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蒼穹 -そうきゅう-

『新宿区障害者計画(平成21年度~29年度)』

『新宿区障害者計画(平成21年度~29年度)』
『第2期新宿区障害者福祉計画(平成21年度~23年度)』
(平成21年(2009年)2月 新宿区)



【105 コミュニケーション支援事業(手話通訳者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成21年度  延740件

平成22年度  延800件

平成23年度  延860件


〔現状・課題〕
①手話通訳者の確保が課題です。
②通常の手話通訳者派遣と専門性の高い手話通訳者派遣とに分けて、個々に上限利用時間を設定しているため、利用者によって使いづらい場合があります。


〔サービス提供体制確保の方策〕
日常生活で手話通訳が必要な区内に住所を有する聴覚障害者等に対し、手話通訳者を派遣する事業を、新宿区社会福祉協議会、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月当たりの実利用者数は、平成21年度32人、平成22年度36人、平成23年度40人と見込んでいます。

①手話通訳者を確保するため、区立障害者福祉センターにおいて手話講習会(通訳者養成コース)を実施しており、毎年8人の講習修了を目指します。また、障害理解の促進により手話通訳者数を増やす取組みをしていきます。
②サービスの周知をさらに図るとともに、制度の仕組みを改善し使いやすい手話通訳制度としていきます。




【106 コミュニケーション支援事業(要約筆記者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
21年度  延80件

22年度  延90件

23年度  延100件


〔現状・課題〕
より使いやすい制度にしていくことと、周知が課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
手話のできない聴覚障害者等に対し、要約筆記者を派遣する事業を、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月当たりの実利用者数は、平成21年度4人、平成22年度5人、平成23年度6人と見込んでいます。

①第一期計画時の見込み量を上回る実績の伸びがあり、計画数値を見直しました。
②制度の周知をより図っていきます。
③制度の仕組みを改善し、使いやすい制度としていきます。



【107 コミュニケーション支援事業(区役所手話通訳者設置)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成21年度  延180件

平成22年度  延190件

平成23年度  延200件


〔現状・課題〕
①本庁舎、第一又は第二分庁舎の窓口以外には対応ができません。
②手話通訳者が少ない為、一部の手話通訳者に負担が偏っています。


〔サービス提供体制確保の方策〕
各種相談・手続き等で本庁舎に来庁する聴覚障害者のために、週1回午後の時間に区役所本庁舎に手話通訳者1名を配置しています。社会福祉協議会に委託して実施しています。

①実施体制の検討をしていきます。
②区役所での手話通訳者の設置方法について検討していきます。





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『新宿区障害者計画(平成24年度~29年度)』
『第3期新宿区障害者福祉計画(平成24年度~26年度)』
(平成24年3月 新宿区)


【106 コミュニケーション支援(手話通訳者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成24年度  延840件

平成25年度  延890件

平成26年度  延940件


〔現状・課題〕
①利用登録者数(平成23年度92人)に対し、実利用者数(平成22年度実績約30人)が少ない状況があります。
②平成23年度は28人が手話通訳者として登録していますが、派遣できる通訳者が限られているという状況もあり、確実に稼動できる手話通訳者の確保が課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
日常生活で手話通訳者が必要な区内に住所を有する聴覚障害者等に対し、手話通訳者を派遣する事業を、新宿区社会福祉協議会、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月あたりの実利用者数は、平成24年度42人、平成25年度46人、平成26年度50人と見込んでいます。
①手話通訳者を確保するため、区立障害者福祉センターにおいて手話講習会(通訳者養成コース)を実施しており、毎年10人の講習修了を目指し、手話通訳者の確保につなげていきます。また、障害理解の促進により手話通訳者数を増やす取組みをしていきます。
②利用登録者に対しアンケートを実施することで、使いづらい点や改善すべき点を明確化し、使い勝手の良い手話通訳制度を目指していきます。



【107 コミュニケーション支援事業(要約筆記者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成24年度  延90件

平成25年度  延100件

平成26年度  延110件


〔現状・課題〕
利用登録者数(平成23年度22人)に対し、一か月あたりの実利用者数(平成22年度実績約3人)が少ない状況があります。要約筆記について知らない人も多いことから、周知を図ることが課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
手話のできない聴覚障害者等に対し、要約筆記者を派遣する事業を、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。各年度の一ヶ月あたりの実利用者数は、平成24年度5人、平成25年度6人、平成26年度7人と見込んでいます。



【108 コミュニケーション支援事業(区役所手話通訳者設置)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成24年度  延210件

平成25年度  延220件

平成26年度  延230件


〔現状・課題〕
①本庁舎、第一又は第二分庁舎の窓口以外には対応ができません。
②通訳が平日ということがあり、活動できる手話通訳者が少ないため、一部の手話通訳者に負担が偏っています。
③平成22年度より、週2回に回数を増やしましたが、実績が上がっていない状況があります。


