聴覚障害者への不当評価

『聴覚障害者への不当評価』

 ―会社の聴覚障害者に対する不当評価
(差別的取扱いが正当化されている原因)―



聴覚障害者は他の障害者に比べ、
待遇が上がらず、また昇給・昇進率も
低いという。

それに関連するデータのあるアドレスを、
以下に載せておきます。

 →http://www1.normanet.ne.jp/~ww100114/library/li-57.htm

このデータ

(『3.退職理由にみられる聴覚障害者特有
の傾向』)

の特徴は、他の障害者は「障害上の理由」
で辞めた人が多いのに、聴覚障害者の場合は、
それを理由に辞めている人が少ない。

しかし、他の障害者に比べて、聴覚障害者は

「人間関係」

「賃金・労働条件」

「仕事の内容」

の3つが極端に高い割合を示していることです。

転職率も極めて高いということは、
企業側の改善が全く進んでおらず、
聴覚障害者を使い捨てにしている、
という実態の裏づけにもなると思われます。

→当ブログ

『障害者団体のILOへの提訴文書について、
思うこと』
〔2011-07-04 00:50〕


も参照。

当ブログの、この聴覚障害者への職域差別問題
を書いているカテゴリー『就労後の聴覚障害者
問題』の記事を全て読まれた方には気づくと
思いますが、
会社がこの職域差別を「差別ではない」と主張し、
正当化する理由には、
必ず聴覚障害者への低評価を根拠にしています。


ではもしも、この評価が不当なもの、
聴覚障害者への偏見などに基づく差別的評価
だったとしたら…。

これは私だけでなく、聴覚障害者だけでもなく、
多くの障害者の現実なのかもしれません。
私も差別を感じ、イヤになってやる気をなくす
場合もあります。

けれども、真面目に働いているときは、
常に部署でトップの業績を挙げています。
その実績が記録にあります。

それでもS課長は皆と私との仕事内容に
ついては、差別したままです。

別に私は、自分の業績トップを自慢して
いるわけではありません。
うぬぼれているわけでもなく、

「健常者より凄いんだぞ」

と言いたいのでもありません。

「障害者にだって、健常者より凄い人は
いるんだ」

と言いたいのでもありません。
私はそういう考え方は大嫌いなのです。

読者には、私の真意をわかってもらう
ために、次の話をしてみることにします。

私の業績がメンバーの中でトップである
理由には、当ブログで述べている通り、
周りが仕事をしない連中ばかり、という
ことで結局、自分がトップになってしまう、
という原因が最も大きいと思います(笑)。

つまり、私の実力だけではない、という
ことです。

しかし本当に、他の人よりも光る実力が
何もなかったら、トップにはなれないだろう、
とも思います。

障害者のなかには、健常者よりすぐれた、
あるいは健常者と異なる能力を発揮する
人がいる、ということは、皆さんもご存知
だと思います。

自分ではよくわかりませんが、
もしかしたら自分にもそういう力がある
のかな? と思っています。

私は、会社の仕事を、先輩に教えられた
通りにはやっていません。
むしろ、独自の工夫をして極限まで効率化
し、正確性とスピードを両立しながら
向上させています。

手話を使うろう者の眼は、健聴者の眼より
も多くの視覚情報を、一度に捉え、
脳へ処理する能力があることをご存知で
しょうか?

文書をチェックするとき、健聴者は文書
全体から、1点ずつを目視し、確認すると
思います。

でも私は、2点以上をほぼ同時に見て
処理しています。
それだけで健聴者よりも速いスピードで
文書チェックをしているのかもしれません。
一瞬でも特徴を見ただけで、
判別ができます。
動体視力と言うのかもしれませんが。

ただ、これをスムーズにやるために、
私は独自の作業手順を考案し、
やっています。

簡単なことですがそれは、
同じ型式の書類ごとに揃えてから、
自分の眼と頭で、読み取り機械のように
チェックしている、ということです。

仕事が速い人は多分、皆こうやっている
とは思いますが、私は1回で2ヶ所を
チェックしています。

しかも、お喋りばかりしている健聴者
とは違い、集中力、持続力もあるので、
私はミスも少なく仕事が速い、
というわけです。

おそらく、手話を使える聴覚障害者の
多くに、こうした能力が自然にある
のではないか、と思われます。

そうすると、コミュニケーションが不可能
だからといって、聴覚障害者を雇用しない、
とすぐ考えたり、雇用しても聴覚障害者と
よりよい関係を築けない企業は、
その能力をみすみす捨てることにもなり、
損なのではないでしょうか。

そんなことをして、このブログのように、
会社の名前まで公表されるようになれば、
不評が社会に広がり、聴覚障害者は
この会社には来なくなるでしょう。

やはり差別は、それ自体がネガティブで
あるばかりでなく、その連鎖になって
広がる原因だと思います。

障害があるからといって、そういう人たちは
全てマイナスである、という考え方は、
そろそろやめるべきなのではないでしょうか。

ただ

「こうしたリスクがあるから、もうやめよう」

だけでは、真の問題解決にはなりません。

「win-winの法則」というのがあるそうですが、
本当はそんなことでもなくて、
障害者の基本的人権が守られていない
ことが問題なのです。

たった一つの小さな差別から、障害者への、
目には見えない、多くの差別が連鎖的に
生まれているのだということを理解しなくては
ならないのです。

おそらく、国連・障害者権利条約が批准された
後も、この不当評価が原因で、合理的配慮が
なされない状態は続くでしょう。

それを一致団結してなくしていくことは、
障害者に与えられた、尊い使命なのです。
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by bunbun6610 | 2015-10-08 18:30 | 就労後の聴覚障害者問題Z1

ある聴覚障害者から見た世界


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