聴覚障害者との面接方法には、どういう方法があるか - 好事例紹介

聴覚障害者対応の好事例
『ある会社面接での筆談対応』


聴覚障害者への面接には、
必ずしも手話・要約筆記通訳を用意しなければ
ならない、というわけではない。
特に、音声言語を話すことや、筆談には問題
がない聴覚障害者の場合は、通訳を用意する
代わりに、別の方法で面接を問題なく行っている
企業もあった。
だから、方法は筆談など、他にもいろいろある。



<事前にワードで作った質問用紙等を用意
しておく方法>


ある会社の筆談対応は、珍しい方法だった。
会社として必須説明するコミュニケーション
内容や質問等は、予めパソコンで文字情報
をつくっておき、プリントアウトする事前準備
をしていた。
それを面接本番で紙芝居のようにページを
めくりながら読み上げ説明していたので、
私も十分に理解できた。
イレギュラーな質問や説明をする時だけ、
筆談でやりとりをした。
だから問題はなかったし、時間もそれほど
かからなかった。
このような方法で面接した場合、実際に採用に
なることがよくあった。


「(能力のある求職者ならば)
聴覚障害者も雇用する意志がある」

ことを会社側も積極的に表しているわけだから、
当然だろう。


このような方法は警察署の障害者採用試験
でもあったのを覚えている。
筆記試験で通訳者同行は拒否されてしまう。
これは、不正を防ぐためでもあるので、
当然だ。
だから

「試験方法や注意事項など」を説明する時の
音声説明の代替手段として、
このような情報保障をしていた。
聴覚障害者雇用に前向きな事例だと思われる。


ヘレン=ケラーの場合は、大学入試の時、
この方法で指話法とタイプライター、
声などを用いたらしい。(※)


(※)
『『ヘレン=ケラー自伝』
(ヘレン=ケラー/著 今西祐行/訳)
(3/5)サリバン先生②』
〔2014-05-03 20:00〕
『大学受験』


を参照。







<パソコンの画面に文字を打って、デスクトップ
上に表示し、コミュニケーションをする方法>


これは、パソコンを使って、音声の代わりに、
文字を表示する方法だ。
当然、日本語が分かる聴覚障害者が対象となる。
受験者にとっては、パソコン通訳と同じ効果が
あるので、この方法を使えば通訳者は不要に
なるのだ。

デスクトップ上は、黒背景に白文字を出すように
設定すると、どの方向からも見やすくなる。
フォントサイズも36以上に設定すると、
複数の面接官がいても、誰にでも見やすくなる。




しかし、会社の人事部がどんなにこうした配慮を
実現し、そして聴覚障害者の採用に成功したと
しても、実際に配属される現場で、そこの人たち
が聴覚障害者に何も配慮しなかったら、聴覚障害者
はすぐに辞めてしまう場合もあるだろう。

私の経験を正直に話すと、そういうことが実際に、
山ほどあったのである。
勿論、現場の人たちは私に直接

「辞めないで欲しい」

と言っていた。
それは働く聴覚障害者の能力ではなくて、
むしろ健聴者のコミュニケーション方法が
問題だったといえる証拠だ。

だが、聴覚障害者にとってはその一番肝心なことを、
健聴者がわかっていなかったのである。
そういう行き違いが、これだけ進んだ社会
(本当は進んでいない?)でも、山ほどあるのである。

だから、こうした配慮方法を知っておくべきなのは、
何も人事部の人だけではない。
障害者と関わる可能性のある社員全員が、
理解しておく必要がある。
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by bunbun6610 | 2015-04-16 18:30 | 就労前の聴覚障害者問題A

ある聴覚障害者から見た世界


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