『ジャッキー・ロビンソン・デー』

啓発誌『働く広場』
(独立行政法人 高齢・障害・求職者
雇用支援機構/発行)




『働く広場』(2015年1月号)

エッセイ第1回
『ジャッキー・ロビンソン・デー』

中島隆信/なかじま たかのぶ
慶應義塾大学商学部教授。専門は応用経済学。
1960年生まれ。
1983年慶應義塾大学経済学部卒業、
2001年より同大学商学部教授。
同年、慶應義塾大学博士(商学)取得。
2007年より内閣府大臣官房統計委員会担当室長
を約2年間務める。
経済学とは一見縁遠いと思われる対象を経済学の視点
から一般向けに論じた著書多数。
また、大相撲にも造詣(ぞうけい)が深く、日本相撲協会
「ガバナンスの整備に関する独立委員会」では、副座長
として相撲協会改革案について意見書を取りまとめた。




2013(平成25)年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進
に関する法律(いわゆる障害者差別解消法)」が制定された。
施行は2016年4月の予定である。

すでに国連では、2006年に「障害者の権利に関する条約
(いわゆる障害者権利条約)」が採択されていて、その翌年に
日本も署名は済ませていた。
約7年のタイムラグがあったとはいえ、差別解消法が制定された
ことで、日本も昨年の初めに同条約を批准することができた。

この一連の政府の活動の成果に関しては、評価に値すると
いえるだろう。

ただ、法律さえ作れば万事うまくいくというほど差別の問題は
単純ではない。むしろ、法律ができたことにより、その解釈を
めぐって争いが起きることも予想されるし、なによりこの法律
にいかに魂を入れるかという点にこそ私たちの叡智(えいち)
が求められている。

そこでこの連載では、こうした一連の動きをふまえ、差別に
ついて考察してみることにしたい。

* * *

米国のメジャーリーグでは、毎年4月15日にすべての選手たち
が背番号42のユニホームを身につけて試合を行うことが慣例
となっている。

1947年のこの日、ジャッキー・ロビンソンという黒人選手が
メジャー開幕戦のグラウンドに立った。
このことを記念し、同日は「ジャッキー・ロビンソン・デー」と呼ばれ
ているのである。

当時の米国は悪名高い人種隔離政策が各所に色濃く残っており、
プロスポーツの世界も例外ではなかった。
実際、野球でも、メジャーリーグとは別にアフリカ系アメリカ人選手
だけで構成される「ニグロリーグ」なるものが存在していて、
両者は別個に活動していた。
ニグロリーグで頭角を現したロビンソンは、メジャー球団の
ブルックリン・ドジャーズのリッキー会長から入団の誘いを受け、
傘下のAAA球団に入ることとなった。
そこでもすばらしい成績を残したロビンソンはついに1947年
メジャー昇格を果たすのである。

そこで彼を待っていたのは、激しい人種差別であった。
ロビンソンが出場する試合をボイコットしようとする球団はもちろん
のこと、一緒に練習したりプレーしたりするのを嫌がるチームメート
まで現れた。

