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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

『10000人のお掃除革命』(橋本奎一郎/著)

『10000人のお掃除革命』(橋本奎一郎/著 株式会社出版文化社/発行 2008年2月6日/初版発行)

「(韓裕)副社長からは、ただ店舗がきれいになればよいというものではなく、清掃を通して人間教育をやり、社員一人一人に自らの精神を磨かせてほしいと要請された。」(P16)

「差別されたことを反面教師として反発することで韓会長は伸びてきた。差別されないためにどうしたらいいだろうと考えた。答えは、差別する人より二倍も三倍も教養と人格を磨き、社会奉仕をすることだった。社訓の『努力、信用、奉仕』とは会長の生き方そのままである。」(P34)

「会長は「マルハンは実力社会だ。学歴や肩書よりも、情熱を持って努力する人間を優先し、そういう社員を高く評価する。残りの人生は社会奉仕に捧げたい」と語っている。」(P34~35)

「韓会長は常に現場重視を貫くだけに、抜き打ちの店巡回や電話を入れることで常に現場に緊張感がみなぎっている。あるエリア長は一日に八回も電話をもらい、ふらふらになったと悲鳴をあげていた。「君と話していると私が病気になりそうだ」と言われた店長もいる。現場にかける執念はすごいものがある。
このように、会長はうるさい親父というイメージがあったので、店長たちはびくびくしていた。」(P37)

「一般的にいって二代目、三代目になると弱くなるのは、この「見透かす力」が弱くなるからである。目が利かなくなり組織が弱くなる。小さなことをおろそかにしがちである。頭で仕事をし、体を動かさない状態に陥る。だから、いったんやると決めたことも継続できなくなる。社員もトップの顔色を見ているので、適当な仕事しかしなくなる。極めようなどという気持ちにはさらさらならない。
経営者には確かな「眼」がなければならない。「将来を見透かす眼」「企業内容を把握する眼」「その後ろにあるものを見る眼」の三つが要求される。」(P38)

「韓会長は常日ごろ、お金を儲けるのは「技術」、お金を使うのは「芸術」といっている。これまで多くの寄付を行っているが、会社の利益の一%を社会に還元するというのが方針だ。感謝の気持ちがあれば地域社会に奉仕する心が生まれてくるという。ただし、自分の会社にプラスになると期待して寄付するのでは奉仕ではなく、投資になってしまう。寄付に投資の考えを入れないのもマルハンの鉄則だ。
社会に寄付するためには、やはり儲けないといけないが、金儲けには技術が必要だ。しかし、儲けた金は使い方によって生きも死にもする。社員や社会に還元し、お金を芸術として使いたいというのが韓会長の望みである。」(P39)

「幹部には人としての品性や人間性を求め、特にポジションパワー(職務上の地位による権限)を持つ人間は気をつけなければいけないと副社長はいつも自戒している。
「上から見下す」ことを一度ポジションパワーでやってしまうと、相手からも「平行な視線」で見てもらえなくなる。自分の伝えようとすることは、ますます伝わらなくなるし、相手も自分に対して意見を言わなくなる。「対話」でなくなってしまう。そうなれば、良いアイデアや意見を部下や仲間から引き出すこともできない。また、自分のことも理化してもらえなくなってしまうだろう。こうしたことを信条として、副社長は人に接しているという。」(P43~44)

