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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

映画館でのポップコーン争奪戦に負ける聴覚障害者

TOHOシネマズ新宿に映画を観に行った。



障害者割引鑑賞券の購入者だから、
鑑賞券は専用カウンターを利用できた。
私は並んでいる間に、自分の筆談ボードに


 ・障害者割引鑑賞券 1枚

 ・ターミネーター 18:00

 ・座席はなるべく中央付近で。

と書いておいた。
そして、障害者手帳と代金も用意しておいた。
すると、接客係の聴覚障害者対応もスムーズに
できた。
一つだけ、接客係の人が「カード」の手話
(CLを使って)を表した。


『聞こえない赤ちゃんのための
 はじめての日本手話CL絵本「ボール」』
〔2015-02-12 00:18〕



『手話のダイグロシア』
〔2011-06-21 00:16〕



特定非営利活動法人バイリンガル・バイカルチュラル
ろう教育センター
『第5回目 <CLとは>』
〔掲載日/2010/08/03〕





今ではパチンコ店や、ビックカメラなどでも、
健聴者の間でも、よくこのCLが自然に使われている。
聴覚障害者では、ろう者が特によく使うのだが、
健聴者もこういった仕事をしている人は、よく使う。

ポイントカードか何かのカードのことだろうと思って

「ありませんので、結構です」

と答えた。
それも、スムーズに伝わった。
全てが問題なくいったので、ここは良かったと
思っていた。

入場時間を待っている間、ポップコーンを買って
みようと思って、カウンターに並んだ。
ところが運悪く、前の二人の注文時間が
だいぶ長くて、なかなか自分の番まで来なかった。
そのうちに、他のカウンターに接客員がついたり、
またすぐに離れたりし出した。
お客さんが来そうになると、接客係が対応に当たり、
いなくなるとすぐに別の仕事をしてしまっていた。
それで、聞こえない私はタイミングがわかりかねていた。
それで、最初から並んでいる場所から離れず、
ひたすら待った。
その間、次々と隣のカウンターに客が来ては、
ポップコーンを買っていった。
それでも、私だけじっと我慢し、まだ待たされた。
接客係は、声だけで案内しているから、
私は行けないのだ。
だから、聞こえない人は競争に負けるのだ。


〔関連情報〕

『セールのパンが買えなかった日』
〔2013-04-12 18:00〕


『「聴覚障害者心理が働く」ということ』
〔2015-07-05 19:30〕



このようなことは、売店だけではなかった。
入場可能になると、音声によるアナウンスがあるらしい。
それも、聞こえない人にはわからない。

「ターミネーターの入場時間は何時ですか?」

と、声で聞いてみた。
すると、接客係も声で

「もう少し待って下さい」

と言っているようだった。
失敗だった。
これでは困るのだ。
時間を正確に言ってくれたほうが、助かったのに。

そして接客係は、すぐに他のお客の対応に追われて、
私の相手などしてくれなくなってしまった。
こういった不便さを、他の聴覚障害者も経験した
ことはないだろうか。

空港のように、正確な時間を常時、
パネル表示されていればよかった。
それが、こんな立派な施設でも備わっていなかった
のは、ユニバーサルデザインがしっかりと入って
いなかったからだろう。
聴覚障害者の意見も聞いていれば、
こんなことにはならなかったはずだ。


一体、この施設のバリアフリー状況はどうなの
だろうかと思って、他のことも点検してみた。

例えば、チケット売り場・売店フロアにある
トイレは男女あるが、そこに障害者用トイレの
マークはなぜか、見当たらない。
男性用トイレまで行ったが、そこに障害者用
トイレは見当たらなかった。
男性用トイレの奥には女性用トイレがあるが、
障害者用トイレは見えなかった。

こんな立派な施設なのに、障害者用トイレがない
はずはない。
1階にはちゃんと、エレベーターまであるのだ。

きっとどこかにあるはずだが、見つけにくい場所
にあるとしか、思えない。

「これもちょっと、ヘンなのではないだろうか?」

と思った。

施設はかなり立派だが、それは健常者に対しての
ものばかりに思えたので、私は残念に思った。
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by bunbun6610 | 2015-07-24 00:18 | バリア&バリアフリー