厚生労働省『第3回 聴覚障害の認定方法に関する検討会議事録』(2/4)

厚生労働省『第3回 聴覚障害の認定方法に関する
検討会議事録』
〔平成26年10月30日(木)〕




○江藤座長
 研究班の石川先生から補足等がありましたら
お願いいたします。


○石川参考人
 資料1に非常に分かりやすくまとめてくださって
いるので、これに関して簡単ではありますが
補足をさせていただきます。

 今、事務局から御説明があったとおり、今回の
議論のポイントというのは検査の方法と指定医
の専門性、この2つが挙げられると思います。

この2つというのは、非常にリンクしているというか、
関連が深い、要するに総合して考えなければ
いけないと私は解釈をしています。

まず、資料1に沿って見ていきますと、経緯は
見てのとおりですが、現状での対応というところで、
他覚的聴力検査ということに関して簡単に補足
させていただきます。

 現在の診療においては、通常の標準純音聴力
検査、純音オージオメーターの検査結果と、
診察あるいは面談の状況、そういった所見が
一致しないような場合、あるいは小児なども含めて、
標準純音聴力検査では聴力レベルの確定が
難しい患者さんの場合に、聴性脳幹反応(ABR)、
聴性定常反応(ASSR)などの他覚的聴力検査
を実施しているのが、一般的な診療と考えられます。

 ただし、こういった検査というのは検査に時間が
かかるということであったり、あるいは表で出ている
普及率が比較的あるABRの検査についても、
通常はクリックという音を使って、高周波数帯
での聴力閾値を推測しますので、身体障害者
の認定には、通常500、1,000、2,000の
周波数の閾値を使って計算するのですが、
そこをきちんと測ろうとするとかなり手間がかかる
という点、あるいはこういったABR、ASSRという
のは、あくまでも脳波の波形を用いた聴力閾値を
推測するという形になりますので、標準純音聴力
検査との閾値の差を認めるとか、あるいは
こういった検査では対応できない疾患があると
いったことも十分に踏まえた上で、この検査を
実施して評価をしなければいけないということに
なると思います。

 ですから、これに関しては2番の議論である、
解釈をするドクターの技能が非常に要求される
だろうと考えます。

ですので、非常に有効なツールである他覚的
聴力検査というのを、きちんとした診断のために
用いるということは、妥当性があると考えますが、
これを解釈する医師の専門性の向上ということで、
2番という議論になるのかなと考えております。

2番の議論に入ると、お話をしたとおり、こういった
検査を含めまして、純音聴力検査という検査も、
単純に「聞こえたらボタンを押してください」という
ような説明ではあるのですが、患者さんの反応
あるいは心理状態を十分に読みながら解釈を
しなければいけません。

そして、こういった他覚的聴力検査も非常に解釈
が難しい部分もありますし、検査結果だけに頼らず、
患者さんとの診察あるいは面談といったところを
含めて、全て整合性が取れるかどうかということを
正しく理解する必要があるかと思います。

 そのようなことをすることで、詐聴が疑われる症例、
あるいは診断になかなか苦慮する症例をきちんと
診断することができると思うのです。

 こういった技能を持った医師というのは、どうやって
計るかということになるのですが、今までのこの横浜
市の参考資料なども拝見させていただくと、多くの
都道府県では耳鼻科医が主体になってきていると
いうことを考えると、耳鼻科医の能力が到達して
いるということを計るのは何かと言えば、日本耳鼻
咽喉科学会が行っている専門医制度、こちらの
専門医試験を合格された先生方ということであれば、
きちんとした勉強がなされて、こういったことも理解
できるだろうと考えるということで、この第2案目が
出ていると考えております。

 ただし、案にも書いてありますとおり、地域によって
はなかなか難しいといったこともあるかと思いますので、
そこら辺は十分に配慮する必要があると思うのですが、
こういった先生方にも是非とも講習会等で、きちんと
能力を付けていただいて、きちんとした診断に結び付
けていただくというような考えで、このような資料1に
なっていると考えております。

私からの補足は以上です。


○江藤座長
 石川先生、どうもありがとうございます。

事務局の資料説明について、御意見、御質問等が
ございましたらお願いいたします。


○小川構成員
2つの御提案があったわけですが、今も御説明が
ありましたが、聴力検査というのはもともと自覚的な
検査で、あくまでも被験者が応答して、初めて聴力
レベルが決定されるという検査ですが、そのうち2級
に相当する全ろうという方の場合には、全く応答が
ない、逆に言うと応答しなくてもいいというようなことで、
2級の判定がされるということです。

