会社側と3対1の面談 結果は、聴覚障害者の大幅譲歩に

訴訟を避けて聴覚障害者職域差別問題
を解決するためにも、会社ともう一度、
面談をしました。

私と面談した会社側の人は、最初からは
2人、途中からもう一人増えて、
最終的には1対3の、会社側が圧倒的
数的優位となる面談になりました。

〔会社側〕
M課長(人事部) 最初から出席。
S課長(直属部署課長) 最初から出席。
M係長(直属部署係長) 途中から同席。

これは会社にとって、数的優位の体勢で
面談になりました。

私は「自分で通訳を用意したい」と申し出て
みましたが、拒否されたので、
通訳はつけられませんでした。

M課長は全部の会話を詳細に記録して
いました。
これは万一、訴訟を起こされても対応できる
よう、備えていると思われます。

他にも、M課長は会社としての立場を守る
ため、S課長を擁護するような発言をして
いたり、私に質問したり、「こうしたほうが
いいのでは?」と助言する場面がありました。

単に会社が数的優位であるだけでなく、
この状況をつくられた私のほうは、
プレッシャーとなっていきました。

後半からM係長も同席し、
S課長の発言をサポートする側に回りました。
会社が用意した、この態勢は、私にとっては、
まさに四面楚歌のように感じました。

正確に憶えていませんが、
話の内容は次のようになったと思います。

S課長;
「評価が普通レベルであることの
理由については、Oさんから聞いた。
あなたの勤務態度なども考慮している。
パソコン・メールをしていたり、奇声を発したり、
居眠りをしたり、皆とコミュニケーションを
しながら仕事をしようとしない。
皆に溶け込めない。
また、本社のコンプライアンス部に行って、
ここのことを報告したりするから、
私のあなたに対する人格的評価はそれほど
高くない。
だからあなたの仕事内容は、他の人と違う」

その後、S課長は自分の我慢強さを自慢する
話をし出したので、私はイライラしてきた。
そして、

「だからあなたも同じようにして欲しい。
私の言うことを聞いて仕事をすべき。
『(仕事をしない)他人は他人』と思え」

という話をS課長はしました。

S課長は、明らかに怒りに震えた手で筆談
していて、それは汚い字だったので、
途中、私は言いました。

「字が汚くて、これでは筆談しても読めません。
こういう場合(会社とのトラブル)には、
無料で要約筆記通訳を派遣してもらう
こともできます。
でも、会社はそれも拒否しますよね。
これもバリアであり、差別(この話し合いでも、
聴覚障害者側の不利になるから)なのです」

以前に弁護士に相談して教えてもらった通りの
展開になりました。
S課長は私に対する敵意丸出しで、
言いたい放題に、
私がこうなった背景も知らないS課長に、
私が差別にガマンがならなくなったときの態度
ばかりを言い立てられました。

(参考;当ブログ
『職域差別の法律相談(1)』
〔2015-05-20 18:30〕


「身から出た錆」と言えば、それまでかも
しれない。
しかし、私にとっては、それ以外に健聴者に
差別を理解してもらう方法などあっただろうか?

今まで散々無視されてきた末、
S課長を逃げられない場に追いつめると、
今度はこんなケンカ調になりました。
これでは、いい方向に向く話し合いにならない。

会社は単に

「あなたは

『他人が働かないから、不真面目だから、
自分も働かなくていいんだ。
それなのに自分だけ不当な扱いをされている
から「これは差別なのだ」』

という主張をしている」

と思い込んでいるようです。
むしろ、誤解されていることがわかります。

しかし、私がやる気をなくした本当の理由とは、
そうではありません。
この会社のやり方では、聴覚障害者が正当な
能力評価さえ、されないだろう、
と確信したからです。
職域差別は入社したときからあり、
それに気づいたからです。

