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蒼穹 -そうきゅう-

厚生労働省『第1回 聴覚障害の認定方法に関する検討会議事録』(2/4)

○江藤座長 それでは、市川先生、よろしくお願い
いたします。
 早速、議事に入らせていただきます。

 まず初めに、本日の議事につきまして事務局から
説明をお願いいたします。
○森岡課長補佐 本日の議事でございますけれども、
資料3「身体障害者手帳制度について」説明させて
いただきまして、次に資料4「聴覚障害の認定方法
の見直しについて」に沿って説明させていただく予定
でございます。

 なお、構成員から、今回の事例の経緯等について
まず先に説明してほしいという御要望がございました
ので、資料3と資料4に先立ちまして御説明させて
いただきます。
これらの説明の後に御質問や御意見をいただく予定
でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○江藤座長
それでは、佐村河内氏の診断書に関する資料、
それから資料4、3について事務局から説明を
お願いいたします。

○森岡課長補佐
それでは、今回の佐村河内氏の事例につきまして、
先に御説明させていただきます。

 資料4の6ページ、7ページ、佐村河内氏ということ
ですけれども、S氏ということで略して説明させて
いただきたいと思います。

 今回の事案の経緯についてということで6ページ
からまとめてございます。

 この経緯にあります会見内容につきましては、
横浜市から入手した情報及び新聞等の報道をもと
に事務局で要約したものでございます。
主な経緯につきまして簡単に御説明させていただ
きます。

 まず、2月12日の横浜市の会見におきまして、
S氏に横浜市から手帳を交付していることが公表
されました。
2月20日になりまして、S氏が横浜市内の医療機関、
耳鼻咽喉科で5種類の聴力検査を受けております。
2月28日になりまして、S氏が審査結果を受けて
横浜市に手帳を返還しております。
このときの審査結果につきましては、難聴はあるが、
手帳の等級は非該当ということになっております。

 次のページにまいりまして、3月7日のS氏の会見
がございます。
3つ目になるのですけれども、3年前から聴覚障害が
改善していた。
また、現在も音声はひずむので聞き取れず、手話が
必要であるということを述べております。
また、健常者と同じようには聞こえないというような
こともおっしゃっております。

 横浜市の会見でございます。

 1つ目ですけれども、聴覚障害が改善してからの
過去3年になりますけれども、医療費助成24万円と
福祉パス、これは市営バスですとか地下鉄の無料券
ということですけれども、そちらのサービスを受給して
いたということです。

 また、本人への返還請求が難しいということで
ございます。
理由につきましては、いつごろ聴覚障害が改善した
のかわからないためということでございます。
しかしながら、法令やこれまでの事例を参考にさらに
検討を進めていきたいと横浜市は説明しております。

 以上、簡単な経緯でございますけれども、また委員
に机上配付をしております身体障害者診断書・意見
書を御説明させていただきます。

 まず平成14年1月に書かれた診断書をごらんくだ
さい。
そちらでは、障害名につきまして「聴覚障害」となって
おります。
 2原因となった疾病・外傷名としては、感音性難聴
となっております。
 3疾病・外傷発生年月日ですけれども、左について
は昭和60年、右については平成9年ということに
なっております。

 4参考となる経過・現症でございますけれども、
24歳時に左の聴力が低下。34歳時に右の聴力が
低下。
病院で加療するも改善なしということでございます。

 5の総合所見としては、右が101デシベル、左が
115デシベルで、身障2級に該当するとされており
ます。
 将来の再認定については不要となっております。

 結論としては、身体障害者福祉法、別表に掲げる
障害に該当するということで、2級相当ということで
診断書が作成されております。

 裏側に参りまして、こちらが平成26年2月に作成
されました身体障害者診断書・意見書でございます。
3の疾病・外傷発生年月日については不明という
ことになっております。

 4参考となる経過・現症の欄に検査結果が詳しく
記載をされております。
純音聴力検査で、右が48デシベル、左が51デシ
ベルということになっております。
語音聴力検査では、最高明瞭度で右が71%、
左が29%ということになっております。

ABRの閾値につきましては、右40デシベル、
左60デシベルにおいてV波が確認されたこと。
DPOAについては両側とも反応良好であったこと。
ASSRの閾値につきましては、右が60デシベル、
左は50デシベルということになっております。
総合所見としては、上記の結果により聴覚障害
に該当しないとの診断となっております。

 以上、机上配付しております診断書・意見書の
説明でございます。

 次に、資料3にまいりまして、身体障害者手帳
制度につきまして御説明させていただきます。
資料3をごらんください。

 1ページ目でございますけれども、身体障害者
手帳制度の概要の説明でございます。

1の概要でございますけれども、身体障害者福祉
法に定める身体上の障害があるものに対して、
都道府県知事、指定都市市長、中核市長が交付
することとされております。
交付対象者につきましては身体障害者報福祉法
別表に掲げる身体の障害があるものということです。
別表に定める障害の種類としては、1~9までの
障害ということになっております。
いずれも一定以上で永続することが要件とされて
おります。

