「聴覚障害者心理が働く」ということ

『セールのパンが買えなかった日』
〔2013-04-12 18:00〕




声の割り込み(競争)に負ける。

「そんな場合は競争なんだから、
自分も遠慮せずに割り込めばいいじゃないか」

と言う人もいるかもしれない。

ところが「聞こえない人」の場合はそこが

「言うは易く行うは難し」

なのである。



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言うは易く行うは難し

【読み】
いうはやすくおこなうはかたし

【意味】
言うは易く行うは難しとは、何をするにしても、
口で言うのは簡単だがそれを実行するのは
大変難しいということの教え。

【注釈】
口で言うだけならどんなことでも簡単だが、
実行となると口で言うほど簡単ではないという教え。



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「なぜか」って?

例えば、周りの声の状況がわからないと、
割り込むにも、タイミングがわからない
のである。

販売員が声を出している時や、
別のお客さんが声を出している時に、
たまたま、あるいは知らずに自分も声を
出してしまった時がある。
すると、相手が聞き取れなかったり、
不快感を示すだけになる、というようなことも、
よくある。

これも、恐らくは聞こえない自分がよく
体験してきた失敗だから、知っている。
そういう経験が何度もあるのだから、
そのうちに“声の競争”には億劫になって
しまうのである。
少なくとも、健聴者よりもずっと、苦手意識が
強いことは確かだ。

おばさんは恥も外見もなく競争に勝とうと
するのだろうが、先天性聴覚障害者には、
そういう手口をあまり詳しく知らないこともある。
聞こえないから、そのずる賢さを学べないのだ。
セールパンの争いなど「マナーの悪さ」で
勝ち取れるものなのだろう。
しかしそれには、人間社会では上手くやることも
必要なのではないのだろうか。
それが、聞こえない自分にはどういうタイミングで、
どうやったらいいのか、全くわからない。
だからこういう競争には、負けて当然なのである。
もしどうしてもやるならば、
もうどこまでも図々しくなるしかないだろう。

こういう経験は、高齢難聴者も、案外している
のではないだろうか。
どうも、そんな気がするのだが。
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by bunbun6610 | 2015-07-05 19:30 | 聴覚障害者心理

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610