この会社で働くことに夢を持てない理由は、
この部分からきていると思う。

しかも、差別問題によるやる気の喪失は、
精神的苦痛まで受けているからです。
この苦痛は、たとえ差別的取扱い方を直ちに
取り除いた後でも、聴覚障害者の心には
残るものだと思います。
だからやってはいけないんだということを、
会社の健聴者にはまるっきりわからない。

それを証明しているのが、今の高齢ろう者
だと思います。
彼らは、死を迎えようとしている今でも、
昔の差別を忘れてはいないし、よく話します。

私;
「S課長が話したいことをハッキリと言って
下さい。
私もその後に、自分の言いたいことを
言いますから」

M課長;
「その話し方では、ケンカでしょ?」

私;
「ケンカになるとは限っていません。
ケンカになるかどうかは、
お互いのコミュニケーションの流れによります」

私としては

「もう遠慮せず本音を言って、話し合うべきだ」

と言いたかったわけだが、
S課長は探りを入れながら、対応を考えようと
しているような様子だったので。

M課長;
「この前私が話した、この話し合いの前提は
何か、わかっているか?
それは、お互いに受け入れることだよ」

と言って、

当ブログ
『聴覚障害者への差別問題が、
会社の表に出ないワケ』
〔2015-07-30 18:30〕


のときの私との面談記録を見せました。

私;
「それはそうですが、それができるか
どうかは、両者の話し合い次第です」

(それを聞いて、M課長も納得した様子)

私;
「S課長の評価の理由は、わかりました。
私は、最初は真面目に働いていました。
でも、これは差別ではないかと疑問に
思ったので、S課長に聞きました。
S課長はそれに対し、わかりやすく説明
しようとしませんでした。
納得できるまで同じことを何度も話し合い
をしましたが、S課長の説明には、
一貫性がなかったのです。
これに疑問に思ったので、私の立場からは、
これは差別だと断定しています。」

S課長はこの後、自分の説明の非一貫性
には触れず、話を変えました。

S課長;
「今後の仕事について説明する。
あなただけやらず、皆がやっていた封入
作業もやってもらう。
休み明けの、Oさんの説明の後に」

突然この話が出てくるということは、
この面談の前に、M課長とこのシナリオを
つくっていたんじゃないか?
と私は疑いました。

それくらい、自分の都合の悪いところに
つけ込まれると、不自然な避け方だと
思いました。

私;
「私がなぜ怒っているのか、わかりますか?」

S課長;
「どうしてほしいのか?」

私;
「S課長は職域差別をしたことを認め、
謝るべきだと思います」

S課長,M課長;
「差別ではない。
差別はしていない。
不満は誰にでもあるし、それを変えていく
のは自分」

私;
「不満と差別は違います。
私は、社外の人に本件を話したが、他の人も

『私たちの場合は不満だが、あなたの場合は
私たちの不満とは違う。
差別だと思う』

と話してくれました。
私も会社がしていることは、差別だと思って
います」

S課長,M課長;
「差別しているつもりはない」

私;「これが差別ではないと言うのなら、
どういう言い方にすればいいのですか?」
(私が自分で勝手に「差別された」と
思い込んでいるだけ?)

M課長;「差別ではない。
あなたが我々にそう言うことが差別になる」
(M課長は「S課長は差別行為をしている」
と言う私のほうこそ、我々(S課長、M課長)
に差別している)と言いたいらしい)

私;
「逆差別だと言うのですか?」
(S課長は「私が我々(S課長、M課長)を
差別しているから、我々も差別をしてやろう」
というのですか?)

私;
「S課長もM課長も、差別とは何かということを、
わかっていません。
だから差別を受けた障害者の精神的苦痛も
理解できない。
理解には、今回だけの話し合いだけでは
無理だとわかりました。」

