会社のタライ回しの果てに


20■■年■月■日(■)

聴覚障害者理解は、なぜ進まないのだろうか。

この理由は、おそらく、障害者雇用枠で
働いている聴覚障害者にしか、わからないだろう。

障害者雇用はもともと、企業が積極的に
やっているのではなく

(やっているところもあるようですが、
それはまだごくわずかです)、

厚生労働省の行政指導のもとに、
やむなく雇用せざるをえなくてやっている、
というのが実態です。

法定雇用率を守らないと、違反金

(正式名称は「納付金」と呼ばれていますが)

を払わなければならないし、
厚生労働省からの指導を受け続けることに
なります。

あまり悪い企業だと、企業名が公表された
ケースもありました。
そのようなわけで、企業は障害者を雇います。
しかし、実態はただ雇うだけで、障害者を理解し、
もっと活用してゆこう、という姿勢は見られません。
これは、なぜでしょうか。

簡単に言うと、こういうことになるでしょう。
どの部署も

「『うちの部署にも障害者が欲しい』

と言った覚えはない」

と言うでしょう。
つまりは

「人事権を持つ人事部が押しつけてきたんだから、
しようがないじゃないか」

という消極的考えが、根底にあるように見える
のです。

実際、何か障害者問題が起きると、

「相談したいことは上(人事部)に言って」

と言われるだけです。
そして、その度に人事が部署と障害者との
仲裁に入る、という形になります。
けれども、日本企業特有の、すぐ曖昧にして
しまう解決手段で、問題の根本解決を遅らせ
てしまうのです。

「それはこっちじゃない!」

「あっちへ言ってくれ!」

「いや、そっちに!」

と。

いつまでもタライ回しが続き、何年も過ぎていく
だけの、虚しい時間を過ごしているだけです。

それよりも、なぜ、問題になった当事者間で
話し合い、問題を一気に、根本から解決しようと
しないのだろうか。

なぜ、人事は当事者間で話し合わさず、
状況もよく理解していないで「鶴の一声」だけで
間接的に仲介し、うやむやな解決方法に委ねて
いるのだろうか。

ものすごく滑稽ですが、障害者のほうは
たまったものではないのです。

その理由は、先にも述べているように、
障害者雇用全体の、硬直した思考にあることは
間違いありません。

こんな問題には、健聴者からよく、こう言われます。

「人の心は、すぐには変わらない。少しずつ進めて
いくしかない」

でも、実際は少しも進んでいないのだから、
障害者側にしてみれば、これはギャップがあると
感じます。

そして、いつまでたっても、こんなふうだから

「自分はいつもそうやって、会社の人に言いくるめ
られてしまっているに過ぎないんだ」

と、やるせなく思うようになる。

こうなってくると、もう、人間不信になってゆき、
健聴者に対して、攻撃的な行動を起こすように
なります。

そういう衝動は、どうしても抑えなくてはならない
ものの、人間の心理からすれば、これは無理も
ない。

しかし、それでも健聴者には何も理解できて
いません。
結局、どうでもいいと、聴覚障害者はタライ回し
されるだけだから、本人も諦めざるをえなくなる。

私は乗馬のことはよく知りませんが、
人馬一体」という言葉がありますよね。

「乗馬において乗り手(騎手)と馬が一つに
なったかのように、なだらかで巧みな連携が
行われること。」(実用日本語表現辞典より)


会社にとって、馬は障害者も含む人材で、
騎手は上司ということになる、
と思います。
そうすると人事部は、調教師だと思うのです
けれども。

要するに人事部は馬も騎手も生かす、
裏方のような存在ではないかと思うのです。
会社組織は、そのようであることが理想なのでは
ないかと思うのですが。

だから、人事部が部署の人と障害者との間で
起きる問題に直接介入するのは、何か変だな、
と思っています。
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by bunbun6610 | 2016-06-21 19:30 | Z1.クレジットカード会社
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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
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