こうした吹き荒れる差別の嵐を沈静化させたのは、試合における
彼の活躍だった。
だれも文句のつけようのない成績は監督をして

「選手の肌が黄色であろうと黒であろうと構わない。
優秀な選手であれば使う。
(この方針に)反対する者はチームを出て行ってほしい」

といわしめたのだ。

* * *

1992年のノーベル経済学賞受賞者で、昨年5月に逝去した
ゲーリー・ベッカーという経済学者は、こうした人種差別のことを

「偏見に基づき利益を犠牲にする行為」

と定義した。
つまり、ロビンソンのような優秀な選手を「黒人は嫌い」という
偏見からメジャーに昇格させないのは

「もし彼らを起用していたら得られたはずの勝利」

を犠牲にしているという解釈である。

この手の差別をなくすにはどうすればいいのだろうか。
その疑問に対してベッカーは

「競争させればいい」

といった。
偏見が幅を利かす原因はそれだけ余裕があるからで、
本気で競争していれば能力重視になるのは当たり前だ
という。

たしかに、試合に勝ち、好成績を挙げ、観客動員数を
増やすことを目指してメジャー球団が競争しているなら、
「肌の色」などにこだわっていられないはずだ。

「優秀な選手であれば使う」

のは当然の結果ともいえるだろう。

「女性が管理職になるのは気に食わない」

などという理由から女性を登用しない企業は、厳しい競争
に生き残れないはずだからだ。

世の中に存在する差別がすべてこの「ベッカー型」ならば、
社会をもっと競争的にすればいいだけなので差別解消法は
いらないだろう。
つまり、このような法律ができた背景には、これとは異なる
差別も存在していることになる。
それについては次回に考えてみることにしよう。(つづく)



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〔関連情報〕

『『障害者の経済学』(中島隆信/著)』
〔2011-05-14 21:46〕





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『壮絶な人種差別を乗り越えたジャッキー・ロビンソン
を知っているか?』
〔ScoopieNews
2014年4月16日 11時35分
(2014年4月21日 14時08分 更新)〕




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http://www.excite.co.jp/News/travel/20150412/Japan_arukikata_8997.html



『ジャッキー・ロビンソン・デーを
記念し、42円でホットドッグを提供』


〔日本の歩き方
2015年4月12日 09時00分
(2015年4月22日 04時10分 更新)〕


オーダーメイドの旅を提供するトラベル・コンシェルジュ・カンパニー、
株式会社 旅工房は、ニューヨークのブルックリンをモチーフとした旅
の相談ができるカフェ・バー
BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
にて、ジャッキー.・ロビンソン・デーである4月15日(水)にホットドッグ
「ブルックリンドッグ」をジャッキー・ロビンソンの背番号42にちなみ
42円で提供する。

ジャッキー・ロビンソンは、ブルックリン・ドジャースで活躍した黒人初
のメジャーリーガー。
彼のメジャーデビュー50年目にあたる1997年4月15日、彼の背番
号42番はメジャーリーグ(以下「MLB」)すべての球団で永久欠番と
なった。
またMLBは2004年4月15日、この日をジャッキー・ロビンソン・デー
と制定した。
毎年4月15日は、人種差別の撤廃に大きな影響を与えたジャッキー
・ロビンソンを称えMLBの選手全員が背番号42のユニフォームを
着て試合に参加する。

世界平和への貢献を企業理念に掲げる旅工房では、ジャッキー
・ロビンソンに敬意を表し、 BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
にて4月15日(水)に特別イベントを開催する。
ジャッキー・ロビンソンの背番号42にちなみ、この日限定販売の
42円でホットドッグ「ブルックリンドッグ」を提供する。時間は12時
から17時まで、テイクアウトのみの300食限定。

また、店内にてジャッキー・ロビンソン基金への募金活動も実施
する。
ホットドックの売上げおよび集まった募金は、優秀なマイノリティー
の若者に奨学金を交付する「ジャッキー・ロビンソン基金」に全額
寄付する。

◇日時
2015 年4月15日(水) 12時から17時
◇場所
BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
(東京都豊島区南池袋2-22-1 第3高村ビル 1F)
◇内容
ホットドッグ「ブルックリンドッグ」を42円で提供
(300食限定/テイクアウトのみ)
店内にてジャッキー・ロビンソン基金への募金箱設置

(日本の歩き方/WEB編集局)
BROOKLYN MILLS by TABIKOBO
■住所:東京都豊島区南池袋2-22-1
 第3高村ビル 1F (池袋駅東口から徒歩5分)
■営業時間:11:00~23:00(L.O. 22:30)
■HP:BROOKLYN MILLS by TABIKOBO



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by bunbun6610 | 2015-04-23 19:00 | 障害者の経済学

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610