S課長、M係長、M課長も、聴覚障害者の立場
からは、自分(課長たち)のしていることが
どう見えているのかを、理解しようとしていない
ようでした。

これで、組合も含めて

「会社の人間は(聴覚障害者差別問題に対して)
聞く耳を持っていないようだ」

と思いました。
だから、大幅妥協しなければ、
今後が進展する話し合いにはならない、
と私は思いました。

勿論、会社の人にコミュニケーション障害からくる、
聴覚障害者の心の病気、苦しみがわからない
ままでも、困るわけですが。

M課長;
「我々が忙しい合間に、あなたのために
ここまでしてやっている、
この話し合いが無駄だということ?」

私;
「無駄と言っているのではありません。
話し合うだけでなく、障害者問題の解決
には、お互いに勉強することも必要です。
健聴者が聴覚障害者差別をわからない
のは勉強不足だから、問題の背景も
理解できないのだと思います。
今日話し合ってみて「会社でいきなり
話し合っても、理解は無理」だとわかり
ました。
だから、理解にはまだまだ時間が
かかります」

私の気持ちとしては、このとき

「差別以外の何ものでもないのに、
『差別』と言ってはいけないのか?」

と思いました。
差別は、受けた立場にわかるだけで、
した方にはわからないものなのかもしれない。
これこそ無知、無関心、無意識による差別
なのかもしれない。

S課長は、能力評価に基づく格差と説明
しているようだが、実際は明らかに違う。

しばらく、この応酬の繰り返しになったが、
M課長が話の流れを変えた。

M課長;
「わかった。
じゃ、あなたが差別を受けて、我々が
辛い思いをさせてしまったというのなら、
会社として謝る。
だから、過去のことはここまでにして、
差別を言うのも、これでやめにしよう。
これからは今後のことを、考えよう」

S課長;
「私のほうからも、謝ります」


私はこれも、会社が事前に用意していた
妥協案の選択肢ではないか、と思いました。
理解ではないと思いましたが、この場は
もう、これを受け入れるしかないと
思いました。

私;
「…(納得はできないが、妥協する以外
にない状況なので、しょうがない)」

S課長;(今後の私がやることになる仕事
(封入作業のこと)を再度説明し始める。
さらに続けて評価についても再説明)

S課長;「任せる仕事の範囲は、新人研修
では、プロセスを順次経験してみることに
なっている。
また、能力評価により、人によっても違う。
普通は、一年~一年半は送付状付けを
やり、その正確性を見極めた後、
次の仕事もやってもらう。」

私;
「S課長は今、ウソを言っています」

S課長;
「…」

(M係長も、S課長と同じ説明を
繰り返しだした)


私;
「いいえ、違います。
私よりも後に入った人でさえ、他の人は皆、
先輩とほとんど同じ仕事をしていたのに、
私だけ排除されて、数を数える仕事
ばかりや、ゴミ処理などをやらされて
いました。
それは、聴覚障害者に対する職域差別
です」

私;
「私は最初(○○年○月頃だと思う)に、
S課長に相談したが、

「初めは皆、送付状付けから」

と言われた。」
(しかし事実と違うので、どうも変では
ないか、と思っていた。
そこで、○○年○月も、Oさん宛の
配達記録郵便で質問した。
それに対する答えも、おかしかった。
これをまとめて、次のように言った。)

※以前、私の仕事内容が他の人と違う
理由について会社の人に聞いたところ、
順番に言うと、次の事実になった。

 Oさんの答え;
「上の指示」

 S課長の答え;
「Oさんの指示は、私の指示です」

その後に出た弁明

 S課長;
「皆があなたの仕事を認めるようになれば」
 
M課長;
「あなたの仕事内容はS課長が決める。
S課長がOさんやM係長から、あなたの実績
や勤務態度などを聞いて、判断しているので
はないか。
本人(S課長)に聞かないと、わからないから、
S課長に聞いたら?」

私;
「聞いたが、今のような答えだけだった。
自分の評価が疑問。」
(私は根底に、この会社の障害者差別がある
のではないか、と思う。
「他の障害者も同じ状況」だという、ここの
障害者の実態報告を、ハローワークが私に
直接話しているからです)