3級以下の場合には、ある聴力レベルが出てきます
ので、必ず被験者はそのレベルのところで応答する
わけですが、通常の検査の場合は、検査の再現性
をしっかりと確かめながら聴力レベルを決定していく
ということから考えますと、逆に言うと、2級に比べる
と3級以下の聴力障害の場合には、なかなかレベル
を自分で意図的に作るということが非常に難しくなる
わけです。
そういった意味でも、3級以下のところで他覚的な
聴力検査を加えていくということは現実的な問題も
ありますし、実際のところは自覚的な検査で十分に
検証ができるだろうということだと思います。

 ですので、2級の場合に、かつ通常は、聴覚障害は
継時的に進行していって2級まで達するということです
ので、多くの場合は6級の手帳を持って、その後に
4級、3級と進んでいって2級にいくというような経緯
ですので、その進行の経緯をしっかりと専門医が見て
いれば、必ずしもそこで他覚的な検査の必要性はない
だろうという判断で、初回の認定が2級の場合に
限って、こういった他覚的検査を義務付けるというか
必要とするという形で、そういった意味では非常に
妥当な判断ではないかと思います。

 もう1つ、3級以下の場合には、先ほど石川先生が
おっしゃったように、普通の認定には、500、1,000、
2,000Hzの聴力レベルを使って認定するわけです
が、ABRというのは2,000Hzあるいは4,000Hz
という、もう少し高い周波数域の反応を捉えています
ので、逆に言うと、そこのところでABRを義務付けた
としても、実際の会話域の聴力を必ずしも反映する
検査ではないので、裏付けにならないということも
あると思います。

 ということですので、今回の2級、なおかつ初回の
申請が2級ということに限定して、他覚的聴力検査
を行うということは非常に妥当であって、実際問題
として検査機器をちゃんと持っている医療施設で、
その限定した数であれば十分に対応できるのでは
ないかと思っています。

 ということですので、最初の他覚的検査の必要性
あるいは妥当性ということに関しては、私は非常に
いい御提案ではないかと思っております。


○江藤座長
 ただいま小川先生から、他覚的聴覚検査を行う
場合の状況、条件について、この案は妥当では
ないかという御意見を頂きましたが、ほかの委員
の先生方からいかがでしょうか。

まず、この最初の他覚的聴力検査をどのように
取り込んでいくかというところから、ディスカッション
したいと思うのですが。


○奥野構成員
2級の認定を受けている方というのは、成人の方
とともに小児もあると思うのですが、小児の場合
でもABRというのは必ず行われているので、
そういう意味でも、これを付けることで何か問題が
起こるということはないと思うので、妥当だと
思います。

 大人の場合も、段階を踏んで難聴が進行して
いく以外の方というのは、何らかの形で検査が
されている、特にABRがされていると思います
ので、私はこの検査の案に関しては妥当だと
思います。


○江藤座長
 奥野先生からも、まず小児に関しては通常行わ
れていることであるし、成人に関しても2級という
ことで、通常は検査が実施されているケースが
多いのではないかという御発言ですが、いかが
でしょうか。


○原構成員
 石川先生からもお話がありましたが、ABRという
のもあるのですが、もう1つ周波数的に会話音域が
どうのこうのというのであれば、ASSRというのも
あります。

ただ、ABR以上に配置数は少ないですが、そういう
方法もあるということです。

 それから、ABRはほとんどクリック音でやります
ので、小川先生がおっしゃったように、3,000辺り
を中心に周波数としますので、その辺の聴力を
反映することにはなるのですが、その方の聴力像
を見れば、会話音域の平均ではなくても、2,000、
4,000辺りの聴力と合致しているかどうかという
ような鑑別は2級よりも軽い人たちでもでき得る
ということもあります。

 いずれにしても、最初から2級を認定する場合に、
ABRを含めた他覚的聴力検査、「ABR等」と書いて
ありますが、それはそれでいいと思います。

 ただ、もう1点出てきたのは、他覚的聴力検査
に限らず、詐聴を見分ける方法というのはない
わけではないので、

「ABR等の他覚的聴力検査も含めた詐聴に
関するものも」

というような文章にしたほうが、より理解しやすい
かなという感じがいたしました。
基本的にはこの案に賛成です。


○江藤座長
 最初に小川先生がお話をされましたが、
2級に関しては「聞こえない、聞こえない」という
ことで、3級以下の場合に比べると、主観的な
応答で決まってしまう危惧があるということで
他覚的な聴力検査という案が出ているわけです
が、原先生からは、ABR、ASSR等だけではなく
て、ほかにもそういう詐聴を見分けるための診断
方法はあるので、文案に関してはもう少し工夫が
あったらどうかという御意見かと思います。


○原構成員
 もう少し含みを持たせてもよろしいのではないか
ということです。



(つづく)



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by bunbun6610 | 2015-06-29 19:15 | 聴覚障害


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