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職場内障害者授産施設 第二篇 (36)職場での聴覚障害者問題は、隠蔽されるのが常

2015年2月19日(木)

昨日、職場の健聴者と口論になった。

外勤が終わって帰社すると、私の机の上にまた、
新しい『お見積書』(※)がドカンと大量に置いてあった。



(※)
『職場内障害者授産施設 第二篇
 (33)仕事でミスをしても反省しない障害者』
〔2015-02-09 21:30〕





近くにいたのは、FさんとKさんとYさんの三人。
皆、楽しそうにおしゃべりをしている。
皆、健聴者だ。

それぞれが好きなようにしているだけに見えた。

「誰も仕事をしていない?」

私はそう思った。

お見積書にゴム印を押す仕事は誰がやるのか、
決まっているのだろうか?
まさか、この状況で、また私がやると、
彼らの誰かが勝手に決めたわけではなかろう。

私は彼らの先輩なので、昔のことならば知っている。

基本的には、以前はSさん(健常者で、今は異動し、
準社員に昇格している)という事務員がやっていた
が、私も自分の仕事がない時は、手伝うことはあった。

今はSさんは異動してしまったので、昨年9月に
入社したKさんが後釜になってやるのが基本だと思う。

ところが、Kさんはそれを知らないのかどうかは
わからないが、最初からその仕事を私に丸投げして
いるのである。

普通、先輩に対して、こんなやりとりをするだろうか。
とても常識的とは思えなかった。

異動前にお世話になった正事務員(主任)のMさんは、
面と向かって、手渡しでお願いしてくる。
それが難しい場合は、メモ書きを添えてお願いしていた。
年上でベテラン上司の人が、障害者に対しても、
そうしていたのだ。

それなのにKさんの場合は何もなくて、ただ私の机の上
に『お見積書』をドーンと置きっぱなしにしていただけ
なのであった。

勿論、これを私にやってほしい、というのはわかる。
けれども、このやり方、頼み方は非常識だ、と思う。

しかも、自分はおしゃべりをしているだけ、というのは、
後輩という立場にあるKさんの態度として、どうだろうか。
だから私は、まずKさんに

「これは何で、ここに置いてあるの?」

と聞いた。

すると、Kさんは黙ったままでいた。
私はまた聞いたが、Kさんもまた黙っている。

3回ほど繰り返していたら、横からFさん(健常者)が
割り込んできて

「今、みんな仕事中なんだから、邪魔しないでね」

とか言ってきた。

実は、このパターンでFさんに会話を制止されることが、
以前から何度もあった。

確かに「今、仕事中だから」と言われたら、
私の話の方が優先度が低くなるのだろう。

聴覚障害者読者の方も、これと似たような体験を
させられたことはあると思う。
他の聴覚障害者からも、職場ではこういう経験がある、
という話は、よく聞いてきた。

彼ら健聴者にとっては、聴覚障害者問題など、
優先度は最下位なのである。
何でも後から次々と音声コミュニケーションが入ってきて、
結局は聴覚障害者とのコミュニケーション問題など、
後回しにしては、結局、うやむやにしてしまうのだ。
いつもだ。
そして、永遠に解決しない。

口論して、何が問題だというのだ。
彼らの本音は

「耳の聞こえないヤツと筆談するのが面倒だから」

だろう
そして、己の人格的欠陥を皆の前で、
指摘されたくないからなのだ。
こいつらは、「面倒だ」と言ったらマズイとわかって
いるから、無視するのだ。

そして、圧倒的有利な

「ここは健聴者の社会なんだから」

という、数的有利な状況をいいことにつけ上がり、
健聴者だけに仕事をしやすい職場をつくり、
聴覚障害者を奴隷へと追いやるのだ。

こんなのは許しがたい。
これは実質的に「差別」と同じ行為だ。

相手が後輩で、非常識なことをしている人間でも、
健聴者は健聴者の先輩上司の背中に逃げて
終わりなのだ。

こんなのは、卑怯だ。

これでは誰も、聴覚障害者とのコミュニケーション
問題を考える人間なんて、いなくなってしまう。
そして

「逃げるが勝ち」

という態度ばかり取る後輩が増えるだけなのだ。

Yさんまでも、私と話をしないで、無視する。
自分の都合の良くない相手や、そういった話になると、
無視するのだ。

「筆談しなければ、コミュニケーションは成り立たない」

ということを知っているから、それを逆手に取っているようだ。

だから翌日にD上司とE上司が、私をなだめにやって
来て、こう言ったのだ。

「誰でも『行き違い』はあるよ」

違うだろ!

