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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

障害者雇用助成金のこと - 障害者を雇用して事業を行う方へ

これは、障害者を雇用する事業をしたい人
にとって、必読の記事だと思う。

読めばわかることだが、特に中小企業に
優遇されている制度である。

障害者起業家、あるいは障害者を雇用して、
事業をしたいという人ならば、
最初は個人事業で始めるだろうと思う。

それならば、助成金額は大きいので、
よく調べて活用したいものだ。


近年では、聴覚障害者も手話サロンなどの
事業を始める方が出てきている。

若い人でも、ろう者(聴覚障害2級以上の
重度身体障害者)を雇用すると、
特にメリットがあるので、
そうした障害者を雇って事業を始めたい方
は参考にしていただきたい。

勿論、良い企業だけでなく、悪い企業も、
この制度をよく研究していて、利用しているが。

その悪い企業の助成金繰り返し受給のコツも、
まさにここに書いてあるポイントを熟知して
いるはずだ。
そういう企業は美味しいところだけ取って、
貰い得しているのだ。
そして障害者を使い捨て、
また新たな助成金を狙うのだ。


私は、この制度を使って
『聴覚障害者版サムハル』(※1)
を創業することはできないか、と考えている。


(※1)
『「日本版サムハル」と「聴覚障害者版サムハル」』
〔2014-05-09 18:30〕



『なぜ聴覚障害者版サムハルをつくったほうがよいのか?』
〔2014-05-09 19:00〕




『聴覚障害者版サムハル』が、社会に大きな
プラス効果をもたらすことは、目に見えている。

それでも、悪い企業と同じように、
助成金を繰り返し受給して運営する、
このアイデアは、やはり良いか悪いか、
悩むところではある。


それでは本題について。

まず、ハローワークとの筆談記録を紹介する。
大体、以下の通りである。



===========================


まず、事業所をつくる。

(事業所の所在地の)管轄ハローワークの、
事業所第一部門で、事業登録を行う。
会社の登記書類(登記簿謄本)が必要である。


〔参考情報〕

起業相談ドットコム
http://www.kigyosodan.com/



その次に、ハローワークで求人票受付を行う。


事業が実際に行われているかも確認する。
また、事業の内容によって、確認方法は変わる。
例えば飲食業なら、保健所の許可が取れている
かどうかなどである。

必要書類は、ハローワークの事業所第一部門で。

専門援助第二部門で確認するのは、
退職後から事業開始までの状況。

失業後、失業給付を受給した場合、
その後独立起業するまでの経緯を調べる。
不正受給(※2)がないかなど。


(※2)
『不正受給の典型例』




障害者雇用助成金=主なものに「特定求職者
雇用開発助成金」がある。
これは、事業所第二部門で相談すること。
ここが、助成金の申請窓口でもある。


助成金が受けられるには、対象者(労働者)が、
次の要件を満たしていることが大事。

①雇用保険に加入していること。

②ハローワークで求人票を出して、
ハローワークの紹介で採用していること。


ハローワークでの求人は、本庁舎の専門援助
第二部門で相談する。

※ 原則として、ハローワーク紹介時に失業状態にあり、
雇入れ時に障害者であること=要件となっている。

※ 雇入れの人数制限はない。

※ 対象者を一人でも雇うと登録(加入)。
(一人からでも助成金を受給できる)

※ 中小企業の場合は、大きい額になる。
( )内は大企業の場合の金額なので、少なくなっている。

厚生労働省ホームページ
『特定求職者雇用開発助成金
(特定就職困難者雇用開発助成金)』





助成金の窓口は、管轄ハローワークだけでなく、
各地域にも雇用保険適用事業所がある。


<「特定求職者雇用開発助成金」の流れ>
面倒だと思われがちだが、超簡単だ。
ただ、時間がかかるだけだ。

ハローワークからの紹介で雇入れ、この助成金の
対象労働者に該当するようになった場合は、
雇入れから5カ月ぐらい経つと、
東京労働局助成金申請事務センターから
「助成金手続きのご案内」が届く。
その内容にしたがって、申請をすればよい。


