どこが違う? 定年延長が許される人、捨てられる人



http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20150728/President_15790.html?_ga=1.198668207.1221020213.1428876294


どこが違う?
定年延長が許される人、
捨てられる人


プレジデントオンライン 2015年7月28日 08時45分
(2015年7月28日 23時21分 更新)


法律改正により、希望者の65歳までの雇用が義務
づけられたが、現実はそれほど甘くはない。
定年延長できる人と、引導を渡される人はどこが
違うのか。
実績だけではない、意外なポイントが浮かび上がって
きた。

「定年後も希望者全員を再雇用します、と謳っているが、
それは表向き。
再雇用後はきつい仕事をやらせて自主的に辞める
ように仕向けるなど、会社にとって必要のない人間
に対しては露骨な嫌がらせをして退職に追い込んで
いるのが実態です」

昨年12月末に電子部品メーカーを62歳で退職した
A氏はこう語る。

本当は65歳まで働きたかったのだが、同僚に対する
会社の仕打ちに嫌気がさして辞めたという。

「定年後も残ってほしい社員は、他社に就職されては
困る技術系の人などごくわずかしかいない。
ほとんどの人はいらないんです」

とA氏は言う。

希望者全員の65歳までの雇用を義務づけた改正
高年齢者雇用安定法が2013年4月に施行された。

しかし、企業の本音は違う。
上場企業に業績評価など再雇用の対象者を絞る
基準は必要かを聞いたところ、

必要と答えた企業が48.6%、

「本当は必要だと思うが、法の主旨から選別基準を
設定するのは望ましくない」が47.1%。

合わせて95.7%の企業が選別したいと考えている
のだ(図表1)。

サントリーホールディングスや大和ハウス工業の
ように定年を65歳まで延長した企業もあるが、
大半の企業は定年後、1年ごとに契約更新する
再雇用方式。
しかも給与は現役時代の半分というのが相場だ。

それでも人手不足の建設業や製造業のように
定年後も残って働いてほしいという業界もあるが、
ほとんどいらないという業種もある。

ソフトウエア開発会社の人事部長は、

「正直言って60歳を過ぎても使える社員は少ない。
発想が古いうえに、技術の進歩が早いので追い
つくのも大変。
できれば60歳前に3年分の退職加算金を払って
辞めてもらったほうが助かる」

と本音を漏らす。
使えない社員は60歳を前に退職勧奨される可能性
も高く、再雇用されても冒頭のA氏のように自主
退職に追い込まれるかもしれない。
法律で65歳雇用が義務化されても決して安心は
できないのだ。

では定年後も会社に残ってほしいのはどういう人
なのか。
元JCB執行役員で再雇用事情に詳しい感性労働
研究所代表の宮竹直子氏は

「特殊なスキルの持ち主よりも知識や経験の伝承
ができる人」

と語る。

「特殊なスキルや知識を持っていることが望ましい
ですが、その能力をフルに発揮してほしいというより、
これまでに培った経験・技術を後輩に伝えることを
会社は期待しています。

自分は黒衣に徹し、若手を前に出してやらせる。
失敗させてもいいからアドバイスしながら後輩を
育てていくタイプに残ってほしい、と会社は思うもの」

たとえば営業職であれば、会社にとってはその人が
いなくなることで顧客や取引先がなくなることが一番
怖い。

「取引先に若手を連れていき、人間関係の築き方を
含めた自分のやり方を実践で教えながら受け継いで
もらう。
それができる人です」(宮竹氏)

逆に自分が培った専門性や経験に過剰な自信を持ち、
後輩を仕切りたがる人もいる。
過去の成功体験を披瀝し、自慢話をする人がいるが、
これが最も後輩に嫌われるタイプだ。
電機メーカーの人事部長は

「自分の実力を知る」

ことが大事だと指摘する。

「過去の実績や自分の専門性を過信している人が
多い。
会社の看板やブランド、優秀な上司や部下の
サポートがあって実績につながっていることを
忘れているのです。
さも自分一人でやったかのような自慢話など誰も
聞きたくありません。
自分の実績が本物か偽物かを検証し、自分の実力
を知ること、そのうえでどんな役割を演じればいい
のかを突き詰めて考えることです」

