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Eテレ『バリバラ』 テーマ; 『発達障害』



Eテレ『バリバラ』
テーマ; 『発達障害』
〔5月10日(日) 夜7:00~
再放送 5月15日(金)0:00~(木曜深夜)〕






【「遠まわしに言う」、日本人健聴者の言葉の文化】

>「新入社員の頃、「湯飲みがたまっているね」と言われ、
「洗ってね」という意味だと気づかず、毎回「そうですね」と
答えていた。

気がつけば

「あの子使えないよね」

という空気になっていたというが、広野さんからすると

「はっきり言ってくれないとわからないし、そもそも湯飲みを
洗うことがお仕事という認識がなかった」。

発達障害の人の

「言葉の裏を読むのが苦手」

という特性ゆえのエピソードだが、スタジオでは、

「言わなくてもわかる」

という日本特有の文化のあり方をめぐって議論が白熱した。」




こういう話は、ろう者世界でもかなり有名だ。
健聴者の言葉の文化に、このような遠まわしな言い方が
よくある。
ろう者はハッキリと言う、伝えるのに対し、健聴者は
「察する文化」だとか。
ろう者は「ストレート言葉」で言うのに対し、健聴者は
「クッション言葉」「湾曲して伝える」という違いがあるそうだ。

私も、健聴者の言いたいことがよくわからないことが
あるが、意味をすぐに理解することはできなくても、
何となく雰囲気が変わることは理解できる。

それで後になって、その理由をようやく理解し、意味が
なんとなくわかってくる、ということがあった。

健聴者は、ささいな言葉、大きな声で言わないコミュニケー
ションでも、その音声会話の経験を積むことによって、
自然に学ぶことができ、大人になってゆく。
しかし、先天性聴覚障害者には、それがむずかしい場合が
少なくないそうだ。

他の障害者の場合は健聴者だから、そんなことはないと
思っていた。
しかし、それでも

「曖昧な言い方だと伝わらない」

というのは、普通のことだと思う。

特に、文化の違いに戸惑う外国人は、日本では同じように
苦労するのではないだろうか。
単に日本語学校へ行って日本語を覚えるだけでは、
なじめない事情があるはずだ。

反対に外国人からは、

「日本人はシャイな性格で、伝え方が下手」

だとも言われることがある。
でも、私だったら、本音は次のようになる。

「そんな使えないコミュニケーションなんかしたって、
無意味。
日本人にはそれが当たり前でも、自分には覚える
価値もない」

建前は一応妥協するけれども、本音はそんな日本人を
バカにしている。



【「適量」という、曖昧な表現】

トイレットペーパーの使用量が、一度に半ロールも使って
しまう発達障害者がいるそうだ。
社会生活でそんなことをやっていたら、怒られるだろうな。

たまに

「トイレットペーパーを大量に流さないで下さい。
トイレが詰まって、使えなくなってしまいます」

という“注意書き”が貼ってある場合もある。

おそらく、トイレットペーパーの使い過ぎは、健常者にも
いると思う。
発達障害者の場合は、「適量」という都合の良い言葉、
言い換えると、先の“日本の言葉の文化”でもあったよう
に、曖昧な言葉には弱いようだ。

適量というのは、それを言った人、書いた人の感覚的表現
なのだが、実は対象となる人によっても違うと思う。
つまり、皆同じというわけではない。
適量の感覚は、自分で磨いていくしかないと思うが、
社会生活では人の目も気になる。

特に、就労後の障害者問題に発展してしまうこともありえる。

例えば、ワタミフードシステムズ株式会社の障害者雇用では、
発達障害者を意識した採用方針も見られる。


『障害者雇用 - ワタミフードシステムズ株式会社(外食事業)』
〔2015-04-25 18:30〕



かなり細かく調査されるようだ。
この質問項目を見ればわかるように、会社はやはり、
障害者雇用にはリスクのほうを慎重に調べようとしている
わけだ。
もちろん、自分が言いたくないことは言う必要はないが、
言わないと後で問題になるケースもあるだろう。
こういう時にトラブルが起きる、そして困るという循環になる
心配がある。



【「味のハーモニーが苦手」な人がいる】


>「「きれいに盛りつけてくれた人にすごい失礼というか」
(はるちゃん 自閉症スペクトラム障害)
…自閉症スペクトラム障害の人は、サンドイッチや混ぜご飯
など、様々な味が混じったものを食べるのが苦手という人が
多い。

VTRではその主な理由として

「素材が混ざった時の味が想像できないから」

と紹介したが、「冷やし中華」を混ぜないで食べるというはる
ちゃんの理由は、こちら。

「混ぜないで別々に食べる」という行為自体は同じに見えても、
理由は人それぞれ。」




今回のテーマで、私が一番驚いたのが、この話だった。
食べ歩きが趣味で、いろいろなものを食べるのだが、
「味が混ざると食べるのが苦手」という感覚もある、
というのは初めて知った。

ハンバーガーショップで、その大きさから、上から順番に材料を
一つ一つ取って食べる若い女性を見たことがあった。

それを見て私は

「やっぱり、あれをガブリと食べるのは、食べにくいからなんだ
ろうなぁ」

と思っていた。

女性が大口を開けてガブリは、品がないように見えてしまう
からかもしれない。

もしかしたら、食べている時にケチャップがこぼれて、
服が汚れるかもしれない。

いや、それより、パンを潰して食べることになる。
それはイヤだ、と言う人もいるだろうし。

見た目の美しさをすぐに壊したくない、という人もいると思う。

分離して食べるのは、人により、いろいろだろう。

でも「サンドイッチが苦手」「混ぜご飯が苦手」という話には
驚いた。
味のハーモニーを楽しむのが、今のグルメの醍醐味だと
思うから。


これって、仕事でも言えるのだろうか。

「一つ一つ順番にやるのはできるけど、二つ以上の仕事を
交互にやるとか、臨機応変に対応するのは苦手」

だとか。
ワタミの面接応募シートにも、それを調べる項目がある。
ということは、多分、採否の分かれ目になるのではないだろうか。

好みの性格ではなくて、こういう障害だということが理解
されない限り、就労は難しいかもしれない。
by bunbun6610 | 2015-05-12 19:30 | Eテレ『バリバラ』

ある障害者から見た世界


by bunbun6610