その後、M課長が私を説得するため、
いろいろと話したが、よく憶えていない。
短くすると、こういうこと。

M課長;「あなた、は自分からもっと周りの人と
コミュニケーションを取らなければダメだ」

いつのまに、話が全然違う方向に振られていた。

私;「話すことはできても、聞こえなければ
できません。
先日もM係長から

「仕事中に、他の人に話しかけてはダメです」

と言われたばかりです」

(当ブログ
『職場でのおしゃべり
  口話と筆談の違いから…』
〔2014-12-04 18:30〕

参照)

M課長;
「補聴器をつけろ。
補聴器をつければ聴こえる、と話してただろ?
 何でつけないんだ?」

私;「補聴器で聴こえる場合もありますが、
私の職場は若い女性が多くて、そういう人の
声を聞き取るのは苦手なのです」

(M課長は、以前から何度もこう言う。
「補聴器は万能ではない」ということが、
わかっていないのかもしれない。
私が

「健聴者は、聴覚障害者について勉強不足だ」

と言ったのは、このためです)

そこへM係長が、私の

「先日もM係長から『仕事中に、
他の人に話しかけてはダメです』
と言われたばかりです」

の発言部分について、弁明をし始めた。

M係長;
「仕事中のピークのときもあるでしょ。
そういうときに話しかけると、
他の人の仕事が進まなくなったり、
ミスをする原因になるから」


これは全くの言い訳です。

当ブログ
『職場でのおしゃべり
  口話と筆談の違いから…』
〔2014-12-04 18:30〕

で述べているように、みんなおしゃべりは
していたのですから。

私;「数えながら話している人だっています。
それに、そう言いたかったのなら、M係長の
言い方(伝え方、書き方、文章力)に問題
があった、ということでは?

だからこのような誤解が起きるのです」

M係長;「…」

時間もだいぶ長くなっていたので、
この辺で私は次のように切り出しました。

私;「今日の話しをまとめます。
今回の問題は、コミュニケーション不足、
ミスマッチ、ズレが原因だと思います。
これをなくしてゆき、コミュニケーションを
図って、お互いに理解を少しずつ進めて
いく。

ただ話し合うだけでなく、相手のことを知る
勉強も必要です。
コミュニケーションとは、合理的説明を
きちんとすることによって、相手からも
納得できる話し合いであること、
が重要です。

合理的説明とは何かというと、ただ説明
するだけでなく

『そこに相手が納得できる理由がなければ
ならない
(そうでなければ、これには意味がない)』

ということにもなる」

M課長;
「これで話し合いは終わり。
もう、後から「ああだ、こうだ」と言わない事。」

このM課長の最後の話には、カチンときました。
そもそも聴覚障害者の声をきちんと聞き、
理解もしないで、自分ばかり一方的な論理で
言い返しておいて、
それはないんじゃないだろうか。

まず相手の話を聞いて、理解してならわかるが、
理解もしていないで、自分の論理をすぐに
言い出し、それを押しつけてくる。

健聴者は自分たちの論理が正しい、と思って
いるから、すぐこうなるのではないだろうか。

そう思っている限り、相手を理解する余裕は
できない。
こんなのは、本当の話し合いではないのだ。

聴覚障害者が「溶け込めない」のではなく、
溶け込まなくていいことにした
(職場内で健聴者と聴覚障害者を分離している)
のは、実は会社だと思う。

話し合ってみて、S課長、M課長、M係長が
職域差別を理解するのは、まだ無理だと
思いました。
仮にできると思って努力してみるとしても、
それにはかなりの時間がかかるとわかる。
だから、今回の私は大幅に妥協したのです。

会社のそういう至らなさを理解してはいても、
会社の障害者雇用についての考えに
納得したわけではありません。
当然、それについての私の意見は反対なのです。
その気持ちを、彼らはやはりわかっていない
かもしれません。

「もう差別と言われなければいい」とか
「本社にバラされなければいい」というふうに
しか考えていないかもしれません。
会社は、自分の都合のいいようにしか、
相手(つまり私)の答えを受け取っていない
からである。
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by bunbun6610 | 2015-09-18 18:30 | Z1.クレジットカード会社
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