(ポイント)
・対象労働者が要件を満たしていること。

・ハローワークの紹介で、採否連絡をきちんと
行っていること。

詳しくは、パンフレットをよく読むように。


ハローワーク・インターネットサービス
https://www.hellowork.go.jp/


===========================




ここからは、事業者が受給するポイントを、
もっとわかりやすくしてみよう。


★障害者雇用助成金のポイント★

各種の助成金がある。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html



【ポイント1】
事業所が存在していて、かつ、そこで事業が
行われていること。
事業所登録していること。



【ポイント2】
就労している労働者(対象者)は、ハローワークの
雇用保険(労働保険)に加入していること。

『雇用保険関係』
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_guide.html



例えば、下の会社の求人票には「雇用保険」
が書いていない。


『障害者雇用 - 俺の株式会社』
〔2014-12-26 18:30〕



『障害者雇用 - 一般社団法人ルブランサポート』
〔2015-01-20 19:00〕





書き忘れなのかもしれないが、
それにしてもおかしい。
求人票を見た求職者が

「もし入社しても、本当に雇用保険がなかったら・・・」

と考えたら、誰も応募したがらないだろう。
だから「おかしい」と言えば、おかしい。

もし、加入させなかった場合は、助成金はもらえない
ことになる。


ただ実際に、飲食業界に就職すると

「入社して数カ月間は雇用保険に入れない」

という条件があるケースが圧倒的に多い。
最初は試用期間で、本採用になってからで
ないと、保険に加入させてもらえないのが、
むしろ当たり前になっている。

こうした企業は、助成金をもらうつもりもない
わけなのだろうが、助成金について無知だ
という可能性もありえる。


「制度が面倒で使いにくい」

とは思うだろうけれども、せっかく中小企業に
優遇されている制度なのだから、
できるだけ有効活用したいものだ。

しかも、若い人でも重度聴覚障害者を雇用
すれば、額は大きい。
この言い方は良くないが

「企業はソロバンをはじいて物事を決める」

そうだから、まずは助成金のメリットからでも、

「聴覚障害者をもっと雇用してくれるようになれば」

と思う。
特に、接客業はよく

「聴覚障害者には難しい」

と言われがちだが、「おかぴー」のような成功事例
もある。(※3)


(※3)
『Eテレ『バリバラ』 シゴト体験①
聴覚障害者×ホールスタッフ』
〔2015-02-08 20:52〕





【ポイント3】
事業所がハローワークを通して求人票を出し、
ハローワークの紹介で労働者を雇用していること。
ハローワークへ採否報告等も行っていること。

『注意事項』
https://www.hellowork.go.jp/enterprise/insurance_subsidy.html


これを読めば、もう、わかるだろう。
なぜ、手帳のない障害者が「障害者枠」で
就職できないのかも。

『身体障害者手帳のない聴覚障害者(難聴者)は、
どうやって就職するのか?』
〔2013-01-16 18:00〕



そして、障害者枠の求人票には必ずと
いっていいほど、下のように書いてある。


「障害の種類・等級を応募書類(履歴書・職務経歴書)
にご記入いただくか、
障害者手帳の写し(障害がわかる部分のみ)を
送付してください。」



「i4【応募の際はハローワークの紹介状が必要です】」


だから、企業が障害者を雇って助成金をもらうには、
まず何と言っても、
手帳のある障害者でないとダメなのだ。
障害がある人、ということだけでは要件を満たせない。



【ポイント4】
原則として、ハローワークの紹介時に、失業状態にあり、
雇入れ時に障害者であること。



こういう条件があるのだから、

「現役の障害者は採用する気がない」

という企業もあるようだ。
中には、応募してから3ヵ月以上も過ぎてから

「当社へ来ませんか?」

と言ってきた非常識な会社もあった。

現役で転職しようと思っても、簡単ではないようだ。
ということは

「今のうちに転職活動をしなさい」

と言われた障害者(『雇止め』の予告通知 ※4)
は、
企業が助成金目当てで障害者を
雇っているということを知ったら、
やっぱりショックだろう。
助成金目当ての会社は、在職中の障害者を
雇うわけがないからだ。
真面目に仕事探しするほうが馬鹿らしくなり、
失業給付を目一杯もらって遊んで、
その間は真面目な転職活動をしなくなるかも
しれない。


