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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

障害者の就職は縁



午後、ハローワーク専門援助第二部門に行ったら、
誰もいなかった。
仕事を検索しても、ろう者が応募できそうな
仕事は、もう新しく出てこなかった。

今日も、ヒマだ・・・。

そこへ、別の障害者が一人、やってきた。
彼は一生懸命にパソコンで仕事を検索している。

何の障害を持っている人なのかはわからないが、
私は筆談ボードを使って、彼に話しかけてみた。



「(専門援助第二部門は)ガラガラですね」

障害者
「・・・・」


「何で障害者がいないのでしょうね?
みんな、忙しいのかな?」

障害者
「・・・・」


「障害者って、働いている人が多いのかな?」

障害者
「パソコンの勉強とかしている人もいるよ」


「家で? 引きこもっちゃっているの?」

障害者
「障害者自立支援センターとかでだよ」


「でも、パソコンなんて簡単でしょ?
障害者枠の仕事も簡単だから。
ワード、エクセルが出来れば、
障害者の仕事は出来るよ」

障害者
「・・・・」


「でも、仕事が簡単でも、面接で通るのは
厳しいよね」

障害者
「そうだね」


「何で、仕事はあんなに簡単なのに、
面接はあんなに厳しいのかな?」

障害者
「・・・・」


「もう50社ぐらい落ちています。
聴覚障害者なので、応募できる仕事も
限られているのに」

障害者
「オレなんか、250社」


「えっ! 失業給付は切れているの?」

障害者
「とっくに。
今はアルバイトしながら、探している。
落ち込まないで。
障害者の就職は縁(えん)だから。
頑張って探せば、見つかるから」


「縁ですか?
縁がないとどうしようもないのなら、
障害者の就職は、たまたまの結果ですか?
僕も、そうなるかも・・・」

障害者
「・・・・」


「何だか、楽観的ですね。
でも、落ち込んだまま面接へ行っても、
受かるわけがないですよね」

障害者
「そうだよ。
社内郵便の仕事なんかどう?
例えば、これ」
(と言って、求人票データを見せてくれた)


「あ、それはもう、前に落ちています」

障害者
「ダメだったの?
あなたなら、できそうなのにね」


「だから、わからないんです。
これでは今後の面接対策も、
どうしたらよいのかも。
それで、困っています」

障害者
「それは困るね。
でも、そんなに落ち込まないで頑張って。
オレはこれで検索が終わったから、
紹介状をもらって帰る。
では、キミも頑張って」


「ありがとうございました。
僕も、頑張ってみます」




「縁」と言うと、炎のジョブコーチさんが言われて
いた言葉を思い出す。


『(就労支援)職場適応のメカニズム』
〔2015-01-07 18:30〕




個人的には、あまりにも割り切り過ぎた
考えのように思ってしまう。
だが、その程度にしないと、この長く辛い
就職活動を乗り切れないのかもしれない。
本当ならば、働きたくても働けない障害者が
たくさんいるはずなのに、なぜ彼と私を除いて、
誰も来ないのか。

そのことを考えると、そう思わずにいられない。
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by bunbun6610 | 2015-03-31 09:28 | 就労前の聴覚障害者問題A