 3の障害の程度でございますけれども、身体障害
者福祉法施行規則、別表の身体障害者障害程度
等級表において、障害の種類別に重度の側から
1~6級の等級が定められております。

 4の交付者数でございますけれども、平成24年度
末末現在で523万人余りということになっております。
うち、聴覚・平衡機能障害を主たる障害として交付
されている方は45万人余りということになっております。
また、平成24年度に聴覚・平衡機能障害を主たる
障害として新規に交付された方の数は2万3,000人
余りということになっております。

 2ページの御説明をいたします。

 「身体障害者障害程度等級表における等級の
有無について」という資料でございます。
 聴覚障害ですけれども、左から見ていただきたい
のですが、外部機能障害、内部障害の大きく2つの
障害がありますけれども、外部機能障害の聴覚・
平衡機能障害のうちの聴覚障害のところを見て
いただければと思います。
聴覚障害につきましては、2級、3級、4級、6級と
等級が定められております。

 3ページ目にまいりまして、身体障害者手帳の
等級による主な割引・減免制度等について御説明
させていただきます。
これはあくまでも聴覚障害の例ということと、
主な制度の例ということでございます。

 1つ目としては、JRの運賃割引がございます。
2級、3級ということになれば1種障害者ということで、
介護者と同乗する場合、本人と介護者の乗車券
とが半額になります。
4級、6級であれば2種障害者ということで、片道
100kmを超える乗車券が半額になるということで
ございます。

NHK放送受診料の免除につきましては、等級に
関係なく半額免除ということになります。
なお、手帳所持者が世帯主で受診契約者の場合
でございます。

 それ以外にも所得税の障害者控除ということで、
2級であれば特別障害者控除が40万円受けられます。
また、3級から6級であれば27万円の控除がござい
ます。

 これ以外にも、下の※のところを見ていただきたい
のですけれども、自治体が独自に医療費助成制度
ですとか住民税の減免を行っている場合があります。

以上をまとめますと、重い障害ほど大きな優遇措置
が受けられるといった状況でございます。

 次に、資料4「聴覚障害の認定方法の見直しに
ついて」の資料を御説明いたします。

 1ページをごらんください。

 まず、現状といたしまして、3つ記載してございます。

 1つ目として、聴覚障害の認定における純音による
聴力測定は、純音オージオメータを主体として行う
こととされております。

 2つ目ですけれども、障害程度の認定においては、
聴力図、鼓膜所見等により、その聴力レベルが妥当性
のあるものであるかを十分に検討する必要があると
されており、必要に応じて他覚的聴力検査、ABR検査等
が実施されております。

 3つ目ですけれども、聴覚障害の認定が適正に行わ
れたのか疑念を生じさせるような事案についての報道
がなされたことを契機に、認定方法について見直しを
求める指摘が行われているところです。

事案の経緯につきましては、先ほど説明したとおりで
ございます。

 次に、2番でございますけれども、事務局として考えて
おります主な検討のポイントにつきまして御説明させて
いただきます。

 まず、S氏の事案についてでございます。

 1つ目ですけれども、手帳交付時の指定医による
聴覚障害の診断方法は、現行の障害認定基準に照ら
して適正であったと考えられるかというところでござい
ます。

 2つ目としては、手帳交付時のS氏の難聴はどのような
ものであったと推測できるかといったところでございます。

 上記を踏まえた検討事項としては2つ考えております。

 1つ目は、認定方法のあり方でございます。

 2つ目としては、再認定の必要性の有無ということで
あります。

 検討に当たり留意すべき事項があると考えておりまして、
2つほど考えてございます。

 1つ目は、現行の認定方法で不正を見逃す可能性が
あるとすればどういう場合かということであります。

また、ABR等の検査を義務づけるといったような場合
には、申請者ですとか、医療機関の負担との関係を
どう考慮するかといった点でございます。

 3番としまして、今後の検討の進め方として事務局で
案を提案させていただいております。

 1つ目ですけれども、今後については、平成26年度
から開始予定の厚生労働科学研究障害認定のあり方
に関する研究、研究代表者は江藤文夫先生でござい
ますけれども、そちらで集中的に具体的な認定方法に
ついて研究を行った上で素案を作成して、それを踏ま
えて本検討会で検討会を行ってはどうかと考えており
ます。

また、検討に当たっては申請者の負担等も考えられ
ますので、当事者団体から意見の聴取をしてはどうか
と考えております。

 資料3、資料4の説明といたしましては以上でござ
います。

○江藤座長
 それでは、これまでの説明につきまして、御質問
あるいは御意見ございましたら、御発言をお願い
いたします。

 まず、資料4でございますけれども、検討のポイント
としては、まずS氏の事案についてということが1つ
挙げられておりますけれども、この検討のポイントに
沿って議論していってはどうかと思いますが、今、
いろいろな資料を御説明いただいたので、まず、
これまでの経緯を含めて御発言をお願いします。