「元もと下の者から上の者に物申すのは難しく、「なんか変だぞ」と思っていても、「はい、わかりました」と従うことが多いだろう。こうしたタイプの上司の下で働くとしたら、部下はどう振る舞うようになるのだろうか。その上司からは何か学ぶのか。最初こそ勇気を出して疑問を口にしても、そのうち口を閉ざし、びくびくしながら卑屈に機嫌をうかがうようになる。そして、こそこそと陰口を言いながら憂さ晴らしの暗い酒を飲むようになる。「黙っているのが一番賢いのさ」「さっさと会社を辞める見切りが大事」と部下は考えるようになる。
こうした問題は「個人の人格の問題」のひと言で済まされることが多い。しかし「そういう人だから仕方がない」では済まないと副会長は考えている。そこで副社長は、全従業員にこう呼びかけている。
「私たちは人と向き合い、マルハンを築いてきた。お客様を大切にし、仲間を思い自分たちを高めてきたのがマルハンだと思う。そこから逸脱している人がいるならばよく聞いてほしい。あなたには“人を生かす”責任がある。“輝いた店をつくる”責任がある。それができないのであれば、あなたがその立場にいることは許されない。それが私のこだわりであり、マルハンのこだわりでもある。
人に人格があるように、企業にも人格がある。そこに参加する個人の言動、行動の積み重ねから社風が築かれ、そこでまた人が育っていく。マルハンという企業を良くするためには、参加する私たち一人一人の責任ある行動が必要だ。特に、上に立つ人の言動、行動は、影響力が大きい。店長やマネージャー、本社の役職にある人はそれを忘れずに、自分で磨いてほしい。また社員であれば、アルバイトスタッフや後輩社員に対しての自分のあり方を見直してほしい。マルハンは、私たちがつくっているのだから。」(P46~47)

「橋頭堡(きょうとうほ)」(P53)

「昔のパチンコ業界は、一部のパチプロなどの客との駆け引きというよりだまし合いで商売をしてきた面がある。従業員は、客の不正を見張るのが役割だった。質の良くない客になめられないために、従業員のほうもパンチパーマや紫のスーツなどやくざまがいの風貌が多かった。客だけではなく、内部にも不正が横行していて、経営者は店長を見張るために徹底した管理統制をしていた。そうしないと危ないレベルの人たちが店長をやっていた。韓会長が掲げた理念があるにもかかわらず、当時のマルハンはまだ、人のレベルが高いとはいえなかった。
「これを何とかしないといけない」と考えた副社長は、思い切って全否定した。業界を変える戦いのスタートである。」(P59~60)

「クレーマー問題」(P61)

「私たちが今必要としているのは真の意味でのコミュニケーションです。コミュニケーションとはラテン語からきた言葉ですが、「伝える」という意味の他に、「分かちあう」とか「共存する」という意味も含んでいるそうです。私たちの会社、私たちの仲間という意識が必要です。「もっと豊かに」「もっと楽しく」「もっと確かなものに」していくために、共に分かちあい、共存し、夢を共有し、それぞれの目標、マルハンの目標に向って頑張りましょう。(社員一同様『すばらしい会社とするために』 1993.11.15 韓裕 より、抜粋。)」(P66)

「昔のパチンコ業界では、店を移るときに店長が従業員を連れてくるのが当たり前だった。店長が家の親分で、店長が連れてきた従業員はみんな子分みたいなものだった。だから、店長が辞めると従業員まで一緒に辞めてしまった。
パチンコ店のオーナーは、経験豊かな店長に店舗運営から人事管理、教育に至るすべてを委任した形だったので、各店長は、自己流の運営をした。チェーン店舗を展開しているマルハンも例外ではなく、当時のマルハンは、個人商店の集合体のような組織だった。各店の店長が人事権を含め大きな決定権を持っており、会社の方針よりも店長の方針が優先されてしまう状態であった。」(P74)

マルハンイズム「7つの行動指針」(P83)

「朝礼司会者の大きな声で投げかけと返事で全員が確認しあう。

姿勢はいいですか。(はい)

声の調子はいいですか。(はい)

笑顔はいいですか。(はい)

服装・身だしなみはいいですか。(はい)

・・・・・よろしくお願い致します。(よろしくお願い致します)」(P87~88)

「私がかつて米沢店に行ったときに、私の同伴者が、「従業員が誇りを持って働いている」「魂がこもっている」と評価し、その懸命な姿に感動を覚えていた。
「なぜここまでやれるんだ。今まで自分たちがやってきたことは何だったんだ。この差はマニュアルではない!」。そう感じながら「パチンコ業界もここまできたんだ」と思い、感動がこみ上げたと同伴者は言う。
マニュアルでなければ、その差を生み出しているものは何なのか? それは、お客様に向き合っているということだ。それが原動力になっている。評判をつくってくれるのも、もちろん「お客様」だ。」(P89)

「東北第二エリアの鈴木隆志エリア長は、「マルハンは出玉のマルハンでもなければ、イベントのマルハンでもなく、『サービスのマルハン』『人のマルハン』と呼ばれています」と言っている。」(P91~92)

