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蒼穹 -そうきゅう-

言語とコミュニケーションの問題



ろう者と、自分の職場でのコミュニケーション問題
について話しました。
皆、バラバラで全く違う部署に配属されているので、
それぞれに少しずつ違いがありました。
聴覚障害者は自分一人なんだから

「仕方がない」

と諦めてばかりいるよりも、
集まって少しでも情報交換し、
改善策を模索していったほうがいいでしょう。

Bさんの場合は、上司が全く筆談をしない人だという。
そうすると、そのコミュニケーション方法は
どうなっているのか、皆気になってきます。

聞いてみると、面白いんだな、これが。
本人は大変な思いをしているのですが、
本人も皆が面白がっているのを見て、
話してよかったと思っているようでした。

これも、聴覚障害者なりのストレス発散法かな、
と思います。
健聴者とのコミュニケーションでの苦労話は、
お酒の場では笑い話になります。

ある時、上司がBさんのところへ突然来て、
目玉が飛び出しそうな表情で、
右手を上下に激しく動かしていた、という。
(勿論、これはジェスチャーで)
Bさんの手話はろう者の使う写像的表現
(日本手話の技法の一つ)なので、
間違いではありません。
それがBさんの見た上司のコミュニケーション
だからです。
Bさんは上司が何を言いたいのか、
分かりませんでした。

結局、上司はBさんに聞くのをやめて、
他の人に同じ用件を聞いたそうです。
Bさんは上司のコミュニケーション、
またコミュニケーションが成立しなかった
後の対応に不満はあったようですが、

「こういうことはもう、
慣れっこだからしょうがない」

というふうに受け止めたようです。
その後、Bさんは他の人に

「上司はどうしたの?」

と聞いて、筆談で教えてもらいました。
すると

「上司は

『会社のハンコが無くなったが、知らないか?』

と聞き回っていた」

という。

「ハンコ」を表す手話は、簡単です。
上司は必死になって、Bさんに手話をマネして
伝えようとしたのはわかります。
でも、通じませんでした。
その手話(というよりジェスチャー)を、
Bさんが私たちにもやって見せてくれましたが、
何だか分かりませんでした。
でも、その答が分かると、おかしくなってしまい
ました。

ハンコの手話なんて、わざわざ教わらなくたって
分かる(できる)ものです。
だけど、50年以上も音声日本語の世界でしか
生きてこなかった健聴者には、分からない人も
います。

でも、その後に言ったBさんの言葉が立派でした。

「私は

『健聴者は歩み寄りが出来ない』

と決めつけない。
私は手話にこだわらない。
お互いにコミュニケーション方法を学び、
共有していくことが解決方法だと思っているから」

私も、いいことを学びました。

それにしても

「会社のハンコがなくなった」

というのは重大だ。
それならばなおさら、一緒に働くろう者とも、
きちんとしたコミュニケーションが取れなければ
いけないだろうな、と私は思いました。
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by bunbun6610 | 2016-04-08 19:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1