お前たち上司も、Fさん、Kさん、Yさんの3人の言い分を
昨日じっくり聞いただけで

「あー、そうだったんだ。
行き違いだったんだ」

と、勝手に納得しただけだろう。


私は昨日、IT取締役に

「明日、職場の障害者の状況について、
話したいことがありますので、
そのお時間をいただけませんか。
よろしくお願い致します。」

と書いた文書を、IT取締役に直接手渡しして
いたのだ。

ところが、それもD上司とE上司に阻止されて、
健聴者だけが話し合い、単なる『行き違いだった』
という結論にされてしまったのだ。
私は、最終的にはその結論を伝えられただけで、
職場の問題点を取締役に指摘する機会も
奪われてしまった。

健聴者は、問題解決のために必至になってやった
つもりなのだろう。
しかし、私から見れば、
これは聴覚障害者問題の隠蔽行為だと思う。

彼らが何を話し合ったのか、そしてそれは、
どういう経緯で、そういう結論になったのかも、
全く知らされていないのだ。

つまり、聴覚障害者はしばしば

「結論、結果だけを伝えられて終わり」

にされてしまうのである。

議論への参加権も、決定権もないのだ。
拒否権はあるだろうが、一旦皆で決めたことに対し、
後から異議を唱えるのは、相当な勇気が要る。
そんなことをやっていたら

「やっぱり、聴覚障害者は協調性がないから、
辞めさせたほうがいいのでは」

ということにもなりかねない。
だから結局は、我慢するしかないのだ。


上司たちが昨日、健聴者3人から聞いた話では

「聴覚障害者とYさんの二人で、
ヒマな時間にやってもらおうと思って、
聴覚障害者の机の上に置いておきました」

ということだった、と言う。

しかし、なぜか、私の机の上に『お見積書』が置いて
あるだけだった。
だから私は、Kさんのその説明は、上司に言い訳を
するために、後からつくって出した理由だと思った。

もし、本当にそうならば、なぜKさんは、
昨日の口論の時に、それを言わなかったのか。
その疑問を解くために、Kさんがウソの言い訳を
上司にしていた、と見抜くのに、時間はかからなかった。





【追記】

副題;『精神障害者の聴覚障害者差別を隠蔽する職場』

私の場合、まれにではあるが、
(と言っても、頻度は時と状況によって、かなり変動する)
職場でもコミュニケーション・トラブルが
起きたりする。

今朝はE上司がやって来て、
昨日のことの会話をした。


E上司;「行き違い・・・」

私;「?」

E上司;「昨日は行き違いがあったんだね」

私;「行き違い? 何の話ですか?」

E上司;「Yさん」

私;「Yさんが?
Yさんが行き違いをしたのですか?
それとも、また言い訳でもしたのですか?」

E上司;「いや、違う」


どうやら、私が耳が聞こえない者だから、
行き違いを起こした、
とE上司は思っているらしい。
それが行き違いだということが、
E上司にはどうしてわからないのか。

「E上司は、また健聴者の上手い口車に
乗せられて、騙されているな」

と思った。


私;「行き違いって、何のことですか?
昨日のことは、行き違いなどではないと
思いますよ」

すると、後からD上司もやって来て、
論争に参加した。

D上司;「誰にだってあるでしょ、行き違いは」

私;「いやいや・・・。
私は行き違いだとは思っていません」

D上司;「いいから、話を聞いて」

私;「はい」

D上司;「誰でも行き違いはあるよ。
健聴者だって。
AさんとSさんだってある。TさんとKさんと
だってある。
みんな同じ。
同じ釜の飯を食って生きているんだから、
仲良くしなきゃ。
短気は良くないよ」

私;「短気ではないです。
大事なことだから、Kさんに聞いたのに、
Kさんは答えなかったからです」

D上司;「わかった、わかった」

こんな感じで話していたら、始業ベルが鳴ったので、
部屋を移動し、朝礼を始めた。
それっきりで、この追及は終わってしまった。

朝礼では、IT取締役が珍しく出席していて、
話をしていた。
どうやら、コミュニケーションの行き違いについて、
皆に話しているようだった。

「聴覚障害者の●●さんとは、筆談で話すように」

とか言っているようだった。
全然おかしいだろう。
彼らは、わかっていなかった。

こんなことを許していたら、こっちの頭がヘンに
なってしまう。

読者の皆さんにも、こんな行き違いの経験は
ありますか?