(※4)
『障害者雇用 - 企業の本音』
〔2014-12-10 18:30〕





近年では障害者雇用の選考試験も厳しくなり、
採用までかなり時間をかけている企業が
増えている。
その理由が、この

「雇入れ時に障害者であること」

という条件である可能性が濃厚だ。

これは近年の就職面接の実際例なのだが

「障害のことで今、病院には通っていますか?」

と聞かれることが、あちこちの企業からある。

障害者側としては

「障害があるから、そんな場合があっても、
当たり前ではないか」

と思うのに、なぜだろうか。

企業がこの質問をしてくる理由として考えられるのは、
一つは「障害の重度化」だろう。
そうなれば、企業の配慮負担も重くなってしまう
からである。
だが、それだけだろうか?

私の推測だが、逆の「障害の軽度化」もあり得る。
障害者雇用の場合は、それで障害者でなくなっては
困るから、と心配しているかもしれない。
あるいは、障害者認定の取り消される場合もある
そうだから、これがもしあった場合には、
企業にとっては障害者雇用率を満たせず、
助成金も取れなくなってしまう。
そうなることを避けたいのだろう。
これには、詐病と疑われている、佐村河内氏事件
も背景にありそうだ。


『<佐村河内氏>聴覚診断
 最も軽い6級に該当せず手帳返納』
〔2014-03-07 23:52〕



もしも

「障害のことで今、病院に通っている」

と答えたとしたら、企業はそのことを必ず聞き
出してくるだろうし、全ての疑惑が晴れるまで
採用することはない。
いや、その応募者を落とすだけだろう。

慎重になり、時間をかけて採否結果を通知するのは、
その人の障害の認定が動かないことを確認したい
からだろう。
そんな可能性が濃厚だ。


なお、軽度化のことを考えるにあたって、
参考になる事例があるようだ。
雇用後、障害が軽くなって、解雇になった事例だ。

『富士ゼロでパワハラの嵐
 「障害者は用済み」宣告で解雇の内幕』
〔2014-11-30 18:30〕




【ポイント5】
障害者雇用助成金を受給するための条件として、
雇入れの人数制限はない。
何人でも雇えるし、受給額の制限もない。


ただし、大企業に比べて、中小企業のほうが
受給額は大きい、というメリットがある。


【ポイント6】
受給開始は、雇入れ時から半年以上過ぎてから。
その時に、対象者が働いている現場のチェックが
入る場合もある。
対象者からのヒアリングも行われる。
助成金を受給する事業者は、
これを受け入れなければならない。


雇入れ制限がないのは良いことだが、
チェックが甘かったために、
この制度を悪用する企業も存在していた。(※5)



(※5)
『障害者施設の不正受給:エコライフ、
新たに3720万円判明
 県、刑事告訴も検討 /宮城』
〔2013-06-07 00:46〕



『障害者虐待防止法について
- 岡山県手をつなぐ育成会
(Adobe PDF) - htmlで見る』





私が実際に、ハローワークがチェックしている
状況を目撃したことがあるのは、過去にはわずか
2回だけである。

ほとんどは、企業で対象者が働く現場はノーチェック
状態で、企業からの書類のみのようだった。

勿論、障害者への職場内差別・虐待のことは
知らないだろう。
申請書類にしても、偽造できる可能性もなくは
ないだろう。
水戸・アカス事件もそうだったと思われる。

実際に調査される場合は、ハローワークの人が
会社を直接訪問し、対象者(障害者等)と
直接面談し、アンケートなどを取る、
という行程がある。

しかし、このようなことは必ず実施している、
というものではなく、全く来ないで会社に任せ、
受給申請書類だけ書かせている場合の方が、
圧倒的多数だった。

つまり、この書類は、障害者の個人情報さえあれば、
企業側で偽造できる可能性も、なくはない。(※6)


(※6)
『障害者雇用助成金と合理的配慮の関係は?』
〔2014-04-15 18:30〕



アカス事件の場合は、障害者を施設内に閉じ込めて、
虐待なども行い、給料も実際にはほんのわずかしか
払っていなかったらしい。
ということは、ハローワークに提出していた書類も、
不正があったのだろう。


『助成金不正受給100億円超 …出勤簿改ざんなど』
〔2013-01-05 21:21〕

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by bunbun6610 | 2015-02-24 18:30 | 聴覚障害者版サムハル