〔サービス提供体制確保の方策〕
各種相談・手続き等で本庁舎に来庁する聴覚障害者等のために、週2回火曜午前・金曜午後の時間に区役所本庁舎に手話通訳者1名を配置しています。新宿区社会福祉協議会に委託して実施しています。
①コミュニケーション支援事業利用登録者に利用に関するアンケートを実施する中で、より使いやすい手話通訳者の設置方法について検討していきます。
②手話通訳者の確保に努め、平日活動できる通訳者を増やしていきます。
③広報への掲示や利用登録者にお知らせするなど、周知方法を見直します。



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『新宿区障害者計画(平成27年度~29年度)』
『第4期新宿区障害者福祉計画(平成27年度~29年度)』
(平成27年3月 新宿区)



【107 意思疎通支援(手話通訳者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成27年度  延1152件

平成28年度  延1246件

平成29年度  延1381件


〔現状・課題〕
日常生活で手話通訳が必要な区内に住所を有する聴覚障害者等に対し、手話通訳者を派遣する事業を東京手話通訳等派遣センターに委託し実施しています。


〔サービス提供体制確保の方策〕
障害者総合支援法において、意思疎通支援を行う者の養成が地域生活支援事業に追加されています。障害理解の促進により手話通訳者数を増やす取組みをしていきます。(P152の117意思疎通支援者養成研修事業参照)



【109 意思疎通支援事業(要約筆記者派遣)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成27年度  延90件

平成28年度  延100件

平成29年度  延110件


〔現状・課題〕
利用登録者数が平成25年度5人と、手話通訳利用登録人数(95人)と比べ、少人数です。要約筆記について知らない人も多いことから、周知を図ることが課題です。


〔サービス提供体制確保の方策〕
手話ではなく要約筆記を望む聴覚障害者等に対し、要約筆記者を派遣する事業を、東京手話通訳等派遣センターに委託して実施しています。




【110 意思疎通支援事業(区役所手話通訳者設置)】

〔サービス見込量(年間延利用件数)〕
平成27年度  延140件

平成28年度  延145件

平成29年度  延150件


〔現状・課題〕
区役所に手話通訳者を週2日配置して、聴覚障害者の相談への利便を図っています。利用者は見込み量に至っていません。


〔サービス提供体制確保の方策〕
平成22年度に設置回数を1回から2回へ増やしていますが、実績が上がっていない状況があり、周知広報を一層工夫していきます。




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『手話・要約筆記通訳の仕事だけでは、メシが食えない理由』
それはまず、何と言っても、社会の聴覚障害者理解が広まると、

「筆談配慮をするので、手話・要約筆記通訳は要らない」

と言われるケースがほとんどになってきたからではないだろうか。
電子機器の音声認識ソフトや、簡易筆談機能も急速に進歩している。
今や、誰でも簡単に素早く入力して、文字で見せてくれる時代になった。
良いことではあるが、慣れない筆談でも有り難く我慢するろう者も、結構いる。

あるいは、そういう親切の類ではなく、相手は本当は通訳者の守秘義務を信用しないので、最初から拒否するケースがほとんどだろう。
結果、法整備が幾ら進んでも、通訳は使えない、というハメになっていることは少なくない。


例えば、会社でよく歓送別会がある。
その時に

「自分で通訳者を依頼し、連れてくることは構いませんか?」

と、会社の人に聞くと、ほぼ100%拒否されてしまう。
自分が客の立場なら、通訳者を呼んで連れて来ても問題は起こらないはずで、連れてくるのは構わない。
しかし、主催者が会社の人だと、許可が必要になるのだ。