【追記】(2015年2月24日〔火〕)

2月19日(木)の朝、D上司が、
昨日のことで話をしに来た時のことだ。

私は

「YさんもKさんも、私が教えたことを
全然覚えようとしない」

ことで、私は立腹していた。
そこへE上司とD上司がやって来て、
私をなだめに来た。
D上司は

「あなたはまだ、3月15日まで働いてほしい。
ここには必要な人なんだから」

と言う。
それを聞いた私は

「それならば、何で私は『雇止め』に
なったのだ?」

と内心思い、よけいに納得できなかったが、
仕方がなかった。
それはD上司から、去年に聞いていた。

「なぜだかわからないが、会社の考え方だから」

つまり会社は、助成金が切れた障害者は、
なるべく早く整理したいのだろう。

もしかしたらKさんもYさんも

「どうせあの人(私のこと)は、
もういなくなるんだから、
言うことを聞かなくてもいい」

と思っているのかもしれない。
しかし、そんなことを今さら言っても、
もうどうにもならないことだ。

だが、ここに残る人の今後のためにも、
私はこう話した。


「Yさんはなぜ、私の言うことだけは聞かない
(無視する)のですか?
私が聴覚障害者だからですか?
彼は、他の人(特に健常者)とは話すし、
何か指示があれば、すぐに飛んで行き、
話を聞いてやります。
しかし私とは、そういう態度が正反対に
変わります。
言っても覚えないし、やろうともしないのです。
そしてその後は、教えたことは全部忘れて
しまいます。

だから、そんな彼の態度を見て、
私にはわかります。
Yさんは、私が嫌いなのだと。
しかし、それでも仕事は仕事なのです。

KさんまでもYさんに倣っているようで、
この前も私にばかり雑用を勝手に押し付けて
きて、Yさんには頼みません。
それも、わかっています。

Yさんに頼んでも、ほとんどやらないからでしょう。
私のほうが確実で、仕事が速いからです。
一方、Yさんはやる気がなくて、遅いです。
もう、今までの彼の勤務態度を見ていたのだから、
わかることです。
こんなふうだから、私のほうがいいに決まっています。

でも、だからといって、このままでいいでしょうか?」


ところが、D上司はまるで聞き流しているように

「わかった、わかった」

と言うのである。
そして、Yさんと同じ精神障害者でもある立場から、
Yさんを半分かばい、半分非難するかのような、
わけのわからない発言が飛び出した。


D上司;「Yさんは『分かりました』と言っているが、
何度言っても本当はわかっていないところがある」

私;「えっ?! そうなんですか?
精神障害者にも、コミュニケーション障害が
起きるのですか?
でも、聴覚障害者の場合は、コミュニケーション
方法の違いを解決すれば、コミュニケーション
障害はなくなりますよ。

例えば、私がこの職場で筆談ボードを持参していて、
相手にそれを使ってもらうことで、解決を図っています。

でも、Yさんは、何の努力もしていませんよね。
なぜなのですか?
私が思うには、あれは障害の問題ではなく、
人格の問題だと思うのですが」

すると、D上司もかばいきれなくなってきたのか、
自分の思っていることを話し始めた。

D上司;「Yのああいうところは、性格が悪い、
ということもある。
だから、YにもKさんにも言っておく。
これからは、YにもKさんにも、あなたときちんと
筆談コミュニケーションをするようにさせる。
だから、もう少しの間我慢して、ここにいてくれ」

彼らの性格が直るも直らないも、もう少しの間だ。
私はもう、我慢することにした。




【追記】(2015年3月5日〔木〕)

その後、どうなったかについてだが、
Kさんは変わって、私と挨拶もするし、
話もするし、筆談ボードもよく使うようになった。
つまり、良くなったのである。

しかし、Yさんは相変わらずで、それまで以上に
私を避けるようになっていった。
彼は筆談は勿論、しない。
要するに、Yさんはプライドの塊のような人格者
なのだ。

こういう人に、下の記事がピッタリ当てはまって
いると思う。

『バカがいつまでも聴覚障害者差別を
している時代に』
〔2013-04-03 18:00〕

by bunbun6610 | 2015-02-19 19:48 | E.ネッツトヨタ東京

ある障害者から見た世界


by bunbun6610