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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

健聴者にうんざり

聴覚障害を持った当事者として、
非常に大切なことであるにも
かかわらず、健聴者に騙されて
しまった経験はあるだろう。

例えば、会社面接に行く時、
企業からは

「面接では筆談で対応しますので、
通訳者は呼ばなくて結構です」

と言われるケース。

あるいは、国の法令で定められた
受講必須の講習会(例えば、大量
調理場で働く前に必要な衛生講習等)
でも、同様の理由を言われて
情報保障や通訳がつかなかった、
というケース等。


その場へ行ってみると、大体、
こう言われるのである。

「(私の話し声が)聞こえますか?」

ここで

「はい、聞こえます」

なんて言ったら、もう後はずーっと、
一方的にしゃべられて終わりです。
それでずっと我慢した経験を何度も
しているうちに、このままだとマズイと
思ってきた。

だから次からはそう来たら、

「今は聞こえますが、長い話になると
聞き取れない言葉もあり、
また不意に物音、雑音がしたりすると、
途切れてしまうので、大事な話は筆談
のほうがよいのですが」

と伝える。
そうすると、相手はうなづいて筆談して
くれます。

ところが、少しでも時間が長くなってくると、
ペンを置いてすぐしゃべり出す人がいる。

私が

「わかりません」

と言うと、またペンを取って書くが、
一時の間だけで、またすぐにペンを置いて
しゃべり出す。
それでまた

「わかりません」

と言うと、そこからまた次の話を書き出す。
何度もこんな繰り返しになるうちに、
前に何を言っていたのかも書くのを
忘れるのか、話がだんだん一貫しなくなる。
だから何を言いたいのかよくわからず

「こうですか?」

と聞く。
すると単純に「そうだ」と答える。
そんなワケがないだろうと、ほぼ確実に
疑いながらも、相手の努力に敬意を表して、
もう一度信用することにする。
しかし結局、「だから何なの?」という、
筋の通らぬ話に、いつの間にかなって
いたりする。
妥協するとこうなってしまうことも、
経験のある聴覚障害者は多いだろう。
これが相手の健聴者には分かっていない
ので、もううんざりしてしまうのである。
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by bunbun6610 | 2016-06-10 19:30 | 聴覚障害者心理