「巡回と研修、店舗を外から支えるのがSA(サービス・アドバイザー)である。
・・・(中略)・・・
SAの仕事は大きく分けて二つある。
一つは巡回である。店を回って、スタッフの目が届かない問題点をチェックする仕事だ。掃除、接客、備品、また、服装の乱れ、髪型、女性スタッフのメイクなどチェック項目は多肢にわたる。しかし、訪問巡回と覆面巡回がある。訪問巡回は定期的に担当する店舗を訪れて、細かくチェックする・覆面巡回はエリア外の店をお客様に扮してチェックし、自身のチェックする目を慣れさせないように工夫している。」(P120)

「マルハンでも一兆円達成の前までに、効率化し清掃のアウトソースを完了していたが、やはり安易なアウトソースだったのか、管理部門(本社)を含め、「汚れても業者のせいで、自分たちは関係ない」「汚れに慣れてしまい、汚いことに気づけない」という感覚の従業員が多くなり、大企業病が進行しつつあった。」(P127)

「もともとあった「クリンリネス」へのこだわり」(P128~130)

「正式名称を「クリーンマインド本気!プロジェクト」とすることも決まった。
プロジェクト名は、「@きれいな心を本気で育む」という意味だ。合言葉として「感謝を実践!全員参加」「磨こう職場と心 ~まずは私から始めます~」を加えた。清掃をすることと心をきれいにすることは不可分な関係にある。」(P170)

「人が指導次第で変わる可能性があることを幾度も体験してきたからだ。逆にいえば、教えられていないから無知だという状態があまりにも多い。このような状態で自主性に任せたらどうなるか。道に迷う山登りと同じ結果になる。
企業には利益を生み出す目標があり、しかも永続しなければならない。社員や家族に対する責任、社会的な責任を果たすために当たり前のことであるが、この原点の部分を理解していない経営者、幹部、社員が多い。こうした軸足部分がずれていると会社は時間とともに、確実に倒産へと向かう。」(P133)

「社員のレベルを無視して安易に自主性に任せるのは、逆に無責任であり、良い結果は得られない。教育は、最初は強制から始まるものである。」(P134)

「管理部門は関連会社のエムエムインターナショナルに、エムエムインターナショナルはベンダーと店長に、店長はマネージャーに、マネージャーは一般に「やっておいてください」と言う。「・・・・のはず」(実際はそうではない)「・・・・と伝えている」(実際は伝わっていない)などの伝言ゲームばかりがあり、実態確認は誰もしていない。
結果アウトソース費をかけているにも関わらず、きれいになっていないという状況になっていた。」(P174)

「〈口だけの言葉遊び主義・できない理由を外部に求める習慣〉
「物を大事にする、創意工夫する、感謝をする」ということが“口だけ”になっていた。
分業化や管理部門・店舗間の伝達が整理されていないことが多く、確かに自分たちだけで判断してやると管理部門から叱られることもある。その中で、できない理由を「人が足りない」「今の世代にはそれでは通用しない」「何でも自分たちでやっていた時代とは違う」「業者が悪い」「管理部門の命令が悪い」「現場で店長がやらないのが悪い」と「外側」に求めることも増え、「ならば、どうするか(できることに集中する)に向おうとしない。」(P175)

「最初の清掃体験ツアーで新宿店を訪問したとき、あまりの汚れようだったので、「日々の従業員への清掃や業務の指示は何で行っているのか」聞いてみた。機械トラブルや金銭に関することは引き継ぎノートがあったが、毎日、今日一日、どういうことを心がけて取り組むのかを具体的に文章にまとめたものはなかった。朝礼でイズムの唱和や確認事項の伝達はあったが、声に出したら終わりで、再度確認する、公休者が翌日に昨日のことを確認する、今日の出来事を翌年の同じ日に参考にするために足跡を残すといったようなことは行われていなかった。」(P176)

