報に依存しがち(逆に言えば、視覚ならハンディは無い)

上を見て、重度聴覚障害者には「音声言語」がないことに、注目してほしい。
幾ら丁寧にしゃべって説明しても、重度聴覚障害者にはわからない。
しゃべることは無駄なのに、SさんやTOさんはそれをやめない。
マスクをしていてもしゃべるのだから、この人たちの癖は呆れるぐらいの重症だと分かる。今の年配の人には、こういう人が多い。昔から聴覚障害者と関わったことがなかったから、わからないのである。
だから通じない。
しゃべろうとする意志が先立つ人には、筆談が上達しない。手話もジェスチャーも上達しない。だから聴覚障害者と真剣に向き合う場合には、まず、しゃべるのをやめることから始めたほうがいい。
それに有効な方法がある。Oさんから「TAさんは少ししゃべれる」と聞いていたが、TAさんはもう、しゃべるのをやめて、手話一本にしている。私も、やはりそうしたほうがいいと思う。だから月曜からは極力、しゃべるのをやめる。筆談も同様に減らし、逆に手話コミュニケーションを増やそうと思う。それで周りの健聴者とコミュニケーションができなくなっても、それで仕事が進まなくなって困っても、皆同じ思いをするだけに過ぎない。だから私も、自分の知っていることをやり、わからなかったらTAさんを呼んででも、手話で聞こうと思う。
といっても、健聴者まで手話まで覚えることは非常に難しいもの。そこで、病院で働くナースさんには、ベビーサインやシニアサイン(詳しくは、インタネットで調べてみて下さい)を使う機会があるかもしれない。きちんとしたものを勉強しなくても、そのようなサインにして使ってみることで、案外通じ、双方の心の負担が軽減することは期待できる。Oさんも、筆談や言葉で説明することは苦手だが、日本手話は少しできる資質があることがわかっている。手話は教えても、本人にその気がなければダメなものだが、自発的に最低限のコミュニケーション手段さえ持ってくれれば、何とかなるはずだ。



参考だが、NECは聴覚障害者雇用実績の良さで有名である。
NECには手話サークルもあり、『手話勉強会』というホームページがある。

http://www.syuwabenkyokai.jp/

「数字」の手話(時間や数、館内の階数表現に使う)、「OK」、「ダメ(禁止)」、「指示」(指差しの方向をハッキリと表わす)、「私(自分)」「あなた」「あそこの人」(に聞いて、頼んで、などと使える)といった手話は、すぐ覚えられる。

ナースさん、洗浄スタッフ、事務スタッフが覚える手話
OK、ダメ(禁止)、同じ、違う、逆、方法、説明、教える(教育、指導)、教わる(習う)、担当、昼食、休憩、病院、人事部、事務、事務室、仕事、休み(公休)、出勤、退勤、病気、電車、電車遅延、帰る、お願い(頼む)、頼まれる、よろしくお願い、私、あなた、あの人(男、女)、名前、数の表し方、2017年○月○日、曜日、時間、有効期限、トイレ、行く、来る、伝える(連絡)、見る、言う、話す、出来る、無理(出来ない)、身体部位(頭、顔、額、目、鼻、頬、耳、首、胸、腰、背中、腹、肩、腕、足、手、手の甲、掌(てのひら)、指(手指、足指)、手首、腿、すね、肘、膝、)、方向、医者、ナース、呼ぶ、

TAさんと相談して決めたほうが良い手話
スコープ、上(上部)、下(下部)、先端部、ハンドル部、レンズ、黄色い箱、回収、看護部、排水タンク、ベッド、シーツ、白シーツ(大)、除菌ペーパー(アルコール含有)など、専門的なもの。拭く、洗う①(手洗い) ②(洗浄機械で)、ボタン、穴(孔)、ゴム栓、色の手話、



Nさんの手話は、TAさんにも私にも通じるので、わからない手話はNさんに聞けば分かる。

医療の手話もあるが、多分、聴覚障害者でもあまり知っている人はいないかもしれない。全日本ろうあ連盟が発行しているが、TAさんは非会員だと言っていた。


http://jfd.shop-pro.jp/?pid=3944792


だが私は、こんな本を購入して勉強しても、お金と時間の無駄になるだけだと思うので、今はやめたほうがいいと思う。


表情、アイコンタクト、ジェスチャー、指差しだけでも、かなり通じる。筆談に拘ると、逆に難しい。特に、洗浄作業では、筆談は不潔になるので、衛生面でも良くない。
私は先天性難聴者と中途失聴者の中間型聴覚障害者なので、TAさん(ろう者)の日本手話が全部理解できるわけではない。それでも、TAさんに教わったほうが、いろいろと勉強になっている。それと、人により様々な状況なのだから、基本の型を覚えるまでの間、指導者を一人に決めてはどうか、と思う。SさんやTOさんには無理だと思う。Mさん、Oさんは指導経験不足や筆談苦手、それに私のほうがずっと年上なので、教えるにも気を遣ってしまうと思う。となるとやはり、今はTAさんが適任だと思う。
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by bunbun6610 | 2017-01-22 21:00 | G.有名私立大学病院
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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