自分の役割とは何かを知る人の意識は、職場での
立ち居振る舞いに表れる。
実例を挙げて宮竹氏はこう説明する。

「部長職を務めて再雇用された人がいます。
基本的には定時に帰るのですが、若手が残業して
いると常に『お先に失礼します』と言って席を立つ。
会議にも参加しますが、決して自分から発言せず、
意見を求められて初めて答えるのです。
そういう人ですから周りも

『こういうものをつくってみましたが、見てもらえ
ますか』

『ここが行き詰まっているのですが、どうしたら
よいですか』

と言って寄ってくる。
その方は決して無理して自分を抑え込んでいるの
ではなく、後輩が自律的に育つことを支援するのが
自分の役割だと言い聞かせているのです」

元部下の若手社員に

「お先に失礼します」

となかなか言えるものではない。
その人は契約更新のたびに継続して働いてほしいと
懇願されたという。

定年延長すれば、元執行役員、部長、課長職の人
であっても一兵卒として働くことになる。

「現役の延長線上で

『おまえ、そんなやり方はダメだよ』

と口うるさく言う人もいるし、俺が俺がというタイプだと
若手が遠ざかってしまう」(宮竹氏)

という弊害をまき散らす人も少なくない。
再雇用したくない人はプライドが高く、勤務態度が悪い
人だ。
大手食品会社の人事課長はこんな事例を挙げる。

「途中席を立ってタバコを吸いに出かけたまま帰って
こない人、あるいは周りに行き先を告げないで席を
立ってしまう人がいますが、上司としては部下の手前、
示しがつきません。
もっとひどいのは仕事のじゃまをする人。
終業前の4時を過ぎると、バサバサ大きな音を立てて
新聞を捲って読み始めるのです。
なぜ、そんなことをやるかというと誰かが飲みに誘うの
を待っているわけです。
うるさくてしょうがないから、誰かが別の社員に

『今日はおまえがつきあえ』

と目配せして、結局、誰かが犠牲になってしまうことに
なる」

プライドが高い人ほど職場に疎まれて辞めざるを
えなくなることが多い。

「年収が半分になり、決裁権限もなくなる。
女性の一般職と同じような仕事をやらされ、なんで俺が
こんな仕事をしなきゃいけないんだと愚痴を漏らす人が
います。
割り切れない気持ちもわからないではないが、その結果、
いいかげんな仕事しかしなくなり、自分で自分の価値を
下げてしまう人がいます。
周りの目も厳しくなり、最後はいづらくなって辞めてしまう
人も」(宮竹氏)

40代が定年後もすんなりと再雇用される保証はない。
工作機械メーカーの人事部長はこう指摘する。

「課長の平均年齢は44歳ですが、同期で課長になれる
のは半分もいません。
社員の人口構成も48歳から50歳の層が最も多く、
いずれ定年を迎えるとして、全員を再雇用するとしたら
人件費が膨らむのは間違いありません。
今、考えているのは40代半ばから50代半ばまでの層
を対象にした退職加算金つきの転身支援プラン。
これでできるだけ定年到達者を減らし、必要な人だけを
再雇用する形にしていきたい」

同社に限らず40代後半の社員に向けたセカンドライフ
支援セミナーの開催や割り増し退職金つきの転身制度
を設けている企業は多い。
バブル入社組の人件費圧力は企業に重くのしかかって
おり、給与制度の改革に踏み切る企業も出てくるだろう。

国の強制で65歳まで会社が面倒をみてくれると思って
いるとしたら甘い。
40代の今からこれまで培った自分の専門性や経験を
一度棚卸しして、今の会社で何ができるのか、自分の
役割を知ることが重要だ。

ジャーナリスト 溝上憲文=文



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by bunbun6610 | 2015-07-28 23:43 | 雑談


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