「・かつてのマルハンは、人任せ(無責任)を嫌い、普通に考えればアウトソースすればいい「清掃」を自分たちでやることを大事にしてきた。超過労働などの悪しき習慣を改革するためにアウトソースに切り換えたことも、もちろん効率化にとって大事だが、「清掃をしなくなる」ことで失ったものもあると感じている。
・単純に「クリンリネスレベルを上げればいい」ということではなく、「清掃に取り組むことで生まれる何か」(感謝・思いやり、気づく力・創意工夫などの「マインド」)のためにこのプロジェクトは必要。
(マルハンの社内報『ルーチェ』2007年1月号より)」(P177~178)

アウトソース
アウトソーシング
ベンダー
バックヤード


「マザーテレサが来日したとき話したこと「この豊かな国の大きな心の貧困を見ました」」(P178)

「すばらしい個人の集団である会社は、社会から尊敬される会社になる。だからこそ、一人一人が自己の成長に取り組む必要があり、かつ「誰か一人がものすごく優秀」ということよりも、みんながすばらしい会社の方がいい。」(P186)

「私は、経営コンサルタントとしてさまざまな企業から社員研修の依頼を受けるが、従業員の能力が三分の一しか発揮されていないことが多い。人間は可能性という埋蔵されたエネルギーを持っている。埋蔵エネルギーを引き出せるかどうかは、上司と自分自身にかかっているのに気がつかない。たとえ気がついても、正しいやり方がわからなかったり、長続きしなかったりで成果を上げることができない。」(P187)

「花を育てたことのない人間が人から花をもらっても、花を育てた人の思いは実感することができない。トイレ掃除や料理も同じである。体で体験するプロセスを踏まないと物に対する感謝の心は湧かないし、自立型の人間をつくることもできない。また、体験して、も継続できないと成長は止まってしまう。」(P188)

「自己成長シート」(P188)

「図表6 自己成長シート記入の目的
・・・・(中略)・・・・
2.従業員全員が、クリンリネス、清掃、整理整頓を意識したか、実践したかを振り返る。」(P189)

「クリーンリーダー任命と朝礼クリーン宣言 ~全員が清掃をする機会を持てば変わる~」(P194)

「・クリーンマインドとはマルハンで働いているからではなく、一社会人としても重要なことであることに気づかされました。」(P210~211)

第一弾キャンペーンの努力賞表彰店舗
関東第一エリア 都筑店
関東第二エリア MPT澁谷
関東第三エリア 八千代東店

「接客は得手不得手があるが、清掃は、やれば必ずきれいになる。」(231)

「松田享男(みちお)店長(当時、富山県富山市・富山店の店長)は、感謝の心を醸成するのにも根気強く取り組んだ。当初、ゴミ箱はいつもあふれかえり、誰も交換しない状況で、サイズも小さいまま使用していた。そこで、サイズの合わないものは磨いてから捨てた。ゴミ袋の予備もぐじゃぐじゃに放置されている状況だったので、きれいにたたんで置くことを教える。次に、使う人のことを考えることについて、いつも言い続けた。これが簡単そうで意外にやれない人が多く、150回くらい同じことを言い続けた。」(P232)

「ゴミ箱担当制…毎日出勤時に、自分の魂だと思ってゴミ箱を磨く。」(P232)

「ただ、このような状況の中で、一方では二人の社員が駐車場で雑草を切り、一方では玄関で二人の社員が玄関マットの清掃をしていた。しかし、私はその社員たちが気の毒になった。定休日なら、なぜ多くの社員が全員で清掃をしないのかと思っているからだ。全員で清掃すれば社員間のコミュニケーションが良くなり、一つにまとまることができる。経営者が参加して一緒にやれば、効果はもっと大きなものになる。清掃ができていないのは、やらない社員が悪いのではなく、段取りよくさせない経営者が悪いのだ。」(P246)

「企業の差は、教育の差である。一回くらい注意しても、社員は絶対にやらない。そこであきらめたら経営者の負けである。何十回でも何百回でも、社員がやるまで言い続けるのだ。まさに体を張った戦いだ。自分の身は自分で守らなければならない。」(P248)



(連絡先)
橋本奎一郎

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(事務所移転先)
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we20nvemrvr5q6715j9v@docomo.ne.jp;

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by bunbun6610 | 2015-07-29 20:30 | 就労後の聴覚障害者問題F