 小川先生、どうぞ。

○小川構成員
 今の御説明に関して1つお聞きしたいのですけれ
ども、横浜市の会見の中で、法令やこれまでの事例
を参考に検討するということが記載されております
けれども、厚労省としてはこれまでの事例ということで
何か把握している事例はございますか。

○森岡課長補佐
 こういう不正があった場合に自治体から厚労省に
通報するというようなことは通常自治事務ということで
ないのですけれども、大きな事例については、こちら
でも情報について把握をして、いろんな制度の改善に
つなげることとしております。

 最近の例ですと、札幌市で聴覚障害の偽装の事件
が起きたということで、そちらの情報を収集した上で
対応をとらせていただいたといったことがございました。

○小川構成員
 札幌市の事例というのは、いわゆる申請を受けて
診断をした医師が偽って認定をしていたという事例です。
そうではなくて、申請者が今回のようにと言っていいか
どうかわかりませんけれども、こういった形で不正を
行ったというような事例はいかがでしょうか。
それに対して、これまでどういう対応がなされていたか
という、何かその辺で実際の事例を把握しているものが
あればお教えいただきたいと思います。

○森岡課長補佐
 聴覚障害を装ったような事例について、我々に情報
提供があったというものはこれまでございません。
我々の対応としましては、もちろん必要に応じてABR
検査等を実施していただくということにしておりますし、
また認定基準でも、両検査とも詐病には十分注意すべき
であるということで、認定基準の中におきましても注意
喚起をさせていただいているところでございます。

○市川構成員
 今の小川先生の質問に非常に類似しているのですが、
もう少し絞って、身障者法の2級に相当するような事例が、
先ほど長い年度で何十万とありましたけれども、去年、
例えば1年間でどれくらい2級の判定をされた方がおら
れるのですか。
もし、それが今わからなかったら次回までに調べていた
だきたいのです。

○森岡課長補佐
 資料3の1ページをごらんください。

○市川構成員
 わかりました。
数はいいのですが、その中で今小川先生が質問された
ような、今までずっとなかったということは、去年もなかった
ということですね。
今回の事例以外には、いわゆる我々はこういうものがもし
そうだったらという意味です。
詐病という言い方をする通知があるのですが、そういう
ようなことがこれからの議論でもやりますけれども、
疑わしいというというような報告は全然ないのですね。

○森岡課長補佐
 なかったということでございます。

○原構成員
 厚労省が把握していないだけで、県及び市町村が
実質的には判定も含めてやっていますね。
ですから、そういったところを多少調べなければいけ
ないのではないかなという気は個人的にはいたします
けれども、多分厚労省まで上がってこないような事例
でも、その間にいろいろもめて、再認定等々が行われた
ケースは多分あるのでないかなという気はするので
一度お調べいただいたほうがいいのではないかなと
いう気は個人的にはいたします。

 わからないので教えていただきたいのですが、
耳鼻科で、聴力で1級というのがありますね。
これはほかの障害と合わせてそういうことになって
いるのでしょうか。

○森岡課長補佐
 そのとおりでございます。

○江藤座長
 経緯について、ただいま御説明いただいていない
けれども、参考資料に認定基準等について聴力
関係のものを抜粋されていますが、この中で検査の
場合には詐病には十分注意すべきであると書かれ
ていて、必要に応じてABR等を行うようにとあるの
ですが、実際にどのくらいそういうABRが行われたか
という、これも多分都道府県ごとなので、データを
把握するというのはそう簡単ではないかもしれません
けれども、何かありますか。

○森岡課長補佐
 やはり自治体に照会をさせていただいて、そういう
事例があったかどうかということで聞かないと我々も
把握ができない状況でございます。

○江藤座長
 そのほかにいかがでしょうか。

○原構成員
 結局15条指定医というのが、これも厚労省との内々
のお話で、どの程度の診療所の先生たちが圧倒的に
恐らく多いだろうと、勤務医の先生あるいは大学病院
の先生たちがどのぐらいで持っていらっしゃるのかと
いうことで、ABRというのを必ずしも診療所の先生たち
がお持ちではないところが多いですので、詐病検査に
関しましても、必ずしもABRだけを用いてやっている
わけではない普通の純音聴力検査あるいは語音聴力
検査などで少しディレイを置いてそれに対してどういう
反応が起こるかとか、さまざまな検査が一応あることは
ありますので、必ずしもABRにこだわる必要はないかな
と思うのですが、先生おっしゃるように、そういう中で
機能性難聴であるという場合には認定しないというよう
な結果が多分出てくると思うのです。
そうすると、多分申請者から県なり市に何らかの文句が
来ていると思うので、そういった症例を少し細やかに
調べていかないとなかなかそういう数は出てこないの
ではないかなという気はいたします。



(つづく)



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『佐村河内さん問題受け、障害者制度検討会設置へ』
〔2014-02-22 19:01〕



『<佐村河内氏>聴覚診断
 最も軽い6級に該当せず手帳返納』
〔2014-03-07 23:52〕

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by bunbun6610 | 2015-06-12 20:30 | 聴覚障害