『聴覚障害者の労働場面における情報保障のあり方の研究事業報告書』(2010年3月)

聴覚障害者の就労実態について、
まとめた調査書がある。
中身は167ページという、非常に膨大な情報量なので、
私も全部は読めていない。
2010年頃の資料のようだ。

日本政府が国連・障害者権利条約へ署名してから、
聴覚障害者を取り巻く団体等が動いて、
こうした実態調査がなされていたらしい。



『独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」
助成事業
聴覚障害者の労働場面における情報保障のあり方の研究事業
報告書』

発 行 日: 2010年3月31日
発   行: 全国手話通訳問題研究会


http://www.zentsuken.net/data/pdf/houkoku2010_all.pdf#search='%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E5%B2%A9%E5%B1%B1%E8%AA%A0'



『「聴覚障害者の労働場面における情報保障のあり方
の研究事業」委員会
委員長 鈴木 勉』(全国手話通訳問題研究会)

「本書は、全国手話通訳問題研究会(略称:全通研)が
2009年度、独立行政法人福祉医療機構より助成を
受けて実施した

『聴覚障害者の労働場面における情報保障のあり方の
研究事業』

の調査報告書です。」






私が在籍している会社にも聴覚障害者がいる。
職種は事務所内清掃作業員であるが、
聴覚障害者も含めて、障害者は私一人だけである。

他店舗にも聴覚障害者が就労していると聞いているが、
そこでも聴覚障害者は一人かもしれない。
障害者を多数雇用できる「特例子会社」とは違うので、
聴覚障害者は特に、孤立してしまいがちである。

労働組合には加入できるが「入社して1年後」だという
条件が付いている。

以前の会社では、加入資格がなかったので、
これでもまだ良いほうである。
しかし、労働組合に加入できても、
改善意見は一人で言わざるをえないのが普通で、
実際に超マイノリティである聴覚障害者への
合理的配慮が実施される場合は、
きわめて困難だった。

会社ホームページでの公表データによると、
私の会社は障害者の法定雇用率2%をクリアしている
という。
つまり約7割の企業が未達成という状況の中では、
極めて良いほうだということになる。
当然、法令遵守を厳しく行っている企業として認知
されており、障害者雇用の面でも優良企業に属する
ことになる。

ところが、聴覚障害者への合理的配慮となると、
まだまだだというのが、実態なのである。
この会社は社員教育も非常に熱心なことでも有名である。
その質量は、リッツカールトンホテルにも劣らぬほどである。
しかし、聴覚障害者社員への教育には、
あまりにも無頓着なので、その実質的差別には驚き、
聴覚障害者だけ失望せざるをえない。

この会社に入ることで、どうにか働くことはできたものの、
研修などは一切なく、合理的配慮も極めて少ないため、
スキルアップは難しい。
その上、契約社員は3年間までと決まっているので、
将来が非常に不安である。

障害者の中でもマイノリティに属する聴覚障害者ゆえの
悩みであるだけに留まらず、聴覚障害者の職域限定
にもなり、閉鎖的職場(職場内障害者授産施設)に
してしまっている。
それはまさに、この資料とも一致した実態なのである。




〔関連情報〕


『聴覚障害者の勤務態度・姿勢に関する企業からの指摘』
〔2012-09-25 18:30〕

[PR]
by bunbun6610 | 2015-07-06 22:27 | 就労後の聴覚障害者問題B

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610