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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

電話が鳴ると怖くなる、異常な精神的症状

子どもの頃から、電話が鳴ると、怖かった。
なぜかというと、その電話に出なければ
ならないという責任感と、難聴ゆえに聞き
取れず、何度も聞き返してしまうという困難
が、精神的苦痛になったからだ。

それで、相手に不快な思いや、
怒りを誘ってしまうことが、よくあった。
相手に迷惑をかけてしまうことも怖かったが、
何よりも誤解されるのが怖かった。
学生アルバイトの時、
事務所に電話が掛かってきて、
その時は私一人だった。
何度も鳴るので、仕方がなく自分が出ると

「君ィ~、電話が鳴ったら、
すぐに出なきゃいけないよ!」

とか何とか言われて、強く叱られてしまった。
その後の言葉がわからないので、
すぐに待たせて誰かを呼んだ。
とても恥ずかしい体験でもあった。
自分の難聴がバレるのも、嫌だったのかも
しれない。
世間では障害者に対する視線が、まだまだ
冷たい時代だった。
だから障害者だとバレると、自分もそうなる
と思い、怖かったのだろう。
差別的に見られるだけでも、かなり嫌だった。
恐怖だった。

きっと、幾ら電話しても、誰も出てこない
家って、今でもあるのではないだろうか。
そんな家があるとすれば、その家には
一人暮らしの難聴者や、ろう者が住んで
いる可能性もある。
ろう者にも、FAX優先モードの固定電話
を置いている人がいる。
私もFAX優先モードにしているので、
まず電話が鳴るようになっている。
電話には、決してでない。
鳴っても音はわからないが、今の電話機
は、かかってくると電話のディスプレイが
明るくなるので、誰かが電話をかけてきた
ことぐらいはわかる。

かなりの受信記録が溜まっている。
それでも、一体誰から掛かってくるのかも、
一切知らない。
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by bunbun6610 | 2016-05-14 20:00 | 難聴の記憶