あるいは、こんなケースもある。
聴覚障害者が客の場合でも、そういう場合はそもそも、相手がきちんと筆談をしてくれるのが多いので、通訳者を呼ぶ必要性は高くない。

「どうしても必要」

というわけには至らないケースが、近年では少なくなくなってきた。
聴覚障害者が通訳の必要性を本当に高く感じるのは、やはり

相手からの合理的配慮が全く期待できないと思えるケース

どうしても正確な情報保障・通訳が必要なケース

である。
特に、本来なら会社にいる場合がそうで、仕事の話では必要だと感じている聴覚障害者はかなりいる。
しかし、やはり前述したように、会社が拒否するのである。


そこから逸れてしまう話になるが、通訳者の利用率が最も高いのは、依頼者(ほとんどが聴覚障害者の場合が多い)が病院へ行くケースだと言われている。


『なぜ会社で手話・要約筆記通訳は
使えなくなっているのか - その背景』
〔2015-04-03 23:00〕



実際に私も、東京手話通訳等派遣センターから、過去のデータを見せてもらったことがある。
これは、派遣センターの見解では、

「健康・命に関わることである為」

という理由説明がなされていた。
しかし、依頼者の立場での理由説明で多いのは、

「病院が通訳者を派遣しないから」

ということになっている。
これは、一般には公表されてはいない、利用者(聴覚障害者)からの生の声だ。

言い換えれば、2016年4月に障害者差別解消法が施行された後でも、周囲が聴覚障害者に合理的配慮の提供を実施していない、という実態は全く変わっていないのである。

国連・障害者権利条約により、聴覚障害者への合理的配慮として、手話・要約筆記通訳者の派遣も、これから進むと思っていたら、それは果たしてどうなるだろうか?
今のままだと、派遣実績がこのまま伸びなかったり、あるいは逆に派遣実績が下がってしまうことが予想される。
苦労して難度の高い手話通訳者になれたとしても、通訳の仕事が少なくて結局、その資格を捨ててしまう手話通訳者も多いのである。
資格は持っていても、錆び付いた手話通訳になってしまってはろう者に申し訳がないので、一度休業したら、二度とやらない人が多いそうである。
特に、ろう者の目は厳しいので、なおさら引退への道に進む手話通訳者が少なくないのである。


『手話を捨てた手話通訳者』
〔2015-03-27 18:30〕




新宿区のデータを見て、誰もが気づくことがあるのではないだろうか。
手話通訳者派遣は爆発的に伸びたのに対して、要約筆記者派遣はほとんど伸びていない。
この違い、原因は「要約筆記について知らない人も多いことから、周知を図ることが課題」ということもあるが、それ以上の理由が別にあると思う。
そもそも、通訳手段に書記日本語を必要とする難聴者等と、手話を必要とするろう者とでは、タイプが全く違った聴覚障害者である。
障害の克服よりも障害を隠したり、自己犠牲をしてでも周囲に溶け込んで、そうした社会的自立のほうを重視する難聴者は、通訳者も使いたがらない人が多い。
彼らが使いたいのは、あくまでも補聴器や読話といった方法であり、手話のような異質文化ではない。
要約筆記も、相手が使いたがらない、嫌がる傾向から、使わないと決めている人は多いのだ。

本当ならば、手話ができない聴覚障害者のほうが圧倒的に多いので、事業が始まった当初は、潜在的ニーズが高いと見込まれていたようだ。

『なぜ手話ができない聴覚障害者が多いのか?』
〔2014-07-19 18:30〕


ところが実際には、難聴者の心理的傾向が、社会参加への意欲を打ち消していたようだ。
それが要約筆記通訳を利用しない傾向になってしまっている。



通訳は、実際上の使いにくさも問題である。
例えば、自分が興味を持ったセミナーや講演会に参加したい、と思った場合である。

「通訳を自分で用意して参加したいのですが」

と相談する。
相手に相談すると時間がかかり、締め切りに間に合わなくなったりする。
それでということで、東京手話通訳等派遣センターに相談するのだが、担当者によって回答が変わる場合もあった。
まれにではあったが、

「主催者に依頼してもらってください」

と言われたこともあった。
しかし、主催者に派遣を頼むと、主催者が全額費用負担しなければならなくなるので、聴覚障害者は

「それなら遠慮したい」

と、社会参加をやめてしまうのである。
自分だけ我慢するのが、一番手っ取り早い解決方法だからである。
映画『レインツリーの国』でも観た、難聴者心理が顕れるのである。

こうした東京都手話通訳者等派遣センターの指導は、間違ってはいない。
だが実際問題として、通訳を使いたくてもハードルが高すぎて諦めざるを得ないケースは多いのである。
これも、派遣実績が伸びない原因であろう。
それで要約筆記者になれても、仕事が少なくて、どの通訳者も、それだけで長くはやってゆけないのではないか。




ちなみに、ある地域の手話講習会では、4段階のコースがあり、手話通訳者養成コースは、その最後のコースにある。進級試験に合格した者だけが、このコースを受講できるため、クラス人数も少なくなる。全コースで4年間も学習し、入門では70~100人以上だったのが、半年もすると半数が辞めてしまい、最終の手話通訳者試験に合格するのは、毎年2、3人しかいなかったそうだ。その試験には、前年度以前から手話学習を続け、何度目かのトライをして、やっと受かった人もいる。それでも、合格者0人の年もあったほどの難関である。それだけ、年にわずかしか誕生しない手話通訳者だ。それでも辞めていかれるのだから、手話通訳者の不足問題は、ろう者の福祉、社会参加にとって、かなり大きな影響になる。
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by bunbun6610 | 2016-08-26 00:39 | 情報保障・通訳